財務省謎の奇習
日本には財務上の奇習があります。
1番目が税収弾性値、2番目が国防予算を国債にいれないルール、3番目が国債60年償還ルールですが、今日は初めの税収弾性値だけにします。
維新の会の柳ケ瀬裕文議員がこのような質問をしました。
「7日、参議院決算委員会において、日本維新の会の柳ケ瀬裕文議員が加藤金融担当大臣と税収について議論した。
柳ケ瀬議員は「直近3年間の令和3年度予算策定時における『後年度影響試算時の税収』当該年度『当初予算策定時における税収』『決算の税収』を示す。ここで『後年度影響試算』と『決算』の違いに注目してほしい。毎年10兆円近くずれている。22年度は11.7兆円、23年度10.7兆円、24年度はまだ出ていないが9.9兆円ぐらいだろう」と指摘。(略)
「令和3年度に財務省が試算した税収の予測値と実際の決算との差を見ると、毎年約10兆円も税収を少なく見積もっていた。『結果として税収が多かったからいいじゃないか』と思う方もいるかもしれないがそうではない。
税収を10兆円も少なく見積もると『税収が足りないからさらなる増税が必要だ』であるとか『税収が足りないから減税なんかできない』というような誤った財政運営に繋がっていく。また、税収を少なく見積もると国債を多く発行する必要があるかのように見せてしまうことになり、それはあたかも我が国の財政状況が悪化しているかのような虚偽の情報を国内外に示すことになる。
また、決算剰余金を原資に審査が甘い莫大な補正予算を組むことにつながり、不必要な事業を行うなど、財政運営そのものを誤らせてしまうことになるのではないか。それだけこの後年度影響試算というのは、妥当な理屈を持って妥当な数値を示さなければいけないものと認識している」
(アベマニュース4月7日)
財務省の“数字のカラクリ”を理詰めで追及?「毎年10兆円近くずれている」「全く論外」「つじつまを合わせた?」「財源が足りないという虚像の証左」(ABEMA TIMES) - Yahoo!ニュース
よくぞ言った。まさにそのとおり。
こんな10兆も当初予算の税収見込みが狂う原因はひとつです。
税収弾性値を1.1~1.2などと過剰に低く見積もっているから、税収が年間10兆円も上振れするのです。
そりゃ補正予算なんか楽勝ですよね。なにが財政危機だつうの。
税収弾性値が1.1とは、要は税収はゼロ成長を大前提するということです。
日本経済はゼッタイに成長しない、しないといったらしない、なぜならオレラ財務省が成長しそうになるとしっかり潰すからだ、ということのようです。
いつも景気が回復しそうになると、増税派が消費増税をしかけて成長の芽をつぶしてきていたのでヘンだとは思っていたのです。
案の定、彼らには彼らしか通用しないロジックがありました。それが前述したように「税収弾性値が1.1」ということでした。
税収弾性値とは、「名目GDPが増えた時に税収がどの程度増えるか」という予測値のことですから、財務省の1.1とはゼロ成長で経済を考えていたわけです。
経済を回復させれば税収が増える、という子供にも分かるこの理屈が、東大法学部出身のエリート官僚の皆さんには理解できないようです。
ですから彼らは経済はずっとデフレでけっこうと思っていますから、景気をよくする、雇用を増大させる、収入を増やして個人消費を伸ばすという平々凡々たる経済の道筋が見えません。
仮に景気が上振れして税収が伸びたとしても、そんなことは一時的なこと、税率を高く設定せねば財政は健全化しないぞ、だから税率を高くせねばならないのだ、ありとあらゆる機会を逃さずに増税を、くらいに盲進しています。
与野党を問わず、議員の大半もこの信徒だから困ったもんです。
これが、財務省や自民税制部会がよく口にする「恒久的財源」論です。
もちろん現実には、税収の伸びが1.1なんてことはありえません。
下図は90年代後半に消費税増税をして以後の、過去15年間の一般会計税収ですが、名目GDPが増えれば税収は1.1どころか3倍ちかくに増大することがわかっています。
一般会計税収の推移
ですから経済に冷や水を掛けなければ、1兆円ていどの税収不足など軽く自然の税収増だけで得られてしまいます。
2021年度の一般会計決算概要によると、国の税収は67兆378億8500万円と過去最高だった20年度の税収(60兆8216億400万円)を更新しました。
しかもこのコロナ不況の真っ最中で個人消費がメタメタであったにもかかわらず、予想を3.1兆円も上回りました。しかも2年連続です。
普通に考えれば景気が回復すれば税収は今回の3.1兆円上振れしたようなことが起きるはずですが、彼らの税収弾性値では1.1しか成長しないはずなので、常に財政危機なのです。
経済学者の飯田泰之氏が言っていますが、「何か論理的な意味があって存在するわけではなく、なんとなくそれっぽい数字を並べて権威付けしているだけ」のこけ脅かしにすぎないのです。
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増税がアイデンティティ、それを否定する増収は絶対に認められない財務省トップは遺伝子レベルのサイコパスですね。そんな連中がエリート面する財務省はまさに隔離病棟。
投稿: 珊瑚は大切に | 2025年11月19日 (水) 02時13分
こうして見るとITバブルと崩壊やリーマンショックの影響が分かりやすいですね。
アベノミクスの効果が絶大なのも。しかし財務省(その前の民主党野田政権による)は消費税増税で露骨にブレーキかけてしまいました。
高市さんはどう判断するのか。
野田政権では1ドル70円代だったのが、安倍政権と黒田総裁で一度は115円が防衛戦と言いながらあっさり突破されました。
その後は落ち着いていたんですが、今や155円ですから下手に緩和は出来ないので選択肢が一つ潰れました。日銀利上げのタイミングも含めて今後に注目です。
株式市場は随分と荒い値動きしてますが、ここ1ヶ月の高騰は半導体やIT関連企業がほとんどの変動要因だったので···デイトレーダーでも無い限りまあ落ち着いて見ておきましょう。
投稿: 山形 | 2025年11月19日 (水) 08時42分