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2025年8月 2日 (土)

英仏加がパレスチナ国家を承認したが

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英仏加が一斉にパレスチナ国家を承認しました。

「カナダのマーク・カーニー首相は水曜日、ガザ戦争をめぐる国際的批判がますます激化するイスラエルにとって新たな外交的打撃となるカナダは9月の国連総会でパレスチナ国家を承認すると述べた。
同氏は、この動きは2026年の選挙、汚職防止措置、非武装化パレスチナ国家など、切望されている改革に対するパレスチナ自治政府のコミットメントに基づいていると述べた。カーニー氏は、「その任務の規模を軽視するような形や形は決してない」と強調した。
首相は「短期的には明らかにそれは不可能だ」と述べ、カナダは「二国家解決の可能性を維持する」ための他の国の取り組みに加わったと付け加えた。
「民主的で存続可能な国家が設立される前に、多くのことが起こらなければなりません」と彼は付け加えた」
(タイムス・オブ・イスラエル2025年 7月 31日 )
フランス、英国に続き、カナダは9月にパレスチナ国家を承認すると発表 |タイムズ・オブ・イスラエル

それに先だって7月25日、その先陣を切ったフランスのマクロンはXに投稿し、このようにパレスチナ国家承認の目的を述べています。

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仏・マクロン大統領 パレスチナを国家として承認へ G7で初めて(2025年7月25日掲載)|日テレNEWS NNN

「今の緊急性は、ガザでの戦争を終わらせ、民間人を救出することです。平和は可能です。 即時停戦、すべての人質の解放、ガザの人々への大規模な人道支援が行われなければならない。
また、ガザの安全と再建のために、ハマスの非武装化を保証することも必要である。
最後に、私たちはパレスチナ国家を建設し、その存続可能性を確保し、その非武装化を受け入れ、イスラエルを完全に承認することによって、パレスチナ国家が中東のすべての人の安全に参加できるようにしなければならない。代替案はない」
XユーザーのEmmanuel Macronさん

つまりこの3カ国のパレスチナ国家承認の目的は、このように要約できるでしょう。

①ガザ戦争の終結と平和の実現。
②停戦の実現と人質の解放。
③ガザの再建。
④ハマスの非武装化。

いままでG7はパレスチナ国家を承認してきませんでした。
それは10.7のハマスのテロに対して、これらの国が一斉にハマスを批判し、イスラエルの自衛権を認めたことでも明らかです。
しかしガザ戦争が深みにはまり、住民の大規模な被害が明らかになるに応じて、彼らのイスラエル支持は大きく揺らいでいきました。
そしてこのパレスチナ国家承認となるわけですが、果たしてこれで上記の目的は達せられるでしょうか。

おそらくは不可能です。
カナダのカーニー首相が触れているように、「2026年の選挙、汚職防止措置、非武装化パレスチナ国家など、切望されている改革に対するパレスチナ自治政府のコミットメント」がとうてい実現するとは思えないからです。
カーニーが言うように、パレスチナ自治政府の汚職の度合いは深刻で、世界から送られてくる支援資金はアッバスが私物化していることは有名な事実です。

自治政府とは名ばかりで、選挙さえ実施されてきませんでした。
したがって、パレスナ住民のアッパスへの不信感は根深く、ほとんど支持を失っている始末です。

「これと同時にパレスチナでもリーダーへの不満が先鋭化している。パレスチナのシンクタンクPCPSRの最新の世論調査では、ヨルダン川西岸とガザ地区で合わせて84%の回答者が、自治政府を率いるアッバス議長について「辞任すべきだ」と回答した。
歴史的な大失態を許し、国民の8割が辞任すべきだと考えているネタニヤフと同じか、それよりも高い水準だ」
(曽我太一 ニューズウィーク2024年5月14日)
ネタニヤフと並ぶ「もう1人のリーダー」...混迷パレスチナのアッバス議長に市民が求めるものとは|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

自治政府の汚職もさることながら、ここで3カ国が期待している選挙ができるかどうかが鍵となるはずです。
実はいままでも21年1月に16年ぶりとなる議長選挙が実施できるチャンスがありましたか。
しかし予想どおりお流れとなって、以降は選挙は行われていません。

その理由はいくつかあります。
最大の理由は、アッバスが富の源泉である自治政府という金のなる木を手放したくないということがあります。
アッバスは、世界から送られてくる支援金をほとんど自分の懐にねじ込んできました。
ですから、自治政府がほとんど住民サービスをなにもしていない看板だけのものになろうと、自治政府の支配権がヨルダン川西岸の一部に限定される狭いものだろうと、代表の椅子を失いたくなかったというのがほんとうのところです。

ガザ戦争まで実際の支配者であったハマスにとっても、自治政府は都合のいい隠れ蓑でした。
彼らはその組織力を使って、本来自治政府がすべきことを代行してきました。
ハマスがむき出しで存在するより、よほどスマートだったからです。
たとえば、ガザ保健省とはハマスのことであることは誰しも知っていても、言わない約束だろうというわけです。
つまりハマスとアッバスは持ちつもたれずの仲でうまくやってこられたのです。
選挙さえしなければ。

そしてその選挙も現実にできるかといえば限りなくノーです。
もうひとりのガザの主役であるイスラエルの思惑が絡んでくるからです。

「もちろんパレスチナの選挙は一筋縄ではいかない。イスラエルでは容易に行われる選挙も、パレスチナ自身の一存では決められない。占領下にあり、パレスチナが将来の国家の首都とする東エルサレムの扱いは極めてセンシティブだ。
公に選挙を認めれば、東エルサレムに対するパレスチナの政治的な権利を認めかねず、イスラエルは納得しない。かといって、東エルサレムで実施しなければ、イスラエルの支配をパレスチナが認めることになる」
(NW前掲)

東エルサレムという係争地で選挙を実施せねば自治政府の選挙とならず、ここを自国領土とするイスラエルが頑として認めない以上、選挙は不可能です。
ですから、選挙ができない以上、これら3カ国の自治政府承認構想は絵に書いた餅となる運命にあります。

そもそもカーニーが言う、「ハマスを排除した自治政府」などどうやったら作れるのか、ハマスが人質を解放するにはどうしたらいいのか,皆目見当がつきません。
それには一定の強制力が必要でしょうが、それをどこからもってくるのか示さなければ、机上の空論です。

かつて1993年、クリントン政権はノルウェイの仲介の下にパレスチナ自治政府を目指すPLOとイスラエルとの和平を実現したことがありました。
いわゆる「オスロ合意」です。
夢が一瞬叶ったかに思えた時期でしたが、あえなく崩壊して久しく、しかも10.7という残虐なテロとガザ戦争を経てしまった現在、その再現は限りなくゼロです。

 

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コメント

PLOの後継組織だけどファタハじゃ無理!
完全に腐ってやがる。ヨルダン川西岸でイスラエルが入植地を増やし続けても何もしないし、出来ない。そんなんじゃ住民からの支持も得られない。
一頃ファタハよりも過激なハマスが実権を握ったのは当然でしょう。イスラエルへの喧嘩の売り方間違ったけど。ここまでやり返されるとは思っていなかったかと。

マクロン初め各国もそんなことは分かっていて、トランプのアメリカとイスラエルに対して『道義的』とか「人権」とかを振りかざして見せてるだけでしょう。

今評判のアニメに出てくる「生殺与奪の権を他人に握らせるな!!」ということですわ。以前の記事に出ていたように、どんなにボコボコにされていようとも、パレスチナ人の国はパレスチナの民衆自身が立ち上がって建設するしかありませんや。他人の力を借りると、他人の都合のよいようにされてしまうだけです。

後世に、新生パレスチナ建国の英雄として語られるようになる傑出した人物が出現するまで、パレスチナ人はボコボコにされ続けるような気がします、お気の毒ですが。

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