「遼寧」、空母のようなもの
年末年始のお休みについて
押し迫ってまいりましたが、今年も年末年始のお休みを頂戴します。
12月29日(月)~1月4日(日)までお休みとし、1月5日から再開いたします。
コメントに「遼寧」は空母かという質問がありましたので、お答えしておきます。
答は、もちろん「空母」に決まっています。
ただし未成熟な、限定的な能力しか持たない「空母」であることは中国自身認めており、「練習艦」に区分しています。
中国の砲艦外交の主役でありきわめて政治的な艦艇であって、近隣諸国に軍事的脅威を与えて恫喝することが目的で作られた空母だということが、他国のそれと比して異様なまでに特出しています。
もっとも、日米海軍からは潜水艦の標的艦とも揶揄されています。
これは今回の事件でも明らかになりましたが、対潜警戒をすべき駆逐艦が1~2隻しか随伴していないことからも潜水艦からの攻撃に脆弱であろうことは容易に想像がつきます。
軍事的脅威は侮ってはなりませんが、ほどほどです。
さて、今回のレーダー照射事件を引き起こした航海はこのようなものでした。
中国空母「遼寧」、艦載機発着260回 宮古海峡を北上し東シナ海へ | 毎日新聞
なお、能勢伸之氏は、米空母「ジョージ・ワシントン」が「遼寧」打撃群の頭を抑えるように横須賀に入港しており、これ以上の北上を阻止したと見ています。
「ジョージワシントン」の航路と重ねてみます。
レーダー照射の裏に潜む“中国の緊張”とアメリカ軍の圧力 「ロバートスモール」「トリポリ」のダナン入港の狙いは【日曜安全保障】|FNNプライムオンライン
「ジョージ・ワシントン」は「遼寧」艦隊を迂回する様子も見せず、12月8日前後に北大東島東方でそうとうまでに接近していますので、この能勢氏の説には説得力があります。
「ジョージワシントン」空母打撃群は正規空母を中心としてこのような編成です。
・航空母艦: 打撃群の中心となる艦です。×1隻
・巡洋艦: 艦隊防空や対地攻撃などを担います。×1~2隻
・駆逐艦: 対空、対潜、対艦など多目的な任務を遂行します。×2~3隻
・潜水艦: 敵艦艇の探知・攻撃や情報収集を行います。×1隻~2隻
・補給艦:作戦海域での燃料や物資の補給を担います。×1隻(変動あり)
米側は6隻から9隻の大規模な艦隊に対して、「遼寧」打撃群は駆逐艦2隻、それも途中から燃料切れをおこしたと見えて1隻という寂しです。
この8日時点では随伴艦は1隻だったかもしれません。
最後に補給艦が到着したものの、いまだ中国には洋上補給能力が限定的だと思われます。
実はこのような空母と空母の展開阻止運動は、実は中国も実施しています。
「中国海軍の空母2隻が6月に日本周辺の太平洋上などに展開した際、米空母打撃群の迎撃を想定した演習を実施していたことがわかった。複数の日本政府関係者が明らかにした。米軍役と中国軍に分かれて対抗する形式の訓練で、米空母が採用している航行方法を模倣した動きをしていたことなどから判明した。日本政府は、中国軍が台湾有事を見据え、米軍の接近を阻止する能力の向上を進めていると分析している」
(読売2025年7月18日)
中国空母が日本周辺で米空母の迎撃訓練、米軍役と中国軍に分かれ対抗…台湾有事を見据え実施か : 読売新聞
中国空母が日本周辺で米空母の迎撃訓練、米軍役と中国軍に分かれ対抗…台湾有事を見据え実施か:写真 : 読売新聞
この時、「山東」打撃群と「遼寧」打撃群は、米海軍の運用規則どおりに500カイリ(約930キロ・メートル)程度の距離をとって運動しています。
おそらくは実戦においての米海軍の動きをまねた予行演習だと思われています。
中国国防省も、6月末、遼寧と山東が実施した訓練について、「太平洋西部海域に出て、互いを相手として実戦的な対抗の訓練をした」こ公表しています。
では「遼寧」空母打撃群の能力はどの程度なものでしょうか。
あたりまえですが、空母は作戦に必要な量の武器と燃料を搭載した航空機をいかに早く、いかに多く投射できるかにかかっています。
ここからスキージャンプで勢いをつけて発艦し、アレスティングワイヤーを使って着艦します。
約91メートルの距離で、平均約21.8トンの艦載機を2秒間で時速0kmから約265kmまで加速させることができます。
発艦能力は 昼間は37秒ごとに2機の発艦と1機の着艦を同時に行うことができ、夜間でも1分ごとに同じ作業が可能です。
ですから「遼寧」から発艦する戦闘機はスッポンポンか、あるいは最低限のAAM(空対空ミサイル)2発を装備しているに止まっています。
下写真を見ると、まるでなにも搭載していないのがわかりますね。
方や「遼寧」はスッホンポンで、さらには前部2か所の発艦スポットからの発艦させる場合は、J-15のエンジンの推力不足から燃料もしくは武器の搭載量を制限しなければなりません。
これが上写真での真実です。仮に無理やり多くの武器を搭載したとしたら、燃料のほうを制限せねばなりません。
その艦首2本も立て続けに発艦させるのは無理で、仮に最長の滑走路を使用したとしたら、それ以降の準備作業にはそうとうの時間を要すると考えられています。
この程度の能力で太平洋に出張るのは無謀というべきでしょう。
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山東と福建は遼寧に比べたら実戦を想定したちゃんとした空母だし、中国は実現するかは別として空母9隻構想を掲げているから侮れないですよ
投稿: 中華三振 | 2025年12月26日 (金) 10時00分
中国の艦が出港すると衛星などによりその動きは日本にも丸見えです。
日本に近づけば常に海底からも静かに監視されています。いつでも沈めることが出来る。
山東も福建も手薄な艦隊では日本の潜水艦に狙われたら終わりです。
太平洋へ出るには燃料補給がネックでしょうね、手抜き建造や弾薬などの管理が杜撰、装備品の横流し、クルーの練度や士気も低くい。
設計的に艦載機も発艦と着艦は同時に出来ない可能性もあります。
脅かすには効果的でしょうが実戦力は低く、張子の虎と言われるのも分かります。
現状では、まだまだ脅威とはならないでしょう。
バブルもハジけ経済ガタガタの中国にカネ食い虫をこれからも造り続けてもらいたい。
投稿: 多摩っこ | 2025年12月27日 (土) 02時22分