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2026年1月 9日 (金)

国際法はもはや「魔法の剣」ではない

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正直に言って、今回のベネズエラ攻撃ほど書くのに苦しんだテーマはありませんでした。いまだ苦しんでいます。
判断すべき軸が見えないからです。
今回の場合は、国連憲章第2章第4項にある「武力行使の禁止原則」がそれに当たるでしょう。

国連憲章は、1945年6月26日に締結されたサンフランシスコで採択され、同年10月24日に発効した当時の状況に拘束されています。
つまり「時代の産物」でした。
この当時に想定された情勢は、戦勝国が戦後秩序を管理していけるという国連の仕組みを反映しています。
この仕組みがあって、はじめて「武力による威嚇や武力行使の原則的な禁止」や「国際紛争の平和的解決」「国境線の実力による変更の禁止」などといったいわゆる国際法の枠組みが出来ていくわけです。

では、いま国連が生きているでしょうか?
ウクライナでも、ガザでも、南シナ海においても、そして今回のベネズエラでもまったく無力でした。
たとえば2022年2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻は、この武力行使禁止原則に対する重大な違反と認識されています。
国連総会では、この侵略に対し非難決議が採択されています。
しかしなんの効果もありません。ロシアは平然と侵略を続けて、止める気配もありません。

なぜでしょうか。答は非常に簡単です。
本来、世界平和と秩序維持のために作られた安全保障理事会がまったく機能していないからです。
常任理事国に拒否権が与えられているために、紛争解決のための決議が絶対に採択されないからです。
そしてこの常任理事国であるロシア、中国、米国こそが、常に世界の秩序の破壊者だというアイロニーです。
結果、国連は各国が口々に意見を言うだけの学級委員会と化しており、一切の実効性のある決議やましてや国際行動を取ることができません。
かといって常任理事国から拒否権を取り上げれば、即座に脱退することでしょう。

つまり、「国際法」はその違反を罰する主体を欠落させた「法のようなもの」にすぎないのです。
だからいくらハーグの国際司法裁判所が南シナ海の中国の軍事要塞を不法なものだと裁いたところで、中国が無視すればそれまでです。
いくら国際法が「法」と呼ばれても、それを司る司法権を持つ国内法とは根本的に異なるのです。

今回のベネズエラ侵攻においても、「法」の解釈が常に統一されているわけではないことが暴露されました。
国連のグテーレス事務総長は、米国の行動を国際法違反して強く批判しましたが、トランプは歯牙にもかけませんでした。
トランプはとうに国際法と国連を見限っているからです。

トランプは、2026年1月7日に大統領令を発表し、米国が66の国際組織から脱退し、これらの組織への資金拠出を打ち切る方針を示しました。トランプは、これらの66の国際組織が「米国の利益に反している」とし、マルコ・ルビオは、これらの組織を「反米的で、役に立たず、あるいは無駄だ」と非難しています。

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アメリカ、66の国際協定・団体から離脱 気候変動対策など - BBCニュース

「ドナルド・トランプ米大統領は、気候変動問題に取り組むために設立された国連委員会や主要機関を含む66の国際的な組織から米国が脱退すると表明した。トランプ氏は7日夕に大統領令を発表し、66の国際的な団体および機関について、「米国の利益に反する」として、それらから脱退し、資金拠出を打ち切る方針を示した。
そのリストには、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)や国際自然保護連合(IUCN)などが含まれている。トランプ大統領は、この変更により米国は対象団体への参加を終了し、全ての資金拠出を打ち切ると述べた。マルコ・ルビオ国務長官は7日にX(旧ツイッター)に投稿し、これら66の組織は「反米的で、役に立たず、あるいは無駄だ」と指摘し、米政府はさらに他の国際団体についても見直しを行っていると明らかにした」
(ウォールストリートジャーナル1月8日)
米、国連機関など66の国際的組織から脱退へ | The Wall Street Journal発 | ダイヤモンド・オンライン

おそらく米国は遠からず国連を脱退するかもしれません。
提供するカネは最大でありながらなんのメリットもないからです。
ならば国連と国際法自体が無力なケースにおいて、米国が現実的な解決に向けての行動が必要だと考えているでしょう。
それはそれで筋が通っています。
とまれ、 国際法が全ての国際問題を解決できる「魔法の刀」ではとうにないのは厳然たる事実で、それに代わるものが見えない中でもっとも早くそれを見せたのがトランプだったのはたしかなようです。

 

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コメント

この件の難しさというか喉に骨が刺さった感じって法の支配への疑問が生まれてしまうからなんでしょうか

国際法がいくら法のようなものだとしても、理由と結果があれば許されるとして今回の米国の件を日本人として認めてしまうならば
私は認めませんが安倍元総理暗殺事件も一部の人にとっては理由と結果があるわけで認められる行為という感じになってしまう気がして

ダブルスタンダード
昔も今もかわらないです。

 ボルトンが国連大使だった時、「国連なんてものはない。あるのはアメリカのみ」という発言をした事があります。
さよう、大戦後の国際秩序はほぼアメリカ一国が担い続けて来たのです。その事の負担が大きすぎる事でオバマの頃にはついに「世界の警察官を辞める」と言い出し、今現在はすでに国際秩序なんて学者とマスコミの世界にしか存在しない空疎なものになっていたって事でしょう。
高市総理も一応は「法の支配」などと言ってはみますが、それは日本政府の希望。日本は米国と真の同盟関係を構築し、なおかつ十分な軍備を施していくしかありません。

20年以上前に読んだあるコラムに
常任理事国5か国が各々拒否権を持ち、1か国でも反対したら何も決まらない。宇宙人が地球に攻めてきた時以外には何の役にも立たないのが国連安保理だ。
と書いていたのを思い出しました。

かと言って、地球上のすべての国を一つの法体系下とし、それを遵守させる世界統一権力を作るなんて、もう悪夢以外の何ものでもありません。今だって、たった(?)14億人を支配する中共だけでもお腹いっぱいなのに。

主権国家どうしの争いは、法など無いどころか"仁義なき戦い"でヤクザの抗争そっくりだと、どっかの本で読んだことがあります。でも、争いがあるうちが”花”、世界統一国家よりはよっぽどマシですわ。

でも、独裁者の支配する国が無くなれば、民主主義国の一般国民の多くは世俗的で、それゆえ平和を好む(というか殺し合いなんてせずにラクに生きていたい)んで、厳格な法など無くともいわゆるディールで事が収まる時代が来ると思います。ベネズエラ、イランと来て、時代遅れなサル山のような独裁国家が次々と消えていけば、ヤクザの抗争から企業の自由競争へと変わっていって、平和で自由な弱肉強食の人間社会が訪れると思いますわ。

何れにせよ不当にウクライナ侵略を強行したロシアや、南シナ海問題での裁定を紙切れ呼ばわりした中国に国際法云々と言われても片腹痛いとしか言い様がないですね。所謂お前が言うな、という奴で。

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