2011年夏の真実
この時期になるとやたら感傷的に「絆」だとか「3.11を忘れない」という空疎な言葉が溢れますが、止めて下さい。白々しい。
国連科学委員会(UNSCEAR アンスケア) は2010年3月11日に合わせてこんな報告書を出さざるをえませんでした。
「東京電力福島第一原発事故の被曝(ひばく)による健康影響を評価した報告書を、原子放射線の影響に関する国連科学委員会が9日公表した。報告書は2014年以来。最新の知見を反映して福島県民らの被曝線量を再推計し、前回の値を下方修正した。これまで県民に被曝の影響によるがんの増加は報告されておらず、今後も、がんの増加が確認される可能性は低いと評価した」(朝日3月10日)
福島事故で亡くなった人もガンの増加もなかった、これが国連科学委員会がなんども繰り返し述べている所見でした。
至ってあたりまえのことをあたりまえに淡々と書いているにすぎません。
ところが2011年にはまったくそうではありませんでした。
この時代、この報告書にあるようなことを発言すれば「原子力村のイヌ」「東電からいくらもらった」と呼ばれたものです。
まずは福島風評を煽った悪人どもを列挙しておきます。
・武田邦彦・「2015年3月には日本に住めなくなる」「東北のものを食べたら死にます」と発言。
・上杉隆・ 「福島・郡山には人住めない。人が住める数値ではない」と発言。
・岩上安身・ 「お待たせしました。福島の新生児の中から先天性的な異常を抱えて生まれてきました。スクープです」と発言。
・早川由紀夫・ 「農家は毒をばら撒くテロリストだ」「殺意があったと解する」「貧乏人は福島の米を食って死ね」と書いた。
・広瀬隆・「 原発事故の拡大はもう止められない。このままでは大量死が出るが、うちの娘のサプリでなおる」と書き、放射線専門家を訴訟した。ちなみにこの娘サプリは偽薬。
・雁屋哲 ・「福島はもう人が住めない。逃げる勇気を持て」という「美味しんぼ」の原作を書いて福島県から抗議を受けた。
・クリストファー・バズビー ・「40万人がガンで死ぬ」と言った。
・山本太郎・震災瓦礫反対運動を煽った。
彼らは、海洋放出と聞きつけると出番だと思ったようで、山本太郎は自らの率いるれいわ新撰組のこんな英文の政府方針反対宣言を出して、中国と「共闘」しようとしています。
れいわ新選組は、2023年8月24日の岸田政権による放射能汚染水放出の撤回を求める声明
一方、武田の参政党は放出反対を主張しています。
彼らは一切の震災瓦礫はケガレているとして、身体を張って受け入れ拒否するという醜い「反原発闘争」を全国で展開します。
出典不明
当時被災地では、膨大な震災瓦礫が被災自治体の処理能力を越えていました。
処理できない瓦礫は被災地に山を成して積み上がり、支援物資を運ぶ道路すら開通できない地域が出ました。
出典不明
これを被災しなかった自治体が引き受けていこうとする被災地支援に反対したのが、彼らの運動でした。
反対運動は、「核のゴミの全国処理をゆるすな」と叫びました。「核のゴミ」とは原発から出る低レベル廃棄物、あるいは使用済み燃料などのことであって、震災瓦礫のことではありません。
それを反対派は、「核のゴミ」という過激な表現で煽って、人々に恐怖心を植えつけていました。
それは今の日常生活で既に放射能に犯されているという脳内地獄を生みました。
たとえば朝日は新聞協会賞を受賞した『プロメテウスの罠」でこんなことを書いています。
「有馬理恵(39)のケース。6歳になる男の子が原発事故後、様子がおかしい。4カ月の間に鼻血が10回以上出た。30分近くも止まらず、シーツが真っ赤になった。(中略)
原発事故後、子どもたちの体調に明らかな変化はありませんか」。すると5時間後、有馬のもとに43の事例が届いた。いずれも、鼻血や下痢、口内炎などを訴えていた。(中略)
こうした症状が原発事故と関係があるかどうかは不明だ。首都圏で内部被曝というのは心配しすぎではないかという声もある。しかし、母親たちの不安感は相当に深刻だ。たとえば埼玉県東松山市のある母親グループのメンバーは、各自がそれぞれ線量計を持ち歩いている」
(朝日新聞「プロメテウスの罠」2011年12月2日)
もちろん急性被爆でもしないかぎり鼻血などでるはずがありません。
朝日がネタもとにしたこの「有馬」という女性は、共産党系の反原発運動家だということがわかっています。
これが放射能鼻血デマです。いまではお笑いですが、大きく拡散して母親たちを恐怖に陥れました。
このような煽りをする人たちは、実際の状況を見ないで、その人の頭の中にある脳内地獄を見ているだけにすぎないのです。
そしてこういう風評が被災地住民、特に子供たちを傷つけていることをわかろうとしません。
そして日本人全体で支えねばならなかったはずの被災地を孤立させ、復興を大幅に遅らせました。
それはひとつに1ミリシーベルトといった常軌を逸した厳しい基準で除染作業を開始したこと。
あるいは被災地整理で出た瓦礫処理が遅れたことです。
なぜ遅れたのでしょうか。それは各地の「瓦礫搬入阻止闘争」のためです。
はっきり言いますが、私は今までこれほど醜悪な「闘争」を見たことがありません。
「放射能を全国に拡げるな」というわかったようなわからないようなお題目で、まったく放射能汚染がなかった被災地の瓦礫まで拒否するにいたっては、いかなる名分も彼らにはありません。
国は被災地に処分場を建設して現地雇用を創出しつつ処分するしかなくなりました。
たとえばこの人たちのイメージはこうです。
農地はチェルノブイリ並の放射能にまみれ、山野には積もった放射性物質が堆積していて、常に川に流れ込んでいる。
作物は放射能で汚染され、今でも多くの作物が秘かに捨てられている。
除染をやってももきりがない、除染しても救われないほど放射能がしみ込んでしまっているからだ。
子どもたちにガンが出ていても、政府は隠している。実際は数万人がガンで多くが死んだという噂だ。
そして福島にはもう住めない、福島に子供を行かせるな。
最悪のデマッターのひとりであった武田邦彦はこう述べています。
今はシャラっと忘れて保守論客のような顔をしているようなので、忘れさせないために掲載しておきましょう。
原子力と被曝 福島で甲状腺ガン10倍。国は子どもの退避を急げ! 武田邦彦
国は直ちに次の事が必要です。1)高濃度被曝地の子どもを疎開させる(除染は間に合わない)、
2)汚染された食材の出荷を止める、
3)ガンになった子どもを全力で援助する、
4)除染を進める。また親も含めて移動を促進する。
5)「福島にいても大丈夫だ」と言った官吏を罷免し、損害賠償の手続きを取る。
日本の未来を守るために、大至急、予防措置を取ることを求めます。
2013年2月14日武田ブログ
http://takedanet.com/2013/02/10_6a83-1.html
究極の無責任男・武田邦彦氏の「不都合な真実」: 農と島のありんくりん
武田は「東日本は住めない」「福島から子供を疎開させろ」「東日本の食物は食べたら死ぬぞ」などという流言蜚語を大量に社会にまき散らしました。
この男が大量の自主避難者を出した張本人です。
参考資料http://www.gepr.org/ja/contents/20150309-01/
「被曝」地で孤立する私たちに対して、2011年春から夏にかけて激烈なバッシングの嵐が浴びせられました。
出荷物は東日本産であるだけで市場から追い返され、農家はトラクターで売れない作物を踏みつぶし、牛乳は地面に捨てられました。農家から自殺者すらでたのがこの時期です。
なおも発信を止めない私のブログには連日、「お前らが農業を止めるのが一番の復興の道だ」とか、「お前は毒を国民に送る無差別テロリストだ」「税金をかけてこいつらを助けないでください」「東日本には壁を作って囲ってしまえ」というような罵詈雑言が連日浴びせられました。
関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/08/post-6638.html
復興を大きく遅らせたのは、この放射能に対するデマッターたちの流言蜚語、そしてそれを拡散した朝日、毎日、東京などのメディア、さらにはそれをコントロールしようとしなかった当時の政府の度し難い無能にあります。
このデマをまともに受けた数万の家族が自主避難者になったのもこの頃です。彼女たちは住み慣れた家と地域を捨て根無し草になってしまいました。
デマッターたちは、福島事故の影響をこれでもかというほど誇張してみせて、口では被災者を救えなどといいながら、実際はサディスティックに叩きのめしていました。
彼らは福島事故が悲惨であると叫べば叫ぶほど、まるで自分たちの反原発の主張が国民に浸透すると勘違いしており、福島県をわざわざ「フクシマ」と表記しました。
そこには、どうか福島県が「ヒロシマ」のようであって欲しい、どうかチェルノブイリのように悲惨であってほしい、もっと福島が地獄でないと困る、という卑しい願いが込められていました。
これが2011年夏の真実です。
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早川さんは群馬大学の火山学教授で、当日の気候に1ミリサイズ火山灰想定での飛散シミュレーション図を発表したまでは良かった。けっこうな精度たったし。いつまでも政府が出さなかった高価なSPEEDIのデータなんかよりよほど正確。
が、岩上のインタビューを学内で受けようとして大学当局からダメと言われてキレて左に急旋回してから暴言の嵐。これだから浮世離れした理系学者は···という典型例。門外漢だけど「シミュレーションしてみた」だけで終わらせておけば良かったのに。
山本太郎は役者としてはけっこう好きだったんだけど、政治活動に転向したら本性丸出しのバカで論外でした。議員になってからも散々無作法やらかして名前売れて良かったでしょう。
最悪なのは武田邦彦ですね。毎週テレビで一番煽って自分のHP経由で安物の線量計まで販売しておいて···2014年夏頃からはパタッと放射線関係にはダンマリ。
2011年夏には「法律上『管理区域』になるわけだから、移動する者は出入りの度に検査を受ける必要がある」と。自分はその秋に当県川西町での公演会(ギャラいくらもらったんだか)に、普通に山形新幹線に乗って来てましたけどね。いつどこで被爆線量検査したというのかと。呆れ果てました。
投稿: 山形 | 2026年3月13日 (金) 06時10分
このペテン師たちの名前は絶対忘れません。
武田邦彦
未だに保守論客としてネット番組などに出ているようですが、この人の言葉を多くの人 は忘れたのでしょうか。あの甲高い声を聴いただけでぞっとします。
岩上安身
語るまでもありませんが、この発言だけでこやつの人間性が知れます。こんな人間を有り難がって朝のワイドショーに登場させていたテレビ局の気が知れません。
雁屋哲
「美味しんぼ」は全巻揃えるほど好きだったんで正直ショックでした。でも後から読み返してみると、この人の考え方ってちょっとエキセントリックなところがあって、例えばうま味調味料に対して異常なほど嫌悪感を持っていたりするんですが、一方で「肉屋のコロッケの旨さは研究に値する」なんてことを主人公に言わせてみたり。いや、そのコロッケの中にもうま味調味料は結構入ってるだろうが、と突っ込まずにはいられませんでした。また君が代を異常なほど毛嫌いするなど変な人ではありましたが、一連の福島がらみの発言でとどめを刺されましたね。
山本太郎
書きたいことは山ほどありますが、じきに党自体雲散霧消しそうなのでやめときます(笑)。
投稿: 右翼も左翼も大嫌い | 2026年3月13日 (金) 07時43分
瓦礫処理に関して以前も書きましたが根拠のない噂で受入れさえしてくれない自治体が続出しました。岩手県の瓦礫処理も同様でした。
被災地各地で山積みとなっている瓦礫をどう処分するのかかなり問題となった記憶があります。
そんな中、岩手県宮古市の瓦礫を石原都知事が受け入れを許可してくれました。本当に涙が出るくらいうれしかったことを覚えています。
搬出する瓦礫は毎日午前2回午後2回、放射能のチェックを都職員の方と一緒に行いました。いつもその数値を見て東京都内より低いのになぜ反対する人が存在するのかって話していました。
実際、某新聞記者も何度か取材に来ましたが低い数値に思惑が外れたのか不服そうな顔していたことが印象に残っています。
岩手県ですらこんな状態だったのに福島県は想像を絶するほど各地で風評被害にあっていたと思います。管理人さんの気持ちが少しですが分かる気がします。
未だに処理水放出ですら反対したりするのを見ると怒りしかありません。除染作業も自然界に任せれば今はもうすっかり何事もなかった状態だったと思います。これからこの処理に対してまた反対する人たちが表れてくるんですね。
原発再稼働反対を含めて日本を停滞させたい人たちが多く存在することに霹靂としてしまいます。
投稿: 岩手の凡人 | 2026年3月13日 (金) 08時57分
2011年夏ですか? この頃にこちらのブログにたどり着いて、それ以来ずっとお世話になっております。私も当時は「放射能コワイ」だったのが、現地で戦っていた管理人さんの発信記事の数々から知見が拡がり、次第に「放射脳コワイ」になっていったのが思い出されますわ。改めて有難うございました。
左巻きの連中は単なるエゴイストが多くて、ただ「オレ様を敬え、オレ様に従え、オレ様にカネを出せ」じゃバカじゃない限り誰も相手にしないので、本当に気の毒な人達をダシにして「ホレ見ろ!こんな可哀想な者がいるんだぞ、お前ら放っておいていいのか? お前らそれでも人間か!」とイキリ出すんですわ。で、本当に気の毒な人達がいなければ、そんな不幸な人達を捏造までしてくる。
彼らにとって、福島第一原発の事故はおあつらえ向きでした。彼らが、『福島県が「ヒロシマ」のようであって欲しい、どうかチェルノブイリのように悲惨であってほしい、もっと福島が地獄でないと困る』と切望したのは、それは当然の成り行きでした。
ところが、2011年にはもうネット環境が各戸に整っていて、一般個人レベルでの発信が可能だったので、彼らの企みは次々に暴かれ、クソッタレのエゴイストだとバレてしまいましたわ。事故があと15年も早ければ新聞・TV・雑誌など一方的なマスゴミしか無かったので、彼らの悪事が完遂されてエライ事になっていたかも知れませんわ。
投稿: アホンダラ1号 | 2026年3月13日 (金) 23時33分
線量計と言えば、放射脳どもが、自分達の望む数値が出ないと言って、勝手にキャリブレーションを弄って顰蹙を買っていましたが、多分奴らは自分達がやった事の意味を理解出来てなかったでしょうね。
投稿: 珊瑚は大切に | 2026年3月15日 (日) 21時59分