高市政権、原発再稼働に驀進中
高市政権の大きな特徴は、「あいまいさを嫌う」ということです。
実は高市氏がなにか新しいことを決定したというより、多くは前々から決まっていても歴代政権が摩擦を恐れてナニもしなかったから「一斉に動き出した」ように見えるだけです。
あの存立危機事態が典型でしたが、あんな台湾有事の議論は安保法制の時に膨大を時間を費やして議論済みであってとっくに政府の公式見解は決まっています。高市氏はなんの変更も加えていません。
それを百も承知で元外相のポジションにいた男がネチネチと追及した結果、日中関係は今の有り様です。
歴代政権は多くの問題を、あいまいにしておこうね、角がたたないようにしようね、はっきり言ったら政権が火傷するもんねとばかりに、政府が決めても実行しないまま放置しました。
典型的なのがゲル政権です。
口先だけで不精なのか、無能なのか、無能故に国会で過半数を失くしていっそう無力な存在となり、なにもしないままノンベンダラリとした日々を送ってしまいました。
そのためにやるべきことが山積。
そのひとつが原発の再稼働です。
原発は脱炭素の切り札として再稼働する方針は、実はとっくに決まっていました。
GX会議(グリーン・トランスフォーメーション)で日本のベース電源として位置づけられたエネルギー源こそ原子力です。
GX会議とは、日本がクリーンエネルギーを主軸とした経済・社会システムへと変革を目指すために、2022年7月に設置された会議のことです。
GX会議において原子力の位置づけ変更がされています。
「3) 原子力の活用
原子力は、出力が安定的であり自律性が高いという特徴を有しており、安定供給とカーボンニュートラル実現の両立に向け、脱炭素のベースロード電源としての重要な役割を担う。このため、2030 年度電源構成に占める原子力比率 20~22%の確実な達成に向けて、安全最優先で再稼働を進める」
siryou1.pdf (cas.go.jp)
GX会議の基本方針では、ウクライナ戦争以降の状況を踏まえて、エネルギー対策に非現実的ではいられないという危機感から、2030年頃までに再び原子力をベース電源の2割にまで引き上げようとするものです。
なにか激増させるように見えますが、福島事故以前には約3割を原子力発電に依存していたので、元に戻っただけのことです。
それを脳のネジが飛んだカンという男が、思いつきで超法規で止めてしまいました。
そして脱原発をやらかして、その代替が再生可能エネルギーですから目も当てられません。
非現実的方法の上に非現実を上塗りすればどうなるかかんがえないでも分かります。
電力不足です。しかも構造的な問題ですから恒常的とならざるを得ません。
総合エネルギー統計これによると、2010年における原子力の発電量は2882億kWhでしたが、11年に前年比約3分の1の1018億kWhに激減し、12年には159億kWhと、前年比でさらに6分の1に激減しました。13年は93億kWhで、14年にはついに統計上ゼロとなってしまいました。
集計結果又は推計結果(総合エネルギー統計)|資源エネルギー庁 (meti.go.jp)
それに連れて化石燃料依存度は急上昇しています。
原発停止による燃料調達コスト上昇は3.6兆円にも達しました。
原油や天然ガスは100%海外依存ですから、その分国富が流出したわけです。
カン政権の思いつき的原子力停止は、東日本大震災からの立ち直りに打撃を与えたのみならず、今に至るも日本のエネルギー供給に計り知れない損害を与えたのです。
電力会社も指を加えていたわけではなく、原子力規制委員会の基準に沿うべく莫大なコストをかけて安全対策工事をしてきました。
その完成に伴って、徐々に原発の再稼働が進みましたが、2021年にようやく708億kWhにいまで回復しても、それでも福島事故以前の2010年と比べて発電量は4分の1の水準にとどまっています。
いや原子力がなくなった分だけ太陽光だの、風力、地熱、バイオマスだのといった再エネの発電量がさぞかし急増しているに違いない、といったことを考えるでしょうが、あいにくいくら再エネ賦課金として税金よろしく国民から収奪しても、現実には化石燃料への依存度が高まる一方でした。
今年のCOPでも、日本が環境団体から化石賞をもらいましたが、原発を止めて再エネを増やせばそのバックアップ電源で自動的に化石燃料による発電も増えるのです。
再エネを増やそうとすると化石燃料に依存するしかなく、化石燃料を増やそうとすればCO2が増えてしまうのが笑えない現実なのです。
このパラドックスを解く唯一の手段は、原子力を適正な規模で、安全を確認しながら稼働させることしか残されていませんが、原子力がタブー視されたままではどうしようもありません。
政府は不人気を恐れて再稼働をサボタージュしました。
2024年11月、敦賀原発2号機が再稼働の禁止処分を受け、政府もそれを容認しました。
この電力不足の時代に、よくもまぁこんなことが出来たものです。
「福井県の敦賀原発2号機の再稼働を巡り、原子力規制委員会が不許可を決定したことについて、林官房長官は「科学的・専門的判断は尊重すべき」と述べました。林官房長官
「原子力発電所の運転は安全性の確保が大前提であり、独立性の高い原子力規制委員会による科学的専門的な判断は、その結果のいかんによらず尊重すべきと考えております」
日本原子力発電が再稼働を申請していた敦賀原発2号機について、原子炉の真下に活断層がある可能性が否定できないとして13日、原子力規制委員会は「不許可」とする処分を決定しました。
処分を受けて日本原子力発電側は再申請を行う姿勢を示していて、林長官は今回の指摘を踏まえて「適切に対応していただきたい」と述べました」
(TBS2024年11月13日)
敦賀原発2号機の再稼働“不許可”に林官房長官「判断は尊重すべき」(テレビ朝日系(ANN)) - Yahoo!ニュース
石破政権はいとも簡単に再稼働不許可を容認していますが、これはGX会議という政府が決めたことの公約違反です。
その結果、原発の再稼働が認められつつある西日本と東日本では電気料金の格差が生じました。
「原発の再稼働が進んでいるかどうかで、電気料金に地域差が生まれている。大手電力10社の12月使用分の電気料金では、最も高い北海道電力と最も低い九州電力で約2千円の開きが出た。西日本に比べ原発の再稼働が進まない東日本は火力発電に依存し、燃料費の高騰で電気料金が高止まりしている。価格面においても安価な電力を供給する原発を求める声が強まっている
(産経12月2日)
原発で電気料金は「西低東高」 北電は九電より2千円高 価格面でも再稼働に期待 - 産経ニュース
北電は2027年に泊原発(北海道)3号機の再稼働で年600億円の燃料費減を見込んでいます。
このうち500億円を活用して家庭向け電気料金を11%程度、企業向けは7%程度値下げする方針だそうです。
東電柏崎刈羽原発(新潟県)は来年1月にも6号機が再稼働する見通しで、収支改善効果は料金に織り込み済みだとのこと。
このような電力会社の努力を政府が後押ししないばかりか放置し続けてきたわけですが、やる気になれば流れは変わるのです。
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北電が断トツで高い!
とは言っても、この産経のグラフにも罠がありますね。
元々北海道の住宅は高断熱で最近は寒冷地仕様の強力暖房エアコンが各社から発売されている上に、灯油が高止まりしているからむしろ暖房をエアコン化している家が多い。
ほぼ同条件な「標準的家庭」の「12月の電気代」なら、比較的温暖な地域の方が圧倒的に安く済むと思うのだが···むしろその程度の差で北電よくやってるな!と。
沖電は論外。ほぼ火力だから高いにしても本土よりずっと高いって···どんな電気の使い方してんの?と疑問です。照明も北日本に比べれば使用時間はずっと少ないだろうし。冷蔵庫の電気は食いそうだけど。離島が多くて燃料輸送のコストが掛かるにしても、送電網は圧倒的に有利だろうに。
とにかく、福島事故後は何かと禁断扱いで防潮堤や耐震強化に巨額を費やした原発は、さっさと審査して通ったら速やかに稼働させるべきです。元々政府がそういう方向だったのに岸田や石破は逃げてただけ。原子力規制委員会も人員不足でとにかく遅い。
岸田政権がガソリン等エネルギー補助金をさっさと出したが、その時は財源など大して問題にしていなかったのに「ガソリンだけの暫定税率廃止」となると「恒久財源がぁー」と騒ぐ財務省。暫定がまさか半世紀以上続くなんて普通は国民の理解は得られないでしょ。高市さんはそういう所キッパリしてますね。
党内ですら敵が多いことだろうけど頑張ってほしいものです。
政権を譲った途端に早速石破が背中から撃ちだしたのは···さもありなんだったけど、負け犬はせめて暫く黙っとけと。生粋の党内野党志向か。
麻生首相の頃にはテレビ討論番組で淡々と語りながら堂々と撃ってましたが、当時はそれなりに「正論だ」と共感もありましたけど···いざ自分が総理になったらあまりにも無能だっただけ。今やテレビにも呼ばれないのでネットでコソコソやってYahooニュース等で取り上げてもらう。同じ党内なんだから文句は直接言えや!
さらにコメント欄が炎上して「黙れとは、戦前のようだ」と逆切れか。。
投稿: 山形 | 2025年12月 3日 (水) 08時06分