サナエノミクスで春を先取り
大きな河をせき止めていた塵芥が一気に崩れて、日本が本来もっていたエネルギーを放出し始めたようです。
その牽引役を努めているのが株価です。
昨日11月5日の日経平均は50,200.39 (5日 15:21)です。
日経平均株価:リアルタイム推移・最新ニュース - 日本経済新聞
株価は、石破氏が辞任を表明する気配で上がり始め、高市氏が首相に就任するやいなや、あれよあれよ問いうま煮5万円を突破し、連日史上最高値を更新しています。
高市氏が就任早々に取った経済政策は①懸案だったインフレ対策としての家計支援(給付金付き減税、ガソリン・軽油引取税の暫定税率の廃止)を実行に移し始めました。
暫定税率の廃止など、いったい前政権はなにを昼寝していたんだ、といいたくなる猛スピードで与野党が合意し、本年内に廃止されることでしょう。
これでガソリンは一気に25円ほど安くなるはずです。
株式市場が高市氏の経済政策を好感しているのは、このサナエノミクスが石破政権において否定されてしまったアベノミックスを復活させ、さらにインフレ局面を考慮したアップデート版だからです。
第1生命研究所永濱利廣氏はこう述べています。
- 高市氏が描く経済政策は基本的にイシバノミクスから一線を画し、野党の政策も取り入れて、これまでの緊縮財政の度合いを緩めるということになろう。高市氏の経済政策運営のカギを握るのは、名目経済成長率が長期金利を上回る局面では財政規律よりも経済成長を優先し、いかに大胆な投資が実現できるか。
- 少なくとも総裁選の公約通りに政策が進めば、日本経済における最大の課題である供給力の強化が進展することになろう。そうした意味では、高市氏の経済政策も初期段階では、いかに国民の暮らしと安全・安心を確保すべく、25年度補正予算に政策を総動員し、雇用と所得を増やし、消費マインドを改善し、税収が自然増に向かう「強い経済」を実現できるかにかかってこよう。
政権と株価の関係 ~コロナ下に求められる政権とは?~ | 永濱 利廣 | 第一生命経済研究所
つまり雇用と所得を増やすことによって個人消費の消費マインドを刺激します。
これがいまやっている家計応援政策、たとえば暫定税率の廃止ですが、このことによっていまネックとなっている供給力を底上げして経済成長を促し、同時にそれによる税収増を意図しています。
この循環が軌道に乗れば、増税しなくとも税収が増えますから防衛費などの必要な分野に予算投入が可能なはずです。
国会論戦を始まるや立憲の野田氏が「家計応援に即効性がない」とか言っていましたが、思わず失笑してしまいました。あんたの時はどーだったんだいといいたくなりますね。
野田氏が率いた民主党政権時の株価はこうです。
グラフ中央の大きくへこんだ時期がそれです。
政権と株価の関係 ~コロナ下に求められる政権とは?~ | 永濱 利廣 | 第一生命経済研究所
ブハハハ、今の株価の7分の1ていどの8000円台あたりを低迷していたのですよね。(爆笑)
株式関係者はこの時期を「失われた4年」と言っています。
その原因は、経済成長をまるで悪と考えているかのような反資本主義思想にかぶれていたからです。
日銀審議委員をされていた原田泰氏の『反資本主義の亡霊』という面白い本があるのですが、左翼に根強くある資本主義は格差・貧困・戦争をもたらすという歪んだ思想が根底にあるのです。
そのうちゆっくりふれてみたいですが、この反資本主義とはなんのこたぁないニュールックのコミュニズムにすぎません。
政権さえとらなければ、世田谷に住んでオーガニックが好き、朝日を読んで反原発を叫んでいる無害な連中にすぎませんが、間違って政権をとったのが悲劇でした。
彼らは「コンクリートからヒトへ」という訳の分からないスローガンを唱えて、意気揚々と首相官邸に乗り込んだのです。
建前だけで解決策なしの反資本主義思想は、経済合理性など初めから無視していました。
政権を率いる連中が、ゼロ成長こそユートピア、足るを知る、里山資本主義こそ理想なんて気取っているんですから話になりません。
もっともそれじゃあ選挙に勝てないんで国民には小銭をばらまくんです。13000円ていどの子供手当て、高校授業料無償化、そして悪名高き農家個別所得補償といったやつです。
当然、財政は「強い財政」と称して緊縮財政ですから、同時にやったのが、レンホー氏と枝野氏が率いる「事業仕分け」ショーです。
これは財務省が青写真を書いて資料を渡してやらせたもので、基礎研究に対する国庫支出を削ろうとして、ノーベル賞学者たちから抗議されたのはこの時期です。
そして当時の日銀白川総裁がデフレ容認の金融政策をとりましたから悲惨でした。
白川総裁は970年代の「狂乱インフレ」の最大の原因は、金融緩和から引き締めへの転換が遅れたことだと総括して金融政策を否定し、財政規律が重要視しました。
いわゆる財政規律主義とか財政再建主義と呼ばれる財務省路線です。
政権を始動すく政治家は反資本主義にかぶれ、金融当局は金融引き締め、財政当局である財務省は財政再建主義の三拍子ですから、日本経済は本格的デフレに突入しました。
テレビでは価格破壊をスーパーが連呼し、主婦は1円でも安いものを求めて走りました。
そして増税です。消費増税は野田政権が決めたことを、当の野田さんはお忘れのようですが。
企業投資は低調になり、個人消費は激減し、若年層は就職ができず、株価は1万円以下を低迷するという日本列島デフレの冬景色の惨状をたっぷり味わいました。
この時期学校を卒業した若者は20数社の面接を受け、それでも決まらず派遣社員で一生を過ごすなんて珍しくありませんでした。
これで結婚などできるはずもありませんから、当然少子化に拍車がかかります。
いやー、いま思い出してもゾっとするヒドイ時期でした。ノーモア民主党と多くの国民は思ったはずです。
これが安倍氏が政権を奪還して一気に春を迎えます。
日銀総裁には黒田バズーカを指名し、史上かってない金融緩和政策を開始します。
「まず、第二次安倍政権下で株価が大幅上昇した最大の要因は、何といっても金融政策のレジームチェンジだろう。というのも、それまで先進国ではグローバルスタンダードだったインフレ目標2%をようやく日本政府・日銀も導入し、リーマンショック以降に欧米諸国が実施した大胆な量的緩和政策を遅ればせながら日銀でも黒田新日銀総裁のもとで実施したからである。
これにより、それまで金融緩和に消極的な日銀のスタンスなどにより日本株に見向きもしていなかった外国人投資家が日本株を持たないリスクを意識し、日本株を保有するようになった。これによって極端な円高・株安が是正され、日本株が海外の株価と連動性を高めるようになった」
政権と株価の関係 ~コロナ下に求められる政権とは?~ | 永濱 利廣 | 第一生命経済研究所 。
このアベノミクスによる経済と社会の春の芽生えは失業率に現れました。
第2次安倍政権発足前は5%を越える高失業率が就業者、特に若年層を苦しめてきましたが、アベノミクス開始と共に一気に花が咲いたように見る見るうちに低下し理論的最低値の2%に近づいています。
これがいまだ青年層が安倍氏を慕う大きな理由です。
いかにオールドメディアでの劣勢報道をしようと、SNSでそれを覆したのは一般人の支持があったからで、その中心勢力となったのは若年層が強かったからでした。
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「暫定税率廃止の穴埋めはどうするの?」という声が自治体から聞こえて来そうですが、地方でも横行している「公金チューチュー」にメスを入れればいくらでも代わりは見つかるのでは?
投稿: 珊瑚は大切に | 2025年11月 6日 (木) 06時18分
「失われた◯◯年」は、個人投資家の株の仕込み時期としては良いといえば良いのですが(機関投資家はこういう時は売らなきゃならない)、この手の逆張り投資はやっぱりメンタルによろしくないのですよね。やはり、順当に上がっているのに乗る方が楽だし、何より気分が良い。
ガソリン税の「財源」は本来不要なのですが、今検討しているのは「ものすごく儲けている資産家の金融所得の利益の税率を強化」みたいですね。いわゆる「一億円の壁」の是正の意味もあるとか。
「一律に全ての売却益に3割課税」だったら個人投資家の全員が高市政権不支持に回ると思いますが、上記のやり方なら、まあ…働かないで配当やら売却益だけで生きてる方が不当に有利なのも不自然だし…と(超資産家も含めて)納得する気がします。
投稿: ねこねこ | 2025年11月 6日 (木) 08時36分
サナエノミクスが本当のアベノミクスの後継であるのなら、今度こそ"第三の矢"を連射して欲しいですわ。早苗さんはあのサッチャーさんを尊敬してるとかで、彼女にならい手始めに働かないオジさんオバさんの既得権益擁護団体である有力労組にケンカ売るのを楽しみにしています。日本の最高裁判例による事実上の解雇禁止令を無くして労働力の流動化を施す為に(?)、まず労働時間の縛りを無くすことに言及しているようなんで、期待してますわ。
今までのような、ムラ連合国家の日本で各ムラ全てに都合が良いような調整型政治だと、もう日本は完全にオワリモードになって衰退していくのは当然です。ただでさえ政府債務が莫大に膨れていて(民間資産もそれに等しく莫大にあるからヘーキだというのは、民間の富を政府が全て没収してもかまわないという意で、そら許せん理屈ですわ)、しかも信用不足(自転車操業中)のためにこれから金利が上がり利払いも指数的に増えて、その中で少子高齢化で稼ぎ手が減り被扶養者が増える、そんな地獄のような条件では、各ムラが全て心地良い政策なんてとても無理ですわ。
労組に限らず経営側でも、非効率で富を生みだせない(赤字)ゾンビのような企業群は、補助金漬けにして集票マシーンにせずに清く退場させて、競争相手国の企業に立ち向かえるような強い企業に集約されていくべきです。日本には"社長"専務"がやたら多いらしいですわ。
クロダサンがもう盛大に円をバラ撒いてしまったんで、高インフレにより賃上げしても実質賃金が増えないという、「ただの紙とインクからは、何も富は生み出せない」教科書通りの展開に、ジジイになりかけの私も実際困ってますわ。スーパー行くのがコワイ、どんどん値上がりしてる。早苗さん、何とかしてくれ!数年間なら"生みの苦しみ"に耐えてみせますんで。
それにしても投資は難しいですね、もう時を味方にできる年齢じゃないんでついGOLD買ったら、そこが最高値になりましたわ。さすがに、"みんなで大損やさん"には引っ掛からないで済みましたけど。
投稿: アホンダラ1号 | 2025年11月 7日 (金) 00時24分