政局はなるようにしかならん
何度も言って恐縮ですが、私は政局が苦手です。
結局、時事通信の某氏のように、どこぞの議員会館の事務所に行ったらこう言ってた、だれそれはここに票を入れるぞ、ってな話になっちゃうからです。
そして受ける議員もテキトーなことを言って惑わす、フェイントをかける、ウソを平気で言う、それに取材者の主観(好きキライです、要するに)が被る。
こういうタイプの人は大局を見れるはずがないので、だから議員会館の御用聞きたちに政局が当たったためしがありません。
しかし現職の議員が言うとなると別です。
しかもテレビでくっちゃっべっているのがあの青山繁晴氏となると、ありゃありゃという気にさせられます。
斎藤公明代表や野田立憲代表が出たがるのはわかりますが、自民総裁選前から高市早苗氏支持を打ち出してきた人が、いまこんなつまんないことを言ってもせんないでしょうに。
「(ミネヤ)番組では首相指名に向けて各党の思惑が絡まりあっているが、自民党196議席の結束は一枚岩かと聞かれると「大丈夫と言い切れないと思います」と返した。
「著名な議員が、高市新総裁に退いてもらって、総裁選やり直すべきだってことまでおっしゃっている人がいます」と明かし、スタジオに「ええっ!」「また!?」と声が上がった。
「まだ総裁選の争いを引きずってんだなと、僕は呆れたんですけど」と語った」
(デイリー10月13日)
【高市自民】「ええっ」「また!?」ミヤネ屋騒然 自民議員がTV告発→反高市の内乱発生してる「総裁選やり直せと言う人までいる」 首班指名で「造反票」危機と(デイリースポーツ) - Yahoo!ニュース
ここに出てくる「自民党著名議員」とやらが船田元氏だというのは、先刻知られたことです。いつ「著名」になったんでしょうかね。
秘密めかして青山氏が言わなくても、とっくに産経で船田氏がペラペラしゃべっています。
「船田氏は公明の連立離脱方針について「青天の霹靂だ」と投稿した。公明が「政治とカネ問題」を理由に挙げたことに関しては、「怒るのも当然のことではないか」と共感していた。
また、26年間の自公連立について「自民党の出過ぎたところを公明党がなだめながら、バランスよく政策を実現してきた」と評価し、「それができなくなることは、自民党はもちろんのこと、国民にとっても大変なマイナスである」と残念がった。(略)
「可能性」として、「石破首相に退陣を撤回してもらい、当面はこれで国会を動かし、企業・団体献金の改革も含めた目先の懸案を処理し、その上で公明党との話し合いをもう一度やり直せないだろうか」と記した。
その上で、「それも難しいのであれば、高市総裁に一度退いていただき、早急に総裁選挙をやり直して、新しい総裁のもとで、連立の枠組みをはじめとした政権構想の立て直しを模索すべきだ」と提案した」
(産経10月,12日)
自民・船田元氏「石破首相の退陣撤回」「高市氏退き総裁選やり直し」案言及 公明連立離脱 - 産経ニュース
この船田という人は自民にいるほうがヘンで、社民党か共産党にいたほうがなじむ御仁です。
党歴だけは古いのですが、閣僚経験なし、おっと一回あったか、経済企画庁長官が最高のポストという人物。
要するに、党内での影響力皆無。なにかの間違いで平和安全法制が議論される時に、自民党参考人を呼ぶ立場になったら呼んだのがこともあろうにゴリゴリの護憲派のボスの長谷部恭男氏でした。(笑)
集団的自衛権?そんなものは55年前に締結している: 農と島のありんくりん
こんな人がナニ言おうと聞き流しておけばいいので、これをして「党内は一枚岩ではない」なんて青山さんナニ言ってんの。
自民が「一枚岩」だったことなんか、そもそもあるの。
青山さんは首班指名で多数を押さえられずに、再び下野することを恐れているようです。
なるようにしかならんじゃないの、そんなこと。
じゃあ、いまメディアが欣喜雀躍して報じているように野党がひとりの候補に絞れるのでしょうか。
神奈川新聞で野田氏はこんなことを言っています。
カナコロ
「立憲民主党の野田佳彦代表は12日、神奈川新聞社の単独インタビューに応じ、石破茂首相の後継を選ぶ首相指名選挙を巡り、「野党第1、2、3党で自民党の196議席を超えられるので、まずはそこに賭けたい」と述べ、立民、日本維新の会、国民民主の野党3党の党首で候補を一本化する考えを強調した。
「あくまで政権交代を目指す」として、投票先は「与党はない」と明言。自民党との連立を離脱した公明党の斉藤鉄夫代表への投票可能性も否定した」
(神奈川新聞10月12日)
立民・野田代表「維新の藤田共同代表も対象」 野党候補一本化の場合(カナロコ by 神奈川新聞) - Yahoo!ニュース
そしてあろうことか、こんなことまで言っちゃってます。
「立民は首相指名に関し、野田氏にこだわらず国民の玉木雄一郎代表も有力候補とする考えを示している。
野田氏は「玉木さんに絞ったわけではない。維新(共同代表)の藤田文武さんも対象で、私に限らず、(野党)各党の代表は等しく候補予備軍として判断すべき」と説明。その上で、「玉木さんは(首相を務める)覚悟があると言っている。ぜひ前向きに協議したい」と語った。
玉木氏は立民との基本政策の違いを理由に否定的な考えを示しているが、野田氏は「『のりしろ』を持って協議する」と述べ、国民側に歩み寄りを求めた」
(神奈川前掲)
わ、はは、国民民主の玉木さんでも維新の藤田さんでも、だれでもいいんですとさ。
無節操というか、ともかく「反自民」というボロ旗でまだ政権ができると思っているというアナクロ。
そんなことはかつて民主党政権で一回やって3年半国民をさんざん苦しめて、内ゲバを繰り返したあげくチュドーンだったでしょうに。
その最後の首相が、あんた野田さんじゃなかったのですかね。総括してないね。
いったいどんな政策をしたくて、どういう日本にしたくて政権をとるのでしょうか、まずはここからです。
では、立憲は玉木氏を総理に祭り上げて、国民民主の安全保障、原発、憲法改正、積極財政などを丸呑みするのでしょうか。
たぶん立憲は、仮に野田氏がそう考えてもできません。だって党内がバラバラですから。
それを無理やりにトップが決めてやろうとすると、立憲全体が持たない。
そもそもできるんだったら国民民主が出ていかなかったでしょうに。
ここに公明が入ってくればなおさらワヤ。
野党に下った自民の高市総理はきつそうですよ。議席数は拮抗しているしね。
だから、なるようにしかならないのです。
国民民主と維新は政策を高市氏と政策をすり合わせて、組めるなら組んだらいいんじゃないですか。
組めなければ?
しゃーないね。それが決まった段階で、高市さんは部下のゲルに命じて解散総選挙をするんですな。
遅かれ早かれ、予算案に一区切りついたらせにゃならんのです。
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首班候補者の野党一本化・・・つまり野合ですね。
やってもどうせすぐに砕け散る。
投稿: 山形 | 2025年10月14日 (火) 04時34分
うーん、ここんとこどうもココログにスパム扱いされて弾かれまくりますな。
政治がザワザワする時はやたら厳しくなる印象です。
ところで、船田や中谷が引退したら···メディアの肩書きは「元々衆議院議員」になるのか?
投稿: 山形 | 2025年10月14日 (火) 06時28分
オールドメディアの論調は「玉木さんは何を尻込みしているのか?短命でも良いじゃないか、まだ議席の多い立民党に牛耳られても良いじゃないか、総理の座を掴む絶好のチャンスを見逃すのか?」と(安っぽく、下品に)煽るものばかり。本来であればこの記事のように、「馬鹿だねぇ」と切り捨てるべき下作です。
高市はお願いだから変な方向に忖度して流されないで。普通にやってれば普通に勝てるから。今朝の速報で「私が総理になったら小泉を防衛大臣にする」と宣言した、らしいのですが。それやったら自民党には投票できない。高市さんにとって「譲っても良いどうでも良いもの」の中に国防が入ってたら、おしまいです。
投稿: ねこねこ | 2025年10月14日 (火) 08時13分
責任政党として国民に施しを与え、さらに与えると約束する口は、その裏打ちに必要な歳出削減を正直に打ち明けることができない。
政治資金収支不記載を糾弾し別れる理由にする口は、自身の収支不記載事実だけは「単純なミスです」と言う。
「政権交代のめったにないチャンスなんです!」とか「首相を務める覚悟はある」という口は、交代したら何を起こして、何故どれほどのメリットを世の中に、特に現役若者世代に齎せ、国を向上させるかは言えないし、その代わりにどんなデメリットを受け入れるのかも言わない。これまでの何が何故間違っているのかも言わない。
誰であれ何であれ「いいとこ取りだけ」はできないのだ、代償やリスクもあるという明快な現実に、政治家も有権者も向き合わない。
それは長く平和でいられた社会の成熟の果てに避けられないヒトの宿命なのだとしたら、不安定とか嵐とかは時々必要なのかも。
ただし、前々回の政権交代で我々は死にかけたが、今回は交代してもしなくても死にかけるリスクはある。
政治家は生き残って力を持たなければやりたいことやるべきことを実現できないが、デメリットやリスクを明かせば選挙で負けるのだとしたら、メリットとデメリット、リスクとリターンをより正確に捉えて比較できる能力・習慣を、政治家と有権者両方のできるだけ多くが持つことで、解決策のひとつ、またはせめてもの成長になるのではと考える。それって本当に無理なのかなぁ。
不安定や嵐の後に何か良いもの・善いもの・マシなものが必ず来るとは限らないが、「して貰うこと」だけを見て「しなきゃならないこと」に目を瞑ったまま朽ちる可能性を知らずにいるよりは今、不安定や嵐の方がまだマシに感じる。これすらも、平時だからこその感覚なのかもしれないが。
投稿: 宜野湾より | 2025年10月14日 (火) 13時49分