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2026年3月10日 (火)

イラン、ハメネイの息子を「最高指導者」に選出

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モジタパというハメネイの伜がイランの「最高指導者」になったそうです。やれやれ。
イランがどうしてこんな余裕のない選択をしてしまったのか、ヒトゴトながらため息がでてきます。
これでイランの選択肢は極めて狭まりました。
空海軍の軍事力は破壊され、地下のミサイル基地もしらみ潰しされ、残るは革命防衛隊だけといった状況で、和平を拒んで徹底抗戦しようということのようです。愚かな。

「イラン国営メディアは9日、殺害された最高指導者アリ・ハメネイ師の後継者として、息子のモジタバ・ハメネイ師(56)が「専門家会議」によって選出されたと報じた。
アリ・ハメネイ師は、アメリカとイスラエルによる2月28日の最初の攻撃で、首都テヘランの自宅敷地内で殺害された。それを受け、宗教指導者らで構成する「専門家会議」が後継者選びを進めていた。イラン国営テレビは9日、司会者が専門家会議の声明を朗読。「厳しい戦時環境と、敵がこの国民的機関を直接脅し、専門家会議の事務局事務所への爆撃で数人の職員と警備隊員が殉教したにもかかわらず、イスラム体制の指導者を選出し公表するプロセスは一瞬たりとも中断しなかった」とした。
司会者は続けて、「アッラーフ・アクバル(神は偉大なり)、アッラーフ・アクバル、ハメネイ師が指導者だ」と大声で唱えた」
(BBC3月9日)
イラン最高指導者にモジタバ師、専門家会議が選出 父ハメネイ師の後継者に  - BBCニュース
モジタパ以外にも有力な候補はいたはずです。
治安機関を握っていたからといって、なにもハメネイの伜を持って来る必要はなかったはずです。
エルサレムポストはこう評しています。

「もしイスラム共和国が以前の軌跡をたどっていたら、元聖職者大統領の一人を選ぶことが予想されていたかもしれない。最も妥当なのは、ここ数か月でその役割を担うために自らを位置づけているように見えるハッサン・ロウハニだろう。
モジタバを選んだことで、イスラム共和国は事実上一線を越えた。かつては世襲支配に反対していた体制は、今やそれを容認し、イデオロギーの一貫性よりも継続性と統制を優先しているように見える」
(エルサレユポスト3月10日)
The ascendency of Khamenei Jr was a long-planned improvisation | Iran International

エルサレムポストは伝統あるイスラエルの新聞ですが、情報こそ命としてまるで兎のように長い耳を養ってきたイスラエルらしく冷徹な情報を載せます。
いまでも革命防衛隊を「精鋭」と呼んだり、あろうことかイランを「親日国」と呼んで憚らないどこぞの国のメディアとは大違いです。
ここでエルサレムポストが「一線を超えた」と書いたのは、イラン・イスラム共和国は前体制のパーレビー王朝の世襲を強く批判する革命によって樹立されたはずだったからです。
つまり世襲禁止は国是でした。
なぜなら、これは単なる国の指導者選びではなく、「預言者ムハンマドの後継者」選びだからです。
「予言者の後継者」!こんな選択基準を持つ国はイラン以外にないはずです。
「モジタバの選出は、これらの考慮が今やはるかに軽いものであることを示唆している。彼が昇格したのは宗教的地位や行政経験、公的地位ではなく、主に治安機関との繋がりによるものだ。
もしイスラム共和国が以前の軌跡をたどっていたら、元聖職者大統領の一人を選ぶことが予想されていたかもしれない」
(エルサレムポスト前掲)
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実際、ハメネイは 2024 年に開催された専門家会議において、モジタバを後継者とすることを否定していますし、初代ホメイニは自身の家族が政治的な権力争いに参加すること自体を禁じました。
それがわずか三代で覆ったわけで、国民の人気もなければ、実績は治安機関の元締めていどの経歴しかないモジタパを据えざるをえなかったということは、血筋による求心力を求めたということになります。
言い換えれば、ここまで弱体化が進んでしまったということでしょうか。

モジタバには悲しいくらいたいした経歴はありません。
ただの中級幹部で、親がハメネイでなければ実直な中級文官として生涯を終えたような人物です。
1969年、イラン北東部のマシュハドで、前最高指導者のアリ・ハメネイの息子に生まれたのですから、血筋としては「ハヘネイ王朝の王子」です。

高校卒業後、イスラム革命防衛隊に入隊し、イラン・イラク戦争に従軍しましたが、どのような軍歴があったのかはよく分かっていません。
あの戦争時、ろくな装備もなく大量に前線に送られて屍の山をさらした世代です。
「イラン・イラク戦争(1980~88年)に出征し、革命防衛隊のハビーブ大隊に所属、この部隊は後にイスマイル・コウサリをはじめとする多くの上級司令官を輩出したことで、モジュタバの革命防衛隊コネの強化につながりました。モジュタバは革命防衛隊の情報機関の元長官ホセイン・タイエブとも特に親密な関係にあり、同組織の活動に影響力を持っているとも言われています」
(飯山陽note)
この時代に同世代だった革命防衛隊の現幹部層とコネクションを結んだようで、これは今に活きています。
革命防衛隊は打てば響くように「かつての占有」にして今のボスであるモジタバ選出に歓迎と忠誠を表明しました。

「3月9日 AFP】イラン革命防衛隊(IRGC)は8日、モジタバ・ハメネイ師が最高指導者に選出されたことを歓迎し、「完全な服従と自己犠牲の準備ができている」と述べた。
IRGCは声明で、モジタバ師が今後下す「神聖な命令を遂行するために、完全な服従と自己犠牲の準備ができている」と述べた」
(AFP3月9日)
イラン革命防衛隊、モジタバ師の最高指導者選出を歓迎 「完全な」忠誠を誓う 写真2枚 国際ニュース:AFPBB News

それはさてはき、モジタバはシーア派の聖地コムで神学を学び、神学校の教職にも就きましたが、教えていたのはムジュタヒドの地位を得るのに必要な最高レベルのイスラム法学の授業を教えていました。
ムジュタヒドとは、イスラム神学・法学において、イジュティハード教義決定および立法を行う者を指す言葉だそうで、今回モジタバを選出した「専門家会議」88名はすべてムジュタヒドで構成されています。
ここまで書いて来たらお分かりでしょうが、反米強硬派、超保守派、超強硬派で、超反イスラエルです。
いいんですか、下手すりゃ国を滅ぼしますよ。




 

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コメント

 宗教上の絶対禁忌を破ってまでモジタバに決定したのは、もはやイスラームの教えよりも優先度が高い事柄があったゆえ。
それはつまり、GDPの50%を超えるという軍産複合体である革命防衛隊の権益を死守せんがためです。テロルの輸出でさえ、金がなくては無しえない事は分かり切ってます。

ベネズエラのロドリゲスさんのような人物がいれば暫定政権も可能だったでしょうに、何のあてもなく攻撃を始めてしまったようですね。
トランプ大統領は、今回の作戦は成功している、もうすぐ終わるとか言い出してますが、果たしてそうなのか?
イスラエルは逆で長期戦になる覚悟をしろと言ってます。
一方的に攻撃して、これぐらいにしておいてやると終了宣言では新喜劇やん。

今日のガソリン、レギュラーで161円でしたわ。

シーア派はその元々から"血筋"を重視する集団なんで、彼らはそれを"世襲"とは思っていないかも。しかし、他の多数のスンニ派イスラム諸国は、「あのヤローめら、まだ"血筋"だなんて拘っているのか!古臭い、どーしようもない連中だわい」と、呆れ果てているんではないかと思いますわ。

「いいんですか、下手すりゃ国を滅ぼしますよ」ということですが、イランはイスラム教シーア派集団からの支配を脱して、かつてのペルシャ人らしく世俗化した自由な国に生まれ変わればいいんですわ、その為には一度滅んだ方がいい。

昔から強硬派ネタニヤフさんは「日本(旧大日本帝国)の民主化という大成功した例があるじゃないか」と事あるごとに言及してるようですが、日本人の端くれとして私は「よくも言いやがったな、この野郎!」と思えど、まあ実際そうなんで、イランも早く米国にコテンパンにヤラれて現体制が滅んだ方が、それはもう大多数のイラン人にとっては良い事ですわ。

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