シンジロー氏、今回は夫婦別姓はやらないんだとか
前回の総裁選で小泉ジュニアはこうキッパリと言っていました。覚えていますか
「自民党の小泉進次郎元環境相(衆院神奈川11区)は6日の党総裁選出馬会見で、選択的夫婦別姓の導入について「人生の選択肢拡大につながる」と賛意を表明。内閣として法案を国会へ提出し「実現へ向けて国民的な議論を進める」と明言した。
自民党内の調整に委ねるのではなく「国会で議論して決着をつける」とした。
首相になったら選択的夫婦別姓を認める法案を国会に提出し、国民的議論を進める」
(神奈川新聞2024年9月6日)
小泉進次郎氏、選択的夫婦別姓に賛意「実現へ議論進める」 総裁選出馬会見 自民党総裁選 | カナロコ by 神奈川新聞
それがわずか1年でこのように変化しました。
「自民が置かれている状況は大変厳しい。大きなことを言うよりも、まずは党内がまとまる環境を作れるかどうかが重要だ」
(産経2025年9月18日)
産経ニュース
神奈川新聞
おいおい戦術的撤退ですか。意気地のないことよ。
自民党左派リベラルとして、岸田-石破に続くぞ、エイエイオーとやらなくっちゃ。
ということは、ジュニアの考え方に変化があったのではないので、また党勢が盛り返したら復活というわけですね。
かねてから朝日や東京新聞などは夫婦別姓を争点化したいようで、東京に言わせると今の日本は「周回遅れ」だそうです。
こういう空気を察したジュニアはこう言っています。
「結婚後も働くことが当たり前になる中、主に女性から、結婚後の改姓に伴う負担やリスクが大きく、選択的夫婦別姓を認めてほしいという声が多く出ている。経済界も早急な対応を求めている。世論調査を見れば、選択制であれば別姓という選択肢を認めてよいのではないかという意見が増えている。選択的夫婦別姓を導入するためには、国民の皆さんの支持と理解が必要であることは言うまでもない。家族のあり方は時代によって変化するということも忘れてはならない」
「1876年から1898年までは夫婦別姓制度が導入されていた。現在の夫婦同姓制度は1898年の民法改正で導入され、120年あまり続いてきた。家族のあり方も大きく変化してきた。もう議論ではなく、決着をつける時ではないか。私が総理になったら、選択的夫婦別姓を認める法案を国会に提出し、国民的な議論を進める」
(東京2024年9月6日)
<詳報>選択的夫婦別姓は「もう決着をつける時」 小泉進次郎氏が自民党総裁選出馬会見で語ったこと:東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)
いや、今の日本が直面しているのは夫婦別姓なんかじゃないでしょう。
経済問題や対中政策のほうがはるかに緊急でしょうと思いますが、当人は真っ先にやりたいようです。
左翼メディアとワイドショーばかりが世論じゃないよ、小泉さん。
例によって現行法のどこが問題なのか夫婦別姓に変えねばならない必然はどこなのかということを飛ばして「決着をつける」「就任したらすぐに法改正する」と息巻きます。
「結婚後改姓に伴うリスクがある」と仰せですが、具体的になんなのでしょうか。
具体的に別姓婚が認められないことで困っている人がいるというならわからないでもありませんが、そのような人たちはいるのかどうか。
LGBT理解促進法の時もそうでしたが、ジュニアが「決着を漬けねば」と力むほど救済が差し迫ったことなのか、どうか。
救済する必要がなければ急ぐ必要はまったくない。
考えてみていただきたいのですが、今の日本社会で結婚した後に職場で旧姓を使用することにまったく問題がないはずです。
いわゆる通称(旧姓)を使用し続けることですが、それを理由に女性が解雇・配転などの不利益を被るなどとは考えられません。
小泉氏が不利益の根拠として上げているのが、経団連が資料で上げている「不動産登記ができない」ということでした。
ちなみに経団連は「夫婦別姓を認めないと世界から人材が集まらない」と叫んでいるようですが、この人ら移民促進問題もそうでしたが、自分らの利害でしかモノを考えられないようです。
通称使用が法的に定まっていないために不利益を被っているというなら、法令改正してその部分だけを変えればいいだけの話で、戸籍制度の根幹をまで変える必要はありません。
経団連は国の社会制度のあり方の基本まで目先で変えて、それを「世界基準に合わせる」「日本は遅れている」みたいな言い方を平気でします。
こういう黒船型発想が抜けきらないようでは説得力がありませんね。
国の根幹をいじるのは、国の内部から議論が自然に醸成され、広く共有されてからにしていただきたいものです。
ところで高市氏はこう述べています。
「高市氏は「婚姻で姓が変わることによる不自由を解消したい。私が提出したような法案が通れば、ほとんどの不便は解消される」と述べ、旧姓の通称使用に法的根拠を与える法整備の必要性に重ねて言及した。
高市氏は平成14年と令和2年、それぞれ党法務部会に、旧姓の通称使用に法的根拠を与える「婚姻前の氏の通称使用に関する法律案」を提出した。しかし、党議決定には至っていない」
(産経9月9日)
高市早苗氏、選択的夫婦別姓で小泉進次郎氏に反論「不動産登記できる」解雇規制緩和も反対 - 産経ニュース (sankei.com)
今の日本の政治家のなかで最高の実務能力を持っている高市氏は、すでに2回も通称使用に対する不利益をなくす法案を提出しているにも関わらず無視されてきています。
おかしいじゃありませんか。「夫婦別姓の長年の決着をつける」とまで言うなら、どうしてこの高市案を検討せずに、ひと飛びで別姓婚に飛躍するのでしょうか。
順番が逆です。現行法を改良し尽くして、それでも救済しきれないなら、あるいは夫婦別姓もありえるでしょうが、プロセスが飛躍しています。
これでは今のリベラルの主張にすり寄って、メディアの覚えよろしくを得たいためとしか考えられません。
ジュニアが夫婦別姓が世の流れだ、家族のあり方も変わった、いまが決着の時だ、と言っていることに対して、高市氏は具体的に統計数字を出して反論しています。
「(高市氏は)旧姓の通称使用の法制度化を重視する理由には世論調査の結果を上げた。そのうち、内閣府の令和3年12月の調査は「夫婦同姓制度を維持した上で、旧姓の通称使用についての法制度を設けた方がよい」との回答は42・2%で、「選択的夫婦別姓制度を導入した方がよい」の28・9%を上回っている」
(産経前掲)
前述した経団連が言う、旧姓では不動産登記ができないという主張も間違いで、登記可能です。
高市氏の指摘通り、2022年4月の法改正により、旧姓でも不動産登記が可能で、 2022年4月の法改正では、旧姓(通称)での不動産登記が可能になりました。
法務省:所有権の登記名義人への旧氏(旧姓)の併記について(不動産登記関係) (moj.go.jp)
旧氏を併記することができる者
旧氏は現在の所有権の登記名義人の氏名にのみ併記することができ、これ以外の者は、旧氏併記の対象とはなりません。
また、日本の国籍を有しない者については、旧氏を併記することはできません。
2 併記することができる旧氏
所有権の登記名義人の氏名に併記できる旧氏は、氏に変更があった者が過去に称していた氏であって、その者に係る戸籍又は除かれた戸籍に記載又は記録がされているものに限られます(不動産登記規則(平成17年法務省令第18号。以下「規則」といいます。)第158条の34第1項。住民基本台帳法施行令(昭和42年政令第292号)第30条の13)。要約
①旧姓での不動産の登記申請が可能
②ただし、改姓者は婚姻歴や配偶者の氏名を公示する必要がある
③旧姓単独での登記は不可
つまり現行制度の部分的改良で、ほぼすべての「不利益」は解消可能です。
ジュニアは明治維新直後の「1876年から1898年までは夫婦別姓制度が導入されていた 」と明治民法に戻りたいようですが、当時夫婦別姓が可能だったのは女性の権利が著しく制限されていたからです。
夫婦同姓制度は女性の権利の保護が目的でした。
そもそも女性参政権が認められたのですら1946年なのですから、女性の地位向上とはなんの関係もありません。
ジュニアはこんなことを言っています。
「家族の中で苗字が違うということが、家族の絆の崩壊につながるというのは、必ずしも私は違うと思います。私自身、両親が離婚した中で、私の弟と苗字は違います。しかし苗字が違うからと言って小泉家の、そしてまた弟たちの絆は強いです」
(テレ朝)
あんた馬鹿ですか。離婚と両親の自己都合での別姓とはまったく次元が違います。
親のイデオロギーによって子供は傷つきます。
ちっとは子供の立場で夫婦別姓を考えてみてほしいものです。
ジュニアの私的問題なので、とやかく言いたくはありませんが、滝川クリステル氏の結婚後の姓について公開されていないようですが、その理由はなんなのでしょうか。
たぶん別姓だからでしょうね。
ならば抽象的に議論するより、弟より自分の妻のケースをしっかりと開示してから夫婦別姓を議論しろといわれるのではありませんか。
一事が万事とまではいいませんが、ジュニアの主張は海洋プラスチック削減と言えばレジ袋をなくしてしまうような短絡的政策が多すぎます。
具体的実務を積み上げて、そのプロセスで見えてくるものもあろうに、メディアの覚えを良くしたいのか気分でしゃべっているものが多すぎます。
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メディアは自民総裁選一色で、ワシントン事務所問題は完全に霞んでしまいました。その方が復活を狙う「(自称)オール沖縄」にとって都合がいいのでしょう。直近の報道では「住民監査請求が却下された」で終わってますが、その後どうなっているのやら。
投稿: 珊瑚は大切に | 2025年9月19日 (金) 10時38分