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2025年11月25日 (火)

ウクライナは敗戦国か? 28項目の和平案の内容わかる

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トランプの「新提案」なるものの概要が分かってきました。
トランプ大統領のウクライナ和平案、「力による現状変更」容認へ - KWP News/九州と世界のニュース

これをプーチンが書いたロシア案だと言って見せられれば、そうとしか思えない内容です。
一つずつ見ていきます。

ウクライナの主権を確認する。
最初の項目は醜悪な内容を隠す美しい包装紙にすぎません。
主権を守るといいながら、正当な領土の割譲をウクライナに要求するという矛盾をどう説明するのでしょうか。

ロシア、ウクライナ、欧州(関係国)間で包括的不侵略協定を結ぶ。過去30年のあいまいさを清算する。
これこそ「あいまいな不可侵協定」そのものです。
いかにその「不可侵」を、誰がどうやって保証するのか何ら書かれていません。
そしてこの「不可侵」とやらを成立させるために、後に出てくるロシアの戦争犯罪に対して一切触れることなく、戦争中の行動に対して全面恩赦を与え、将来的な請求を行わないとしています。

ロシアは隣国侵攻をしない見込み、NATOの拡大を停止することを想定
なんという寝ぼけぶり。侵略行為をすでに引き起こし、さらに他国に対して牙を向いているロシアがそこにいるというのに。
ポーランドやフィンランド、エストニアなどの「隣国」になんの保証も与えていません。
その上でNATOを駆け込み寺として加盟してくる未加盟諸国には諦めてロシアの属国になれとでも言いたいようです。

米国仲介のもとロシアとNATOが対話を行い、安全保障問題の緩和や将来的な経済協力を探る
ロシアとNATO諸国の「対話」とは恐れ入ります。
そのテーブルを作るためには、ロシアがウクライナ戦争の責任を認め謝罪し、撤退することが大前提です。
「安全保障の緩和」とは、いまのNATOがやっている5%国防費などの対抗抑止を止めろという意味のようです。
「経済協力」に至っては大笑いで、これは経済制裁すら止めろということです。
軍事力による対抗抑止も経済制裁も禁止されるなら、ヨーロッパはロシアに対して丸腰になれということに等しい。

ウクライナに確実な安全保障を提供
「安全保障の提供」の担保と実態がありません。
NATO有志国のウクライナへの保証駐屯もできず、ほとんと敗戦国のように扱われる協定を強要しておきながら、なにを言っているのでしょうか。

ウクライナ軍の規模を最大60万人に制限
これだけは絶対に呑めません。主権国家はその時の状況に応じての常備軍の規模を決定できます。
現在のウクライナ軍の規模は約88万ですから28万もの大削減となります。
これまでも協定にしばられるなら、もはやこれは主権を失った敗戦国扱いです。

ウクライナ憲法に「将来的にNATOに加盟しない」ことを明記。NATOも「将来ウクライナを加盟させない」規定を制定
そもそも安全保障上の政策を憲法に書くべきではありません。9条がいかに日本を苦しめたか見ればわかるはずです。
今のウクライナのNATO加盟に未加盟なのは、いま交戦国だからにすぎません。

交戦状態でなければ、いずれは加盟もありえるというのがNATOの考えです。
こんな協定を結べば、未来永劫NATO加盟は不可能になります。

NATOはウクライナ国内に部隊を配備しない
これが唯一の和平の担保でしたが、これも否定されています。

欧州の戦闘機をポーランドに配備する。
そんなことはポーランドが決めることです。ポーランドは既に拒否しています。

米国による安全保障保証の詳細(例:ウクライナがロシアを攻撃した場合、保証を失うなどの条件)がある
これは一見ウクライナにたいする安全保障供与に見えますが正反対で、ウクライナがロシアを攻撃した場合に米国が責任を持って懲罰しますよ、という意味です。ドッチの味方なんだ、トラ。

ウクライナはEU市場への短期の優先アクセスを得る
おそらく鉱物資源がらみのアクセスではないかと思われます。

ロシアをG8に復帰させる構想
おいおい、どのツラ下げてプーチンをG7に迎えるんだよ。あんまり笑わせないで下さい。

米露共同の投資メカニズムを設け、経済協力を進める
トランプはロシアに支援し、さらにプーチンと商売をしたいようです。
ロシアに対する制裁の段階的な解除し、凍結されたロシア資産から1000億ドル規模をウクライナ復興に使う一方、残余資金を米露共同投資ファンドに回す案という説もあります。 

安全保障共同作業グループを設立
たぶんロシアを含んだ協議体を作るつもりなのでしょう。
こんな全欧的枠組みはなんどとなく作っては潰れました。ただの空論です。

核軍縮や非拡散の枠組みに関わる条項を含む(たとえば既存の条約延長など)
2023年2月にはロシアが履行停止を発表している 「新START」の復活を指しているようです。

領土問題に関して、クリミアおよびドンバス(ルハンシク、ドネツク)を含めた地位取り扱いを規定
これが核心です。いままで散々論評してきましたので参照してください。

ドネツク州の一部地域からウクライナ軍を撤退させ、中立化した緩衝地帯(非武装地帯demilitarised buffer zone)を設ける。(右図赤い部分)
「中立化した緩衝地帯」とは下図の赤く塗った部分で、現況はウクライナ軍が実効支配しています。

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ウクライナとロシアが将来の領土を武力で変更しないという合意
一回この協定を呑んだら変更することはできないということです。

ドニエプル川(Dnieper River,Dnipro)を商業利用できるようにし、黒海経由の穀物輸送を自由化
当然です。どこの国が黒海に機雷を撒いたり、艦船で商業を妨害したり、穀物貯蔵施設を攻撃したのか、はっきりさせて下さい。

人道委員会を設け、捕虜や拘束者、遺体、家族の再統合などを扱う
子供の大量拉致を忘れてはいませんか。いや拉致被害者はいまやロシア国民でしたけね。
人道委員会と言うなら、多くの民間人虐殺はどこに置き忘れたのでしょうか。

ウクライナで100日以内に選挙を実施
そんなことはウクライナ自身が決定することです。ゼレンスキーを辞めさせたいのでしょう。

戦争中の行動に対する全面恩赦。すべての当事者が将来的な請求を行わない
呆れてものが言えない。ここまで下劣なことを言うか、トランプ。

合意は法的拘束力を持ち、「平和評議会」(Peace Council)を設け、トランプ大統領が議長となり実施を監視。違反時には制裁を科す
なにが「平和評議会」だ。トランプのような親ロシアが議長になれるはずがありません。

停戦は合意とともに即時発効。ただし、両者が合意した地点まで撤退してから
「両者の合意した地点」とは上図の赤い完勝地帯からウクライナ軍が撤退することです。

教育プログラムの実施、文化的多様性・寛容性の推進。学校などで異文化理解や偏見の解消を図る
なにが寛容性だ、笑わせる。

ウクライナとロシア両国が差別的措置を撤廃し、言語・メディアの権利を保障
どうでもいいような項目ですが、全体主義国家にまずそれを言いなさい。

ネオナチなど極端なイデオロギーの拒否と禁止
これはプーチンの侵略の口実をそのままなぞっているだけです。

合意の実施をめぐる監視と、違反時のペナルティを明確にする
はいはい、なんの担保も与えずにペナルティもないもんです。

以上、吐き気のするような内容ばかりでした。
こんな公然たる裏切りをする大統領を戴く国と同盟を結んでいて大丈夫なのか、と思った国も多いのではないでしょうか。
うちの国も独自核とか考えねばならんのかな。ああ、憂鬱。

 

 

 

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コメント

こんに項目だけ多くて、ウクライナが飲める物が1つも無いって!
お話になりませんな。これでは結局武力戦争起こして侵略した側の総取りじゃん。国際的に否定されている力による領土変更そのもの。

習近平とトランプが電話会談して、そのうちに習を国賓待遇で米国に招くそうですけど、トランプさんはよほど自らの王国が欲しいのか独裁国家が大好きで民主主義という旗印なんか忘れてるようですね。

「どれか一つでも妥協して呑んだら儲け物」という、下品な投資屋(トランプ)と醜い独裁者(プーチン)の意見が合致して生まれた醜悪な最低の案ですね。「ロシアの願望リスト」が相応しい(ルビオは否定させられましたが)。

ウクライナとEUは、正に「ウクライナの願望リスト」(ではなくもちろん、正しくあるべき和平案)を提示して、「これを飲まないロシアが悪い」とはっきり主張すべきです。

それにNATOにはもうアメリカは要らないでしょう。腹を括って、アメリカをパージして、「マトモな大統領の時なら誠実に応対する」形にした方が良いのでは。

本当は、アメリカにも経済制裁した方が良い。現実的でないことは理解してますが。そしてアホタコトランプの関税の無理解で、セルフ経済制裁してますが…

トランプ氏はロシアが絡むと鳩山由紀夫レベルの「ルーピー」になりますね。

守った試しのない国との不可侵協定って悪い冗談ですか?いやほんとに驚きました。これならまだバイデンの方がましだったって感じです。トランプがお得意の翻意をせずにこのまま進めるとしたら、またぞろ私の頭には一つの陰謀論が頭をもたげます。やっぱりトランプはロシアに何かを握られていると。

この話ウクライナだけの問題では済みません。一番快哉の声を上げるのは間違いなく中国です。この伝で行けば台湾に手を出しても米国は何もしてこないぞ、と高をくくることもあり得ます。台湾有事は日本有事の言葉通り、もはや他人事ではなくなります。それとも憲法九条と大書した幟でも掲げますか?

米国が世界の警察ではないことはすでに常識になりつつありますが、このまま行けば米国は世界の反社に成り下がることでしょう。日本もこんな極道の親分を当てにしているようでは危ういとしか言い様がありません。

「ロシアによる力による現状変更」を認めれば中国がどう出るか、ロシアンナラティブは考えた事があるのでしょうか?

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