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2025年9月

2025年9月30日 (火)

ステマ、おとがめなし

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小泉氏のトップは変わらないようで、なんと2位には石破氏の下で官房長官をしていた林氏、そして3位に高市氏という展開のようです。
逢沢選管は「総裁選規約に抵触しかねない」と言っていますが、要はおとがめなしです。
「抵触しかねない」、なに言ってんだ。
「何人も、選挙の清潔、明朗及び公正を害する行為を行ってはならない 」(自民党総裁公選規程第12条第2項)という行為そのものじゃないか。
これでこの総裁選は菅・岸田・石破らのボスどもに忖度したホームタウンデシジョンがまかり通る場だとわかりました。

「自民党総裁選挙管理委員会の逢沢一郎委員長は29日、総裁公選規程に抵触しかねない陣営間の感情的対立をあおる恐れのある事案を受け、陣営の選挙責任者を厳重注意したとする声明を所属議員宛てに出した。名指しは避けているが、小泉進次郎農相陣営による配信動画へのコメント投稿要請が念頭にあるとみられる。関係者が明らかにした」
(共同9月29日)
総裁選管、対立扇動に厳重注意 小泉陣営の投稿要請が念頭か(共同通信) - Yahoo!ニュース 

バカバカしくてやってられない。
おい自民党、国民を敵にしたいのか。
私のような古くからの自民党支持者はまだ怒る気持ちが残っていますが、若い世代はもう怒りもしないことでしょう。
自民党など共産党と一緒で、ただの「老人の党」「昭和の党」にすぎないからです。
それでもジュニアのよう超軽量候補が勝ててしまう、林が2位でいばっていられる、それが老人の党のゆえんです。

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次の総裁“本命”は誰?ジャーナリストが票読み予想「ステマ問題は痛い」「党員票が今後の流れを大きく変える」 (ABEMA TIMES) - Yahoo!ニュース

しかも小泉氏と林氏は、決戦になった場合は連合を組むと予想されていますので万全です。
なんだデキレースじゃないか。
どんないい政策をだそうが、人間的魅力があろうが、初めから結果はできてんだよ。
初めから選挙なんかする必要なんかなかったんですよ。
ゲルが、ああ、次はコイズミちゃんにしてね、でよかっかた。
こんなもんは「選挙」じゃない。

小泉氏、あるいは林氏が勝利した場合、「オール自民」「挙党体制」の名の下に岸田氏が復活するかもしれません。石破氏が副総理なんてね。
要するに、自民はこの3連敗に対してなんの反省なく、自浄能力もないということです。
中がウロになってしまった空虚な大木、「陽だまりの樹」そのものです。

高市氏はかつて彼女を支えた保守系党員・党友が自民党から離れてしまったために、厳しい戦いを強いられているようで、今回は無理のようです。
そもそもいくら地方票や党員票を集めても、守旧派連合で決戦に持ち込まれたら勝てっこないですよ。
高市氏で離れていった保守層が戻らないなら、もうこの党はダメってことです。
高市さん、もうこんな腐り切ったところは出て、国民などと新党を作って出て行ったほうがいいんじゃないかしら。

まったく焦点になっていないようですが、エネルギー問題は重要な指標です。
再エネについて明確にゼロベースで考えるとしているのは高市氏、小林氏のみで、ジュニアは再エネと原発でなどといういう言い方でお茶を濁しています。
AIに核候補の政策を要約してもらいました。

高市氏と小林氏は太陽光発電の抱える問題点を指摘し、過度な太陽光依存に反対しています。

・高市氏:大規模メガソーラーによる自然環境破壊に懸念を示し、乱開発を誘発する補助金制度の見直しを訴えています。
・小林氏:太陽光発電が天候に左右されて安定しないこと、コストが高く国民負担が増えること、パネルの多くを中国製に依存しており安全保障上のリスクがあることを理由に挙げています。また、「脱炭素から低炭素へ」を掲げ、天然ガスや高効率石炭利用、原子力発電の推進も提唱しています。
・茂木敏充候補、林芳正候補、小泉進次郎候補:再生可能エネルギーと原子力エネルギーを最大限に活用する方針を示しており、原子力についてはリプレースを含めて進めるとされています。

再エネを詳細に説明しようかと思いましたが、なんかばかばかしくなったのでここまでとします。
初稿とまるで違ったものになってしまいました。すいません。

2025年9月29日 (月)

小泉氏が総裁選を撤退していないことに驚きました(うそ)

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うーん、ちょっと意外でしたね。
小泉ジュニアはまだ候補を辞めていないんですね。
私は先週に発覚した時点で撤退を決意したかと思っていました。(ホントは思っちゃいなかったけど)

小泉陣営が仕出かしたのは、ステルス・マーケッテイング、つまり「ステマ」というリッパな犯罪行為です。
2023年10月1日より、日本では景品表示法によってステマは規制の対象となり、ステマ規制に違反した場合、事業者には2年以下の懲役または300万円以下の罰金が科せられる可能性があるという犯罪行為です。

しかも今回は組織ぐるみであることが致命的です。
ただの小泉ファンがしたのではなく、小泉陣営の広報責任者であく牧島かれん氏が主導しています。
それにも関わらず、小泉ジュニアはこういう弁明で逃れようとしています。

「小泉氏は26日の記者会見で、「私自身も知らなかったとはいえ申し訳ない」と謝罪したうえで、「最終的に起こってしまった責任は私にあり、批判はしっかりと私が受けたい」とも語った。
当の牧島氏は「他の支援議員から私の事務所に問い合わせがあったことに対し、私の事務所の判断で参考例を送った。私自身の確認不足により、一部いきすぎた表現が含まれてしまった。申し訳なく思っている」とコメントした」
(産経9月28日)
小泉陣営の誹謗中傷「ステマ要請」は立候補辞退もの、勝っても「正当性」に疑問 有元隆志 - 産経ニュース

小泉氏本人は「知らなかった」、牧島氏は「確認不足で一部に行き過ぎた表現があった」ことを謝罪しているだけです。
ちょっとちょっと、そうじゃないでしょう。
両人とも自分がやったことを軽く扱って、謝罪したふりをしているだけです。

社長が、ダメージを矮小化したり、現場の責任にするだけでは危機管理になりません。
企業全体の責任を問われているときに、ボスはこういうすり替えをして口をぬぐうのだ、と思われてしまいます。
このほうが企業に与える損害が大きいのです。
今回これをやったのがジュニアです。

少なくとも「解党的出直し」を説法している候補者がやるこっちゃない。
自分のやったことは軽くて、旧安倍派の記載漏れは何度でも同じことを蒸し返して処分する、これが党改革だと思われることでしょう。

牧島氏は元デジタル相でありながら、ステマ行為の犯罪性を知らずにいたことが問題ですし、小泉氏はそのような違法行為をする人間を、広報責任者に任命したことが問題なので、「知らなかった」からいいのではなく、知らなかったことこそが問題なのです。
総裁選は総理となった時の予行演習みたいなもんです。
総理が「アレは担当大臣がしたこと」で済ましていいものかどうか、少しは考えなさい。

しかもこの文面は、真面目に政策を論じたものではなく、「ようやく真打ち登場!」「これは本命候補でしょ!」「あの石破さんを説得できたのスゴい」「なんか顔つき変わった!?」「去年より渋みが増したか」といった歯の浮くようなヨイショと、高市候補に対する「ビジネスエセ保守に負けるな」という 誹謗までしているのですからしょうもない。

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衆議院議員 小泉進次郎|立て直す。国民の声とともに

では、このステマ行為によってなにが国民の中に生まれたでしょうか。
こんなことは総裁選の氷山の一角だ、もっとなにかあるはずだという、自民党の透明性、公正性、清潔性にたいする根強い疑惑です。
一国の首相を選ぶに等しい総裁選がインチキだろうと思われてしまうわけです。
いいんですかね、これは仮に小泉政権が生まれてもついて回りますよ、ステマは国際的に禁じられた行為だからです。
「ステマ総裁」「ステマ総理」と日本国首相が呼ばれてしまうのです。

当然のこととして、自民党総裁公選規定の重大な違反です。

「何人も、選挙の清潔、明朗及び公正を害する行為を行ってはならない 」
(自民党総裁公選規程第12条第2項)
総裁公選規程 - 党則

この小泉陣営の違法行為に対して、党の名誉を著しく損なう行為があったとして、党本部管理委員会は党紀委員会の審議対象とするよう要請するのが筋です。
さもないと、このステマ行為を容認したことになってしまいます。

小泉氏は盛んに「優先順位」を口にします。
前回総裁選で夫婦別姓をいの一番でするといったことも、逆風が吹くやいなや取り下げて、今回は「何に政治のエネルギーを使っていくべきかという優先順位は重要だ」という言い方で逃げています。
ならば、今回総裁選自体の透明性に重大な汚点を残したのですから、そこにこそ優先的に「政治的エネルギー」を使われたらどうですか。

たぶん大方の自民党諸氏には今回の問題は響かないでしょうね。
だからこんなことかあっても小泉氏はたぶん勝つ、それが自民党という「陽だまりの樹」です。

 

 

2025年9月28日 (日)

日曜写真館 蕎麦白き花野をゆけば花野哉

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花蕎麦のひかり縹渺天に抜け 大野林火

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道草の 先陣は蝶 蕎麦の花 伊丹三樹彦

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風かるき一と日のをはる蕎麦の花 鷲谷七菜子

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空からは蕎麦白雲や渡鳥 野坡

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暮れても蕎麦の花があり月があり 荻原井泉水

 

 

 

2025年9月27日 (土)

小泉氏、ステマ疑惑にはまる

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あーあ、やってしまいましたね。
優勢に運んでいた小泉氏がいかにもいかにもの失敗です。
今回は万全のシフトで望み、岸田・菅・石破をバックにして優勢に進めながら、こういう脇の甘さでコケそうになるとは、いかにもジュニアらしい粗忽さで微笑ましいくらいです。

あまりこういうテーマは苦手ですが、触れないわけにもいかないでしょう。

小泉ジュニア氏の陣営に対するステマ疑惑は、自民党総裁選の最中に浮上しました。
文春のスクープから始まり、複数の情報源から詳細が明らかになっています。
小泉陣営も事実を認めざるをえなくなっています。

「自民党総裁選に立候補した小泉進次郎農林水産相の陣営が、インターネット上の配信動画に小泉氏を称賛するコメントを投稿するよう要請するメールを陣営関係者に送っていたことが25日分かった。今週発売の週刊文春が報じ、小泉氏陣営の事務局幹部を務める小林史明衆院議員が国会内で記者団に事実関係をおおむね認めた」
(産経9月25日)
小泉進次郎氏陣営が「ステマ要請」 文春報道の事実関係認める「ルール守る方針共有」 - 産経ニュース

この問題は単に失言をしたしないというレベルではなく、自民党広報副本部長の牧島かれん氏がかかわってしまっていることで、解党的出直しを唱えているジュニアにとってかなりの痛手となりました。
いかに公職選挙法の枠外であろうと、こんなステマ疑惑をやってしまっては自民党総裁選自体の透明性や公正性がグラつきます。
本来は自民党がこの牧島氏に対して広報副本部長を解任し、小泉陣営に強い警告を出すべきでしょうが、なんの動きもありません。

牧島氏は父親の代から小泉家に使えた家柄だそうで、小泉選対の総務・広報をしています。
バックには菅氏がいるようです。

勝利を掌中にしつつあったジュニア陣営にとって思わぬ落とし穴でした。
今後の候補者討論会では、ここを他の後者から責めたてられるでしょうね。
ただちゃんとした政策論争をやってほしいもので、こちらにシフトしないようにお願いします。

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牧島かれん氏
文春

「アゴラ」によれば、疑惑の内容はこうです。
牧島かれん事務所の「ニコ動ステマ指示」で小泉進次郎陣営に大打撃 | アゴラ 言論プラットフォーム

  • 牧島かれん元デジタル相の事務所が、進次郎陣営の「総務・広報」として関係者にメールを送信。
  • メールには〈石破さんを説得できたのスゴい〉〈泥臭い仕事もこなして一皮むけたのね〉など、24パターンもの肯定的コメント例が記載され、投稿を呼びかけていた。
  • 「ビジネスエセ保守」といった高市早苗氏への中傷とも取れる表現も含まれていた。
    [ステルスマーケティングの手法]
  • 肯定的なコメントを多数投稿させることで「進次郎人気が圧倒的」という雰囲気を演出し、「なら応援しよう」という流れを作る狙い。
  • これは宣伝・操作目的の投稿を仕込む典型的な“ステマ”手法と指摘されている
  • 陣営幹部の小林史明議員は「事実関係をおおむね認める」と説明。
    [陣営の対応]
  • 一方で「特定候補を批判する意図はない」とし、牧島氏も「特定候補を意識したものではない」と反論している。
  • しかし「伝聞情報を基にした話」といった表現を使い、自らが直接指示したと明言せず、責任を曖昧にする姿勢が見られる。
    [政界内の反応]
  • 高市氏を支援する山田宏参院議員は「自民党再生をかけた総裁選を貶める重大事案」として、説明責任を強く要求。
  • ネット上でも「公平性を損なう」との批判が噴出している。[総裁選への影響]
  • 総裁選の公正性や透明性に疑問を投げかける事態となり、進次郎氏のリーダー像や陣営の信頼性に大きな傷がつく可能性がある。
  • 高市氏や他候補への影響も含め、総裁選全体の構図を左右しかねない。
    [こういうメールを欲しいとしてSNSに流れた文例]
    ・ようやく真打ち登場!

    ・これは本命候補でしょ!
    ・総裁まちがいなし
    ・あの石破さんを説得できたのスゴい
    ・なんか顔つき変わった!?
    ・去年より渋みが増したか
    ・泥臭い仕事もこなして一皮むけたのね
    ・困った時のピンチヒッター感ある
    ・期待感しかないでしょ
    ・野党への切り返しはするどかったぞ
    ・コメ大臣は賛否両論だけど、スピード感はあったな
    ・単純にいい人そうなんだよな~
    ・確かに若手の面倒見良さそう
    ・むやみに敵を作るタイプじゃない
    ・頼む 自民党を立て直してくれ
    などなど

2025年9月26日 (金)

ウクライナ戦争の落し所・朝鮮戦争型休戦に現実味

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トランプがウクライナに対しての態度を変化させました。
この人物の豹変ぶりには毎回うんざりさせられますが、今回はプーチンへの深い不信感が底流にあります。
国連総会前段での発言です。
BBCの記事にはいい意味での驚きがにじんでいます。


「アメリカのドナルド・トランプ大統領は23日、ウクライナは「全土を元の形で取り戻すことができる」と、自分のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」に投稿した。ウクライナとロシアの戦争に関して、立場を大きく転換させた。
この発信に先立ち、トランプ氏はこの日、米ニューヨークで開かれている国連総会で演説。その後、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領と会談した。
トランプ氏は投稿で、ウクライナはヨーロッパと北大西洋条約機構(NATO)の支援と、ロシア経済への圧力によって、「この戦争が始まった時点の元の国境線」を取り戻すことができるとした。
また、「もしかしたら(ウクライナは)それよりも先まで行くかもしれない」とも書いた。それが何を指すのは明らかにしなかった。
トランプ氏は、2014年2~3月のロシアによるクリミア侵攻と併合については言及しなかった。ロシアはその8年後の2022年2月に、ウクライナ本格侵攻を開始した」
(BBC9月24日)
トランプ氏、ウクライナは全土をロシアから取り戻せると 立場を一転 - BBCニュース

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BBC

国連総会では、トランプはゼレンスキーと個別に会談しており、ゼレンスキーは慎重ながらも手応えを感じているようです。


「ゼレンスキー氏はその後、米FOXニュースの番組に出演。トランプ氏の投稿には驚いたが、トランプ氏とアメリカが「戦争の終わりまで私たちと共にある」という「前向きなシグナル」だと受け止めたと述べた。
また、「プーチンがトランプ大統領にあまりに何度もうそをついていたことも、私たちの違いを示して、大きく作用したと思う」と話した」
(BBC前掲)

いや、まったくそのとおり。プーチンはトランプとの個人的関係を誇示しながらも、いささかも譲ろうとせずゼレンスキーが言うように「何度も嘘をついた」ことは、いたくトランプの自尊心を刺激したようです。
いや戦争を止めるどころか、ウクライナ周辺国のポーランド、ルーマニア、エストニアに無人機で大規模な無人機攻撃を行って、領土拡張の野心を隠そうともしなくなりました。

「ポーランドのシコルスキ外相は10日、ロシア無人機による領空侵犯についてロシア側に抗議したと明らかにしました。ポーランド当局によりますと、9日の夜から10日の朝にかけてロシアの無人機19機が領空侵犯し、NATO=北大西洋条約機構の戦闘機が無人機3機を撃墜したほか16機の残骸が見つかったとしています。シコルスキ外相は、「領空侵犯が事故ではなかったことに疑いの余地はない」と強調し、ロシアによる計画的な挑発行為との見方を示しました。一方、ポーランドに駐在するロシアの臨時代理大使は、無人機はロシアのものではないと否定しているということです」
(テレ東BIZ 9月11日)
無人機侵犯は「計画的」 ポーランドがロシアに抗議|テレ東BIZ

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(テレ東BIZ 9月11日)

テレ東BIZ

強い危機感を持ったポーランドは、NATOに対して条約4条の発動を求めました。

「NATOは、「一国への攻撃は全加盟国への攻撃」という原則を採用する。NATO条約第4条では、加盟国はNATOの主要な意思決定機関である北大西洋理事会に正式に問題を提起し、同盟国と協議して今後の対応について話し合うことができると規定されている。
「いずれかの締約国が、いずれかの締約国の領土保全、政治的独立または安全保障が脅かされていると判断する場合には、いつでも協議を行う」というのが同条の文言だ」
(CNN9月12日)
ロシアのドローンによる領空侵犯、ポーランドのNATO第4条発動は何を意味するのか - CNN.co.jp

4条は5条自動参戦条項の前提となる条項です。
「締約国が、いずれかの締約国の領土保全、政治的独立または安全保障が脅かされていると判断する場合には、いつでも協議を行う」という危機感に満ちた内容で、5条発動の地ならしの役目も負っています。

このようにプーチンが望むのは平和ではなく、戦争のウクライナを超えた拡大であることが明白になりました。

「トランプ氏はこの日、国連での演説のあと、このところ東欧ポーランドルーマニアエストニアでロシア軍の戦闘機やドローンによる領空侵犯が相次いだことに関して、記者団の質問に答えて、NATO加盟国はそれらを撃墜すべきだと述べた5
(BBC前掲)

このような状況を受けて、ゼレンスキーは和平について朝鮮戦争型休戦モデルを検討していることを明かしました。

「「ウクライナのゼレンスキー大統領はフランスの雑誌「ル・ポワン」とのインタビューで、「朝鮮戦争シナリオ」について言及し、「朝鮮戦争では、真の和平協定は締結されなかったが、韓国はその後、経済的に繁栄した。朝鮮戦争の休戦モデルは検討の余地がある」と主張したという」
(長谷川良ウィーン発コンフィデンシャル9月24日)
トランプ氏「ロシアはペーパータイガーだ」 : ウィーン発 『コンフィデンシャル』

朝鮮戦争は、1950年6月25日に始まり、1953年7月27日に休戦協定が結ばれるまで続いた戦争ですが戦争は長期化し、両軍が激しい戦闘を繰り返しましたが、決定的な勝敗がつかない膠着状態に陥りました。
そしてソ連が提案して休戦協定を締結したわけですが、それははあくまで「休戦」であり、完全な和平には至っておらず、国際法上は現在も戦争状態が継続しています。
朝鮮半島は韓国と北朝鮮の南北に分断されましたが、南北間は戦争後も和平協定は締結されず、休戦状況のままです。

つまり互いの占領地の主権は動いていないわけです。ここが胆です。
ロシアはウクライナ4州をすべてロシア領として認めることを休戦の絶対条件にしていますが、実はこの4州の軍事占領は完成していません。
特に戦闘の中心であるドネツク州は3分の1ちかくをウクライナ軍が押さえており、ロシア軍に強く抵抗しています。
この境界には十重二十重のウクライナ軍防衛陣地が構築され、ロシア軍の占領を阻んでいます。
このドネツク戦線だけでロシア軍はおそらく万のケタの戦死者を出しているはずです。

だから休戦という名目でこの防衛陣地を放棄してロシア領として正式に割譲しろ、もちろん主権はロシアのものだ、これがプーチンの主張です。

逆にウクライナも、驚異的粘りで耐えていますが、今後この占領地の全面奪還はそうとう困難であることはいうまでもありません。
そこでこの朝鮮戦争型休戦の出番となるわけです。
ロシアが望むような主権までロシアに譲ってしまうのではなく、現状で銃を置くということです。
そして国際休戦監視団が割って入り休戦を担保します。
この朝鮮半島型休戦方式は、ウクライナ戦争を休戦に向かわせる実現可能なシナリオではないかと思います。

ただしお断りせねばならないのは、このプランに今のプーチンが乗る可能性は低いということです。
プーチンはいくらでも戦死者を積み上げて平気な絶対的独裁体制を持っています。
この狂人が納得するには「戦争を終わりにせねば巨大な災厄が来る」という恐怖が必要です。
それは中国、インドがロシア産原油を買えなくなるという財政的枯渇か、あるいは軍事的破滅です。
この双方を準備できるのは米国以外ありえません。


 

2025年9月25日 (木)

パレスチナ国家承認は有効か?

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国連において、パレスチナ国家承認の動きが進んでいます。


「カナダ、オーストラリア、イギリスは21日、それぞれパレスチナ国家を承認すると発表した。各国とも、前もって方針を示していた。パレスチナとイスラエルの間の中東和平問題解決を目指す2国家解決策の推進に向けて、3カ国で協力体制を組む意向という。
イギリスのキア・スターマー首相は、パレスチナ国家承認の時が「今まさに訪れた」と強調。「本日、平和と2国家解決への希望を再生するために、私はこの偉大な国の首相として、イギリスがパレスチナ国家を正式に承認することを明言する」と表明した。
また、「本日、我々はパレスチナ国家を承認している150以上の国々に加わる」と述べ、これは「より良い未来が可能だという、パレスチナとイスラエルの人々への誓いだ」と述べた」
2025年9月22日 
「今まさにその時が来た」スターマー英首相がパレスチナ国家承認を発表 - BBCニュース

ちなみに駆け込み的に、ウチの国の首相もこんなことを述べています。

「中東情勢をめぐっては、パレスチナの国家承認について「『するか否か』ではなく『いつするか』の問題だ」と述べ、イスラエルが「二国家解決」への道を閉ざすさらなる行動をとる場合、承認する可能性を示唆しました。
また、パレスチナ側に対しても責任ある統治体制の構築やイスラム組織ハマスによる人質の解放などを強く求めました。
結びに、日本は戦後、アジアの人々の寛容の精神に支えられ、世界の恒久平和の実現に力を尽くしてきたと振り返り「分断よりも連帯、対立よりも寛容を。日本はこれからも国際社会とともに歩んでいく」と強調しました」
(NHK2025年9月24日)
石破首相 国連総会で演説 安保理改革や「二国家解決」を訴え | NHK | 国連

独にも薬にもならない演説ですが、まぁおかしな歴史認識の最後っ屁をするとも言われていたので、それよりもマシではあります。

世界の主流は二国家共存、パレスチナ国家承認の流れとなっています。
G7諸国でも、左派政権の国々である英仏は承認に走り、メローニ首相率いるイタリア政府は反対の立場を示しています。
もちろんトランプの米国は揺るがずにイスラエル支持を示し続け、米国に追随するのが唯一の外交方針の石破政権は、イスラエルのガザ再侵攻に対して「断じて容認できず、この上なく強い言葉で非難する」としつつ、国家承認はしないというどうとでもとれる所に落ち着いたようです。

米国においてトランプは、パレスチナ問題に絡んで、国内のアンティファに対するテロ団体指定に向かっています。

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アンティファ、NYの店舗を再襲撃 ── BLMから3ヵ月の今、叫ばれる「割れ窓理論」(安部かすみ) - エキスパート - Yahoo!ニュース

「トランプ米大統領は22日、極左運動「アンティファ(反ファシスト)」を国内テロ組織に指定する大統領令に署名した。保守派活動家チャーリー・カーク氏殺害事件を受け、左派系団体への監視を強化する一環という。
今回の大統領令では、関係する全ての連邦機関に対し「アンティファおよびその名の下で活動する者による違法行為、とりわけテロ行為に関して、あらゆる適用可能な権限を用いて捜査、妨害、解体する」よう指示している。
トランプ氏は以前からアンティファを「主要テロ組織」として正式に指定すると警告しており、今回の大統領令でそれを実行に移した形だ。  こうした団体に対し、政府がどのように対応していくかは依然不透明だ。米連邦法では国際的な組織を外国テロ組織に指定することは可能だが、国内組織に同様の枠組みは存在しない」
(ブルームバーク2025年9月23日)
トランプ大統領、極左運動「アンティファ」を国内テロ組織に指定 - Bloomberg

アンティファ運動は日本では共産党がやっているように、明確に共産主義をバックボーンにして生まれています。
下の写真は、アンティファのシャッツを着てはしゃいでいる共産党の山添拓氏、吉良よし子氏と& 池内さおり氏らです。

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彼ら共産党はアンチアベをかかげてこんな暴力デモもやっていました。

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BLMやアンティファといった米国内の極左運動は、偶然に生まれたものではなく、周到に左翼組織が準備し組織したものでした。

大学キャンパスでの最近の親パレスチナ抗議行動の波は突然やってきて、全国の人々に衝撃を与えた。しかし、いくつかのデモの根底にある政治的戦術は、長年の活動家や左翼グループによる何ヶ月にもわたる訓練、計画、奨励の結果でした」
Students Trained for Pro-Palestinian Protests With Veteran Activists for Months - WSJ

BLMやアンティファについて、米国に亡命している民主活動家の中国人ジャーナリスト何清漣はこう語っています。

「私は最近、自分の原稿の中に、この運動(BLM運動)と中国文革にはよく似たDNAがあると書いた。なにかって?みなさんご存じのように中国の文革の核心はマルクス主義であり、マルクス主義の核心理論は暴力革命。
既存の国家メカニズムを破壊し、新たな国家メカニズムを打ち立てること。これはなぜ民主党が首長の各州で警察機構がマヒしているかの理由でもあろう。
文革期の公安、検察、裁判所で同様の打ちこわしがあったことと同じだ。このようにして初めて、法執行機関の介入なしに、すべての“四旧”を好きなようにできるのだ」
(福島香織の中国趣聞(チャイナゴシップ) NO.103  2020年6月28日)

BLMは米国版文革運動であり、アンティファは紅衛兵でしたが、これに立ち向かって秩序を回復させようとしたのがトランプであり、煽ったのが民主党系知事たちでした。
米国の紅衛兵・アンティファ: 農と島のありんくりん
アンティファの三つの歴史的刻印とは: 農と島のありんくりん

そしてこの親パレスチナ運動の激化は、同時に進行していた大統領選に大きな影響を与えました。
特にこの親ハマス組織が夏の民主党大会を標的にしたために、民主党はより親パレスチナ・反イスラエル的な候補に差し替えることを余儀なく去れました。
それがバイデン降ろしであり、党内極左派に属するカマラ・ハリスの登場です。

それはさておき、このパレスチナ国家承認は現実に何かを変革するでしょうか。
おそらくなにも変わらないでしょう。
パレスチナ現地はしらけきっているようです。

「フランスによるパレスチナ国家の承認に対する世界的な期待が広まっていたにもかかわらず、イスラエルが支配するヨルダン川西岸の住民は、この動きが日常生活に目に見える影響をほとんど与えないと感じていた。
パレスチナ自治政府の本拠地であるラマッラーの路上では、フランスのエマニュエル・マクロン大統領が承認を発表した国連集会の様子がスクリーンに映っておらず、ほとんどの人が視聴しないと述べた。
「もちろん(承認は)良いことですが、たとえ全世界がそれを認めたとしても、パレスチナの状況は改善されません」とラマッラーの静かな商店街でザイン・アブデル・ワハブさん(18歳)は語った」
(タイムスオブイスラエ9月23日)
ヨルダン川西岸のパレスチナ人は、フランスの国家承認を無視する:「これは私たちに何をもたらすのか?」 |タイムズ・オブ・イスラエル

そもそも「パレスチナ国家」とはなんなのでしょうか。
公式には、ヨルダン川西岸を「統治」しているとされているパレスチナ自治政府(PA)でしょうが、彼らは軍隊も統治機構も欠落したただの利権集団にすぎません。
彼らにガザまで含むパレスチナ全体を代表する能力もなければ、その気にさえなっていないでしょう。
ガザを「統治」していたのはハマスです。
しかしハマスが合法的統治をできるかといえばありえません。
ハマスは中東諸国から警戒されていく過激テロ組織であって、イランによって作られたものです。
ハマスは10.7のテロで、すでに合法性を喪失しており、彼らの排除は国際社会も同意しています。

ならば「パレスチナ政府」とはなんなのか?実態があるのか?という根本問題にたとりついてしまいます。
この問題が明らかにならないまま、パレスチナ承認もなにもあったもんじゃありません。
それはただのキレイゴトです。

 

2025年9月24日 (水)

沖縄県ワシントン事務所問題の闇

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「珊瑚を大切に」さんからなんどかリクエストを頂いている、沖縄県ワシントン事務所問題を取り上げます。
かつての翁長時代から何回か記事にしたことがあります。
翁長知事の危険な「二元外交」: 農と島のありんくりん
沖縄県の怪しき「駐米大使館」の末路: 農と島のありんくりん

私からすれば、いいかげん決着をつけなさいよ、と言いたくもなくほど長い時間が経過しています。
初めに翁長前知事がワシントンDCに沖縄県事務所を作ったのが、2015年4月ですから、かれこれ10年もたってしまいました。
この間、設置を決めた翁長氏は死去し、後継のデニー知事はいっそう問題をこじらせて隠し通すことができなくなりました。
そしてとうとう2024年9月の議会で仲里全孝議員(沖縄自民党・無所属の会)の一般質問によって告発が開始されると、県議会本会議で2023年度一般会計決算が不認定となっています。
また2024年11月25日には、「沖縄自民党・無所属の会」、「公明党」、「維新の会」が問題究明のためのプロジェクトチームを立ち上げるに至っています。
「玉城知事に対して「野党・中立」の立場をとる3つの会派が県のワシントン事務所をめぐる手続きが不透明だとして提出した動議が可決され、県の監査委員による監査が行われることになったほか、県の昨年度の決算が本土復帰以降初めて不認定となりました。
26日開会した県議会の11月定例会で、玉城知事に対して「野党・中立」の立場をとる「沖縄自民党・無所属の会」、「公明党」、「維新の会」の3つの会派は、県がアメリカの首都ワシントンに設置している事務所について、設置や運営の手続きが不透明だとして、地方自治法に基づく監査を求める動議を提出しました」
(NHK2024年11月26日)
沖縄県ワシントン事務所関連決算不認定 監査委員による監査へ|NHK 沖縄県のニュース
なに聞いたことがない?
それはそうでしょうと、この不都合な県政の歪みについて沖縄地元メディアは報道しない権利を行使しまくって隠蔽に走りましたからね。
ただし今は、この10年もの経過の間に、この事務所が抱えていた諸々のいかがわしさが、デタラメぶりが少なくとも県議会では明らかになっています。
きっかけは2024年8月の県議選でのオール沖縄の大敗でした。
翁長氏が「沖縄の保守と革新を問わない」、反基地のワンイッシュで作ったオール沖縄はこれで事実上崩壊しました。
ここには自民から脱党した翁長系から、ゴリゴリの共産系までが呉越同舟していましたが、それを束ねていた翁長氏の死去とこの県議選の大敗でトドメを刺されました。
共産党色が強まるに連れて財界人が去り、保守系が去り形骸化していましたが、県政を3期に渡って握ってきた強みでなんとか持ちこたえていたのは、ひとつにはここで左翼県政が崩壊すれば知られたくないことがあまりに多かったからです。
その筆頭がワシントン事務所問題だったわけですが、オール沖縄が勝っていたらズっと闇の中だったということです。
まさに「革新県政」の長年の膿、それがワシントン事務所問題でした。

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いまは不良債権と化していますが、ワシントン事務所も始めは華やかな出発でした。
上写真は「初代沖縄大使」平安山英雄氏に辞令を交付する翁長氏です。
平安山氏は、翁長氏が期待していた現地での国務省筋への人脈作りもできず、肝心要のワシントン事務所を法人格の取得にすら失敗しました。

県は初めは非営利の法人登記を目指していましたが、なにぶんやる「仕事」が反基地闘争のための情報収集と工作です。
つまりは政治活動です、しかも反米の。

デニー県政与党第1党の共産党自身がこう言っています。

「本会議での討論で、玉城知事を支持する県政与党の共産党の比嘉瑞己議員は「沖縄のアメリカ軍基地の実態などについて正確な情報を説明するなど精力的な活動を続けていて、引き続き大きな役割が期待されている」と述べ、反対しました」
(NHK前掲)

「正確な情報を説明するなど精力的な活動」とは、すなわち反米プロパガンダを宣伝することと、そして米軍基地撤去に向けた政治工作です。
観光客誘致なんかならまだしも、初めの段階からむきだしの政治目的ですから、いかがわしさがプンプンします。
他の県も米国事務所を持っているところが多いですが、その目的は県産品の輸出や観光誘致、地元企業の進出の手伝いが目的です。
どこに反基地闘争のネタの仕込みなんていう政治目的で、在米事務所を作る県なんかあるもんですか。
沖縄だけに残っている政府の頭越しに「外交」をするという悪しき習慣が、こんなキテレツなものを作らせたのです。

かつて沖縄には「琉球王」とまで言われた太田昌秀知事がいましたが、彼はなにかというと本土政府の頭越しに米国に飛んでは米政府との「交渉」を好んだもんでした。ちなみにその際の彼の豪遊は有名でした。
こういう二重外交を良きものとして温存する体質が沖縄県左翼には根強くあったのです。
彼らは本土政府を「日本政府」と呼び、まるで独立政府であるかのようなふるまいました。

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沖縄県の米ワシントン事務所の会社設立から9年間、県議会へ報告なく公文書にも記載されず:地域ニュース : 読売新聞

要するにワシントン事務所は、オール沖縄の反米基地闘争のための米国拠点だったわけですが、このような目的では職員の就労ビザが米当局から出るはずがありませんでした。
いまでもデニー知事は取ると言っていますが、バイデン時代にすら拒否されたのですから、外国人の米国内での反米活動に神経を尖らせているトランプ政権では、就労ビザの取得は100%不可能です。

「県側が起案・承認者を説明できないとするのは、弁護士費用を含む全対応を米国のコンサルティング業者に年間約7000万円で業務委託しているためだ。実質的な「丸投げ」状態で、県議会からは「委託すれば見えない形で会社を作れるのか」と批判が噴出した。決算書も未作成で、県保有の株式も公有財産登録がなされていないという。
会社の存在は、県議会や県民のチェックが働かない状態に置かれていた。
知事には地方自治法上、資本金等の2分の1以上を出資する株式会社の毎年の経営状況を議会に公表する義務がある。だが、一度も公表されたことはなく、玉城デニー知事は10月末の記者会見で「先日、事務方から報告を受けた」と述べ、自身も知らなかったことを明らかにした。県幹部は「業務委託の中で設置されており、知事に説明していなかった」としている」
(読売2024年11月24日)
沖縄県の米ワシントン事務所の会社設立から9年間、県議会へ報告なく公文書にも記載されず:地域ニュース : 読売新聞 

いや、ひどいね。米国のコンサル会社に丸投げ状態で、決算書も県が運営するといいながら公有財産登録もない、かんじんの運営実態の希薄な「ワシントン事務所」だったわけです。
これで諦めれば1年間1億とも称される無駄な税金を支出せずに済んだものを。

その税金を遅れている沖縄県の防災予算にでも向ければ、はるかに県民のためになったことでしょう。
しかしここで県は惰性でことを運んでしまいます。
いかに米国での「政治工作」が不調であろうと、職員の就労ビザすらなかろうと、「オキナワだけは特別だ。なにをしても許される」という裏返しのエリート主義があったからです。

そして沖縄県事務所がダメなら、沖縄県が運営する株式会社にしたらいい、そんな小手先のことを考えたのでした。
「ワシントン駐在事務所」を運営するために、営業実態のない株式会社を設立して事業者登録を行ない、ここに就労ビザを発給してもらったらどうかとかんがえたのですね。ダメに決まっているでしょうが、そんなもん。
営利実態がない法人をデッチ上げて、事実と異なる虚偽の申請書をしたために、米国移民当局にすぐにバレて信用失墜。もうめちゃくちゃ。

「提出された資料では、駐在職員の肩書が「社長」「副社長」とされており、アメリカ合衆国移民・関税執行局に対しては「沖縄県から直接雇用されることはない」「株式会社が雇用を管理している」と記載されていました。しかし、実際には、これらの職員は県職員の身分を持つ地方公務員でした」
沖縄県ワシントン事務所問題 - Wikipedia

ここで問われたのは、県職員が二重の肩書きで活動していたことです。
県から辞令をもらい、県職員の賃金を受けとりながら、「株式会社県事務所」で働いていたのですからこれはリッパな地方自治法の兼業禁止にふれます。

また外国政府への虚偽の申請というのは公文書偽造、そしてそれを事前に議会に報告をしなかったのも地方自治法違反でした。
いままでこれが問われなかったのは、デニー県政の隠蔽体質と地元紙の隠蔽のためでした。
これでよく自治省(総務省)の監査に入られなかったもんです。

県政がまともに機能していれば、こんなことをする前にいくらでもチェック機能が働いたはずです。
まぁ「権力の監査」こそが使命と日頃言っている地元紙が知事のお仲間ですからね。

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沖縄県の米国ワシントン事務所 監査委員「全ての入出金の内容を確認できなかった」 玉城デニー知事に対応求める | 沖縄タイムス+プラス

2024年12月27日、デニー知事はワシントン事務所の違法状態を解消するため、関連法人の設立承認手続きを完了し、駐在職員の営利企業従事許可を行ったことを発表しましたか、どーやったんでしょう。
また、2025年3月28日には、事務所の設立手続きに「複数の重大な瑕疵(かし)」があったとする調査報告書が玉城知事に手渡されています。
もうこんなものは閉鎖し、県民に謝罪して自ら処分を受けるべきです。

なお、2025年3月28日の県議会2月定例会最終本会議では、事務所経費約3900万円を含む令和7年度一般会計当初予算案から、この経費を削除して予備費に移す修正案が野党と中立会派の賛成多数で可決されました。
もはや沖縄県は正常な自治体としての機能も、自浄機能も失っています。
デニーさん、もう年貢の収め時です。隠蔽は止めて事実を開示しなさい。

 

2025年9月23日 (火)

小泉進次郎氏の出馬演説要旨

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小泉進次郎氏の出馬演説のAI要旨です。
小泉氏はイメージ重視、メディア向けで、内容は他候補からの密輸。
全編平然とカンペ読みで通したのはアッパレでした。
たぶん選対から、自由にしゃべらせると馬脚が出ると言われたのでしょう。
論評なしでアップしておきます。
自民党総裁選挙 小泉進次郎氏 立会演説会での演説全文 2025年9月22日 | NHK | 自民党総裁選

選対本部長 加藤勝信

推薦人

【衆院】加藤勝信(旧茂木派)、伊東良孝(旧二階派)、遠藤利明(無派閥)、大串正樹(無派閥)、神田潤一(旧岸田派)、島尻安伊子(旧茂木派)、田所嘉徳(無派閥)、田中和徳(麻生派)、辻清人(旧岸田派)、中西健治(麻生派)、西銘恒三郎(旧茂木派)、根本拓(無派閥)、野田聖子(無派閥)、牧島かれん(麻生派)、宮路拓馬(旧森山派)

【参院】阿達雅志(無派閥)、梶原大介(旧二階派)、上月良祐(旧茂木派)、福山守(無派閥)、三原じゅん子(無派閥)

🗳️ 総裁選出馬の背景

小泉氏は会見で、自民党が昨年の衆院選と今年の参院選で過半数を失い、「危機の中にある」との認識を示しました。彼は、自身の初当選時(2009年)も自民党が厳しい状況にあったことに触れ、自民党再生こそが自身の政治家としての原点だと語っています。そして、「国民の声を聞く力、国民の思いを感じ取る力」が自民党に足りなかったと指摘し、国民の不安に向き合うことの重要性を訴えました。

🗣️ 主要な政策と公約

小泉氏が総裁選で掲げた主な政策は以下の通りです。

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NHK

 

 

 

 

 

 

  • 経済政策





    • 経済最優先で賃金上昇と投資拡大に取り組み、物価上昇を上回る国民所得の実現を目指す。
    • 2030年度までに国内投資135兆円、平均賃金100万円増を目標とする。
    • 物価高対策として、直ちに経済対策を検討し、補正予算を臨時国会に提出する。
    • ガソリン税の暫定税率の速やかな廃止。
    • 物価や賃金上昇に合わせた所得税の基礎控除等の調整。
    • 所得税のかかり始める「年収の壁」の継続的な引き上げ。
  • 農業政策





    • 農林水産大臣としての経験を活かし、コメの価格安定と日本の農林水産業の発展、食料安全保障に全力を尽くす。
    • 意欲あるコメ生産者が不安なく増産に取り組めるセーフティネットの構築。
    • 防災対策




      • 石破政権の方針を引き継ぎ、来年度に専任大臣と十分な予算を持つ防災庁を設立する。
  • 政治改革:




    • 自民党の「解党的出直し」を掲げ、政治資金の透明化とコンプライアンス強化を徹底する。

以下、 NHKによる要旨
自民党総裁選挙2025 小泉進次郎農林水産大臣 立候補を正式表明「自民党を立て直す」 | NHK | 自民党総裁選

 

 

 

 

  • 与野党連携





    • 少数与党という現状を踏まえ、与野党の対話の必要性を強調。
    • 物価高対策や社会保障など、国民の関心が高い政策について野党に幅広く政策協議を呼びかけ、政策や理念の一致を見極めながら政権の枠組みのあり方についても議論を深めることに意欲を示しています。【野党との連携】
      幅広く政策協議を呼びかけ、合意を模索する努力を行うとしています。政策や理念の一致を慎重に見極めながら、連立政権の枠組み拡大も検討していくとしています。

      【経済政策】
      (賃上げ)
      年に1%程度の実質賃金上昇を目指すとする石破内閣の目標を引き継ぎ、賃金上昇に向けた政策を総動員するとしています。
      インフレに対応する新たな経済運営を打ち出し、2030年度までに国内投資135兆円、平均賃金100万円の増加を目指すとしています。

      (物価高対策)
      ただちに物価高対策を中心とする経済対策を検討し、裏付けとなる補正予算案を臨時国会に提出するとしています。
      所得税制を見直し、物価や賃金の上昇に合わせて所得税の基礎控除などを調整する仕組みの導入を進めるとしています。
      一方、参議院選挙の公約に盛り込んだ現金給付は「実現は難しい状況だ」としています。
      所得に応じて給付や所得税の控除を行う「給付付き税額控除」は中長期的な課題として議論することに異論はないとしています。

      (処遇改善)
      医療・介護や、保育、福祉、教育で働く人の物価上昇を上回る処遇改善を実現するとしています。

      (中小企業支援)
      中小・小規模事業者向けの省力化を支援し、税制面などで賃上げ環境を整備するとしています。価格転嫁の徹底により取引条件を改善するとしています。

      【ガソリン税の暫定税率廃止】
      速やかに廃止するとしています。

      【年収の壁】
      引き上げを着実に進めるとしています。

      【地方創生】
      地方にヒト・モノ・カネを呼び込み産業基盤を再生させることで消費や投資を拡大させるとしています。
      2030年に外国人旅行者の数を6000万人に、消費額を15兆円に増やす政府目標の実現に向けて、地方における受け入れ環境の整備やインフラ整備、いわゆるオーバーツーリズムの防止策を検討するとしています。

      【外交・安全保障】
      防衛力の着実な強化や日米同盟を基軸とし韓国、インド、オーストラリアを含む多様な同志国連携の拡大を図るとしています。
      防衛費の予算措置はGDPの2%を着実に進めていくとしています。

      【農業政策】
      コメの生産者の所得が確保され不安なく増産に取り組めるセーフティーネットを構築するとしています。
      農林水産物の輸出を2030年度に5兆円に拡大することを目指すとしています。

      【外国人政策】
      外国人問題での司令塔機能を強化し、不法滞在や不法就労などの防止や医療・保険制度などの不適切な利用の是正、土地や不動産取得の透明化などの対応を強化するとしています。
      徹底した実態把握やルールの見直しに向けて年内にアクションプランを策定するとしています。
      ストーカー対策などの治安対策も含め、治安のよい日本を死守するとしています。

      【防災】
      首都直下型地震などの災害に備えるため東京一極集中の課題に取り組むとしています。
      来年度、防災庁を設置し、災害対応能力を大幅に向上させるとしています。

      【党改革】
      政治資金の透明化の徹底で「政治とカネ」の問題が二度と起きない土壌を整えるとしています。
      野党時代に当時の谷垣総裁が進めた国民の生の声を聴く全国での対話集会を再び実行し自民党を1つにまとめ政治を前に進めるとしています。

      【選択的夫婦別姓】
      認める考えに変わりはないものの政治の役割は政策の優先順位を明確にして取り組むことだとして、家族観や人生観に関わることは引き続き、国民と理解を深めていく必要があるとしています。

      【解雇規制の見直し】
      去年の総裁選挙で訴えたことで国民に不安を与えたのは事実で反省しているとして、現時点で見直しを進めることはないとしています。

      【靖国神社参拝】
      総理大臣になった場合に適切に判断するとしています。
  • 野党との連携について「幅広く政策協議を呼びかけ、合意を模索する努力を行う。政策や理念の一致を慎重に見極めながら、政権の枠組みのあり方について議論を深める」と述べ、連立政権の枠組み拡大も検討していく考えを示しました。

    また、参議院選挙で与党が掲げた国民1人あたり2万円の現金給付については「選挙で国民の賛同を得ることはできなかった。野党からも反対が出ていて、実現はなかなか難しい状況だ」と述べました。

    一方、去年の総裁選挙で、「選択的夫婦別姓」を認める法案を国会に提出する方針を示したことについて「考えが変わったことはないが、政治の役割は政策の優先順位を明確にして取り組むことだ。去年の総裁選挙のあと、自民党内で結論に至ることはなく、野党も1つの案でまとまらなかった。家族観や人生観に関わることは引き続き、国民とともに理解を深めていく必要がある」と述べました。

 

2025年9月22日 (月)

高市氏出馬演説要旨

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奇しくも同日に小進次郎氏と高市早苗氏の出馬演説が行われました。
論評はいいでしょう。あまりに格差がひどすぎます。
高市氏の出馬演説の要旨のみお伝えします。

[2025年9月19日、高市早苗氏の自民党総裁選への出馬演説のITによる要約]

高市早苗氏は、日本と日本人への深い愛情と能力を信じ、再び自民党総裁選挙に立候補することを表明しました。彼女は、国民の切実な声に耳を傾け、現在の物価高や中小企業・農林水産業の経営圧迫、将来への不安といった課題に対し、危機感を持っています。

 経済政策と安全保障

高市氏が最も実現したいのは、大胆な「危機管理投資」と「成長投資」による「暮らしの安全・安心」の確保と「強い経済」の実現であり、日本経済は成長できると信じています。

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NHK

 

  • 投資の拡大:経済成長を達成するためには、社会の課題解決に向けて官民が連携して投資を拡大していく必要があると述べました。
  • 安全保障の強化:経済安全保障の強化と関連産業の育成を重視しており、海外からの投資を厳格に審査する「対日外国投資委員会」の設置や、AI、半導体、核融合などの成長分野での官民連携を提案しています。
  • エネルギー自給率の向上:現在のエネルギー依存からの脱却を目指し、安全確保を前提とした原子力発電所の稼働や次世代革新炉の実装、さらには2030年代の核融合エネルギーの実現により、エネルギー自給率100%を目指す考えです。
  • 国土強靭化:多発する自然災害に対応するため、「令和の国土強靭化」を掲げ、サイバーセキュリティ対策の強化も訴えています。

     自民党改革

    高市氏は、結党70周年を迎える自民党の改革にも意欲を示しています。


  • 材適所の人事:党内の専門人材が活躍できるような適材適所の人事システムを構築し、党全体で強い自民党を作っていくことを目指しています。

  • 信頼される政党へ:国民に信頼される「足腰の強い政党」への生まれ変わりを目指し、お金の流れの透明化や公平な予算配分を重視しています。

以下NHKニュースの要約
自民党総裁選挙2025 高市早苗前経済安全保障担当大臣 立候補を正式表明「日本の国力を強くしなければ」 | NHK | 自民党総裁選

【野党との連携】
自民・公明両党による連立政権が基本だとした上で、基本政策が合致する野党とは連立を組むことも考えたいとしています。

【経済政策】
(物価高対策)
所得に応じて給付や所得税の控除を行う「給付付き税額控除」の制度設計に着手するとしています。
自治体向けの重点支援交付金を拡充し、地域の実情に応じた支援を速やかに実施するとしています。
一方で、参議院選挙の公約に盛り込んだ現金給付は「国民の支持が得られなかった政策だ」としています。

(積極財政)
責任ある積極財政と賢い支出で日本経済を成長させるとした上で、財務省に対し、税収を増やすための計画を作成するよう求めています。
財政健全化の必要性は「一度も否定したことはない」とする一方、「大切なことは経済成長で財政健全化は目的ではない」としています。

【ガソリン税の暫定税率廃止】
軽油の暫定税率とともに廃止し、地方財源も確保するとしています。

【年収の壁】
引き上げは大賛成だとして働く意欲を阻害しない制度に変えていくとしています。

【外交・安全保障】
防衛費は日本の領土と国民を守り抜くために必要な費用を積み上げていくとしています。
宇宙やサイバーなど新たな態様にも対応できる国防体制を構築するとしています。
インテリジェンスに関係する省庁の司令塔として「国家情報局」の設置を目指すとしています。
スパイ防止法の制定にも着手するとしています。
経済安全保障の強化に向けて海外からの投資を厳格に審査する「対日外国投資委員会」を創設するとしています。
またAIや宇宙などの成長分野に積極的に投資するとしています。
中国は大切な隣国で、外交関係を良好にしていかなければならないとしています。
一方、「国家情報法」などのわかりにくい法律もあるとして対話を重ねていくことが重要だとしています。

【社会保障制度】
生涯を通じた歯科検診「国民皆歯科検診」の促進など「攻めの予防医療」を徹底し、医療費の適正化と健康寿命の延伸を実現するとしています。
女性の健康をサポートするための政策を進めるとしています。
労働時間の規制は緩和を検討するとしています。

【エネルギー政策】
安全性などを改善した次世代革新炉と高レベルの放射性廃棄物が出ない核融合炉の早期の実装を目指すとしています。
エネルギー自給率を引き上げ100%を目指すとしています。

【農業政策】
コメは精緻な需要の予測に基づいて生産を行うべきだとしています。
また備蓄米は必要な量はしっかりと確保する必要があるとしています。
農政の憲法といわれる「食料・農業・農村基本法」が去年改正されたことを踏まえ、食料安全保障の確立に向けて今年度からの5年間に集中投資を行うとしています。
全国の農林水産物や食品の輸出を促進するとしています。

【外国人政策】
外国人問題の司令塔を設置し、不法滞在者への対策や土地取得の規制強化などを検討するとしています。

【国土強靭化】
各地のリスクを点検し事前防災に必要なハード・ソフトの整備を行うとしています。
下水道に加え上水道の老朽化対策を進めていくとしています。
首都の危機管理機能のバックアップ体制を構築するとしています。

【党改革】
政治資金の透明化を徹底するとしています。
全国の党員の声を集めて政策に生かしていける仕組みづくりに取り組むとしています。

【皇位継承】
男系の皇統を守るため皇室典範を改正するとしています。

【靖国神社参拝】
総理大臣に就任した場合に参拝を続けるか明言していません。

2025年9月21日 (日)

日曜写真館 コスモスや花おとろへずみだれそめ 

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コスモスの 花遊びをる 虚空かな 高浜虚子

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コスモスの花ゆれて来て唇に 星野立子

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コスモスはどこにありても風少し 細見綾子

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コスモスや妻がやさしく子がやさしく 日野草城

2025年9月20日 (土)

ジュニアのレジ袋、タローのイージスアショア

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河野氏が小泉支援に回るそうです。

「自民党の河野太郎前デジタル相は19日、党総裁選(22日告示―10月4日投開票)に出馬の意向を示している小泉進次郎農相を支持すると表明した。都内で記者団に語った。河野氏は自身は立候補しない考えも言明した。
小泉氏がコメ価格高騰の対策や政治改革に取り組んだ実績を挙げ「火中の栗を自ら拾いにいった胆力もある。難しいことから逃げるのではなく進んでその解決に当たろうとする。小泉氏が一番ふさわしいのではないか」と述べた。
自らの不出馬に関し「党をしっかりまとめていける人がいいのではないか」とも話した」
(日経9月19日)
河野太郎氏、自民党総裁選で小泉進次郎氏の支持表明 自身は出馬せず - 日本経済新聞

「解党的再出発をするには小泉氏がもっともふさわしい」なんて言っていますが、本当に解党しちゃいますよ。
21年の総裁選で、石破氏や小泉氏の支持をとりつけて「小石河」連合を結成しましたが破れました。
連合を組めたのは、彼らと政策的にもキャラ的にも親和性が高いのです。
この3人の共通性は思いつき的突破力と政策構築能力のなさです。

さて河野太郎氏を語る上で特筆すべきは、なんといってもは並外れて強引なキャラだという点です。
当人は「突破力」と美的表現で言っていますが、ただの思い込みだったり、横車だったりしています。

たとえばその「突破力」を使って、再エネ推進・脱原発をするために自然エネ財団の大林ミカ氏をムリクリに政府のエネルギー諮問機関に押し込むようなことをします。
では大林氏のセキュリティクリアランスをしたのかといえばまったくしておらず、中国国営企業のロゴ入り資料を配布するという椿事で、身元がバレてしまいました。
おお、なんて恥ずかしい。中国のエージェントを国家の諮問会議に招き入れていのか、ってわけです。

もうひとつの思い込みのほうは、防衛大臣時代のイージスアショアの計画を潰したことです。

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【解説】「イージス・アショア」配備計画停止で問われるニッポンのミサイル防衛 | 特集 | ニュース | 関西テレビ放送 カンテレ

これなんぞムリ偏に無理の典型で、わが国のミサイル防衛に大きな打撃を与えました。
このイージスアショア・システムは、既に予算がつき、相手企業との契約も済み、用地設定も済んで、すでに日本のミサイルディフェンス(MD)計画の一部として動き始めていました。
それを防衛相の無能役人のミスによる地元自治体との軋轢を理由に、全部白紙撤回にしたのですからそうとうなもんです。
理由に事欠いてブースターが演習場敷地内に落ちるの落ちないのって河野氏は説明していましたが、あーた原爆が頭に落ちて来る時に、空ッポのブースターのドンガラのほうが心配で、全部白紙にするっていうのですから、力なく笑うしかありません。
それを説明するのが、あんたの仕事だろうが。

その辺から説明します。
頭の中でシミュレーションしてみて下さい。イージス・アショアからSM-3ブロック2Aが発射されるのはいつでしょうか。
それは日本に対して弾道ミサイルが飛来すると予測された時点以外考えられません。
突然いきなり飛来するということは考えられません。それは日本に対して武力攻撃が行われるという事態が発生したときです。

とうぜん、こういう事態のために作られた国民保護法が発令されます。
本来は国民全体にかけたいところですが、極度の混乱を招きますし、そもそも一般人向け防空施設がないわが国ではむりです。
したがって限定的なものになりますが、その中に攻撃が予想される防衛施設周辺は当然入るでしょう。
ね、もうお分かりでしょう。このイージスアショアが使われる時とは、予定地の周辺市街地は無人な時なのですよ。

つまり、仮に約70㎏のMk72ブースターが敷地外に落ちても、落ちる場所は無人で誰もいない。
こういうことを反対の理由に上げる方も方ですが、それを「いやイーシスアショアが使われる時には市街地は人はいませんから、だいいち原爆が落ちてくるのとどちらがいいんですか」と説明できない防衛官僚もバカ丸出しです。
だから学歴エリートはイヤダ。

しかしそれを理由に、積み上げてきたMD計画全部を潰すなんて暴走以外なにものでもありません。
こんな国防の根幹を揺るがすような重要な決定は、もっと慎重に専門家でもんだ後に閣議決定すべきものなのに、さっさとメディアの前で中止と言っちゃって既成事実化してしまうところがこの人です。
こんなくだらない理由でMD計画を潰してしまえば、とうぜん副作用があらわれます。

日本に核ミサイルの照準を合わせている3カ国(中朝露)は、ほー我々がイヤな防衛施設を潰すにはやっぱり住民運動と自治体反対がいちばん効くか、いいこと聞いたぜと膝を打ったことでしょう。

担当大臣が率先してこんなデマまがいのことを理由にイージスアショアを潰してしまったために、自衛隊は仕方なく海自の艦載イージスとPAC-3による迎撃体制を構築しました。
それでなくても艦も人員も足りない海自はなんとかやりくりして、洋上に定められた海域に高価なイージス艦をプカプカ浮かべておくという任務を黙々とこなしたのです。
その時はもう河野氏は、防衛大臣を辞めて総裁選に出馬なんぞしてはしゃいでいました。まことにいい気なもんです。

そもそもこういう海自に無理な負担をかけないようにするのが、このイージスアショアの目的だったのですが、この大臣閣下の横車の尻ぬぐいのために、イージス艦の負担増と疲弊ぶりが表面化しました。
おまけに北朝鮮は一週間に1発撃つような馬鹿げたことをしています。
これも日本には有効なミサイルディフェンスがないことをお見通しだからです。

あげくどうなったのか。
ただでさえ人手不足の海自はこのことによってさらに負担が重くなったうえに、契約したイージスアショア用SPY−7レーダーが丸ごと余ってしまいました。
河野さんが買ってくれればいいんですが、代替案として登場したのがイージス艦の追加建造でした。

「地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の配備断念を受けて新造する「イージス・システム搭載艦」の整備費が1隻あたり約3950億円に上ることが12日、分かった。敵のミサイル拠点などを攻撃する「反撃能力(敵基地攻撃能力)」として活用する米国製巡航ミサイル「トマホーク」も搭載可能な垂直発射装置(VLS)を備える。政府関係者が明らかにした。
政府はイージス搭載艦を2隻建造する。令和9年度に1隻、10年度に1隻を配備する計画で、6年度から建造に着手する予定だ。VLSは計128発分の発射能力を有し、既存のイージス艦の3割程度増やす」
(産経2023年8月12日)
<独自>イージス搭載艦、1隻あたり3950億円 - 産経ニュース (sankei.com)

この新型イージス艦は艦隊防空ではなく、ミサイル防衛を主眼にしたイージス・システム搭載艦という構想ですが、実質的にはイージス艦がもう8隻から10隻に2隻増えるだけで、負担増は変わりません。
ただし新型イージスは垂直発射装置(VLS)を128個まで増やしたために基準排水量が1万トンを超えて、まや級DDGよりかなり大型化します。
1隻あたりの建造費は3731億円とまや級の2倍以上に達しました。
ジャーン、これが世に言う「令和の大和」です。
いまでもDD(駆逐艦)というより巡洋艦のサイズですが、これでもスケールダウンしたのですよ。

当初の計画では、基準排水量約2万トン、全長210メートルの巨艦が俎上に上っていた時期もあったようです。

こういう巨艦を作れば人員をまたやりくりせにゃなりません。
大変な人手不足で悩まされている海自にはまたまた頭が痛いことです。
かくして河野ジュニアが思いつきで止めてしまったイージスアショア計画は、いまなお海自を苦しめているのです。

カン元首相の全原発停止の「お願い」もそうでしたが、この河野氏のイージスアショア計画の中止も、長い後遺症を残しました。
専門的知見がない政治家の思いつきほどコワイものはありません。

こういう「突破力」を発揮し続けて国益を毀損し続けたのが河野氏で、彼が盟友と見込んだのが小泉ジュニアなのです。
ジュニアのレジ袋、タローのイージスアショア、共に馬鹿な「突破力」の見本でした。
このてのタイプに、政権のスパイス程度ならまだしも、国家権力のトップの地位を与えてはなりません。

 

 

2025年9月19日 (金)

シンジロー氏、今回は夫婦別姓はやらないんだとか

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前回の総裁選で小泉ジュニアはこうキッパリと言っていました。覚えていますか

「自民党の小泉進次郎元環境相(衆院神奈川11区)は6日の党総裁選出馬会見で、選択的夫婦別姓の導入について「人生の選択肢拡大につながる」と賛意を表明。内閣として法案を国会へ提出し「実現へ向けて国民的な議論を進める」と明言した。
自民党内の調整に委ねるのではなく「国会で議論して決着をつける」とした。
首相になったら選択的夫婦別姓を認める法案を国会に提出し、国民的議論を進める」
(神奈川新聞2024年9月6日)
小泉進次郎氏、選択的夫婦別姓に賛意「実現へ議論進める」 総裁選出馬会見 自民党総裁選 | カナロコ by 神奈川新聞

それがわずか1年でこのように変化しました。

「自民が置かれている状況は大変厳しい。大きなことを言うよりも、まずは党内がまとまる環境を作れるかどうかが重要だ」
(産経2025年9月18日)
 産経ニュース

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神奈川新聞

おいおい戦術的撤退ですか。意気地のないことよ。
自民党左派リベラルとして、岸田-石破に続くぞ、エイエイオーとやらなくっちゃ。
ということは、ジュニアの考え方に変化があったのではないので、また党勢が盛り返したら復活というわけですね。

かねてから朝日や東京新聞などは夫婦別姓を争点化したいようで、東京に言わせると今の日本は「周回遅れ」だそうです。
こういう空気を察したジュニアはこう言っています。

「結婚後も働くことが当たり前になる中、主に女性から、結婚後の改姓に伴う負担やリスクが大きく、選択的夫婦別姓を認めてほしいという声が多く出ている。経済界も早急な対応を求めている。世論調査を見れば、選択制であれば別姓という選択肢を認めてよいのではないかという意見が増えている。選択的夫婦別姓を導入するためには、国民の皆さんの支持と理解が必要であることは言うまでもない。家族のあり方は時代によって変化するということも忘れてはならない」
「1876年から1898年までは夫婦別姓制度が導入されていた。現在の夫婦同姓制度は1898年の民法改正で導入され、120年あまり続いてきた。家族のあり方も大きく変化してきた。もう議論ではなく、決着をつける時ではないか。私が総理になったら、選択的夫婦別姓を認める法案を国会に提出し、国民的な議論を進める」
(東京2024年9月6日)
<詳報>選択的夫婦別姓は「もう決着をつける時」 小泉進次郎氏が自民党総裁選出馬会見で語ったこと:東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)

いや、今の日本が直面しているのは夫婦別姓なんかじゃないでしょう。
経済問題や対中政策のほうがはるかに緊急でしょうと思いますが、当人は真っ先にやりたいようです。
左翼メディアとワイドショーばかりが世論じゃないよ、小泉さん。
例によって現行法のどこが問題なのか夫婦別姓に変えねばならない必然はどこなのかということを飛ばして「決着をつける」「就任したらすぐに法改正する」と息巻きます。

「結婚後改姓に伴うリスクがある」と仰せですが、具体的になんなのでしょうか。
具体的に別姓婚が認められないことで困っている人がいるというならわからないでもありませんが、そのような人たちはいるのかどうか。
LGBT理解促進法の時もそうでしたが、ジュニアが「決着を漬けねば」と力むほど救済が差し迫ったことなのか、どうか。
救済する必要がなければ急ぐ必要はまったくない。

考えてみていただきたいのですが、今の日本社会で結婚した後に職場で旧姓を使用することにまったく問題がないはずです。
いわゆる通称(旧姓)を使用し続けることですが、それを理由に女性が解雇・配転などの不利益を被るなどとは考えられません。
小泉氏が不利益の根拠として上げているのが、経団連が資料で上げている「不動産登記ができない」ということでした。
ちなみに経団連は「夫婦別姓を認めないと世界から人材が集まらない」と叫んでいるようですが、この人ら移民促進問題もそうでしたが、自分らの利害でしかモノを考えられないようです。

通称使用が法的に定まっていないために不利益を被っているというなら、法令改正してその部分だけを変えればいいだけの話で、戸籍制度の根幹をまで変える必要はありません。
経団連は国の社会制度のあり方の基本まで目先で変えて、それを「世界基準に合わせる」「日本は遅れている」みたいな言い方を平気でします。
こういう黒船型発想が抜けきらないようでは説得力がありませんね。
国の根幹をいじるのは、国の内部から議論が自然に醸成され、広く共有されてからにしていただきたいものです。

ところで高市氏はこう述べています。

「高市氏は「婚姻で姓が変わることによる不自由を解消したい。私が提出したような法案が通れば、ほとんどの不便は解消される」と述べ、旧姓の通称使用に法的根拠を与える法整備の必要性に重ねて言及した。
高市氏は平成14年と令和2年、それぞれ党法務部会に、旧姓の通称使用に法的根拠を与える「婚姻前の氏の通称使用に関する法律案」を提出した。しかし、党議決定には至っていない」
(産経9月9日)
高市早苗氏、選択的夫婦別姓で小泉進次郎氏に反論「不動産登記できる」解雇規制緩和も反対 - 産経ニュース (sankei.com)

今の日本の政治家のなかで最高の実務能力を持っている高市氏は、すでに2回も通称使用に対する不利益をなくす法案を提出しているにも関わらず無視されてきています。
おかしいじゃありませんか。「夫婦別姓の長年の決着をつける」とまで言うなら、どうしてこの高市案を検討せずに、ひと飛びで別姓婚に飛躍するのでしょうか。
順番が逆です。現行法を改良し尽くして、それでも救済しきれないなら、あるいは夫婦別姓もありえるでしょうが、プロセスが飛躍しています。
これでは今のリベラルの主張にすり寄って、メディアの覚えよろしくを得たいためとしか考えられません。

ジュニアが夫婦別姓が世の流れだ、家族のあり方も変わった、いまが決着の時だ、と言っていることに対して、高市氏は具体的に統計数字を出して反論しています。

「(高市氏は)旧姓の通称使用の法制度化を重視する理由には世論調査の結果を上げた。そのうち、内閣府の令和3年12月の調査は「夫婦同姓制度を維持した上で、旧姓の通称使用についての法制度を設けた方がよい」との回答は42・2%で、「選択的夫婦別姓制度を導入した方がよい」の28・9%を上回っている」
(産経前掲)

前述した経団連が言う、旧姓では不動産登記ができないという主張も間違いで、登記可能です。
高市氏の指摘通り、2022年4月の法改正により、旧姓でも不動産登記が可能で、 2022年4月の法改正では、旧姓(通称)での不動産登記が可能になりました。
法務省:所有権の登記名義人への旧氏(旧姓)の併記について(不動産登記関係) (moj.go.jp)

旧氏を併記することができる者
  旧氏は現在の所有権の登記名義人の氏名にのみ併記することができ、これ以外の者は、旧氏併記の対象とはなりません。
  また、日本の国籍を有しない者については、旧氏を併記することはできません。
2 併記することができる旧氏
  所有権の登記名義人の氏名に併記できる旧氏は、氏に変更があった者が過去に称していた氏であって、その者に係る戸籍又は除かれた戸籍に記載又は記録がされているものに限られます(不動産登記規則(平成17年法務省令第18号。以下「規則」といいます。)第158条の34第1項。住民基本台帳法施行令(昭和42年政令第292号)第30条の13)。

要約
①旧姓での不動産の登記申請が可能

②ただし、改姓者は婚姻歴や配偶者の氏名を公示する必要がある
③旧姓単独での登記は不可

つまり現行制度の部分的改良で、ほぼすべての「不利益」は解消可能です。
ジュニアは明治維新直後の「1876年から1898年までは夫婦別姓制度が導入されていた 」と明治民法に戻りたいようですが、当時夫婦別姓が可能だったのは女性の権利が著しく制限されていたからです。
夫婦同姓制度は女性の権利の保護が目的でした。
そもそも女性参政権が認められたのですら1946年なのですから、女性の地位向上とはなんの関係もありません。

ジュニアはこんなことを言っています。

「家族の中で苗字が違うということが、家族の絆の崩壊につながるというのは、必ずしも私は違うと思います。私自身、両親が離婚した中で、私の弟と苗字は違います。しかし苗字が違うからと言って小泉家の、そしてまた弟たちの絆は強いです」
(テレ朝)

あんた馬鹿ですか。離婚と両親の自己都合での別姓とはまったく次元が違います。
親のイデオロギーによって子供は傷つきます。
ちっとは子供の立場で夫婦別姓を考えてみてほしいものです。

ジュニアの私的問題なので、とやかく言いたくはありませんが、滝川クリステル氏の結婚後の姓について公開されていないようですが、その理由はなんなのでしょうか。
たぶん別姓だからでしょうね。
ならば抽象的に議論するより、弟より自分の妻のケースをしっかりと開示してから夫婦別姓を議論しろといわれるのではありませんか。

一事が万事とまではいいませんが、ジュニアの主張は海洋プラスチック削減と言えばレジ袋をなくしてしまうような短絡的政策が多すぎます。
具体的実務を積み上げて、そのプロセスで見えてくるものもあろうに、メディアの覚えを良くしたいのか気分でしゃべっているものが多すぎます。

2025年9月18日 (木)

シンジローさん、永遠に育児休暇とっていなさい

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特に秘密でもなんでもありませんが、小泉ジュニアはstupidです。
一般人ならただのstupidで済みますが、与党の政治家、それも大臣なのですから気の毒ですが「超」の栄えある冠を授けさせていただきます。
「超stupid」大賞受賞理由は、いい大人が中坊並の知識で中坊が言いそうなことを言うだけではなく、閣僚になってもやらかしてしまい、それをオレってカッコいいだろと自惚れているからです。

彼の言論の特徴は父親似で、ろくに考えもしないのに、しゃべってしまうということです。
後先がありませんから、こんなこと言ってどーするのということを平気で口にします。
たとえば、今進行している福島第1の廃炉作業でもっとも問題になっている、汚染水、もといトリチウム水の処理について、ジュニアはこんなことを発言していました。


「進次郎氏は12日、東日本大震災で被災した福島県の漁業関係者と面会し、東京電力福島第1原発の汚染水浄化後の処理水をめぐり原田義昭前環境相が「海洋放出しかない」と述べたことについて、「率直に申し訳ない」と謝罪した。 こうした一連の言動をめぐり、容認派と反対派からネット上で批判・注文が殺到している。
 今月下旬には、米ニューヨークで開かれる国連総会の環境関連イベントにも出席し“国際デビュー”を果たす予定だが、政治家として真価が問われるポストのようだ」
(ZAKZAK2019年9月13日)

これは既に環境大臣に就任してからの発言ですから、おいおいです。
そもそもトリチウム水の海洋放出の所轄は環境省ではなく産業経済省です。
信念さえあればなんでも言っていいわけじゃありません。
自身の発言のために政権の政策が拘束されてしまうからです。
小泉ジュニアは父親譲りの反原発を進めたいようですが、同じ理念をもっている河野ジュニアのほうは、閣僚になれば持論であった反原発を封印してしまいました。
これでいいのです。大臣が個人的人気取りで所轄外のことにいちいち口出ししてカッコつけていたら、内閣なんてただの学校のホームルームだからです。

ところがジュニアときたら、こんなことも平気で言っています。

「小泉進次郎環境相は11日夜、環境省内で行った就任記者会見で東京電力福島第1原発事故を踏まえ、原発について「どうやったら残せるかではなく、どうやったらなくせるかを考えたい」と述べた。2030年度に再生可能エネルギーの電源比率22~24%を目指すと掲げた政府のエネルギー基本計画に関し、さらに比率を拡大すべきだとの認識を示した」
(毎日2019年9月12日)

あーあ、不勉強なくせに頑固、というか不勉強だから頑固なんです、この人。
「どうやったら残せるのかではなく、どうやったらなくせるのか」ですって(笑)、そんなことは反原発運動家が言うせりふです。
運動家は経済がわかりませんから(というか、経済がわかっていたら運動なんか出来ませんからね)、即時停止、再稼働反対と脊椎反射で答えても許します。
しかし、閣僚、つまり政策を作り、それを責任をもって行政に落とし込んでいく職分の人間がそれをやったらシャレになりません。
だって、どうやるかの道筋をかんがえる、そしてそれを具体化するのが政治家の仕事だからです。

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私は経済を傷つけないためには、一定数の原発を残しつつ段階的に長期間かけて「なくす」のが、もっとも合理的な回答だと考えています。
脱原発をスローガンで言っているのなら、即時停止で済みますが、実際にそれをすれば化石燃料に依存し、輸入エネルギーの増大によって国富が流出していきます。
電力会社は疲弊し、廃炉コストを出せなくなり、電気料金は上りますから、国民を苦しめます。

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上図の薄い緑色が再エネで、図を横切るように上昇する黒線が家庭用電気料金を現しています。
再エネが増加すると電力料金も上昇していくのがわかります。
脱原発と再エネをセットで国策にしてしまったドイツ、イタリア、デンマークが、水力の多いカナダの倍であるのがわかります。
日本は現在中位の電力料金で済んでいますが、再エネを2倍にすると30円/kWhに跳ね上がって世界でも電気料金上位の国となります。
それでなくても福島事故以降、カンが原発ゼロにした祟りで、上り続けている電気料が更に国民生活を直撃していきます。
国民の経済と生活に打撃を与えて脱原発しても、それは本末転倒ではありませんか。

そのうえトリチウム水の海洋放出まで止めてしまっては廃炉作業すら出来ませんから、原子力は永久になくなりません。
そもそも廃炉した後の最終処分も結論がでていないのでから、原発ヤメロだけではなんの回答にもならないんですよ。
この「汚染水」の海洋放出も、許すなとか言っていられるうちはいいのですが、ここで止めたら廃炉作業を断念せねばならなくなります。
ならば福島第1の廃炉を放棄しますか?
そこまで分かって言っているのならアッパレで、ならば大臣なんか辞めて国会議事堂の前でシュプレッヒコールをしているほうに回って下さい。

また、原発を止めるということは、火力発電の比率を高めることと同義語です。
既存のエネルギー基本法でも、2030年に再エネを16%から24%にするためには火力を56%でキープせねばなりませんでした。
この火力を微減させるためには、再エネを20%台にして、原子力を今の3%からかつての水準に近い20~22%にまで増やさねばならないのです。

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この原子力を減らしたらそのぶんジュニアが大嫌いな火力も増やさねばならないのですか、この逆説がわからないとどうにもなりません。
言い換えれば、二酸化炭素ガスを削減するというジュニアのもう一つの政治目標は、火力や原発をある程度残していかねば達成されないのです。
だからそのバランスをどうとっていくのかが、政治家の政治家たるゆえんなのですが、化石燃料はヤメロ、原発もヤメロではまるでコレも欲しいアレも欲しいとおねだりすればなにか貰えると勘違いしているガキです。

ところで、つい先だってジュニアは超馬鹿語録に新たな一頁をつけ加えました。

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 「化石燃料、石炭・石油・天然ガス、これに依存して人間の経済社会活動が営まれる時代を変えよう!というのが、カーボンニュートラルであり、このプラスチックをもし使うのであれば、リサイクルが前提となる、ゴミが出ないサーキュラーエコノミーなんですよね。
石油の色もにおいもないから分からないと思うのですが、石油って化石燃料なんです。
じゃあこのプラスチックを、使い捨てを減らそうと思ってるかというと、プラスチックの原料って石油なんですよ! 意外にこれ知られてないんですけど」

ぶ、はは、ジュニアは国民がプラスチックが石油由来だと知らないと思っているらしいですね。
当人は啓蒙と思っているのかもしれませんが、ほんとうは愚民視というんですよ。
小学生でも知っているようなことを、爽やか柑橘系でしゃべってるんですから、まるでNHKの子ども向け番組のお兄さんみたいです。
ここでジュニアがかっこいいと思って使った「カーボンニュートラル」は、環境運動に多少関心がある人なら誰でも知っている考えかたです。
これは化石燃料に頼らない、という考えかたではありません。

カーボンニュートラルのほんとうの意味は、温室効果ガスの大気中への排出量と、消費量をプラスマイナスで均衡させるという考え方です。
米国ではすでに菜種のバイオエタノール化を義務化していますが、食糧になるものを燃やすというなんとも不道徳な考え方です。
実際に、これで得られる炭酸ガスをマイナスする効果と、化石燃料による温室効果ガスが打ち消し合うかどうかわかっていません。
だって、カーボンニュートラルなんていうのは、暇な学者が考えた机上の計算にすぎず、実際には作物の収穫、運送、加工には多くの工程を必要とし、その間炭酸ガスをガンガン排出するからです。

ついでにサーキュラーエコノミーっていうのは、循環型経済のことで、日本はすでに世界で首位を争うプラスチックのリサイクル率を誇っていますから、なにをいまさらの話です。
啓蒙としてはチンプなうえに間違っていますし、横文字で言うオレってカッコいい、と思うナルシストが言いそうなセリフです。

政策としてはコンビニのレジ袋を止めさせたり、プラスチックスプーンを取り上げたりしても、なんの意味もありません。
ただひたすら消費者が不便をして、コンビニやスーパーに行くたびに、進次郎め、次は落としてやるぞ、と思うだけのことです。
まぁかつては次期首相なんて呼び声がありましたが、絶対に首相になんかしてはいかんタイプでしょうな。

進次郎さん、あなたは育児休暇を永遠にとっていたらよかったのです。

もらいコロナは薬で抑えこんでいるかんじです。
食欲皆無、というか味覚がなくなってしまったような気がします。
あー、だるい、たまらん。いいかげん怨霊退散!

 

2025年9月17日 (水)

忘れないぞ、レジ袋

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私は、失礼ながら小泉進次郎氏は、哀しいくらいオツムが軽い人だと思っています。
頭が軽いだけならまだ修行の余地がありますが、ガチガチに教条を墨守するもんだから柔軟性がない。
しかも言っていることが、グレタさんまがいなんですから、いやはやなんとも。

そしてそれを修正しようにも、耳学問を感性でしゃべっているから議論にならない。
おまけにその情報源がリベラル運動家方面からばかりのようでひどく偏っています。

石破氏が農水大臣をやらせた以前の唯一の大臣としての実務経験は環境相でしたが、就任以来ろくなことはしませんでした。
あのセクシー発言やレジ袋廃止などを見ていると、このひとはただの大向こう狙いのポピュリストにしか見えません。
しかも見事にハズして、若者から総スッカン食らいました。

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アベマニュース
さて政権が変わった時、変えていいものと悪いものがあります。
変えてはまずいものは、外交・安保やエネルギー関連などで、国の基幹に関わりますから、変えてはいけません。
政権が変わるごとに、日米安保やクアッドを出たり入ったり、中国に抱きついたりされしたらえらいことになりますからね。
ネルギーも、そのつどオレの政権時に原子力ゼロだ、再エネ100%だ、なんてやられたら国がおかしくなります。

一方変えてかまわないものは、時の大臣が、「法令」のような大臣の裁量でやった思いつきの政策です。
国民、特に青年層に圧倒的不人気なレジ袋有料化などはその典型でしょう。
ところで、このレジ袋の法的根拠はこれです。
● 2020年7月1日小売業に属する事業を行う者の容器包装の使用の合理化による容器包装廃棄物の排出の抑制の促進に関する判断の基準となるべき事項を定める省令」(平成18年財務・厚生労働・農林水産・経済産業省令第1号)
2019年12月27日改正、有料化義務付け
◎「レジ袋削減にご協力ください!」(経済産業省)
 https://www.meti.go.jp/policy/recycle/plasticbag/plasticbag_top.html
https://www.dinsgr.co.jp/sales/resolution/column/attention/74th/

このように「省令」です。省令は各省庁の大臣が発する命令です。

「内閣が制定する政令よりも効力は低く、法律の円滑な運用をはかるために、各省が所管の行政事務について制定する命令です。大臣が署名して官報で公布されます」(山口和史)
https://say-g.com/cabinet-order-ministerial-ordinance-1264
レジ袋は生活を縛られた気がするので、非常に拘束力を強く感じますが、ただの行政事務を円滑にするための一片の「命令」にすぎなかったのです。
とうぜん、法律ではないので、罰則もありません。
小泉ジュニアは、ずいぶんとお手軽なものを使ったものです。

やるにしても常識的、かつ伝統的な議員法案の手続きを踏んでやればよかったのです。
まずは自民党の心臓部である専門部会にかけて、河野氏風に言えば「ギャギャー」やってもんでもらい、その結論を政調会長に決済をもらって晴れて幹事長から政府に政府に提案されます。
ところが小泉ジュニアときたら、安直な「省令」を使ってこの法案の険しい山登りを省いてしまいました。
しっかりした法律ではなくただの命令ですから、インスタントに出来る代わりに、次の大臣がこれは評判悪いから止めようと考えれば、これまた逆もまた真なりで、国会にかける必要がありませんので、簡単に元に戻せてしまいます。

このレジ袋有料化は、大臣就任の時にNHKに抱負を問われた小泉ジュニアが、鼻の穴を膨らませて(未確認)発表したのが始まりでした。
もちろん、ジュニア自身が「これで環境問題に関心がもてただろう」なんて言っているように、実ほとんど環境改善に寄与しない廃プラ対策でした。
この現実にはなんの役にも立たないで、実害がある政策としては火力発電所の輸出規制もあります。
レジ袋はさんざんな評判で、今になってオレが決めたんじゃないと言い出しているそうですが、石炭火力発電所輸出規制のほうは手柄だと勘違いしているようで、まるで困った君です。

「幹部職員へのあいさつで小泉氏は、自身が働き掛けて実現した石炭火力発電の輸出政策見直しなどを挙げ、「開かないと思ったドアが開いた。越えられないと思った壁を越えられた」と強調。「これからも山口新大臣の下で闘いは続く」と職員らを鼓舞した」
(時事10月5日)
なにが「開かない扉を開いた」ですか。よく言うよ。開けてはいけない扉を開いておいて。
私はいい歳をした大人が、こういうナルシズムに浸っているのが大嫌いです。
こういう現実の改善には無関係で、むしろ足を引っ張っているのにご当人だけは世界の進歩の先駆けとなっているんだ、みたいな気分は、高校生くらいで終りにしていただきたいものです。
この人の政治スタイルは、政治家というより運動家に近いのです。
問題提起できれば、国民に実害が生じてもいい、むしろその痛みで覚醒するだろうなんて思うのは、運動家特有の独善的なものですから。
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資源エネルギー庁HP
この火力発電所の輸出規制は、ジュニアがやった2大愚策でした。
上図をみていただければわかるように、同じ石炭火力発電といってもインドや米中のそれと比較するとCO2排出量が4割も少ないので、日本製火力発電所を輸出することで世界のCO2排出量の大幅削減に貢献できます。
じゃんじゃん輸出することが、日本のCO2削減への貢献なのです。
しかも日本は化石燃料依存と言われながらも、炭素排出の少ないLNG火力(グラフ右端)の比重を高め、新型の低炭素型に置き換えながら、従来型の旧式石炭火力を削減し、新型火力発電にシフトし続けています。
それを頭から火力発電を悪玉と決めつけて、輸出を規制しようというのですから、若殿ご乱心です。
その上にこの人は父親譲りの原発ゼロですから、手がつけられない。
火力大幅削減、再エネ100%、原子力はゼロ、これが河野氏との共通政策ですから、どこかの過激な環境団体のようです。
ジュニアの脳みその構造はシロかクロかの二分法のようで、火力、原子力、プラスチックと名前がついただけで、激しいアレルギーを起こして思考停止してしまうようです。
そもそも世界のCO2の3割は中国ですから、中国の搬出抑制がないかぎりCO2は削減不可能で、中国をどうかしないと世界のCO2は少しも減らないのです。
今後5年の中国の増加量は、日本の年間排出量に匹敵しますから、日本に貢献できる幅は自ずと明らかなのですが。
話をレジ袋に戻しましょう。
レジ袋も似たようなもので、ジュニアはこれを「海洋プラスチックの削減のためだ」と有料化の理由を言っていました。
たしかに世界の環境運動のトレンドとなっています。
環境運動家はこう述べています。
「欧州などのレジ袋規制の主な原動力となってきたのが、海洋環境でのプラスチック量の削減だ。欧州委員会がレジ袋削減策の提案で示したメモにはこう書かれている。「北海に生息する鳥類の94%の胃袋にプラスチックが入っている。レジ袋についてはアオウミガメやアカウミガメ、オサガメ、クロアシアホウドリ、ネズミイルカなどいくつかのの海洋性生物の絶滅危惧種の胃袋で見つかった」、また全体で、「少なくとも267種が絡まったり、飲み込んだりして海洋ゴミで傷ついていたことがわかっている」
(イーズ未来共創フォーラム)

https://www.es-inc.jp/graphs/2014/grh_id005307.html

つまりレジ袋を有料化するのは海洋プラスチックを削減するためだ、ということのようです。
ここで運動家たちは海鳥の94%がプラスチックを胃袋に入れているとか、ウミガメの例などを上げています。

ちなみに14年間の漂着個体調査において、プラゴミがで死んだウミガメは発見されていないそうです。
飲みこんでも排泄されてしまうので、ウミガメが絶滅危惧種であることとは無関係です。
詳細な調査を見ねばわかりませんが、プロパガンダのような気がします。

では、日本ではどうなのでしょうか?
この「海洋プラスチック削減」については、環境省が今年まとめた「プラスチック資源循環戦略」という文書があります。
https://www.env.go.jp/press/files/jp/111746.pdf

基本原則として、「3R+Renewable (持続可能な資源)」とあり、「リデュース(削減)」、「リユース(再利用)」、「リサイクル」があるそうです。
このリデュースの項に入っているのが「ワンウェイプラスチックの使用削減(レジ袋有料化義務化等の「価値づけ」)です。
この「価値づけ」という言い方は、いかにも苦しい官僚的言い回しで、つまりは啓発にすぎません。
目的はレジ袋削減することで、国民にプラスチックゴミを削減するという啓発価値を与えられるからやるのだ、と自分で言ってしまっています。
実はジュニアもこのことを知っています。
というのは、海洋プラスチックについての調査は、自分の管轄の環境省がおこなったデータが存在するからです。
この実態調査は毎年なされていて、ジュニアが政策決定した時にも前年度のものがあったはずなのに、読まなかったのでしょうか。
令和元年度海洋ごみ調査の結果について

●環境省 海洋プラゴミ(総量は2~6万トン)中に占めるプラスチックの種類
・漁網・ロープ・・・41.8%
・ブイ          ・・・10.7%
・飲料用ボトル・・・7.3%
・カトラリー(ワンウェイのプラ製フォーク・スプーン・ストロー類)」、レジ袋・・・0.5%と0.4%

プラゴミと一括りにするからわかりにくくなるだけで、海洋におけるプラゴミを分類すれば、圧倒的に多いのは漁業関係の漁網・ロープ、ブイなどで、レジ袋などほとんど無視できるものでしかないことがおわかりでしょう。

しかも北海道から沖縄県にわたる19都府県の海岸で確認されたプラスチックゴミ総計13821個中文字が確認できた廃ポリタンクは7割強(10,038個)。
そのうち、韓国語標記のものが7,989個、中国語表記のものが549個でした。
仮に文字が確認できない廃棄物すべてが日本が捨てたものだとしても、85%は中韓が捨てたものなのです。

ですから、本気で海洋プラゴミ対策をやりたいなら、枝葉末節のレジ袋有料化などをしても無駄で、水産庁から厳しい取り締まりを出すしかないのです。
そして中韓にも、同じような海洋プラゴミ対策を迫ることです。
それをしないで、一番やりやすいところからするから国民に不満が溜まるのです。

では、リユースの実態はどうでしょうか。これも調査されています。
2019年度、リデュース率24.8%、リサイクル率85.8%に ―PETボトルリサイクル推進協議会

●日本のプラスチックの利用率実態調査
日本の廃プラ総量は899万トン(プラスチック資源循環利用協会2016年)中
・2019年廃プラスチック総排出量・・・850万t
・有効利用率                         ・・・85%
プラスチック資源循環利用協会

利用協会はこのように述べています。

「プラスチックを使うことはややもすれば環境に悪いものとみられがちですが、上記のとおり廃プラスチックの有効利用により環境負荷削減に多大な貢献しているということをおわかりいただけるのではないでしょうか」(HP前掲)

ちなみに世界のプラスチックは

・日本のプラスチック包装廃棄物有効利用率・・・84.2%
・世界全体平均                                  ・・・14%

その結果がこの全世界で数百万トンにものぼる海洋プラ廃棄物の漂流ということになったのです。
このように日本は超がつくようなプラゴミリサイクル優等生なのに、その日本で海洋プラゴミの0.5%に過ぎないレジ袋を有料化する意味が私にはさっぱり理解できません。

私は何度も書いてきていますが、為政者はその政策決定に当たってイエスノーの二分法ではなく、その政策をすることによるベネフィット(利益)とリスクを比較衡量して決定して欲しいと言ってきました。
このレジ袋についていえば、ベネフィットは限りなくゼロです。
海洋ゴミの割合は、無視し得るノイズに等しい0.5%ですから、削減の現実的利益は皆無です。
あえて言えば、レジ袋を使い捨てにすることに国民が意識を向け始めた「価値づけ」くらいなものです。
しかしそれすら、プラゴミのリサイクル回収を徹底する意識を持つことのほうがよほど意味があるはずです。
そんなにレジ袋にこだわりたいのなら、プラスチックからバイオマス素材に変えていくなど環境負荷を低減できる方法はいくらでもあったはずですが、対案を吹っ飛ばしていきなり有料化ですから、国民が腹を立てるのです。

一方、リスク(デメリット)といえばうんざりするほどあります。
スーパーのエコバックはそうとう定着してきましたが、コンビニで弁当ひとつ買うのにエコバックをブラ下げて入る人はいないでしょう。
しかも弁当用のレシ袋(茶色のもの)はよくできていて、底にマチがついていて安定する仕掛けなっています。
あれを迂闊にエコパックに突っ込むと、弁当が縦になってチャンプルーと化します。私、やりました。
またある報道では、万引きが4割も増えたというスーパーの声もあるようです。
またコロナ禍の中で、同じものを使い続けるエコバックのほうが、よほど危険なのではないかという疑問も出てきました。

特にコンビニをよく使う若年層のレジ袋有料化に対する不満は極めて強く、かつて青年層から新しいヒーローと目されていたジュニアの評判は、見るも無残にボロボロとなりました。当然です。
冗談半分でレジ袋有料化の見直しを公約に掲げるだけで、次の総選挙は勝ったも同然といわれるほど菅内閣の不評政策でした。

ですから悪いことはいいません、即刻こんな愚劣な「省令」を作った人は総裁選から降りなさい。
今のジュニアでは自民の人気取りにすらならないどころか、岸田-石破と続いた日本沈没路線を決定づけるだけにすぎないのです。
自民党にとっても若年層を中心とする「失われた右ウィング」の回復に繋がるどころか、いっそう遠心力が働いちゃうでしょうね。
今どき加藤さんをひっぱってきても無駄です。

 

 

2025年9月16日 (火)

小泉ジュニアにないもの・巨視的な眼

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小泉ジュニアにないのは、巨視的な目です。
今まで大向こう狙いのパーフォーマンスだけで生きてきた政治家のつらさで、世界の環境NGOが海洋プラスチックと言えば、国内事情もろくスッポ考えもしないですぐに従ってしまうし、石炭火力が日本は多いとコップ(COP・気候変動に関する国際連合枠組条約 締約国会議・Conference of the Parties) で叱られれば、すぐに屁垂れて石炭火力なんか止めちまえと言いかねないご仁です。
さすがそこまてはできないので(やったら経産省がただおきませんから)、せめて海外環境NGOに怒られないように輸出は止めた、それは化石燃料発電の固定化に繋がるからだぁ、と大見得をきったというわけです。

あのね、ジュニア。あなたがコップの時に横にいた女性が誰だか知っています?
クリスティーナ・フィグレスという環境運動家です。

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クリスティーナ フィグレスと小泉ジュニア。「ボク、セクシー?」なんて言って いるんだろうか。

このフィグレスは有名な環境運動家で、別名環境マフィア。
たとえば環境ビジネスのこんな記事に登場します。

「パリ協定をまとめた国連気候変動枠条約(UNFCCC)前事務局長のクリスティーナ・フィゲレス氏は、国連支援の責任投資原則(PRI)の署名機関に対して、保有資産の1%を2020年までに再生可能エネルギーやクリーンエネルギー投資に振り向けることを公約するよう要請した。現在のPRI署名機関の総資産額は70兆㌦なので、要請額は7000億㌦(約79兆円)になる。署名機関が署名に見合う行動をとれるかどうか。
 フィゲレス氏は、昨年7月にUNFCCCを退任後、パリ協定の達成を推進するための非営利団体、Mission 2020 initiativeの議長を務めている。このほどPRIがベルリンで開いた年次総会で演説、PRIの署名機関に呼び掛けた」(2017年9月28日 環境金融研究機構)
http://rief-jp.org/ct6/73122

このようにフィゲレスは、国連気候変動枠組み条約前事務局長という立場で、国連支援ビジネスに対して1%を再エネやグリーン投資に回すように勧告しています。
この金額だけで実に79兆円。いかにおいしいビジネスかわかるでしょう。

しかもフィゲレスは、自分自身「ミッション2020イニシャチブ」という民間団体もやっていて、その排出権ビジネスにも関わっています。
実はその団体がやっていることのひとつは炭素排出権売買です。

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排出量取引制度(キャップ&トレード)とは? – NPO法人 国際環境経済 ...

「炭素の排出量に価格付けを行う「カーボンプライシング(Carbon Pricing)」の施策には、「排出量取引」と「炭素税」があります。「排出量取引」とは、個々の企業に排出枠(温室効果ガス排出量の限度:キャップ)が設定され、事業者は自らの排出量相当の排出枠を調達する義務を負います。
キャップが未達の場合は罰則があるのが一般的です。事業者が排出枠を調達する方法としては、①オークションによる政府からの購入、②政府からの無償割り当て、③他の事業者からの購入などがあります。事業者は、排出枠の売り買い(トレード)を行うことが可能で、需要と供給により、温室効果ガス(GHG)の価格が形成されます」(国際環境経済研究所)
http://ieei.or.jp/2016/09/special201608008/

簡単にいえば、排出権ビジネスとは、炭素の排出が少ない企業が、多く排出している企業に余った排出権枠を売り、その仲介コミッションを取る商売のことです。
低炭素化運動はこういう排出権ビジネスが絡んだ時に、純粋な環境運動家の手を離れて、腐臭を放ち始めたのです。

ですから、フィグレスにとっては、ジャンジャン炭素を出して貰わねば商売あがったりとなります。
炭素排出国ほどご贔屓筋ですからね。
それをニッポンが低炭素の火力発電を世界に輸出するですって、何言ってるの、営業妨害じゃなんいの、というのがフィデレスの本音です。

ジュニアのトリチウム水を出させないという発言の時にもそう思いましたが、脳味噌が軽いというか。
トリチウム水が「汚染水」だって?: 農と島のありんくりん (cocolog-nifty.com)

トリチウム水放出問題ならば、原発=放射能=悪みたいな簡単な公式が一回彼の脳内で成立してしまうと、全部コレなんです。
いくら施設の貯水タンクが満杯だろうと、トリチウム水の海洋放出は条約で認められていようと、微量のトリチウムは危険だぁ、となってしまう。
一般ピープルなら反原発オバさんになるくらいで済みますが、あんた、政権党の政治家、いまやリッパな首相候補ですぜ。

低炭素火力発電ならば、推進は固定化につながるなんてバカ言っていないで、さらに推進して高度化を計っていくしかないのです。
それも炭酸ガス問題は世界規模のことですから、輸出することで地球環境をよくしていくはずです。
それを環境NGOなんかの言いぶんをそのまま口移しで言って、悦にいっているんだから、まったくもう。
こんな近視眼ぶりで、首相になるなんて悪い冗談を言わんで下さい。

 

 

 

2025年9月15日 (月)

コロナ残党にご注意を!

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いやーなんと新型コロナに罹っちまいました。
先週の始め頃から、咳と痰が止まらず、発熱が続き、特に喉が痛い、だるい、食欲皆無という風邪のような症状が続きました。
特になにか飲むと痛い、水を飲んだだけで痛いのには参りました。
鼻水なんぞ出放し、ビロウな話でもうしわけないが、首からティシュボックスをブラさげたいくらいでした。

しかし、私、危機感がなかったんだな。夏風邪だろう、放っておけば自然に治るさと思っていたのですが、ゼンゼンよくならないどころか悪化の一途です。
記事を書くのもつらい。
病院に行かなかったために、周囲の人たちも同じ症状を拡げてしまいました。今思うと罪作りな話でした。

そして土曜日に、一念発起して発熱外来のある病院で検査してもらったら、なんと「ニンバス(NB.1.8.1株)」だそうでした。
ドヒャー、オレいまさらコロナかいと腰が抜けました。あたしゃワクチン4回打っているんですぜ。
そうなんですよ、このニンバスというハリーポッターご愛用の魔法の箒みたいなこじゃれた(ラテン語で雨雲という意味)名前のコロナ残党は、悪質なことには既成のワクチンをすり抜けやがるのだそうです。
一般的にはウィルス感染は初期は毒性が高く、感染力も強いのですが、一定の規模でパンデミックをもたらした後は急速に弱毒化して、通常の風邪やインフルなどの中に溶け込んでいきます。
毒性は生きるの死ぬのと騒ぐようなもんじゃありません。
ただ夏風邪のひどいもの程度です。

ただ恐ろしいことにはこやつは、ワクチンや一度かかって得たはずの自然免疫を簡単にすり抜けてしまうことです。
私も4回ワクチンを打っていましたが、関係ありません。
ニンバス株は軽くそれを回避する免疫逃避力をもっているからです。

「当時流行していた他の主要な変異株と比較して、ニンバスは抗体の有効性を1.5倍から1.6倍低下させたことが示されました 。
つまり、既存の免疫を持っていても、ウイルスを中和する抗体の効果が30%〜40%程度弱まる可能性を意味するので、ブレークスルー感染が起こりやすくなった直接的な原因とも考えられますね。
このように、ニンバスはヒトの細胞に侵入する能力をもちながら、これまでの免疫もすり抜ける、バランスの取れた株といえるでしょう」
【ニンバス】新型コロナ変異株「NB.1.8.1株」について【特徴・由来・症状】 | ひまわり医院(内科・皮膚科) 

ただ救いは弱毒だということです。
ニンバス株は感染力は強力ですが、反面で重症化率、致死率は大変低いというのは慰めです。
症状としてはひまわり医院の150例のニンバス感染の内訳は

 

  • のどの痛み:74%
  • 発熱(38度以上):72%
  • 咳・痰:66%
  • 鼻水:40%
  • 頭痛:34%
  • 体の痛み:25%
  • 息苦しさ:16%
  • 倦怠感・だるさ:14%
  • 消化器症状(吐き気・下痢など):7%
  • 味覚嗅覚障害:1%

あ、そうそうわかるわ、私もまさにコレ。
思い当たる方は、根性で会社なんて思わずに発熱外来に行って下さい。
さもないと職場をクラスター化させてしまいますよ。

抗ウイルス薬は有効です。ただし発熱が高い人や高齢の人には処方されますが、通常は対処療法で抑えるのが一般的ですので、私も処方されませんでした。
ニンバス・コロナと診断されたら、最低でも症状が出始めてから5日間は家に閉じこもって自主隔離するべきです。
ちょっと前の2類の時なら、問答無用で隔離だったんですからね。

皆様、忘れた頃にやってくるニンバス・コロナ、ご注意ください。
危ないとかんじたらすぐに病院へ。

 

 

 

2025年9月14日 (日)

日曜写真館 悩みなど捨てよと咲けり彼岸花

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仏達を笑ふてくらす彼岸哉 政岡子規

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うつりきてお彼岸花の花ざかり 種田山頭火

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かへり観れば行けよ行けよと曼珠沙華 中村草田男

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お前さん どこへ行くんじや 彼岸花 伊丹三樹彦

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今生の闇凛々と曼珠沙華 飯島晴子 

 

 

 

2025年9月13日 (土)

セクシー君に権力をとらせないほうがいい理由

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まったくヤレヤレな気分ですが、2021年菅政権時に日本は温暖化ガスを2030年時点で4割削減する約束をしてしまいました。
なんでも2050年にはゼロにするのだとか。

「脱炭素に向けた議論が日本でも本格的に動き出した。2050年に温暖化ガスの排出量を実質ゼロにするためには、30年時点で40%を大きく超える削減目標が必要だ。達成には、再生可能エネルギーの拡大や排出量取引制度の導入、技術投資などを急ぐ必要がある」(日経3月31日)

言うのは自由ですが、よもや本気じゃないでしょうね。
立憲あたりが言っているぶんには聞き流しますが、言っているのがいかにも実務肌の菅さん、そしていまや総理に一番近い男だといわれている小泉ジュニアが推進しているので、なんだかなぁという気分になります。

政府は202012月25日に、「グリーン成長戦略」を公表し、その中で経済と環境を両立させて2050年にCO2排出の実質ゼロを目指すとしています。
はっきり言ってそんなモン不可能です。
小規模な削減規模であれば、新型太陽光発電の導入や、電池の改良でなんとかなるでしょうが、大規模に脱炭素をするとなるとあのタブーに触れなければなりません。
ナニかって?そりゃ原発に決まっています。
元々、原子力は3.11まで約3割を占める主要の電源だったのですから、これを増やせとはいいませんから、せめて元の発電規模に復元させるだけでそうとうに脱炭素は実現するはずです。

しかしこれも東海第2の差し止め訴訟が勝訴してしまい、柏崎刈羽が東電のトンマのおかげで再稼働が延期されてしまったためにどうなることやら。
今のように素人の司法に再稼働の判断を握らせるような仕組みがあるかぎり、元の発電規模に戻すのにはどれだけ時間がかかるかため息がでます。

あと残る削減手段は、現在主力電源になっている火力の脱炭素化を進めることです。
電力会社は、原子力を封じられ、脱炭素を政府から要請されるという苦しい立場を、火力の低炭素化・効率化でブレークスルーしようとしています。
たとえば、我が国の先進的な脱炭素火力システムには、このようなものがあります。

●超々臨界圧発電方式(USC)
燃料を燃やして蒸気をつくる際に、極限まで高温、高圧にして蒸気タービンを回すシステム
●コンバインド・サイクル発電
高温のガスを燃やしてまずガスタービンを回し、その排ガスの熱を再利用して蒸気をつくることで蒸気タービンも回すシステム
●石炭ガス化複合発電(IGCC)
コンバインド・サイクル発電でガスタービンを回すのに使われる「高温ガス」を、石炭をガス化して作るシステム
●CO2分離・回収型石炭ガス化複合発電(IGCC)
世界初、石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC)の実証事業に着手 | NEDO

この低炭素化・効率化の火力技術は世界最高水準です。
火力というと、炭素ガスと硫黄酸化物をボンボン出しているものしか想像できないと置いていかれますよ。

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 資源エネルギー庁

上図を見ていただければ、中央の世界平均が941㌘CO2/kwhに対し、日本の超々臨海圧発電(USC)は795㌘、CO2分離・回収型石炭ガス化複合発電(IGCC)に至っては590㌘と半分です。
 同じ石炭火力発電とくくってしまうのがいかに乱暴かわかるでしょう。

日本の低炭素・高効率火力発電は、インドや米中のそれと比較すると、実に4割以下の炭素排出量となっています。
日本はひとことで化石依存と言いながらも、炭素排出の少ないLNG火力(グラフ右端)の比重を高め、新型の低炭素型に置き換えながら、従来型の旧式石炭火力を削減し続けています。
こういう実態を知ってか知らずか、結局火力なんだからみんな止めちまえ、輸出するなんて温暖化効果ガスを増やすだけだ、という馬鹿が出ました。
かのセクシー進次郎です。
セクシーくんは、低炭素石炭火力輸出に制限をかけると言い出して、エネルギー業界を呆れさせました。

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「小泉進次郎環境相は26日の閣議後記者会見で、温室効果ガスの二酸化炭素(CO2)排出量が多い石炭火力発電所の輸出支援政策見直しについて触れ、相手国で脱炭素への移行が促進されることを輸出要件に含めるべきだとの考えを表明した。政府が6月にも策定する「インフラシステム輸出戦略」の基本方針に盛り込むことを目指す。
この日環境省の有識者検討会が、脱炭素化に政策転換するよう輸出相手国を支援する重要性などを指摘した報告書を取りまとめたのを踏まえ、環境省として新たな方針を示した。小泉氏は、石炭火力は新設後約50年稼働するため相手国のCO2排出量を固定化するほか、投資に見合った資金の回収ができなくなるリスクがあると指摘。「長期的なリスク評価が必要だ。ビジネス最優先で、売れるから売るというだけではだめだ」と述べた」(毎日2020年5月26日)

私はレジ袋は勇み足でしゃーない奴ていどに思っていましたが、この日本の低炭素排出・高効率火力の輸出に対する規制発言にはあきれ果てました。
規制どころか、もっと積極的に日本が生み出した低炭素・高効率火力を、官民が協力して世界に普及させることが、世界にとってもっとも効果的な脱炭素の方法なのに反対してどうする。
世界で二酸化炭素ガスの排出量ベストスリーの米中印に輸出するだけで、そうとうの削減が可能となるのに、環境大臣がこれに反対するというんですから超絶バカです。
そもそも二酸化炭素排出の圧倒的世界一位の中国の排出量をどうにかしないと、世界全体の脱炭素など絵に描いた餅なのです。
中国の二酸化炭素問題に触れない地球温暖論は偽善です。そういや、グレタさんもひとことも触れないよな。

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データで見る温室効果ガス排出量(世界) | JCCCA 全国地球温暖化防止

政府は、原子力に封印をしたまま、その代替をになっている安価な化石燃料の従来通りの利用に大きな制限をかけ、CO2の回収貯留を義務付けるといいます。
その代替は、不安定で気まぐれな電源である再生可能エネルギーをメーンに据え、まだ技術が完成していない水素エネルギーで代替するということのようです。

そのうえこの「グリーン成長戦略」により、2030年に年90兆円、2050年に年190兆円の経済効果があると捕らぬタヌキの皮算用をしているのですから、頭大丈夫ですか、菅さん進次郎化しちゃったんじゃないでしょうね、と心配になりました。
カンが強引に進めた太陽光発電の普及の帰結として、国民は年間2.4兆円の賦課金を背負うことになりました。
この再エネ賦課金は、消費税と酷似していて、所得と無関係に使った電気使用料に均等にかけられるために、貧困層に大きく負担がのしかかります。
しかも再エネ振興のために、20年間固定価格買い取りとして制度化してしまったために、累進的に負担を増していくことになります。

またかつてカン政権は、再エネによるグリーン成長戦略だなどと言っていましたが、メガソーラーの多くは中韓の外国資本によって占められ、しかも太陽光パネルの大部分は中国製ですから、国内の富の流出を招いたにすぎませんでした。
タンチョウヅル生息域であ北海道釧路湿原の周辺で、メガソーラーの開発が進められています。
ブルドーザーによって湿原が失われてゆく光景が報じられ、アルピニストの野口健さんが環境破壊だと強く反対しています。
すでに釧路市はノーモア・メガソーラー宣言を出しています。

わが村の周辺でも何カ所もの巨大ソーラーが説されましたが、いずれも森林を伐採し、いいかげんな土留めですましてそこち除草シートを貼り付け、中国製のパネルを乗せるという安易な建設でした。
建設現場を一目見ればわかるでしょうが、なにが「地球にやさしいグリーンエネルギー」だ。

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地方喰い荒らす似非「自然エネルギー」 島の4分の1伐採し太陽光パネル150万枚 国内最大のメガソーラー計画に揺れる宇久島 | 長周新聞

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世界の太陽電池生産量・生産能力および太陽光発電システム導入量

これを今度は年間100兆円規模でやろうというのですから、日本経済が破綻する可能性があります。

なるほど今の世界のトレンドは、脱炭素です。
脱炭素はいまポリティカル・コレクトネスと同じ位置に納まってしまいました。
私が地球温暖化説に関心を持ち始めた20年ほど前には、環境問題に関心がある人だけのテーマでした。

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かつて私はアル・ゴアの有名な『不都合な真実』を読み解く中で、このゴアの主張には多くの過剰な装飾、ありていえば嘘が含まれていることに気がつきました。
これについては別な機会に譲りますが、ゴアが警鐘を鳴らした多くの事象が、温暖化とは別な原因で起きていることがわかったからです。

私はやがて、地球温暖化のバチカンであるIPCCの人為的二酸化炭酸ガス温暖化説は「根も葉もある間違い」 だと考えるようになりました。
たしかに人為的温暖化は存在します。そこまでは事実で、温暖化は起きていないというのは誤りです。
そしてその原因のひとつに、人類の経済的社会的活動があるのも事実でしょう

しかし地地球規模の気象変動を、温暖効果ガス、すなわち二酸化炭酸ガス排出だけですべて説明しようとするには、あまりにも無理があります。
地球の気候は周期的に変動し続けていますし、その原因は人類の活動とは無関係な太陽の活動や海洋の周期に影響されているからます。
脱炭素への取り組みを全否定する気はありませんが、二酸化炭酸ガスのみに特定して、それだけを中心に経済・社会を規制するのは行き過ぎです。
そのようなことをすれば必ず経済・社会活動の低迷を招くことになることはわかりきっているからです。

ところで私のような温暖効果ガス懐疑論は、10年前には自由に発言できる雰囲気がありましたが、現在はいささかの勇気が必要になってきています。
脱炭素運動が、一部の極端な環境活動家の手から日米欧の政治の中心に踊りだしてしまったからです。
まるで、かつてのポリコレが少数の運動家から、「世界の常識」と化していったように、です。

温暖化効果ガス削減は、いまや少しも疑ってはならない「絶対真理」、ないしは「絶対正義」と化したのです。
これに真正面から反対できる政治家は少なく、私が知る限り世界広しといえどドナルド・トランプしかいませんでした。
トランプはリベラルから「地球の敵」扱いされましたが、トランプの反骨は筋金入りだと感心させられます。

一方、風見鶏よろしく世間の風向きを計ることに動物的嗅覚を持つ小泉父子は、脱炭素に走りました。
そして政府は熱にうなされるように採算の合わない再エネを促進し続け、国民に再エネ賦課金として消費税を陵駕する規模の経済損失を行っています。

FITだけではなく。排出量取引制度や化石燃料賦課金制度など、新たな制度も追加され、いまや簡単に後戻りができなくなっていっています。

結果、電気代が高値ではりついたままになり、製造業は苦吟し、特に豊富な電力を必要とするAI産業は秘薬の機会を奪われています。
このような結果が見えている再エネ推進は、いまやブレーキをかけねばならない危険な政策であることは明らかであるにもかかわらず、能天気に推進を唱えているのが小泉ジュニアなのです。

 

 

 

 

2025年9月12日 (金)

地球温暖化と太陽黒点増減

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考えてみればあたりまえの話ですが、地球は太陽のエネルギーを吸収していますから、その多寡が地球の温度の収支に影響するのは当然です。
太陽の活動が増加すれば地球は温まり、不活発になれば地球は冷えていく、ある意味、たいへんに単純な話です。

さて、太陽の表面には周囲よりも温度が低いため黒く見える黒点があります。

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「京」の中で太陽黒点の11年周期が見えてきた | 計算科学の世界 (riken.jp)

この太陽黒点の増減は、太陽活動と大きな関係を持っています。
1600年から2000年までの太陽黒点400年の動きを見るとこうなります。

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ISAS | 46億年の太陽史 / 宇宙科学の最前線
太陽黒点 - Wikipedia

1790年から1820年はダルトン極小期、1645年から1715年はマウンダー極小期と呼ばれています。
ダルトン極小期やマウンダー極小期は、地球気温が平均より低かった時期に当たっています
ダルトン極小期 - Wikipedia

1645~1715年の70年間にわたって黒点がほとんど観測されないマウンダー極小期は、全地球的な寒冷期(小氷期)をもたらしました。
この時期、ロンドンのテムズ川が凍りつくなどの気候の寒冷化を示唆する記録が残されています。
下の絵は1677年に描かれたロンドンで、氷の張ったテムズ川の情景です。
イギリスではテムズ川が凍結し、アメリカではニューヨーク湾が凍結しました。

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“17世紀の危機”の原因は小氷期 | ナショナル ジオグラフィック日本版サイト (nikkeibp.co.jp)

また1810年前後に活動の低下があり、「ダルトン極小期」と呼ばれています。
この時期、日本では天明の飢饉が起きており、1816年は夏のない年とされています。
アイスランドは海氷に取り囲まれ、食糧不足で人口が半減し、日本でもこの時代には飢饉が頻発し、百姓一揆が起き、社会不安が生まれています。

このマウンダー小氷期の襲来で農業生産が縮小した結果、社会が大きく変動しました。
デービッド・チャン(香港大学)はこう述べています。

「産業革命以前、ヨーロッパ諸国の主幹産業は農業だった。気候は農産物の生育状態を決定するため、経済も気候に左右された。(略)
分析の結果、小氷期が最も過酷だった1560~1660年に、食料不足や健康状態の悪化などの“結果”が端的に表れたと判明した。この時代、農産物の生育期は短くなり、耕地も縮小している。
 また、ヨーロッパ人自身の体格も小さくなったという。平均身長は気温を追うように下がり続け、栄養失調の拡大とともに1500年代末にはおよそ2センチも低くなった。再び身長が伸び始めたのは、気温が上昇傾向に転じた1650年以降である」
(ナショナルジォグラフィック 2011年10月3日)

「マウンダー極小期は中世における小氷期中頃の寒冷期の遠因と目され、この時期のヨーロッパ北米大陸、その他の温帯地域において冬は著しい酷寒に震え、暦の上では夏至であっても夏らしさが訪れない年が続いた。北半球平均気温は極小期の前後と比べて0.1 - 0.2度低下したのではないかとされている」
マウンダー極小期 - Wikipedia

大枠では太陽黒点の増減と寒冷化は因果関係があるようにに見えますが、千葉大学掘田秀之氏によれば、黒点が多い極大期と少ない極小期で、光の放射量は0.1%しか変動しないことが確かめられおり、マウンダー極小期と寒冷化の因果関係は完全に解明されたわけではありません。

また地球寒冷化には太陽黒点だけではなく、他の要因も重なっています。
たとえば地球気象に大きな影響を与えるのが、火山の大爆発です。
1815年に起きたインドネシアのタンボラ山が大爆発を起こしており、これが寒冷化に大きな影響を与えました。
噴き上げられた大量の火山灰は、上空11キロより上の「成層圏」に達した後、全世界へ拡散していき、全地球的気象変動を引き起こしました。

「この噴火は世界的な気候変動を起こした歴史上の事件としても知られている。というのは、噴火の翌年から北米と欧州では夏が来なかったからである。
北米東岸の平均気温は例年より4度も低く、6月に襲来した寒波によって雪が降ったほか、池には氷も張った。また8月には霜が降りたため主要作物のトウモロコシが全滅した。こうした異常低温は翌年の1817年まで続き、米国北東部の農民の多くが西部へ移住していった。すなわち、インドネシアの巨大噴火によって発生した異常気象が、米国西部の開拓を促したとも考えられているれ

鎌田浩毅の役に立つ地学:世界に夏が来なくなった19世紀のインドネシア・タンボラ火山大噴火=鎌田浩毅 | 週刊エコノミスト Online (mainichi.jp)

スペクティは火山の活動についての配信を行っていますが、2021年5月ころから急増しているのが気になります。

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2021年、気になる火山噴火の増加 | スペクティ(株式会社Spectee)

「配信数が多かったトップ10の火山を世界地図上にプロットしました。「~倍」の数字は、「2021年3月& 4月の月平均配信数」が「2020年5月~2021年2月までの月平均配信数」から何倍に増えたかを表しています。アイスランドのファグラダルスフィヤル火山は4月に入るまで噴火がなかったため、「-倍」としていますが、どの火山も軒並み活動を活発化させていることがわかります」
(スペクティ2021年5月12日)

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スペクティ

これもお断りすれば、成層圏にまで火山灰が到達するような大爆発でないと地球気象に影響を与えませんので、念のため。
とまれこのように地球気温の変動は、太陽黒点の増減、火山の活動、海流の変化などいくつもの要因によって決定されるのです。

ところで太陽黒点観測は、1755年から始まる活動の山をサイクル1として、2011年からはサイクル24に入った時期にあたります。
太陽活動はほぼ11年の周期で変動していて、「サイクル24」とは、1755年から数えて24番目のサイクル(周期)だという意味です。
サイクル24は、太陽の活動が「穏やか」になり始めているのではないかと見られています。

上図で水色の折れ線グラフは黒点相対数を表しており、黒点相対数が多いときは太陽活動が盛んです。
そしてこの増減には一定のサイクルがあり、黒点相対数は約11年周期で増減しています。
一方、相対数のピークには長周期変動があることもわかります。
それを見るために区間を11年(132ヶ月)にして移動平均をとってみたのが赤い折れ線グラフです。

皮肉にも地球温暖化を協議する2013年のCOP19に合わせたように、太陽表面は「穏やかな状態」が続いており、黒点数が20世紀のどの時期よりも少なくなっています。 
2022年の太陽黒点活動は、このようなものとなっています。
現況・トレンド | 太陽黒点 | 宇宙天気予報 (nict.go.jp)

サイクル24(第24太陽活動周期)は、過去250年間で観測された最弱なものです。
下図をみていただくとNOAA(米国海洋気象庁)の観測データでも、11年から再度活発化トレンドに向かうかと思われた黒点数が、また13年を境にして下降に戻ったことが分かります。

Photo NOAA・ アメリカ海洋気象庁の太陽活動の予測と実際の太陽活動の相違

情報通信研究機構)http://www.nict.go.jp/glossary/4otfsk000000k85f.html太陽黒点相対数のグラフ           

上のグラフを見れば2002年から低下の一途をたどり、09年には最低の時期を迎えているのが分かります。
むしろ2011年以降緩やかに回復基調ですが、やっと回復している微弱な動きが太陽表面で見られています。

「国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT )「宇宙天気予報センター」が公表した太陽黒点相対数の推定値によると、低調だった「太陽黒点相対数(SSN=サンスポットナンバー)」が2か月弱ぶりに「100超え」を記録。5日前の12月9日(木)から11日(土)の3日間は「0」を記録していたため、この5日間で急上昇したことになる。久しぶりに太陽活動の活発化の兆しが見えてきた。コンディション上昇に期待が膨らむ」
<太陽活動、活発化の兆しか?> 太陽黒点相対数(SSN=サンスポットナンバー)が急上昇、5日前まで「0」が12月16日に「100超え」 | hamlife.jp

そして現在、この太陽黒点周期は2008年1月から減少期間となったと考えられています。 
サイクル24の活動は、世界の温暖化対策を嘲笑うかのように長期に渡って黒点が観測できない状況が続いていました。

上のグラフを見れば2002年から低下の一途をたどり、09年には最低の時期を迎えているのが分かります。むしろ、11年以降緩やかに回復基調ですらあります。
今後太陽黒点がどのような動きを見せるのかは、今後の観測によらねばなりませんが、二酸化炭素だけが主原因で、それが右肩上がりで増え続け地球が温暖化し続けるというのが、いかに短絡した説がおわかりいただければ幸いです。

 

2025年9月11日 (木)

自民党は失った保守ウィングを取り返すしかない

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石破氏の辞任表明に左翼陣営が落胆しきりのご様子のようです。

「石破茂首相(自民党総裁)の辞任表明を受け、立憲民主党や社民党などのリベラル(革新)系からは、「石破後」の自民の保守回帰を懸念し、「残念だ」と惜しむ意見がみられた。高市早苗前経済安全保障担当相が自民新総裁に選ばれることを警戒する声もある。
社民党の福島瑞穂党首は8日、X(旧ツイッター)に「正直とても残念」と投稿した。首相による8月の広島、長崎での原爆慰霊式典のあいさつに触れ、「石破首相は本を読み、広島、長崎のスピーチでも自分の言葉で語った」と評価。「石破首相だから参院選に負けたわけではない。自民党だから負けた」と主張し、「石破首相後が心配。社民党は立憲野党と力合わせて政治を変える」と強調した。
立民の藤原規真衆院議員は7日、Xで「党内の怨念により葬り去られる前に、できることがあったはずだ」「腹括れば何個かは実行できたのではないだろうか。無念だろう。私も後味が悪い」と惜しんだ。藤原氏は6月の東京都議選で共産党候補の応援演説を行い、小川淳也幹事長から注意を受けた」
(産経9月6日)
「高市総理誕生が最悪」「自民分解の好機だった」リベラル系から石破首相辞任を惜しむ声 - イザ!

わ、はは、残念でしたね。このまま行けば自民党はうすら甘いリベラル政党に溶解していったのにね。
派閥は潰し、安倍派もぶッ壊し、米国民主党左派かメルケルばりのリベラル政党に変質させる、岸田氏は意識的にそう考えていたはずでしたし、彼が後継に据えた石破氏はそれを増幅させました。
ただし立憲の最左派の藤原氏じゃないが、「腹をくくれば何個かはできた」というのはそのとおりで、彼は最後まで評論家体質から一歩も出られませんでした。
陰キャラのこの人らしく、ともかく内向きな人で、自民党内の権力闘争に終始して仕事らしい仕事はなにもしなかったのですから、総理としては点のつけようがありません。

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(スポニチアネックス) - Yahoo!ニュース

そういえば、辞任前に一時石破政権の世論調査が爆上がりという不可思議な現象がありました。
これこそ民意だとばかり石破氏はこの蜘蛛の糸にしがみついたのですが、どうやら年齢補正をしなかった新聞各社のミスリードだったようです。だって、
3回続けて石破氏に泥水を飲ませておいて、土俵の俵に足がかかった時期になって支持率が上がる、そんな矛盾したことなんかありゃしません。
これを詳細に調査した横浜商科大学田中辰雄氏はこう述べています。

「では、この辞めるべきと思わない人(人数にして731人)はどんな人なのであろうか。それを示したのが図2である。一番上のバーは支持政党が自民党かどうかで分けたものである。辞任すべきでないと答えた人のうち、自民党の支持者は22.7%だけであった。他は別の党の支持者であるか、支持政党なしである。次のバーは今回の参議院選挙で投票した先であり、自民党に投票した人は21.4%しかおらず、他党に投票した人が56.2%もいる。最後のバーは、いま選挙があるとしたら比例区はどの党に投票するかを聞いたものである、自民党に投票すると答えた人は22.8%だけで。自民党以外に投票する人が49.4%に達する」
「上図のメッセージは明らかである。石破首相に辞めなくてよいと言っているのは自民党の支持者ではなく、自民党に投票した者でもなく、これから自民党に投票する人でもない。石破首相に辞めなくてよいと言っているのはおよそ自民党には投票しない人々である

(note田中辰雄 8月24日)
2025年8月臨界点―石破政権はなぜ支持率が下がらないのか|Tatsuo Tanaka

つまり、この「自民党に投票せずに石破氏は辞めるな」と言っている人たちを心底失望させる以外、自民党が再生する道はないということです。
よく野党や公明との連携が鍵だとしたり顔しで言う人がいますが、それは保守政党として自民が揺るがなかった時代の話です。

いまや左へと溶けかかったアイスのようになっているのですから、話が違います。
総裁選はフルスペックでするみたいでそれそれではけっこうなんですが、一般党員は石破政権時にゴッソリ嫌気が差して参政党や国民民主に行ってしまいましたよ。
よくスーパーに行く途中の日の丸おじさんの家は、いまや参政党のポスター貼ってますしね。(笑)
この私もさすが愛想が尽きたという気分でした。
ミズホ女史がいみじくも言うように、「石破だから負けたのではなく自民だから負けた」のです。
自民の変質にうんざりして失った保守ウイングを取り返さなければ、自民に明日はありません。

ゲル怪獣を産み出した責任をとって岸田、菅の両人に良心が残っているなら、今回の総裁選にクチバシを突っ込まないことです。
弱い自民を作ったのはこのふたりなのですから。

 

 

2025年9月10日 (水)

暑さの原因は?

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温暖化効果ガスといっても何種類もありますが、そのうちの主犯と見なされたのが炭酸ガスでした。
ここで問題となるのは、この炭酸ガスの発生原因です。
自然由来なのか、それとも人間社会が生み出した経済活動によるものか、その原因によって対処方法が違うからです。

炭酸ガスは人間活動が作り出したのだとするのが炭酸ガス人為説です。
これがどうしたことか圧倒的に支持されて、いまや誰も疑ってはならない絶対正義となっていることはご承知のとおりです。
今日はこれについて考えてみましょう。

コロナの真っ最中にCO2が史上最高値だったのを知っていますか。
コロナ感染の盛りで世界経済が最低だったのにかかわらず、CO2だけは出まくっていたことになります。

「ロンドン(CNN) 二酸化炭素(CO2)をはじめとする大気中の温室効果ガスの濃度は年々上昇を続け、昨年さらに観測史上最高値を更新したことが、世界気象機関(WMO)の新たな報告で明らかになった。
WMOが25日に発表した報告書によると、昨年のCO2濃度は産業革命前の149%を記録した。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で新たな排出量は一時的に減少したものの、大気中の濃度が過去10年間、次第に上昇してきた傾向に変化はみられなかった。」(CNN2021.10.27 )
CNN.co.jp : 大気中のCO2濃度、昨年も記録更新 世界気象機関の報告

これを炭酸ガス人為説の間違いの傍証のように言っている人がいましたが、そうではありません。
こういう時間差が出るのは、CO2が海洋や植物に吸い込まれる自然界の緩衝作用が働いているからです。
植物や自然界がいったんCO2を吸収して一定時間ため込んでから吐き出すのです。

では、いったいどのくらいの時間かかって吸い込まれているのかは大事なポイントです。 
というのは、海洋や植物に吸収されるまでに長い時間がかかるのです。
つまり、今この世界にあるCO2は、ただいま現在のものではなく、過去に由来して蓄積しているのです。
この蓄積期間にも説がいろいろとあるようですが、最短で5年間、長いもので200年間という学者もいるそうです。 

このCO2が自然界に吸収されるまでの期間を、「滞留時間」と呼びますが、これを最短の5年間ととると、モロに人間の活動によるという証明となります。
 一方200年ととると、人間活動との関係が微妙になります。 
というのは工業化のきっかけとなった産業革命が起きたのが18世紀半ばから19世紀だからで、人為説ならばそこから有意な気温上昇がなければならないはずですが、実は19世紀にはテムズような河が凍るような小氷河期が到来したこともあるのです。
また20世紀にも70年代には寒冷期が来ています。
その頃には氷河期がやってくると人類はおびえていたのをもう忘れたようです。

では、5年~15年間の短期滞留期間説を取るとすれば、CO2が気温上昇の疑惑の真犯人扱いですから、思い出されるのが、CO2と気温上昇がパラレルで上昇するという、マイケル・マンのホッケースティック曲線です。 
これは樹木の年輪の感覚から割り出した仮説です。

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これが地球温暖化を説明するのにつごうがいいことから、炭酸ガス主犯説の科学的根拠とされました。
しかしあいにく、このホッケースティック曲線には大きな誤りがありました。
最大の誤りは、上のグラフの右に見える19世紀以前の気温が単調に横ばいですが、現実の観測記録と大きく異なっています。
また10C世紀~14世紀の中世温暖期は無視され、19世紀の小氷河期もなかったことになっています。

実はそのことはいまやIPCCですら認めているのです。ただし小声ですが。

「だがIPCCの第5次評価報告書(2013年)の示した過去の温度のグラフでは、中世(1000年前後)の温度は、現在とあまり変わらない高さまで上がっている。
政策決定者向け要約
「北半球では、1983年から2012年の30年間は、過去1400年間で最も暖かかった可能性が高い」「幾つかの地域において、中世気候異常(950年から1250年)の内の数十年間は、20世紀末期と同じぐらい暖かかった(高い確信度)」となる。(略)

ホッケースティック曲線の発表の後、古気候を巡った論争が起きて、結局、IPCCはホッケースティック曲線の使用を止め、最新の第5次評価報告書では北半球において中世の温暖期(今のIPCCの言葉では中世気候異常と呼ばれているけれども)が存在したことが明記されている」(『中世は今ぐらい熱かった:IPCCの最新の知見』杉山大志IPCC第6次評価報告統括代表執筆者)

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上図のIPCC(2007) 第4次評価報告書においてはホッケースティック曲線は消滅しています。
つまり20世紀に入って特異な気温上昇が見られたという説は、科学的信憑性が低いとIPCC自身が認めているということになります。

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また上のグラフは、中世温暖期は地球規模で見ても、中世の温暖期は現在よりも暖かかったとする複数の温度再現研究結果をまとめたものです。
中国においても同様の中世温暖期があったことが記録に残っています。

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また、このホッケースティック曲線が衝撃を与えた20世紀からの極端な気温上昇の中にも、下図のように1940年から1980年まで続いた「寒冷期」が存在します。
そういえば思い出しました。1970年当時の世界の気象学会はどんな警鐘を鳴らしていたのでしょうか。「来る小氷河期に備えよ!」でしたっけね(苦笑)。
そのわずか20年後に真逆ですか、まさに「君子ハ豹変ス」の見本ですな。 

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それはさておき、上の地球の気温変化グラフに、下図のCO2の排出量グラフを 重ねてみましょう。1940年~1980年にかけて、大気中のCO2濃度に低下が見られたのでしょうか、下図をご覧ください。

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 一目瞭然ですね。1940年のCO2排出量は50億トン弱、1980年には180億トン弱、つまり3.6倍になっているにもかかわらず、実際には寒冷期が来ているのです。
これをどのように、CO2の増大が地球の気温上昇につながったと整合性をもって説明するのでしょうか。 

下は極地における氷床ボーリングによる二酸化炭素とメタンの資料ですが、左端の現代と2万3千年前を較べれば同じだとわかります。
さらには1万3千年、3万3千年前にも高い時代がみられます。
The Vostok Ice Core: Temperature, CO2 and CH4
http://euanmearns.com/the-vostok-ice-core-temperature-co2-and-ch4/
 

Vostok_temperature_co2

これらをバッサリ切って視野に入れない、いや議論すらさせないでは、あまりに非科学的というもんではありませんか。
にもかかわらずその原因を一面的に人為的炭酸ガスのみに求めていき、経済や社会生活に大きな打撃を与えかねない現在の信仰にも似た風潮には疑問をもたざるをえません。

現在のグリーンファンドなどは巨額な資金を運用しており、いまや世界経済にも影響を与えるまでになっています。彼らの野望とこの人為的炭酸ガス説は無縁とは考えにくいのです。

 

2025年9月 9日 (火)

菅氏と小泉ジュニアがえらいですって?

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ゲル氏は、最後の最後までのたくったわけですか、まずは解散という恫喝をかけます。
解散となれば、党が公認を出すわけですが、この権限は党執行部にありますから、お前は裏金議員だ、お前は統一教会と関係あるだのとなんやかんやリクツをつけて反石破にまわった手合いはことごとく落としてしまいます。
あるいは小泉パパのやったように刺客を出す。
へたすりゃ保守分裂で共倒れですが、それでもかまわないというのがゲル氏のスタンスでした。

当然反石破だけではなく、公明、立憲まで含めてそんな個人的事情での解散は認められない、そもそも閉会中解散などありえないと大ブーイング。
解散には閣議決定が必要であり、全閣僚の合意が前提となるのですが、嫌気が差した閣僚がポロポロ出始めました。
こいつらを全員罷免して職務を首相が代行という手段もありました。
その上、最後の最後には総裁総理分離なんて言い出していたようで、ヒトラーが負けるくらいならドイツを焼き尽くせと喚いている1945年4月のベルリン総統地下壕みたいだったんでしょう。
辞意表明はするが、これはあくまで「自民党総裁」としてであって、「内閣総理大臣」としての辞任はしないという最終兵器もあるにはあったんです。
ただしあくまで理論上はであって、議会多数派が首相を送るというのが建前の議会制民主主義の完全否定です。
こうしたことまで言い散らすこと自体が異常であり、それが石破茂という人物なのです。

さて、この狂乱の総統地下壕と化した首相官邸に赴いたのが菅氏と小泉ジュニアでした。
神奈川新聞がそのへんを記事にしています。

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神奈川新聞

「石破茂首相(自民党総裁)が辞任を決断するきっかけとなった菅義偉副総裁(元首相、衆院神奈川2区)、小泉進次郎農相(11区)との6日深夜の三者会談を巡り、その背景が関係者の証言で明らかになってきた。「総裁選前倒し決定なら解散総選挙を打つ」との首相サイドの動きに菅氏が怒り5日早朝に首相を電話でただしたことが発端となったという。自民幹部は「『菅電』による解散構想への危機感や怒りの直接の伝達がなければ事は動かなかった」と振り返った」
(神奈川新聞9月8日)
解散構想に菅氏怒り、石破首相へ直接電話…辞任決断きっかけの三者会談、背景が明らかに(カナロコ by 神奈川新聞) - Yahoo!ニュース

菅氏はよもや解散を真剣にゲル氏が検討しているとは思わなかったようで、さすがに仰天したようです。

「1政党の予備選を巡り不利だから解散なんて国会軽視も甚だしい。憲政の常道にも反する」。5日早朝の携帯直電で菅氏が首相を詰問したのは首相周辺から発信されていた解散構想だ。法的には国会閉会中の解散は可能とされる。しかし憲法学者の間でも「本会議も開かないまま議員を解職する行為は議会制民主主義に照らし暴挙」と指摘され、歴代政権下での実施は皆無だ」
(神奈川新聞前掲)

そこで菅氏はゲル氏に電話をしたら、「むちゃはいたしません」と回答したとされるが、まだ解散の噂はくすぶっているのを見て、閣僚であり、自分の舎弟である小泉ジュニアと諮って、「党分断も解散構想も絶対に阻止しなければ」と確認し合って官邸に乗り込んだのだそうです。
さすがにゲル氏も、自分の政権を作った製造物性任者の菅前総理に官邸に乗り込まれてはお手上げで、ここでやっと白旗となったというお粗末の一席。
で、いまやよーあのクレージー・ゲルを止めてくれた、と菅氏とジュニアの評判は爆上がりしているそうです。

そもそもあのゲルというモンスターを作り出したのは、岸田文雄氏、菅義偉氏だったのをお忘れか。
第1回で高市氏が勝利したのに驚いて、保守票を切り崩してまともにやったら絶対に首相になんかになれない男を総理の座につけたのはこの岸田と菅のふたりです。
ゲル氏は軽い神輿だと思っていたのでしょうが、とんでもない怪獣に成長してしまい、自民党をほんとうにぶっ壊しかねないことにタマゲタのはこのおふたりだったはずです。

それでも岸田氏は例によって「石破クンは本当に自民党を壊す気かね」とひとごと。
もうひとりの長老である麻生氏はハナからゲル氏が大嫌いですから、このモンスターのスイッチを切るのはもう菅氏ししかいなかったのです
だから褒められますかね。
こんな異常な人を総裁にした責任をとっただけにすぎません。

いまや猫の首に鈴をつけた、と小泉ジュニアがぶっちぎりで総裁レースを有利に運びそうだとか。
ばかばかしい。あーほんとうにばかばかしい。

2025年9月 8日 (月)

石破氏の遅すぎた結末

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石破氏が辞任しました。
ふーやっとかい、というかんじです。見苦しさの極みでしたが、これでとりあえず自民党が分裂・瓦解することは回避されました。
このまま石破氏が衆院解散などという悪手の限りを尽くした場合、相当数の議員が出て行き、新党を結成することもありえました。

「石破茂首相(68)(自民党総裁)は7日夜、首相官邸で記者会見し、7月の参院選惨敗の責任を取り退陣する意向を表明した。次期総裁選に「出馬しない」と明言した。首相は、参院選後も政権運営に意欲を示してきたが、早期退陣を求める党内の流れにあらがえず、続投を断念した。首相の退陣表明によって、事実上の退陣勧告となる臨時総裁選実施に向けた党内の意思確認手続きは回避された。
首相は記者会見で、「選挙結果に対する責任は総裁たる私にある」と語った。その上で、米国による関税措置を受けた日米協議に区切りがついたとし、「今こそがしかるべきタイミングと考え、後進に道を譲る決断をした」と、退陣決断に至った経緯を説明した。
臨時総裁選は、実施の賛否が取りまとめられる8日を目前に控え、地方組織から賛成表明が相次ぐなど、実施に向けた動きが拡大していた。
首相は、実施手続きが進むことで「党内に決定的な分断を生みかねない。それは本意とするところではない」と述べ、決断理由の一つとなったことを明らかにした」

(読売9月7日)
石破首相、退陣理由の一つは臨時総裁選への圧力…日米関税協議に区切り「今こそしかるべきタイミング」 : 読売新聞

総裁選前倒しの集計は官邸に届いていたはずですから、この事実上のリコール投票が勝ってからでは格好のつけようがありません。
官邸から叩き出されたことになってしまいます。
さすがこれまでだと観念したのでしょう。
しかしそれにしても、凄まじいまでの執念です。

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NHK

あのアベを叩き斬ると吠えた山口二郎センセは、自民を壊してくれると思ったのに、と惜しがっておられます。
アチラ方面では絶大な人気だったのに残念。

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石破氏は最後の最後に、解散に撃って出ることを検討したことについては、あっさりと認めました。

「首相は、政権運営が行き詰まる状況を打開するため、衆院解散に踏み切ろうとした可能性について問われ「色んな考えがあったことは否定しない」と語り、検討したことを示唆した」
(読売前掲)

結局、石破氏はこの衆院解散検討で墓穴を掘りました。
理論的にはできますが、あくまでも「理論上は可能」にすぎません。
実際にやってしまったら、自民党は内部から瓦解し、国民からは愛想を尽かされることでしょう。

党4役から辞表を出され、現職閣僚からの前倒し賛成者が出たことで、大量辞任もありえました。
全部自分が代行してとも考えたはずですが、それではひとり内閣・ひとり党執行部となってしまいます。
「オレは党から辞めさせられそうだから解散する」なんてミーイズムの極に着いてくるわきゃありませんから、最後まで着いてくるのは、岩屋、赤沢、村上、森山氏らひと握りにすぎません。
今回の前倒し反対派はせいぜい40人台でしたから、少数派もいいところです。
党長老も、麻生氏が旗幟鮮明にしたし、彼を首相にした岸田氏もとんでもない奴を首相に据えちまったと臍を噛んでいますし、最後に残った菅氏からは先日キッチリ引導を渡されたようです。

公明党は、こんな選挙につきあわされたら敗北必至ですから絶対反対、立憲野田氏も反対では、文字通り裸解散です。
これでは仮に勝ったとしても(ありえませんが)、組閣すら危うい。

それどころか続投執着解散では、いまや党の過半数を占めるに大勢力となった反石破勢力に絶好の理由を与えてしまいます。
反石破側は集計結果の公開と、それに基づく総裁選早期実施を旗印に掲げることでしょう。
それでもなお衆院解散に粘着するなら、党規委員会を立ち上げて除名・追放という最終手段すら、これまた「理論上は可能」だったです。

除名に失敗した場合は、大挙離党するかもしれません。
石破氏側は裏金議員は公認しないなんて噂をまき散らして旧安倍派を落選させる気マンマンでしたから、いっそ新自民党を作ればそのほうが活路が見いだせます。
とうぜん、保守新党は鳥取1区に対抗候補を送るでしょうね。

改めて認識したのは、自民党は多数の派閥を抱えた連合党であることが強みだったということです。
その基盤が派閥というスタビライザーでした。

ほとんど参政党に行ったほうがいいような連中から穏健保守、そして立憲と親和する左派まで、思想的にも政策的にも幅があるのが、ここまで「自民一党支配」が続いた理由なのです。

派閥は諸悪の根源のようにメディアは言ってきましたが、あるのはそれなりに合理的理由があったのです。
それを岸田氏が強引に裏金問題にかこつけて潰してしまいました。

それが石破氏のような独裁者、というか独善者を産み出すことにつながったのです。
各派は選挙に負けたら総理を降りる、という紳士協定で運営されていたわけです。
それを石破氏が独裁的手法でここまで暴走したんですから、ここで止めなければ自民党自体がもたなかった。
今回新総裁を選ぶにあたって旧派閥メンバーが再結集しているようです。
いい機会ですから、総裁選後に派閥を復活させるべきでしょう。

今日にも総裁選の日取りが決まるでしょうから、さぁ明日から楽しい選挙戦です。
誰がなっても、石破以下というのはないでしょう。
とまれ、あの顔さえ見なければ誰でもいいと思いますが、あの人元首相の肩書きでバカ鳩化しそうだなぁ。

 

 

2025年9月 7日 (日)

日曜写真館 くれなゐの緒を壁に垂れ祭笠

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子の汗のすがしく匂ひ神輿振 林翔

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水色の夕べとなりぬ祭笛 桂信子

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ほかならぬ憶ひのなかを祭笛 桂信子

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帰る気になかなかならず山車に従き 稲畑汀子

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十歩ほど距りて聞く祭鉦 山口誓子

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夏祭その夜ちか星と月照れり 山口誓子

 

 

 

2025年9月 6日 (土)

辞めさせられるくらいなら解散するって?

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とうとう今日が総裁選前倒しの可否を問う集計日となりました。
ひょっとしたら、多数派は押さえたもののわずかで過半数割れかもしれませんね。
予想された駆け込みラッシュは起きていないようです。

「自民党臨時総裁選の実施への賛否に関し、読売新聞社が国会議員と都道府県連を対象に行っている意向調査では、5日現在、実施に賛成する考えを示したのは149(国会議員134人、都道府県連15)で反対の43(同38人、同5)を大きく上回っている。実施に必要な172に届くかどうかは、約4割に上る「未定・答えない」がカギを握る」
(読売9月5日)
自民の総裁選前倒し、賛成149・反対43…読売調査 : 読売新聞

やれやれ、ここまでもつれこむのかい、というため息がでます。
森山幹事長は狂言辞任だから当然としても、残りの党3役は辞めちゃたし、後任はなり手がいないだろうし、これから予算編成だというのにどーする気でしょう。知ったこっちゃありませんが。

なんでも石破政権を作った当の岸田前総理が、「石破クン、本当に自民党を壊すつもりなのかな」と呆れているとか。
あまり他人ごとのように言って欲しくはありませんね、こんなモンスターを総理に据えたのはあんたでしょうに。
あの男は本気で自民党を壊す気なのに、やっと気がつきましたか。

石破氏は辞めさせられるくらいなら解散総選挙だ、などと言っているという話さえ伝わってきました。

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鳥取 1区衆議院議員 - 石破しげるオフィシャルサイト | 自由民主党 衆議院議員 石破しげる 公式ホームページ

「石破茂首相(自民党総裁)が、自民内で加速する総裁選前倒しに向けた動きを封じるため、衆院の「解散カード」をちらつかせている。首相退陣を求める勢力はかえって反発を強め、「石破降ろし」の沈静化には逆効果となっている。現状での衆院解散・総選挙の実行は極めてハードルが高く、焦燥感にかられた首相による「単なる脅しだ」との受け止めが大勢だ」
(産経9月5日)
石破首相「解散カード」で総裁選前倒しを牽制 「脅しだ」と反発で逆効果、ハードルも高く - 産経ニュース

今日にいたるも解散するとの号令は官邸から出ていないので、まぁ諦めたのでしょうか。
で、解散ができるのかといえば、あくまでも理論上は可能です。
解散は総理の専権事項ですが、最低でも閣議決定が必要です。
ところがすでに鈴木法相が前倒しに賛成の態度を明らかにしてしまっています。

鈴木馨祐法相は5日、自民党総裁選の前倒しを求める考えを自身のブログで明らかにした。現職閣僚による前倒し要求は初めて。続投に意欲を示す石破茂首相(党総裁)にとって痛手となりそうだ」
(時事9月5日)

鈴木法相、総裁選前倒し要求 現職閣僚初、石破首相に痛手:時事ドットコム

閣議でもこんなひとりクーデターに到底全員が心中するとは思えませんが、反対者はクビにして総理が代行することもできます。
全員が反対したら、そりゃ全員をひとりで代行し、ひとり内閣となるんですよ。
国会は閉会中ですから野党は虚列に反対するでしょうが、無理やりに閣議決定をデッチ上げて、陛下の承認をとりつけて衆院議長に解散を宣告してしまえば逆らえません。
あくまでも理論上はですが、なんとここまでが合法的にできてしまえるのです。
いかに日本の政治体制が、性善説による紳士協定に立脚しているかわかります。

ただしこんな狂人の暴走をした場合、自民党をぶっ壊すことを宣言したに等しいわけですから、もはや母体とはなりえません。
自民党は党の防衛上、早急に党三役と議員3分の1で両院議員総会を開いて、総裁選を開いて新総裁選を選び、同時に党規委員会を設置して石破氏になんらかの処分を下さねばなりません。

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朝日

処分には、軽いものから党則順守の勧告、戒告、党の役職停止、国会・政府の役職辞任勧告、選挙での非公認、党員資格停止、離党勧告、除名の8段階がありますが、閉会中の解散、しかも自己の権力保身のための解散なんて憲政史上なかった暴挙ですから除名処分以外ありえません。

自民党党則 第二十三条
党紀委員会は、審査した議員につき政治不信を招く政治的道義的な責任があると認めた場合は、党則第九十二条第二項に基づき、次に掲げる処分を行う。

そして直ちに特別国会を開いて新総理を選出せねばなりません。
この時、すでに石破氏は無所属です。
村上氏や森山氏などは着いて来るでしょうが、今回前倒し反対と言っていた人もどれだけが自民から出てくることやら。

処分には、軽いものから党則順守の勧告、戒告、党の役職停止、国会・政府の役職辞任勧告、選挙での非公認、党員資格停止、離党勧告、除名のまず100%勝てないでしょう。
自民追放、総理失職、そして政界追放です。
そしてこんな狂人が二度と生まれないように、自民党本部の庭に銅像を建てて後世の戒めとするんですな。
あ、そうそう碑銘はもちろん「安らかに眠ってください。過ちはくりかえしませぬから」です。

 

2025年9月 5日 (金)

改めて北朝鮮の主敵は中国である

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正恩が子連れで北京の抗日戦勝利ナンジャラ集会に参加しました。

「【北京共同】中国は3日、北京市中心部の天安門広場周辺で「抗日戦争と世界反ファシズム戦争勝利80周年」の記念行事を実施した。習近平国家主席が演説し第2次大戦の「戦勝国」としての立場をアピール。軍事パレードを挙行し新型兵器を公開した。ロシアのプーチン大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記が出席して習氏の両隣に並び、中ロ朝3カ国の結束を誇示した」
(東京9月3日)
中ロ朝3首脳、北京で結束誇示 抗日軍事パレード、米国けん制:東京新聞デジタル

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【中国抗日戦勝式典】世界の分断に歯止めを 民主・権威陣営が対立 | 共同通信 プレミアム | 沖縄タイムス+プラス

正恩が本気かどうかはもう少し見ねばなりませんが、 とまれ中朝関係が、とりあえず元の鞘におさまったのかもしれません。
元の鞘とは、華夷秩序の体系の頂点に位置づけられる中華皇帝を、「兄」とも慕う臣下の「王」の位置に、正恩が復帰したということです。
ただしあくまでも見た目にはにすぎませんが。

ボンから出向くというのも、重要なチャイナ・プロトコールです。
あくまで臣下は皇帝の徳を慕って行くわけですから、最初は訪中して臣下の礼をとらねばなりません。
行きさえすれば、北京の壮大さに打たれ、皇帝の慈悲のお心も肌で分かるというものです。

よくある素朴な誤解に、中朝は同じ「共産主義国家」なのだし、中国は朝鮮戦争で100万の義勇軍を派遣した同盟関係ではないか、今だって原油をパイプラインで送って助けているじゃないか、というものがあります。
まぁ、表面的にはそうですが、この見方は北朝鮮の側から見たもので、ではなぜ、そんなことを中国がしているのか、という疑問には答えていません。 

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中国にとって、北朝鮮は不愉快、かつ不安定な隣国です。 さらに強い表現を使えば、いつ核攻撃をしかけてくるかもわからない潜在的な「敵」だと考えているはずです。
彼らの核は、現時点でも北京を射程内に納めており、軍事的脅威度は日本や韓国などよりはるかに高いはずです。

これらの弾道ミサイルは、大部分は通常弾頭ですが、そのいくつかには核兵器が搭載されていると考えられています。
保有数は、やや古いのですが、米国防総省が2013年5月に提出した「北朝鮮の軍事力2012」年次報告にはこのようにあります。
今は当然格段に増えているはずで、核兵器の小型化、戦力化も完成しているはずです。

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(出典 Military and Security Developments Involving the Democratic People’s Republic of Korea 2012 - U.S. Depertment of Defense
邦訳 http://obiekt.seesaa.net/article/358829852.html

すべての弾道ミサイルが中国を射程内に捉えています。
その気になれば北京を破壊し尽くすことも充分可能です。
ただし、それをすれば北朝鮮という国もなくなりますが。

核兵器は置いても、忘れてならないのは、北朝鮮から見れば、地上軍を大量に即座に投入できる唯一の国が、中国です。
地政を見れば分かりやすいと思います。 

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上の中朝国境付近の地図をみると、中国と北朝鮮の国境は、鴨緑江という一本の河で隔てられているにすぎません。 
鴨緑江は自然国境としては大変に危うい壁でしかないことがわかるでしょう。
河の中央でも水深は浅く、夏にはじゃぶじゃぶと横断している庶民が見られますし、冬には凍結して歩いて渡れますので、脱北者は全員このルートで逃げています。
歴史的にも、「中国義勇軍」という名の正規軍は、朝鮮戦争時に大挙してここを渡河しています。

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今はこの中国軍が渡河した地点に中北をむすぶ原油パイプラインが走っています。

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かつては援軍で来ましたが、これからもそうとは限りません。逆もまたありえるのが国際関係というものです。
援軍に来たということは、軍事制圧にも簡単に来られるということを意味しますからね。 

では、北はなんのために核兵器で国力すり減らし、民を飢えさせてやってきたのでしょうか。
よくある答えに「米国と対等に」というのは間違いではありませんが、半分間違っています。
あんな世界最貧国が「米国と対等」になんて、いかなる意味でもなれっこありませんから。

あえてあるとすれば、陸続きの隣国・中国に飲み込まれないためです。
決して表だってはそうは言わないでしょうが、北に取っての脅威は中国が主で、米国はむしろ従です。
北がなにより嫌うのは、中共の政治的介入です。

米国は口やかましく国際ルールを守れと言いますし、韓国の後ろ楯ではありますが、内政に口バシを突っ込んではきません。
しかし中国にはそれが可能です。ここが決定的な米中の違いです。
中国は、経済を握って生かさず殺さずの「支援」の代わりに、北国内で中国の手先を扶植し、彼ら中国派は党軍の最高指導部で実権を握ろうと画策してきました。

金王家が中共をいかに憎悪しているかは、歴代の金王朝が中国派との党内闘争に大きな力を割いていたかを知ればわかりますし、元々金日成が権力を掌握できたのは延安派を粛清できたからです。
また今でも中国をいかに恐れているのかは、正恩のやった中国派の頭目で叔父の張成沢を残虐な処刑で殺したことでもわかるでしょう。

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続いて、実兄の正男まで中国の息がかかっているとして公衆の面前で毒殺して見せました。
陰湿な宮廷劇といえばそれまでですが、いかに正恩が中国を恐れ、憎悪しているかわかります。

正恩が米中どちらを恐怖しているかは、一目瞭然です。
ここを分からないと、中国の力を借りて北を非核化するという外務省型俗論になってしまいます。

あくまでも金王家の権力確立の文脈で核が出てくるのであって、「大国と対等になりたい」なんて願望一般ではないのです。
つまり、むしろ核兵器は金王朝独裁の背骨であって、独裁体制そのものなのです。
だから彼らは北の独裁体制を守るために3代かけて核開発をし、他の大量破壊兵器と共に密輸することで資金源にもしてきたのです。

そしてその中で作られた北朝鮮特有のメンタリティは、「核ミサイルこそ力の根源である」という一種の核信仰でした。
彼らは核を手放すくらいなら、国が滅んでもいいとすら思っているのです。
国民は飢えてもかまわないと思っています。

社民党の選挙ポスターに「ミサイルよりコメを」みたいな珍スローガンがありましたが、それは正恩にいいなさい。

この核に対する思いとでもいうことの重さが理解できないと、北の核を論じられません。
こここそがリビアのカダフィと北が決定的に違う点ですし、カダフィは核を奪われると、後にCIAが画策した「アラブの春」で抹殺されてしまいました。
正日や正恩はこのカダフィの顛末をよく知っていて、その二の舞はしないと決心しています。

結論を言えば、北は核を絶対に手放さないでしょう、仮に国が滅びても、です。
核は金王家の力の源泉であって、かつ統治の象徴なのですから、核を手放す時は金王家が滅ぶ時です。
これについては黒井文太郎氏などが同じことを書いています。

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ロシア軍が北朝鮮入りか…米中韓戦争なら三沢基地に核ミサイル飛来..

ただし、北の核は「使えない核」です。
他の核保有国もそうですが、核は等価報復されてしまえば自国も滅んでしまうし、北の権力の源泉である至宝を消費したらお終いだからです。
北の場合、在日米軍が駐留しその家族までが住む日本を核つきノドンで撃ってしまったら、10倍返しの報復核攻撃を受けるくらい三才の子供でもわかりますからね。

だから、このような北の核をわが国や国際社会への政治的脅迫に使わないようにMD (ミサイルディフェンス)を構築したり、敵基地攻撃能力といった受動的抑止力をもたねばならないのです。

トランプ氏はノーベル平和賞欲しさに(笑)、北朝鮮に行きたいそうですが、お止めなさい。
第1期の時と違って、すでに北朝鮮は核を9割方完成させてしまっています。
もう遅すぎる上に、ロシアといい関係になっており、中国と関係を回復したと思っている正恩は聞く耳を持ちませんよ。
自称外交の天才を気取っているディーラー好きのトランプさん、ネタニヤフも御せず、プーチンからは馬鹿にされ、まだ懲りないのでしょうか。

 

 

2025年9月 4日 (木)

トラ関税、連邦高裁でも違法判決

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さて、どうしますかね、トランプさん。連邦高裁でもトランプ関税に違法判決が出ちゃいましたよ。

「アメリカの連邦控訴裁判所は29日、ドナルド・トランプ大統領による関税措置の大半について、違法との判断を示した。トランプ氏の外交手段に影響しかねない法的対立につながる可能性がある。
今回の判決は、トランプ氏が世界各国に課した「相互主義」に基づく関税のほか、中国、メキシコ、カナダに対して発令された関税にも影響し得る。首都ワシントン連邦巡回控訴裁判所は7対4の多数決で、関税導入は「国際緊急経済権限法(IEEPA)」に基づき正当なものだというトランプ政権の主張を退け、「法に反する無効な措置」だと判断した。
この判決は、政権側が最高裁判所に上告するための猶予期間として、10月14日まで効力を保留される」
(BBC8月30日)
米控訴裁、「トランプ関税」を違法と判断 下級審に続き - BBCニュース

トランプがこれで納得したなら、トラ関税戦争はこれにて一件落着ですが、もちするするわきゃないので連邦最高裁に上告するようです。

「トランプ米政権が世界各国・地域に対して発動した関税の多くを違法とする判断を連邦高裁が支持したことについて、トランプ大統領は2日、政権として連邦最高裁に上告する方針を明らかにした。貿易政策を堅持するために不可欠だと主張している。
トランプ氏はホワイトハウスの大統領執務室で記者団に対し、連邦高裁の判断がそのまま維持されれば「わが国にとって壊滅的なものになる」と述べ、最高裁に判断の見直しを求めて3日にも上告すると語った」
(ブルームバーク9月3日)
トランプ氏が最高裁に上告へ、関税大半が違法との高裁判断に不服 - Bloomberg

「米国に取って壊滅的となる」じゃなくて、「トランプ政権にとって壊滅的となる」の間違いでしょう。
連邦最高裁は共和党寄り判事が多数派なので、たぶん多数決でこの連邦高裁の判断は棄却されてしまうかもしれません。
そしてなおかつ連邦最高裁が連邦高裁と同じ判断をしたとしても、限定的ながらまだ逃げ道が用意されています。

「もし最高裁が最終的に上乗せ関税を無効と判断した場合でも、トランプ政権には限定的ながら合法的な関税導入手段が残されている。その一つとして、国家安全保障上の脅威とみなされる輸入品の規制を認める通商拡大法第232条に基づき、半導体や医薬品、風力タービンに関税を課す方法がある。
また、米国企業に差別的な国・地域の貿易措置や、国際貿易協定における米国の権利を侵害する行為に対抗するとして、通商法301条を根拠に米通商代表部(USTR)に関税賦課を指示することもできる」
(ブルームバーク前掲)

これがトランプの外交上の最大の武器、かつ最大の経済政策である減税の財源にあてる心づもりでしたから、ゲル氏より粘りに粘ることでしょう。
それにしてもムチャしよるわ、トラ親方。
こういう関税を武器にして世界を敵に回すやり方は、いままでの米国では考えられもしませんでした。
トランプはことあるごとにNATOを脅しているわけですが、根本的に勘違いしています。
米国は世界に安全と安定を与える義務があるのです。
世界最強の米軍が、空と海の安全を守り、いつ何どきでも米国陸軍が急派されるというシステムが、世界秩序を安定させてきました。

たとえばヨーロッパを守っているNATOは、ふたつの基軸で維持されてきました。
ひとつは、自動参戦条項である第5条で、ひとつの国対する侵略は全部の加盟国で対応するという集団安全保障体制です。
これは国連憲章に定められたもので、実態としては加盟国の中軸である米国の軍事力によって支えられてきました。

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BBC

トランプが言っているのは、覇権国家を止めて、自国第一主義になるということです。
金も出さない、軍隊も出さないとトランプは言っています。
言い草としては「米国は世界から搾取されてきた。だから高い関税をかけて取り返すのだ」ということのようです。
米国が世界の同盟国に対する責任を放棄するということですから、米国は覇権国から転落し、中露は手を撃って大喜びするでしょう。
そしてヨーロッパでは「強いドイツ」が生まれ、アジアでは「強い日本」が再登場することでしょう。
世界環境は、より多軸化し、より不安定に、より危険となります。

元産経新聞ロンドン支局長の木村正人氏は、これを米国が「世界の保険屋を止めて、ゆすり屋となった」ためだと評しています。

「第二次大戦後、米国は「世界の保険屋」として海と空の安全、財産の保護、国際貿易ルール、ドルの安定という安全保障と経済の基盤を提供してきた。しかし第2次トランプ政権になって脅しと取引で利益を得る「ゆすり屋」に変貌した――。
米ピーターソン国際経済研究所のアダム・ポーゼン所長は米外交誌フォーリン・アフェアーズ9/10月号に『新しい経済地理学:ポスト米国の世界で利益を得るのは誰か』と題して寄稿、米国は「保険提供者」からみかじめ料を強要する「用心棒」に成り果てたと嘆いている」
(木村正人8月30日)
米国を「世界の保険屋」から「ゆすり屋」に変質させたトランプ、その“大いなる勘違い”こそ米国経済最大のリスク(1/5) | JBpress (ジェイビープレス)

この世界秩序安定を、地球を支え続ける大地の神タイタンよろしく担ってくる見返りとして、世界は米国市場に気前よく投資してきたのです。
それは米国にかつてない繁栄をもたらし、米国発の技術や法的基準は普遍的な存在となりました。
この役割を止める、保険屋なんて儲からないから各国からしっかりみか締め料を取る、というのがトランプです。

トランプは、日本に対しても文句があるようです。
ヨーロッパを見ればわかるように、今のトラ関税は安全保障に対する要求と表裏一体です。
そのうち間違いなく駐留経費の上乗せを要求してくるはずです。

ヨーロッパがそうされたように、トランプはたぶん在日米軍の縮小、あるいは移転を脅しの取引材料に使うでしょう。
横須賀軍港を動かすなどと言えば、さすがに米海軍は怒り狂いますから、もっとも動かしやすい沖縄米軍を駒に使うでしょう。
その場合、沖縄の海兵隊や普天間はまとめてどこかにということもありえます。
たぶんフィリピンかオージーでしょうね。グアムもありえます。
「オール沖縄」の人は欣喜雀躍するでしょうが、今、この時期に移転された場合、南西諸島方向に大きな軍事的真空が生じてしまいます。
つまり鳩山氏が熱望しているように、東シナ海は「中国の海」となります。

トランプの要求を一時的には飲まざるをえないこともありえます。
そして要求を聞きつつ、わが国独自の安全保障の次の段階を真剣に考える段階となります。
それは従来の「日米安保があっての防衛」ではなく、「日米安保がなくなった場合に備える防衛」戦略です。
 

 

2025年9月 3日 (水)

党のガバナンスが不在の自民党

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議員総会はあいかわらずグダグダでした。

「自民党は2日午後1時半から両院議員総会を開き、石破首相(自民党総裁)は冒頭のあいさつで、7月の参院選での惨敗について「多くの同志を失ったことは、総裁たる私の責任だ。その事から逃れることは決してできない。私の至らなさを幾重にもおわび申し上げる」と陳謝した。
その上で、今後の対応に関して「しかるべき時にきちんとした決断をすることが私が果たすべき責務だ」とも語った」
(読売9月2日)

自民党両院議員総会、参院選惨敗は「総裁たる私の責任」…冒頭あいさつ : 読売新聞

「しかるべき時に決断する」ですか。
とっくに「しかるべき時」は来てんですがね、1年前に。
あとはおざなりの選挙総括を聞き、ゲル氏のくだらない長口舌(この人の話は長い)を聞きに集まったようで馬鹿みたい。

選挙総括の中に「わが党がいかなる減税にも抵抗する政党のような印象を与える結果となってしまった」と他人事のように書いてあったのには大笑い。
なにをおっしゃる兎さん、党税制会長の宮沢洋一大先生がそう言っていたじゃないの。
森山氏だって「消費減税は絶対にしない」と叫んでいたのは幻聴かな。
そして減税するには財源がいると言い出して潰したくせに、ひとりあたり2万配る財源はなぜかあるという不思議。

インフレ対策がないために日々生活がきつくなっている国民が、せめて少しの減税をと言っているのをガン無視じた報いです。
ガソリンの暫定税率廃止だって、国民民主が一貫して要求してきたのを葬ってきたのはどこのどいつですか。
106万の壁もしかり。
国民の生活を楽にさせることに徹頭徹尾抵抗する党、それが自民党です。

ご家老の森山氏が腹を切ると言っているようですが、どうせ茶番でしょう。余人を持って替え難いとか言って慰留地なるはずです。
仮に辞めるとしても、一緒に辞めるという党4役の新たな人事をゲル氏がいったいどうやってやるというのでしょうか。

8日までに総裁選の前倒しをするかしないかを決めると言っていますが、この調子だとやらないほうに100パイサ。

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読売

自民党には自浄能力が欠落してんですよ。
第一派閥が悪だといって岸田氏が潰してしまったので、いまや烏合の衆です。
烏合の衆がケイオスとなるのは必然で、かつてのように派閥ごとに集まって議論し決定するという意思決定ができなくなりました。
唯一残っている麻生派以外倒閣を宣言できていません。

岸田氏が単独支配を目指したために始まった派閥解体は、自身が政治的に行き詰まることで総裁選というバトルロイヤルを生みました。
実に「面白い」総裁選で、国民のいいガス抜きとなりました。
同時に開かれていた立憲の貧相な競争と較べれば一目瞭然のように、はからずも自民が多士済々であることが証明された結果になりました。
結局、岸田、菅をつけた石破氏が勝利したわけですが、指導力がなく人望もない新首相が座ったためにただの新たな動的平衡の始まりにすぎなくなりました。

いままでのそれなりによくできていた党内生態系を破壊して出来上がったまがい物の安定であるが故に、きわめて不安定なのです。

特に大集団だった安倍派は再起不能なほど裏金問題で標的とされたために四分五裂し、弱体化しました。
旧経世会という大派閥だった茂木派も同様です。
今自民党を動かしているのは、つまるところ長老支配です。
派閥がなくなったために官邸の力はきわめて強力になったはずですが、なにぶんその中心が決められないゲル氏ですから、グダグダです。
結局、大臣、政務官の人事をゲル氏はできずに、菅、麻生、茂木、森山、二階氏らの協力を得る形でしか頭数を揃えられないという重鎮主導型となってしまいました。

今回も妙な粘着をしているのは、ゲル氏のいようなまでの粘着だけではなく、代替すべき党のガバナンスのが見えないこともあるのです。
仮に総裁選をやることになり、新たな総裁が決まったとしても、ここまで破壊されて焼け跡の野原のようになった党内ガバナンスをもう一回整えないとなにもできませんよ。
それにしても、いつまでゲル氏のこの不健康にむくんだ顔を見てなきゃならんのだ。


 

2025年9月 2日 (火)

政務三役続々、辞任して総裁選前倒しを要求

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今日、両院議員総会です。
自民党の党首選前倒し、つまり石破リコールが成立するかどうかの瀬戸際に差しかかってきました。

3回国民からノーを突きつけられても辞めない、という香ばしいばかりの厚顔無恥ぶりでここまで居すわってきましたが、そろそろ年貢の納め時かもしれません。
大勢はすでに決しています。

「自民党臨時総裁選の実施の是非を巡り、読売新聞社は国会議員と都道府県連の意向を調査した。30日現在、実施に賛成する考えを示したのは128(国会議員120人、都道府県連8)で、反対の33(同32人、同1)を大きく上回った。実施には過半数172の賛成が必要で、5割近い「答えない・未定」の動向が焦点となる」
(読売8月31日)
自民党臨時総裁選の実施「賛成」128、「反対」33…国会議員・都道府県連対象に読売調査 : 読売新聞

議員の大勢は総裁選前倒しに賛成、すなわちゲル氏にノーです。
ゲル氏を支えるのはわずか33人、総裁でありながらこの数字は哀しすぎます。

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産経ニュース

実施まであと44人ですが、ここまで来て旗幟を鮮明にできないのは、一にかかって執行部が記名・捺印を条件に出してきたからです。

「臨時の総裁選挙の是非をめぐり、自民党の総裁選挙管理委員会は来月、参議院選挙の総括が終わりしだい、ただちに手続きに入ることになりました。選挙の実施を求める議員が署名となつ印をした書面で申し出るとともに、選挙管理委員会は議員の名前を公表することにしています」
(NHK2025年8月27日 )
自民 臨時総裁選 選挙の実施求める議員の名前を公表へ | NHK | 自民党総裁選

いやー、エゲツないですなぁ。
総裁選ですら無記名なのに、前倒しを要求することには記名・捺印ですか、ほー。
にもかかわらず、すでに128人も名乗り出てしまったのですから、目論見がはずれました。

また、政権中枢は「政務三役は辞任してから文句を言え」という圧力をかけたようですが、逆効果だったようで、かえって墓穴を掘りました。

「小林史明環境副大臣は自身のX(旧ツイッター)でこう訴え、「組織の麻痺」を回避するために、総裁選の前倒し実施を求めると明言した。首相周辺が「(臨時総裁選に賛成する)政務三役は辞表を出さないと筋が通らない」と語っているとの報道に触れ、「必要なら副大臣を辞して手続きを行いたい」と決意を示した。。
28日には神田潤一法務政務官が辞任の上で臨時総裁選に賛同する可能性に言及した。両氏は岸田前首相が率いた旧岸田派に属した。同派は昨年の総裁選の決選投票で大半が首相支持に回り、石破内閣の誕生を後押しした。「石破降ろし」と距離を置く議員が多かっただけに、「総裁選実施に向け、うねりを起こす動きだ」と受け止める向きが多い」
(読売8月30日)
総裁選実施求める動き加速…「首相側の圧力」に議員反発、小林環境副大臣「必要なら辞任」 : 読売新聞

神田副大臣は旧岸田派で石破総理誕生の側にいた人ですが、いまや旧岸田派も雪崩をうって総裁選前倒しに回ったようです。
政務三役は、政権中枢が絶対の自信を持って配置したはずのマイ・ボーイズらです。
出身派閥も旧岸田派などの、ゲル氏寄り立場を貫いてきた人ばかりで、彼らの「反乱」はいままで冷や水を食わされてきた旧安倍派、麻生派の議員らとは違って、いわば親衛隊の反乱といってよいでしょう。

どうやら情勢を動かすダイナミックス(動態)が動き始めたようです。
いったん動き始めた動態は、常に変化しながら次の安定まで止まることなく動き続けます。
この力学はいくつかのシナリオで動くと予想されます。
ひとつは、総裁選を望む政務官が一斉に辞表を提出する可能性です。
ひとつの情報では政務三役のうち21人の辞職が予想されているそうです。

彼らが辞めた後任探しはきわめて困難でしょう。
そもそも今の時期は8月末に出された各省庁の補正予算の概算要求の予算折衝時期です。
この時に、この調整の主役だった政務三役が辞められたらどうにもなりません。
政権は今になって「辞めてから言え」といった恫喝的言辞をしまったと思っていることでしょう。

政務三役はハードワークで、しかも常に東京にいることを強いられますから地元対策がおざなりになり選挙に弱いので、なり手がいないのです。
しかも今になっての交代はいわば沈み掛かった泥船に乗るようなものですから、後任人事は難航するでしょう。というか、いねぇよ。
こういう時に、総理が常々面倒見がいい親分気質のキャラなら男気を出していっちょ支えてやるかという気分にもなるでしょうが、ゲル氏は自分かわいさだけのミーイストです。
いままでの自分が目立つだけが大事という姿勢で、若手の面倒などまるで見なかった報いが来ています。

なんせ辞めない理由に上げたのが、なんだったけ、あ、そうそう「首都直下型地震や南海トラフ」でしたっけね。(笑)
本気で言っているとしたら、大災害はいつ起こるかわからない以上半永久的に辞めないということになります。
そしてもうひとつが「史上最も厳しい安保情勢」でしたっけ、逆でしょう。
こんな抜け掛かった奥歯みたいなグラグラの政権は、中朝露の三悪人からなめられっぱなしです。
有権者たる国民が信頼していない政権が、こんな非常事態を率いることなんぞできるわきゃありません。

もうひとつの政権側ができる延命策は森山幹事長の辞任です。
どのような参院選総括を持ち出すのかわかりませんが、どうせゲル氏の責任は回避し、旧安倍派のウラ金問題と旧統一教会問題で負けたみたいなことを言い出すことでしょう。
悪いのはこの家老の森山でございます、殿の弥栄を祈念して拙者腹を切ります、なぁんて姑息な方法もあるにはあります。
森山さんは、実はこの手の人情美談づくりの名人らしいですしね。

ただしそれで済むでしょうか。
あのヤニ臭い幹事長が辞任した場合、他の石破政権4役も道連れとなり致命傷となりかねません。
そして党は事実上分解です。
かつてのような派閥という基盤がないぶんだけ個人バラバラで散って行きます。
ある者は国民にある者は維新へ、そして節操のない者は立憲に。

いずれにしても、石破政権を支援するのはいまや野田立憲などの左派勢力とメディアだけの有り様です。
メディアは連日「国民の半分以上が石破内閣の存続を支持している」といった世論調査を報じ続けました。
それで気をよくしているのが執行部です。森山氏など自民の支持率が上がったとホクホク顔。

このトリックの種もバレています。
元々サンプリング数が少ない上に、固定電話を中心としたのです。
統計上全数調査に優るものはありませんが、それが「選挙」なのです。
選挙であれだけ悲惨な結果が出て、なぜこのような石破政権支持の結果が今時でてくるのか、オカシイと思わないほうがおかしい。
それについて産経の有元氏がメディアとして一種の自己批判をしています。

「今回の調査でも、固定電話に限っては「総辞職しなくていい」が56・6%と「総辞職するべき」の35・1%を上回った。
だが、携帯電話ではこれが逆転し、「総辞職するべき」が66・7%、「総辞職しなくていい」の28・2%を大きく差をつけた。固定電話と携帯電話の比率を合計すると、「総辞職するべき」が5割を超えた。
固定電話と携帯電話による回答の違いは、「昨年秋の衆院選と今年7月の参院選で自民党が少数与党となった原因は」との問いでもはっきりと出た。
携帯電話では「石破首相に責任がある」が46・3%と半数近かった。
次いで「自民党の古い体質」が25%、いわゆる「裏金問題」が19・2%と続いた。
これが固定電話では「自民党の古い体質」が36・5%と最も多く、次いで「裏金問題」が33・3%で、「石破首相に責任がある」は19・2%だった」
(産経8月31日)
石破首相の辞職「固定電話」と「携帯電話」で調査結果大違い、世代間の意識乖離 有元隆志 - 産経ニュース

固定電話と携帯電話の違いはその年齢層にあります。
そりゃ、昼の自宅で固定電話をとれるのは60歳以上の高齢層しかいませんよね。

「固定電話と携帯電話で結果が異なるのは、回答する年齢層に違いがあるためだ。固定電話は70代が42・6%、80代が19%、60代が20・5%と、60代以上が8割を占めた。
対して、携帯電話は50代が29・4%と最も多く60代が22・7%、40代が16・6%と、固定電話よりも年齢が若い層が多かった」
(産経前掲)

ちなみに「次の首相に誰がふさわしいか」という問いに対しては

「携帯電話では高市氏が52・2%と半数を超えた。石破首相は12・3%、小泉氏は8・8%だった。
固定電話では石破首相が28・2%、高市氏が26・5%、小泉氏が17・3%と、石破首相が高市氏を逆転した」
(産経前掲)

まぁ、このような仕儀となってもゲル氏は辞めるとは言わないでしょうから、これが3番目のシナリオです。
石破首相、どうぞ総裁選にご出馬下さい。

 

 

2025年9月 1日 (月)

平型関の戦いをケーススタディする

083

抗日勝利80周年式典は、中露朝の三馬鹿大将が並ぶようですが、そこでのプーチンの発言。

「ロシア プーチン大統領
「偽りのロシア・中国脅威論を口実に、日本の軍国主義が復活しつつある。ドイツを含むヨーロッパ諸国は、過去の歴史を恥じることもなく、むしろヨーロッパ大陸の再軍備化をたくらんでいる。ソ連と中国の両国民が、ナチズムと日本の軍国主義に共同で立ち向かった経験は、我々にとって、永遠の価値を持つ」
(テレ朝8月30日)
中ロ朝3首脳が北京で一堂に 並んでパレード観閲へ(テレビ朝日系(ANN)) - Yahoo!ニュース

なぁに言ってんだか。この3カ国揃ってマトモに日本と戦っちゃいませんよ。
旧ソ連は8月15日に日本が敗戦を宣言した後に、日ソ中立条約を破って一方的に侵攻したもので、こういう行為を火事場泥棒、ないしは侵略と呼びます。

一方、朝鮮は国を成す前の抗日ゲリラでしたし、それも朝鮮人部隊としてソ連軍の一部に組み込まれていました。
独自に戦う力はなく、実績も皆無です。
この南北に共通する「日本と戦えなかった」という感情が、屈折した反日感情の源となっています。
ここが本当に戦って独立を勝ち取ったベトナムやインドネシアなどとは違うところです。

そして中国に至っては、日中戦争期はほとんどなにもしないで、辺境の洞窟に籠もっていました。
王毅外相が10年前こんな発言をしていました。
ほとんど暗号なので、市民語訳してみます。


「オレら中国は反ファシズム戦争の勝利者で、国連の創設国だ。中国は戦後一貫して国際社会の平和と安定に尽くしてきたんだ。
おいこら、ニッポン。お前らはオレらに負けたんだぜ。胸に手を当ててみやがれ。しっかりと謝罪すれば、70周年の軍事パレードに呼んでやってもいいぜ。アベ、ひざまずいて足舐めろ」 

まぁ、いちおうこれでも外相なんで、ここまで下品じゃあないですが、似たようなもんです。 
それにしても真実含有率ゼロという国家要人の発言というのも、なかなか見ることができないのではないでしょうか。 
中国共産党という組織は、共産主義運動特有の白を黒と言い募る体質に加えて、中国古来の白髪三千丈のウルトラ誇張体質が被ってしまったために、もう言った当人も何が真実だかわけがわからないほど歪められてしまっています。 

本来それを検証すべき歴史学も、あの国では官許学問ですから、当局の意見と違うことは研究できないし、仮にしても発表できません。
特に共産党が登場する近現代史は,共産党のイデオロギーに背いたことを書くことはまったく不可能です。
国営ファンタジーに抵触する日中戦争史などは、タブー中のタブーです。
従って共産党が「これが正しい歴史だ」と言えば、それがいかに史料的に矛盾していようがいまいが、事実からかけ離れていようと、これこそが「正史」になってしまうようです。

今の王毅の発言は短いものですが、まず国連創設メンバーだというのは、中華民国(台湾)だったのでウソ。
平和と安定は15回も対外膨張戦争をやった国には言われたくない。 
なにより日本が中国(中華人民共和国)に負けたというくだりです。
はて、わが国は中華人民共和国様に負けましたでしょうか? 

それにしても、国内向けには何を言おうとかまいませんが、国際社会で嘘八百を並べるのは、見ていて快いものではありません。 
現実に、中国共産党軍(八路軍・新四軍)が、日本に「勝利」した事実が日中戦争にあったでしょうか。
米国ハドソン研究所はこんなレポートを公表しています。 

「ハドソン研究所の報告書が指摘した骨子は以下の通りだ。
▽中国共産党軍が日本軍の主敵として日本の侵略と戦い、勝ったとする主張は共産党を美化する厚顔なウソだ。
▽1937年から45年まで日本軍と戦ったのは蒋介石麾下の国民党軍で、総計350万人の死傷者を出したが、共産党軍は延安地区に引きこもり日本軍とはほとんど戦わなかった。
▽共産党が日本軍との戦闘として宣伝する「百団大戦」も実際の日本側の犠牲は500人ほどで、共産党発表の4万6千人は根拠がない。
▽共産党の八路軍は日本軍との戦闘が少ないため被害も極めて少なく、戦死した軍幹部は左権将軍1人しか確認されていない。
▽共産党は戦時中に米軍と協力した抗日軍事活動も強調するが、中国での米軍の戦略情報局(OSS)は国民党軍との協力が主体で、むしろ共産党側は米軍工作員を暗殺の標的にさえした。
同報告書は以上のような記録を挙げて、今の中国共産党の「われわれが日本軍を破り、反ファシズムの抗日戦争、そして第二次世界大戦に勝利した」という主張はまったくの虚構だと断定した」
(産経8月30日)

中国の「抗日戦勝記念」式典は歴史の歪曲 米国の大手研究機関が報告書で「虚構」と非難 - 産経ニュース

さて、中国共産党が唯一大勝利したと言っている平型関の戦いを見てみましょう。
中国共産党ふうに言えば、「平型関大捷」と呼ばれ、大捷とは大勝利のことです。
別の言い方では、「板倉軍団殲滅戦」、時には「会戦」とすら呼称しているようです。
おいおい会戦とは、きわめて大規模な戦闘のことで、通常は数十万対数十万の戦闘を指します。白髪三千丈とはよく言ったもので、日中戦争では「会戦」規模のものは国府軍とのものも含めて発生していません。 

では平型関の戦いについてケーススタディしてみます。
まずは中国側の公式発表です。


「盧溝橋事変から、すぐに日本軍は山西省に進入し、太原を手に入れようと企てた。国民政府はこれに対し太原会戦を組織、八路軍が山西の前線として会戦に参加した。9月に横暴な日本軍が平型関に向けて進軍を開始、平型関の東側に潜伏していた八路軍115師団がそれを攻撃した。この攻撃によって、1,000人 を超える日本軍を壊滅させ、多くの軍事物資を手に入れたが、これは”平型関大捷”とよばれる、中国抗戦以来の大捷(大勝利)であった」
中国人の反日感情の源泉―中国人が学んだ「抗日戦争史」 - ようこそ ...

これなど、日本人が書いているのでかなりすっきりまとまっているほうですが、中国社会科学研究部会の資料など、3行読むと頭痛がし、一頁読むと鼻血が出て、一冊読む頃には半死半生といったシロモノで、全編これ共産党讃歌と毛沢東個人崇拝の修辞の羅列、口汚いを通り越してカルト的日本呪咀の文が延々続いています。 
どの国も多かれ少なかれ戦争には宣伝や誇張はつきものですが、全編プロパガンダ勝った勝ったと書いているのは中国くらいなものです。
なにせ大敗走を「長征」なんて書き換えてしまうんですから、もうなんでもアリですがね。

この平型関の戦闘の実態はどうだったかと言えば、日中両軍が激戦を繰り広げた相手は、ここでもまた国民党軍(山西軍)でした。
共産党軍(八路軍)が参戦したのはそのごく一部の局面で、丸腰の補給部隊をゲリラ襲撃して、物資を奪ったていどのものです。もちろん彼らの補給部隊襲撃など、その後の戦局にまったく影響を与えていません。

 

320pxeight_route_army_soldier_with_(写真 八路軍 完全に共産党軍でありながら、形式上は、第2次国共合作により蒋介石国民党政府軍に組み込まれたために、ややっこしいいことには中華民国旗を持っている)

概観しておきます。 
日本軍第5師団(板倉兵団)は、1937年9月11日、河北省の蔚県を攻略して山西省に侵攻しました。 
平型関は、下のGoogle Earthの写真をご覧いただければわかるように険しい渓谷の間を道がうねるという、守るに堅く、攻めるに難しい地形でした。

Photo       (平型関 険しい山道が続いていいるのがわかる。Google Earth)

ここに山西省を守る国民党軍・閻錫山5万の兵が、三線にわたる防衛線を敷いていました。 
9月22日、板垣兵団は、平型関の正面から攻撃を開始し、以後7日間にわたって激戦が繰り広げられました。 
地の利を得た国民党軍によって、一時的に後方を遮断されて、包囲されかかるのですが、援軍を得て包囲から逃れています。 
この時、板垣兵団救援のために関東軍察哈爾派遣兵団(東条兵団)が、平型関の後背を攻撃し、9月30日に日本軍は平型関を突破することができました。 

この1週間ほどの激しい戦闘で、日本軍の損害は死傷者1500名以上を数え、一方、国民党軍もそれを数倍する戦死傷者を出したといわれますが、詳しくは分かっていません。 
で、どこにわが共産党軍は出てくるんだと王毅閣下がお嘆きになるかもしれませんが、ご安心ください。ちょっとだけ登場します。 

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(写真 中国共産党のプロパガンダ写真。当時八路軍には報道班員がおらず、後に別の場所で宣伝用に撮られたといわれる)

ただし、先に述べた激戦にはまったく出てきません。出てくるのは、平型関戦の末期の9月25日の頃です。
日本軍を攻撃した八路軍は、後に国家副首席となり、毛沢東の粛清を恐れて逃亡中に死亡したる林彪です。
若き林彪が率いる第115師は、平型関の北東約5キロの位置にある関溝村と小塞村に出没し、丸腰の招集兵を中心とした日本軍の自動車隊と輜重隊を襲撃しました。

林彪隊の襲撃を受けたのは、負傷者の後送と補給品受領のために霊丘へ帰還途中の第6兵站自動車隊と、冬服や食糧・弾薬の輸送に従事していた歩兵第21連隊の行李隊でした。 おそらく板垣兵団中、最弱の兵たちだったでしょう。
なにせ日本側の詳細な戦闘詳報によれば、武装は護衛と救援の2個小隊だけ、自動車隊で特務兵2人につき一丁の割合で支給されていた騎銃ぐらいて、ほぼ丸腰だったからです。
それでも日本軍側の戦死傷者は、約250名ほどです。 

行李隊の生還者による襲撃時の凄惨な様子は、日本側の歩二一会編『浜田聯隊史』(1973年)という戦友会報に掲載されています。一部を抜粋します。


「谷間は前後方とも敵に包囲され、人馬ともほとんど戦死という悲惨な状態で、午後三時頃には敵に向かう者は一人もなく、敵は凱歌をあげて、谷間の将校行李、衣服、食糧等を掠奪して行った。また夕方までに敵は何回もやってきては、戦死者の腕時計、その他目ぼしい貴重品はほとんど掠奪して行った。負傷した者で辛うじて生き残っていた者、戦死体の下に横たわっていて助かった者は僅か数名に過ぎず、ほとんど戦死という悲惨な状況であった」

また『広島師団史』には、このような記述も見られます。


「阿鼻叫喚の断末魔の姿」「(中共軍兵士が日本兵の)遺体をあるいは射ち、あるいは刺して歩いた」 

死体から金品や時計を盗んでは、倒れた日本兵を刺して回ったのだそうです。
現代の軍隊のやるこっちゃないね、まるで山賊。
そういえば、中共軍にはあの有名な「三大規律八項注意」というものがあり、その中には「ものを盗むな。婦人に乱暴するな」などという注意事項まで存在します。
こんなことをわざわざ軍規にするというのは、いかに中国兵にそんな行為が常態化していたのかわかります。

それはさておき、八路軍は9月26日、南京政府および中央日報社に宛て、次のような極端に誇張された戦勝報告を送ります。 


「九月二五日、わが八路軍は晋北平型関で敵1万人と激戦を展開、何度も勇敢に突撃し、侵攻してきた敵をすべて撃滅し、平型関以北および辛荘、関沙、東跑池一帯などすへての陣地を奪取した。撃ち殺された敵兵の死体がいたる所に散らばり、敵兵の一部は捕虜となった。さらに鹵獲した自動車、戦車、銃砲や他の軍用品はすこぶる多く、目下整理中である。現在残敵は敗走し、わが軍によって四方を包囲されている。
八路軍参謀処 九月二六日」
(謝幼田『抗日戦争中、中国共産党は何をしていたか) 

太字の部分がウソです。
日本軍側は「1万人の正規軍への攻撃」ではなく、後方から来る年配者が中心の2度目の招集兵でなる、負傷兵まで抱える非武装のショボイ補給部隊でした。
いうまでもなく戦車などは初めからいませんし、トラックは日本軍が敵に渡るのを防ぐために日本軍自ら火を放ったものです。
戦利品についても「小銃1千丁」としていますが、ありえません。
第一この部隊は武装している兵士が少なく、ほぼ丸腰だったからです。

したがって、鹵獲された車輌はゼロで、しかも八路軍は戦闘終了後に負傷者も全員殺害してまったために、捕虜はひとりも出なかったのです。
生存者は幸運にも死体の山の下で生き延びて、後に友軍に救助された人達だけです。
もちろん補給部隊へのゲリラ攻撃ですので、「陣地の奪取」などありえません。
包囲突破したのを「残敵敗走」とはいわんですよ。

他に「百団戦」という名前だけは勇猛な戦闘を共産党は鼓吹していますが、これも同じような鉄道輸送を狙った散発的ゲリラ攻撃にすぎません。というわけで、中国と日本の戦争において、戦争の初めから終わりまで一貫して敵だったのは中華民国であって、中国共産党はほぼまったく何もしておらず、したのは小規模の補給部隊襲撃ていどだったのです。

なおこの後、山西省を制圧した日本軍は、1945年8月の日本敗戦まで駐屯しますが、国民党軍に対して共産党軍が攻撃をしかける事件が相次ぎ、ついに1939年12月には大規模な戦闘に至っています。(晋西事件、山西新軍事件)
このような中国側内部での内戦は、」抗日戦争中もあいかわらず続いており、それを避けるために、日本側地域に逃げ込む中国人が絶えませんでした。

ちなみに台湾立法院(国会)外交・国防委員会・林郁方氏が、冒頭の王外相発言についてこう述べています。

「共産党軍が戦ったのは後方と辺境のゲリラ戦だけだ」

まさにそのとおりです。

※参考資料
防衛庁『北支治安戦 二』
歩二一会編『浜田聯隊史』歩二一会,1973年
山口歩兵第四十二連隊史編纂委員会編『山口歩兵第四十二連隊史』1988年
沢田久一編『宇都宮輜重史』1973年
陸上自衛隊第13師団広島師団史研究委員会編『広島師団史』陸上自衛隊海田市駐とん部隊修親会,1969年
謝幼田『抗日戦争中、中国共産党は何をしていたか』草思社,2006年

 

 

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