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2025年9月26日 (金)

ウクライナ戦争の落し所・朝鮮戦争型休戦に現実味

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トランプがウクライナに対しての態度を変化させました。
この人物の豹変ぶりには毎回うんざりさせられますが、今回はプーチンへの深い不信感が底流にあります。
国連総会前段での発言です。
BBCの記事にはいい意味での驚きがにじんでいます。


「アメリカのドナルド・トランプ大統領は23日、ウクライナは「全土を元の形で取り戻すことができる」と、自分のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」に投稿した。ウクライナとロシアの戦争に関して、立場を大きく転換させた。
この発信に先立ち、トランプ氏はこの日、米ニューヨークで開かれている国連総会で演説。その後、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領と会談した。
トランプ氏は投稿で、ウクライナはヨーロッパと北大西洋条約機構(NATO)の支援と、ロシア経済への圧力によって、「この戦争が始まった時点の元の国境線」を取り戻すことができるとした。
また、「もしかしたら(ウクライナは)それよりも先まで行くかもしれない」とも書いた。それが何を指すのは明らかにしなかった。
トランプ氏は、2014年2~3月のロシアによるクリミア侵攻と併合については言及しなかった。ロシアはその8年後の2022年2月に、ウクライナ本格侵攻を開始した」
(BBC9月24日)
トランプ氏、ウクライナは全土をロシアから取り戻せると 立場を一転 - BBCニュース

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BBC

国連総会では、トランプはゼレンスキーと個別に会談しており、ゼレンスキーは慎重ながらも手応えを感じているようです。


「ゼレンスキー氏はその後、米FOXニュースの番組に出演。トランプ氏の投稿には驚いたが、トランプ氏とアメリカが「戦争の終わりまで私たちと共にある」という「前向きなシグナル」だと受け止めたと述べた。
また、「プーチンがトランプ大統領にあまりに何度もうそをついていたことも、私たちの違いを示して、大きく作用したと思う」と話した」
(BBC前掲)

いや、まったくそのとおり。プーチンはトランプとの個人的関係を誇示しながらも、いささかも譲ろうとせずゼレンスキーが言うように「何度も嘘をついた」ことは、いたくトランプの自尊心を刺激したようです。
いや戦争を止めるどころか、ウクライナ周辺国のポーランド、ルーマニア、エストニアに無人機で大規模な無人機攻撃を行って、領土拡張の野心を隠そうともしなくなりました。

「ポーランドのシコルスキ外相は10日、ロシア無人機による領空侵犯についてロシア側に抗議したと明らかにしました。ポーランド当局によりますと、9日の夜から10日の朝にかけてロシアの無人機19機が領空侵犯し、NATO=北大西洋条約機構の戦闘機が無人機3機を撃墜したほか16機の残骸が見つかったとしています。シコルスキ外相は、「領空侵犯が事故ではなかったことに疑いの余地はない」と強調し、ロシアによる計画的な挑発行為との見方を示しました。一方、ポーランドに駐在するロシアの臨時代理大使は、無人機はロシアのものではないと否定しているということです」
(テレ東BIZ 9月11日)
無人機侵犯は「計画的」 ポーランドがロシアに抗議|テレ東BIZ

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(テレ東BIZ 9月11日)

テレ東BIZ

強い危機感を持ったポーランドは、NATOに対して条約4条の発動を求めました。

「NATOは、「一国への攻撃は全加盟国への攻撃」という原則を採用する。NATO条約第4条では、加盟国はNATOの主要な意思決定機関である北大西洋理事会に正式に問題を提起し、同盟国と協議して今後の対応について話し合うことができると規定されている。
「いずれかの締約国が、いずれかの締約国の領土保全、政治的独立または安全保障が脅かされていると判断する場合には、いつでも協議を行う」というのが同条の文言だ」
(CNN9月12日)
ロシアのドローンによる領空侵犯、ポーランドのNATO第4条発動は何を意味するのか - CNN.co.jp

4条は5条自動参戦条項の前提となる条項です。
「締約国が、いずれかの締約国の領土保全、政治的独立または安全保障が脅かされていると判断する場合には、いつでも協議を行う」という危機感に満ちた内容で、5条発動の地ならしの役目も負っています。

このようにプーチンが望むのは平和ではなく、戦争のウクライナを超えた拡大であることが明白になりました。

「トランプ氏はこの日、国連での演説のあと、このところ東欧ポーランドルーマニアエストニアでロシア軍の戦闘機やドローンによる領空侵犯が相次いだことに関して、記者団の質問に答えて、NATO加盟国はそれらを撃墜すべきだと述べた5
(BBC前掲)

このような状況を受けて、ゼレンスキーは和平について朝鮮戦争型休戦モデルを検討していることを明かしました。

「「ウクライナのゼレンスキー大統領はフランスの雑誌「ル・ポワン」とのインタビューで、「朝鮮戦争シナリオ」について言及し、「朝鮮戦争では、真の和平協定は締結されなかったが、韓国はその後、経済的に繁栄した。朝鮮戦争の休戦モデルは検討の余地がある」と主張したという」
(長谷川良ウィーン発コンフィデンシャル9月24日)
トランプ氏「ロシアはペーパータイガーだ」 : ウィーン発 『コンフィデンシャル』

朝鮮戦争は、1950年6月25日に始まり、1953年7月27日に休戦協定が結ばれるまで続いた戦争ですが戦争は長期化し、両軍が激しい戦闘を繰り返しましたが、決定的な勝敗がつかない膠着状態に陥りました。
そしてソ連が提案して休戦協定を締結したわけですが、それははあくまで「休戦」であり、完全な和平には至っておらず、国際法上は現在も戦争状態が継続しています。
朝鮮半島は韓国と北朝鮮の南北に分断されましたが、南北間は戦争後も和平協定は締結されず、休戦状況のままです。

つまり互いの占領地の主権は動いていないわけです。ここが胆です。
ロシアはウクライナ4州をすべてロシア領として認めることを休戦の絶対条件にしていますが、実はこの4州の軍事占領は完成していません。
特に戦闘の中心であるドネツク州は3分の1ちかくをウクライナ軍が押さえており、ロシア軍に強く抵抗しています。
この境界には十重二十重のウクライナ軍防衛陣地が構築され、ロシア軍の占領を阻んでいます。
このドネツク戦線だけでロシア軍はおそらく万のケタの戦死者を出しているはずです。

だから休戦という名目でこの防衛陣地を放棄してロシア領として正式に割譲しろ、もちろん主権はロシアのものだ、これがプーチンの主張です。

逆にウクライナも、驚異的粘りで耐えていますが、今後この占領地の全面奪還はそうとう困難であることはいうまでもありません。
そこでこの朝鮮戦争型休戦の出番となるわけです。
ロシアが望むような主権までロシアに譲ってしまうのではなく、現状で銃を置くということです。
そして国際休戦監視団が割って入り休戦を担保します。
この朝鮮半島型休戦方式は、ウクライナ戦争を休戦に向かわせる実現可能なシナリオではないかと思います。

ただしお断りせねばならないのは、このプランに今のプーチンが乗る可能性は低いということです。
プーチンはいくらでも戦死者を積み上げて平気な絶対的独裁体制を持っています。
この狂人が納得するには「戦争を終わりにせねば巨大な災厄が来る」という恐怖が必要です。
それは中国、インドがロシア産原油を買えなくなるという財政的枯渇か、あるいは軍事的破滅です。
この双方を準備できるのは米国以外ありえません。


 

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コメント

見事な豹変ぶりだと拍手を送りたいですが、素朴な疑問としては何故初手からそのスタンスで臨んでくれなかったのかということですね。状況を把握してなかったということでしたら、米国の大統領として少し恥ずかしいとも感じます。

トランプ親ビンは、不動産屋のオヤジとして何回も破産しながらビジネス界で生き残ってきたんで、ビジネスの鉄則として「初めは相手を信じろ」なんだと思いますわ。とにかくも「走りながら考える」ようじゃないと、生き馬のキンタマを抜くような不動産業界で成功などできません。あのゲーム理論でも、繰り返す勝負では「最初は相手を信頼する」が正解だそう。

そして、そのままディールが進めば良好なビジネスパートナーとして後々までお付き合いが出来るし、他方、「もし相手が裏切ったら手酷い報復をする」が正解となります。親ビンの座右の銘は”ヤラれたら10倍にして返せ”だそうで、その点は徹底してますわ。

シンゾーとは上手くいったのに、ゲルの辞任を聞いたら「そんな奴知らねぇーわ」と言ったのは、ビジネスマンとして信頼できる人物かどうかを見る目は確かなんですわ。後ろから弾丸を撃つような野郎は、少し話をすればその程度は判るんですわ。

当初プーチンとは、おそらく性格的に似ているところからディール相手として信頼関係を築くことは出来ると楽観していたのに、しょせん不動産屋のオヤジと元KGB諜報員では世界観(合理的なカネ儲け/手段を選ばぬ征服欲)が違い過ぎて、取り付く島も無くなってしまったようですわ。これを意見の相違とみているか裏切りとみているかで、親ビンのこれからの行動が決まります。私としては「コノヤロ!プーチン、ただじゃおかねぇ、叩っ切ってやる」とウクライナ贔屓になって欲しいところですわ。

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