財務省が変わった
ご承知のように、高市政権はほとんどすべての省で、大きな変革を起こしています。
官僚の牙城であった財務省においてすら、片山さつき大臣がこのようなことをさらっと言ってのけています。
国民民主の浜野喜史議員の11月13日の参院予算委員会における、「変動相場制のもと円という自国通貨建てで発行されている日本国債の債務不履行は考えられない」という質問に対して、片山財相はこのように答えています。
「(国債の発行通貨は)円建てでございまして、今でも当時でも保有者は圧倒的に国内が多いということもあリ、通常考えにくいというのはその通りでございます」
わー、言っちゃった、その通り!
国債がデフォルト(債務不履行)する、とは国が債務を返済できなくなる状況を指します。
金融におけるデフォルトとは、債券の元利払いや償還といった契約上の義務が果たされないことです。
では 国債デフォルトの3要件とはなんでしょうか。
国債がデフォルトするためには、以下の3つの条件が同時に満たされる必要があります。
①国内投資家が国債を買わない 国債の主な買い手である国内の投資家が購入を停止する状況です。
②海外投資家が国債を買わない 国内だけでなく、海外の投資家も国債を購入しなくなる状況です。
③中央銀行が国債を買わない 自国通貨を発行できる中央銀行が、国債の買い入れを停止する状況です。
日本の国債はすべて円建てです。
つまり国家が通貨発行権を持っている貨幣で国債を発行しているわけです。
ところが世界では、外貨建てまたは共通通貨建ての国債でデフォールトが発生していますが、自国通貨建て国債のデフォールトは非常に少ないのです。
このような国が無計画に通貨や債権を発行し続けると、ハイパーインフレーションを招いたり、通貨の信用が失われたり経済が崩壊したりする危険性があります。
かつて財務省が無知な政治家に使った「ギリシアのような財政破綻国家になる」という脅し文句がコレです。
また国債の大口購入者は日本の機関投資家であり、彼らがかわなくなるということは考えられません。
日銀も国債の買い入れの意味を承知しており、いま手控えているのはインフレだからです。
日本国債が自国通貨建てで発行されており、政府には無制限の支払い能力があるので財政赤字や債務の拡大は問題ありません。
中央銀行が国債を買い入れればよいのであり、長期金利が低い水準で推移していることから、財政破綻の可能性はかぎりなくゼロです。
金融市場には、信用の崩壊に備えたCDS(クレジット・デフォールト・スワップ)というものがあります。
企業などが債務不履行(デフォルト)に陥るリスクに対する「保険」のようなものです。
CDSには「買い手」と「売り手」がいます。
CDSの買い手・クレジットリスクをヘッジしたい投資家などで、CDSの売り手に対し定期的にプレミアム(保険料)を支払います。
CDSの売り手・CDSの買い手からプレミアムを受け取り、対象となる企業が債務不履行になった場合に、元本に相当する金額を買い手に支払うことを約束します。
もし、対象企業が破綻せずに満期を迎えた場合、売り手は受け取ったプレミアムが利益となります。
わかりやすい用語集 解説:CDS(しーでぃーえす) | 三井住友DSアセットマネジメント
CDSでみたG7国債の5年以内のデフォルト確率を比較すると、日本は0.33%とG7諸国中ドイツに次いで2番目に低い率となっています。
積極財政派の高市氏が首相となるや、すぐに英国のトラスのように短期政権で終わるゾ、という合いの手が入りました。
トラス政権時のCDSは0.70%と日本の2倍以上の水準に達していて、イタリアに次いで二番目に高いことがわかります。
こんな国が積極財政を取ったために金融市場が大混乱したのです。
英国と大きく異なる日本の財政状況 ~英国の財政リスクはG7ワースト2に対して日本はベスト2~ | 永濱 利廣 | 第一生命経済研究所
第1生命経済研究所の永濱利廣氏はこう結論づけています。
「このようにデフォルト確率が低いのは、日本国債に対する信認が高いからである。これは、各国国債の信認を左右するとされる4つの指標について国際比較をするとその理由がわかる。具体的には、G7諸国における2021年時点での「政府純債務/GDP」「経常収支/GDP」「対外純資産/GDP」「政府債務対外債務比率」の四指標をリスクの度合いで並べ替えた。
結果は、日本は政府純債務/GDPだけでは最もリスクが高くなるが、それ以外の3指標で見れば、対外純資産/GDPと政府債務対外債務比率が断トツ一位、経常収支がドイツに次いで2位と圧倒的にリスクが低く、相対的に財政リスクが高い国ではないということになる」
永濱 利廣 | 第一生命経済研究所
このように強い経済を持つわが国経済の処方箋に、長年に渡って財政の健全化を金科玉条のように緊縮財政と増税を企業と国民に強いてきたのが財務省でした。
この論拠がいわゆるプライマリーバランス黒字論でしたが、長くなりましたので次回に。
とまれ財務省が変われば日本は変わるのです。
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総裁や財務大臣が代っただけで、こんなに変わるのものだと、ただただ感心しています。
菅さん岸田さん石破さんらは何をしていたのか?(考えていたのか?)
総裁や財務大臣が矢継ぎ早に政策を決めていくのをみると、自分がその立場になった時に「何をどのようにやるか(戦略)」を引き出し(胸の内)に貯めていたのでしょうね。
仮に総裁選で違う人がなっていたとしたら、これまでと何も変わらなかった可能性がありますね。
結果はもう少し先にならないと分からないけど、少しでも動き出したことには期待しています。
投稿: 北海道 | 2025年11月17日 (月) 16時18分