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2025年8月12日 (火)

米露会談の罠とは

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トランプが、「ノーベル平和賞狙い」で米露会談をするようです。

「来週の会談で、ドナルド・トランプ米大統領とロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、ウクライナが新たな領土をロシアに明け渡す和平計画について話し合う予定だ。
プーチン大統領は今週初めにモスクワで行われた会談でこの計画をスティーブ・ウィトコフ特使に可決した。
プーチン大統領とウィトコフ氏との話し合いについて説明を受けたチームの一員だったウクライナ大統領府関係者によると、この計画ではキエフは部分的に占領されたウクライナの2つの地域、ドネツクとルハンシクから軍隊を撤退させる予定だという。彼は、デリケートな問題について自由に話すために匿名を条件に話した。
その後、「善意のしるし」として、ロシアはクレムリンが一部の領土を保有するハリコフ州北東部とスムイ州から軍隊を撤退させる予定だ」
(キエフ インデペンデント 2025年8月9日 )
Exclusive: Putin to demand Ukraine cede new territory in 'Alaska peace plan' — US likely to agree, Kyiv to reject

「善意のしるし」ですって、相当に悪いジョークです。
米露でウクライナの頭越しに「領土交換」をしようというのですから、常識を逸脱しています。
しかもそれもプーチンは、ロシアの「善意のしるし」だとまで言う のですから、ハリセンでプーチンのデコを叩きたくなります。
侵略者が侵した他国の領地の交換を条件にする「和平会議」なと、ハナから下心が透けています。

20250812-022944

トランプ氏とプーチン氏の関係 理解に必要な情報一覧 - BBCニュース

トランプがプーチンに示した「ウクライナとの停戦に関する包括的な提案」の内容は、どうやらこのようなもののようです。
実はこれはプーチンとウィトコフ特使との間で出たロシア案を、ほぼそのまま踏襲しています。

「プーチン大統領は『ウクライナがドネツク州から軍を撤退させ、ロシアがドネツク州、ルハンシク州、クリミアを完全に掌握するのであれば完全な停戦に同意するだろう』と述べた」「トランプ大統領はプーチン大統領の提案について『画期的ではないものの首脳会談の準備を始めるには十分魅力的だ』と認めた」と報告した」
(ウォールストリートジャーナル8月8日)

同様にこのような報道もあります。

「ウクライナと欧米当局者は8日に行われた電話会議で『ロシアがザポリージャ州とヘルソン州の占領地に対する領有権放棄に同意した』と結論づけたが、ウィトコフ特使は翌日の電話会議で『プーチン大統領はザポリージャ州とヘルソン州に対するロシアの立場を凍結することにのみ同意した』と明言した」。
トランプ大統領も8日「ウクライナとロシアの潜在的な和平合意には領土の一部交換が含まれる」と、9日「アラスカ州でプーチン大統領との会談を15日に行う」と発表、ロシア大統領補佐官も米露首脳会談に向けて準備が進んでいることを認めた」
(Axios8月8日)

つまりウクライナがドネツク、ルハンシクの東部2州から完全撤退し、代わりにサポリージャとヘルソンの占領地を返してやってもいいよ、という「領土交換」のようです。
これは少しウクライナ戦争を知る者にはピンと来るように、甘い罠です。

他国を侵略しておいて「領土交換」もないもんだ、という声もあるでしょうが、とりあえず置きます。
戦争終結には不条理な「大人の判断」もありえます。
「戦場の現実」は和平交渉において容認せざるを得ない場合も多々あるからです。

しかしそれにしても、このトランプの「和平提案」はひど過ぎます。
下図が今年2月現在のウクライナ戦争の現況です。

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1097日目、死傷者100万人超 数字で見るウクライナの現状:時事ドットコム

問題の焦点はドネツクです。
下図はやや古い2022年7月のものですが、茶色のドネツク州は西側がまったく占領されていないのがわかるでしょうか。

20250812-025513

ウクライナ侵攻 露、ドネツクに攻勢 民間人被害拡大の恐れ | 毎日新聞

そして2025年8月現在に至っても、ドネツクとルハンシクにおいてウクライナ軍は頑強な抵抗を継続しているのがわかります。
航空万能論様が詳細を戦況図をアップされていますので、引用させていただきます。

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ロシア、ドンバスの未占領範囲とスームィとハルキウの占領地交換を提案

青い斜線がウクライナ軍と露軍の競合区域です。
ここには何重に渡って頑強な防御ラインが作られ、ロシア軍は大量の兵員の人海戦術で何百回も突撃をしかけましたが、ことごとくはね返されています。
ここは何年かかっても落とせそうにないから寄こせ、というのがプーチンの言い分です。
虫のいいことよ。

代わりにヘルソンは返すが、と言っていますが、誰が信じるもんですか。
唯一信じているのは、プーチンがあまりに言うことを聞かないので焦り狂っているトランプだけです。
その段になれば、なんくせをつけてダラダラ引きのばすに決まっています。
実効支配というのはそれほど強いカードなのです。

トランプは大乗り気で、いや、なんならゼレンスキーも来たらいいとは、涙が出るほどご親切なお言葉ですが、行くわきゃないだろう。
こんな「領土交換」会議なんぞにウクライナが顔を出そうものなら、それはこのトンデモ和平案を呑むのが大前提だからです。
ゼレンスキーは、直ちにヨーロッパと共にこのようなカウンターを繰り出しました。

「アメリカとロシアの両政府がウクライナでの戦争をめぐり15日に米アラスカ州で首脳会談を開くと発表し、交渉にはロシアとウクライナの「領土交換」が関係するとトランプ米大統領が言及したことについて、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は9日夜、「ウクライナのための和平への道は、ウクライナと一緒に決められなくてはならない」と強調。
トランプ氏が自分に本物の持続的な和平の必要性を伝えたとも明らかにし、自分たちはアメリカの停戦案を支持し続けてきたと述べた。イギリスなど欧州諸国首脳は同日夜、どのような和平交渉にもウクライナの参加が不可欠だと強調する共同声明を出した」
(BBC8月10日)
ウクライナと欧州諸国、和平交渉にウクライナの参加必須と 米ロ会談へ向け - BBCニュース

つまり米露で、ウクライナの頭越しになにを決めようが従わないということです。
残念ですが、ロシアは戦争を止めません。
プーチンは力の信者です。

力の信者は、強制的にその手から武器をもぎ取るしかないのです。

 

 

 

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コメント

これだけの大戦争になったので一見「ドネツク·ルハンシクで済むのなら良い落し所」に見えますが···だいたいクリミア併合だって国際的に承認されていない侵略行為なのに、一方的に侵略されたウクライナがそんなこと飲めるはずがありません。

トランプもなんでこんなに出しゃばって来るのやら。オバマが演説1つだけでノーベル平和賞貰ったのがそんなに羨ましいのかねえ。
今回のタイ·カンボジア国境紛争は「関税」を盾にして停戦させましたけど。
どのみち「自国第一主義」で同盟各国に軍事費を大幅に増やさせるような行為は平和賞に値しませんし(抑止力という軍事力本来の使い方ではあるが自国は出さない)、イスラエル問題だけでもアウトでしょう。

自分達の問題の筈なのに、欧州諸国は当事者という自覚が無いのでしょうか?何時もトランプ大統領に自分達の頭越しにやりたい放題された後から文句を言う、そんなパターンを何度繰り返して来たのやら。

ウクライナはこんな条件飲めませんね。
トランプ大統領、プーチンに会うためロシアへ行きますって、アラスカ州はアメリカですよ。
ワシントンD.C.の治安が悪い州兵入れるとか言ってますが、犯罪は過去30年で1番の低水準だとか。

プーチンとの会談もトンチンカンなことを言わなきゃいいけど。

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