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2025年12月18日 (木)

EU、やっとEVの幻から覚醒(遅いよ)

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EUがいままでの内燃機関自動車販売禁止を撤回しました。
つい先日まで内燃車は新車販売させない、ハイブリッドも締め出す、なんて言ってたのに、勝手なもんです。
事実上のEV敗北宣言です。

「欧州連合(EU)は内燃機関車に対する事実上の新車販売禁止を撤回し、環境に優しい輸送機械への移行で自動車メーカーがいっそう柔軟に対応できるようにすることを提案した。
この提案で、欧州は電気自動車(EV)販売が一段と鈍化することが示唆され、前バイデン政権が導入した燃費基準の見直しを進める米国の路線に近づく。世界的にも、グリーン化を利益に結びつけることに自動車メーカーは苦戦し、 米フォード・モーターは15日、EV事業の抜本的な見直しに伴い195億ドル(約3兆円)の費用を計上すると発表した。
EUはガソリンやディーゼルを燃料とする内燃機関を持つ新車の販売を2035年から禁止するはずだったが、新たな提案でこの要件を緩和する。2030年代半ばまでに目標とする自動車の排ガス削減率は、現在の100%から90%に引き下げる」
(ブルームバーク2025年12月16日)
EU、内燃機関車の新車販売禁止を緩和-苦戦の欧州自動車業界を支援 - Bloomberg

こうなるのはわかりきっていました。要するに、EUはチャイナのエコ詐欺にやられたのです。
チャイナのBYD(比亜迪股份有限公司 )は圧倒的にEVのみならず自動車生産でWWやトヨタを追い抜こうとしていました。
中国の経済誌「財新」はEVで世界一となったと書いています。

「中国のEV(電気自動車)最大手、BYD(比亜迪)の事業規模がアメリカのテスラをついに上回った。
BYDは3月24日、2024年の通期決算を発表。同年の売上高は前年比29%増の7771億200万元(約16兆782億円)に達した。一方、テスラが1月29日に発表した決算によれば、同年の売上高は前年比1%増の976億9000万ドル(約14兆6621億円)だった。
なお、BYDの2024年の純利益は402億5400万元(約8329億円)と前年比34%の大幅増益を記録。中国自動車市場の熾烈な価格競争にもかかわらず、過去最高益を更新する圧倒的な強さを見せつけた」
(財新2025年4月10日)
中国BYD、2024年の事業規模「テスラ超え」の衝撃 純利益も過去最高更新、PHVの急成長が原動力に | 大解剖 中国「EV覇権」 | 東洋経済オンライン

これを読む限り、いまや落ち目のテスラなどものともせずに世界一のEV自動車メーカー、いや自動車生産の覇者に向けて邁進しているように見えました。
なぜここまでチャイナのEVは強いのでしょうか。変に思いませんか、つい10年ほど前まではまともな車さえ作れなかったチャイナが、電気自動車がトレンドとなったやいなや世界トップに躍り出ようというのですから。

理由は簡単。チャイナはEVの核心である電池技術と市場シェアを握っているからです。
先進工業国では原材料の環境負荷が高い素材は生産できません。やればできるのですが、コスト的にあわないのです。
ところがチャイナでは環境負荷を無視して生産できるため安く生産でき、安く輸出できたのです。
このれに先進工業国は飛びついてしまったわけです。ガッチリとチャイナの仕掛けた罠に掛かってしまったのですね。

安価なのです。確かに環境汚染を中国に押し付ける形にはなりますが、それが正しいかどうかは別問題です。同時に、レアアースと同様、中国にシェアを握られるリスクも内包しています。
そしてこの怪しげな罠にハマったままで、「脱炭素・温暖化阻止」を絶対疑い得ない真理と祭り上げてしまったのですから、処置なしです。
かくして基幹的素材を握られ、脱炭素イデオロギーにがんじがらめとなって、主力産業だったはずの自動車産業を滅亡の道に誘い込んだのです。

日本はCOPに行くと必ず「化石大賞」なるものをもらいますが、知ってのとおり世界のCO2の大部分は中国と米国で排出しています。

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国別の二酸化炭素(CO₂)排出量-統計資料から調べる|かながわ気候変動WEB

しかしこんな事実を無視して環境運動家はなぜか日本だけを標的にしたがります。
中国のCO2排出をストップしない限り、わずかな先進工業国の排出を止めてもなにも変わりません。
本気で炭素排出を減らしたいのなら、火力発電所を日本が作っている炭素排出量が抑えられた発電機に切り換え、自動車をハイブリッドにすればよいのです。
しかしEUはそれらを全否定してしまったのです。

ドイツは、「地球環境のためなら死ぬのは覚悟」という意識高い系政策を強引に進めた結果、エネルギーは常に不安定に陥り、電気代は高止まりし、EV推進によって国内の自動車産業は壊滅的なダメージを受けました。
ドイツ社民党のシュレーダーは強引に脱原発を実行し、それによるエネルギー不足をロシアからの安価な天然ガス輸入で補おうとしました。

シュレイダーは原発廃止で地球にやさしくとばかりにキレイゴトを言っていましたが、その裏でプーチンと癒着したパイプライン計画ノルドストリームの拡大を進め、退任の後には、ロシア国営エネルギー企業のガスプロムなどの役員を歴任するという売国ぶりです。

そしてこの脱原発を完成させたのがメルケルでした。
彼女が推進した再生可能エネルギーは、太陽光や風力などの自然エネルギーを極限まで拡大し、不足時にはフランスから原子力発電由来の電力を買うという構造を作り出しました。

これでドイツの製造業は高いグリーン電力で競争力が失われる一方で、ロシアからの天然ガスで自家発電を回して凌ぐという矛盾したことをせねばならなくなりました。

この構造が壊れたことで、ドイツの産業界の国際競争力は危機的状況となりましたが、受難はまだ続きます。
この歪んだエネルギー構造は、ウクライナ戦争によるロシア制裁によりパイプラインが閉鎖、ドイツは必死になって新たな天然ガス供給国を探すはめとなります。
それだけにとどまらず、脱炭素エコノミーに乗ってドイツの自動車産業はEVへの全面的切り替えを行いました。
フォルクスワーゲンやアウディはEVに社運を賭けてしまったのです。

このEV熱病は世界的なものでした。
トヨタを唯一の例外として、ほぼすべての自動車企業がEVこそ次世代のものだと思ってしまったのですから深刻です。
EV老舗のテスラは、この自動車産業の複雑さに頭をぶつけ、いまでももがいています。

そりゃそうです。自動車購入は5年後前後に中古で売ることを前提にして考えられています。
オートローンも保険もそれが前提ですが、ではまっさらの未経験者が中古車市場という価格があってないようなマーケットをどう作ったらよいのでしょうか。
まずまちがいなく、テスラの5年落ちなど無価値なゴミです。
電池を取りかえねばならず、新品の電池は自動車1台分もするからです。
ましてや海のものとも山のものともわからないBYDのEVなど、中古車市場ではゴミ扱いされるはずです。
もっともBYDは、ゴミになってもかまわないくらいに思っていることでしょう。
BYDは政府の手厚い補助とEV誘導政策を受けて、わずか数年で世界有数の自動車企業に成長したような会社です。
中国製EVの成長率は、2018年から2020年までの3年間は5%程度でしたが、2021年には16%、2022年には29%、2023年には38%と急速に拡大しました。

販売台数別でみると、2021年は325万台、2022年は590万台、2023年は810万台と脅威の伸び率をみせています。
いまや世界のEV市場を独占しつつあるBYDは、ブラジルなどに生産拠点を拡げて非人道的な労働で工場を建設しています。

EVは未完成な技術です。
EVは20万キロ~30万キロ走行すると駆動バッテリーがダメになり、交換費用だけで車が1台買えるような値段がします。
ガソリン車なら100万キロは走れるでしょう。
そのうえに寒冷気候に弱く、寒いとすぐにバッテリーが上がります。
寒いと充電量が半分程度で止まったり、充電時間がおそろしくかかります。
それを警戒して、ガソリンを使った自家用充電器を車に積んでいる人が増えています。
そりゃそうでしょう、零下の気温でEVに充電機がない田舎で止まられたら、下手すりゃ死にます。
ですからEVの新車を買っても長続きせずにガソリン車やハイブリッド車に戻ろうとして中古車屋に持ち込んでも、EVの査定は捨て値です。

そもそもその電気自体はどのようにして確保されているのでしょうか。
仮に中国のように全面的にEV化した場合、エネルギー源の確保はもとより、発電所、送電網、変電設備、発電に必要な燃料の増産など、総合的に強化していくしかありません。
エネルギー源は原油やLPGですから、常にエネルギーに飢えて世界をさまようことになり、実際そうなりました。
再生可能エネルギーを拡大するためには、日本では「再生可能エネルギー発電促進賦課金」という名目で電気代に上乗せしています。
とんだ増税ですが、この賦課金によって各家庭の電気代は1割ほど高くなっています。
このように国民負担を増やして、国民生活を圧迫しながらEVを進めていたわけです。

つくづくドイツに学ぶな、と思います。

 

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コメント

このヨーロッパのナヨナヨした姿勢、ほんと情けないですね。だから「ウクライナに多国籍軍を置く」などと言っても信用できなくなります。

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