イランは油井の封鎖に耐えられない
イラン戦争は、いよいよ大詰めに近づいています。
2週間の停戦期間の終了に合わせて2回目が設定されようとしています。
「アメリカとイランの代表団は11日、パキスタンの首都イスラマバードで戦闘終結に向けた交渉を実施しましたが、合意に至らず終了しました。 CNNは13日、トランプ政権の関係者の話として、イランの代表団と2回目の交渉を実施する可能性が政権内で協議されていると伝えました。
イランや仲介国との協議が進展した場合に向けて次回の交渉の日時と場所を検討していて、スイスのジュネーブとパキスタンのイスラマバードが候補地としてあがっているということです。
また、ニュースサイト「アクシオス」によりますと、11日の交渉で、アメリカの代表団はイランにウラン濃縮の20年間の停止を提案したということです。
一方のイランの代表団は最長で5年間停止との対案を示したとニューヨーク・タイムズは報じています」
(テレ朝4月14日
米政権がイランと2回目の交渉検討 候補地にジュネーブとイスラマバード 米CNN(テレビ朝日系(ANN)) - Yahoo!ニュース 。
米国はホルムズ海峡を武器化したイランに対して、逆封鎖という奇手で応じました。
実はこれがいちばん効くのです。
革命防衛隊は威勢のいいことを叫んでいますが、資金源はなんでしょうか。
もちろん原油です。
数字は時期や制裁の強さでかなり変動しますが、最近の傾向としては輸出量は日量で数十万〜百数十万バレル程度になることが多いとされています。
原油価格を1バレルあたり数十ドルとすると、年間で数百億ドル規模の収入といったところです。
推定で、輸出により得られる利益は日額4億ドル、月額130億ドルくらいと推測されています。
これが革命防衛隊の資金源で、これを彼らは産軍複合体の原資としているわけです。
ですからカネの成る樹である原油収入が枯れたら、いっさいが砂上の楼閣に還ります。
ところがイランの油井には根本的な欠陥があります。
ちょうどベネズエラの油田が重質油油田であって扱いが困難であるように、イラン油田もまた大きな弱点を持っているのです。
それは中東でも20世紀初頭から開発されてきたために油井が老朽化していることです。
多くの油田では自然に噴き出す力だけに頼る一次回収の段階はとうに終わり、貯留層の圧力低下が進んでいることを意味します。
イスラエルがイランのガス油田攻撃:イランは反撃でカタールの世界最大級油田攻撃 2026.3.19 – オリーブ山通信
ではどうしているのかといえば、元々油で満たされていた空間から油を取り出すと、空間と圧力のバランスが崩れるので、そこに水やガスを入れて、地下の圧力や流体の配置をコントロールするわけです。
いわば水やガスを注入して無理やり油を絞り出しているのです。
だから原油が制裁で輸出できないからコックを捻って減産できずに、水をいれては汲み出すことを半永久的に続けていなければなりません。
さもないと、この油井の汲み出し圧力のバランスが崩れて油井自体が使い物にならなくなるからです。
だからイランは経済制裁下でも、中国やインドに割安で叩き売ってでも汲み出してきたのです。
Elise Vanessaはこう言っています。
「米軍によるホルムズ海峡封鎖の裏で、イランが直面しているのは技術的な絶望です。
油井を長期間停止(Shut-in)すると、地底の圧力バランスが崩れ、パラフィンや砂が通路を塞ぎます。
再開しても生産量は激減し、古い設備は腐食で全滅。
老朽化したイランの油田にとって、停止は「永久的な損傷」を意味します。
再稼働には高度な技術と専門機材が必要ですが、制裁でそれらは手に入りません。
トランプ大統領によるホルムズ海峡封鎖が、単なる「一時的な輸出停止」ではなく、イランの将来的な産油能力そのものを破壊する「息の根を止める一撃」になる理由がここにあります」
Xユーザーの21@Ru-minoさん X
では、他の中東諸国のように新しい油田を開発すればよさそうなものですが、この国は政治が極めて不安定で常に政情不安を抱えていました。
古代神権支配を今に実現し、世界全体もイスラム原理主義で一色化しようというのですからまともではない。
国の絶対的支配者がイスラム坊主ですから、技術テクノクラートが育ちません。
油なんか掘れば出るくらいにしか理解していないために、外資を入れようともしないのですから困ったもんです。
このような国で中国とインドも含めていっさいの原油輸出がストップしたらどうなるでしょうか。
わかりきったことですが、たちまち原油を絞り出していた油井のバランスが崩れて二度と使い物にならなくなります。
今、イランが米国の海上封鎖によって迎えている状況がまさにこれです。
時間的余裕はあまりありません。おそらく2週間ほどではないかと言われています。
だからイランには、コケ脅かしを言っている余裕は実はあまりないのです。
日本のメディアでは、イランは泥沼の長期戦に引きずり込みたいのだ、その罠にトランプはかかった、なんてヨタ言っている人がいますが、海上封鎖されてできるならおやりなさい。
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時間的余裕のないイランは二度目の交渉で妥結したいでしょうが、それはおそらく再度決裂する事になると思います。
そこで初めて、虎の子の油井、国民の将来を諦めるという信じられない非合理的な判断をするやも知れません。なにしろ、「ジハードで死んだら、あの世で27人の処女と暮らせる」とかってバカ話をマジでやってる国柄ですんで、自暴自棄に突っ込んで全滅まっしぐらという事になるかも。しかし実は、その方が全世界的な将来に安心感をもたらすかもしれん。と思ったりします。
中国はさっそく火事場泥棒よろしく模倣犯的にスカボロー礁やフェアリー封鎖する動きをしているようです。毎日々々、目が離せません。
投稿: 山路 敬介 | 2026年4月17日 (金) 01時19分