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2026年4月10日 (金)

高市氏イラン大統領と電話会談

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高市首相がなかなか味なことをしました。イラン大統領のペゼシュキュアンに電話会談したのです。
外務省HPによれば
日・イラン首脳電話会談|外務省

4月8日、午後4時から約25分間、高市早苗内閣総理大臣は、マスウード・ペゼシュキアン・イラン・イスラム共和国大統領(H.E. Dr. Masoud Pezeshkian, President of the Islamic Republic of Iran)と電話会談を行いましたところ、概要は以下のとおりです。
冒頭、高市総理大臣から、事態の沈静化が何より重要であることを始めとする、我が国の立場について改めて伝えました。
1その上で、高市総理大臣から、今般の米国・イラン双方の発表を前向きな動きとして歓迎しているとした上で、最も重要なことは、今後、ホルムズ海峡の航行の安全確保を含む事態の沈静化が実際に図られることであり、外交を通じて、最終的な合意に早期に至ることを期待している旨述べました。
2さらに、高市総理大臣から、ホルムズ海峡は世界の物流の要衝、そして国際公共財である旨強調し、日本関係船舶を含むすべての国の船舶の航行の安全確保を求めました。
3また、高市総理大臣から、4月6日に保釈された邦人1名をめぐる問題の早期解決を要請しました。
4これに対し、ペゼシュキアン大統領からは、イラン側の立場について説明がありました。
5両首脳は、引き続き意思疎通を継続していくことで一致しました。


よくメディアや野党は念仏のように「イランは世界一の親日国だから、日本は米国と仲介しろ」みたいなことを言っていますが、それを具体的に今やるとこういうことになるというわけです。
なるほどね、高市氏の目のつけどころが正確です。ペゼシュキアンはイラン政権内でほぼ唯一まともな話ができる対話者足り得る人物です。
高市氏が使った「ホルムズ海峡は国際的公共財」という新鮮にして絶妙な表現を理解できるのは、この男しかいないでしょう。
だってこれは国連海洋法条約(UNCLOS)では、ホルムズ海峡は「国際航行に使用されている海峡」である、という事実認識を指摘したのみならず、通行料支払いを拒否しているからです。
しかもそう言わずに、そう通告したのも同然という憎い表現です。
たぶん西欧諸国はほーという思いで高市外交を見ていたことでしょう。
驚嘆したのか、NATOは大部分の国が大使を日本参りさせるようです。
「NATO北大西洋条約機構)に加盟する約30カ国の大使が4月中旬に日本を訪れる方向で調整していることがわかりました。異例の規模での訪問です。
政府関係者によりますと、日本を訪れる方向で調整しているのはベルギーの首都ブリュッセルにあるNATO本部に駐在する約30カ国の大使です。
加盟国のほとんどが訪問団に参加しています。
アメリカのトランプ大統領がイランでの軍事作戦にNATOが非協力的だとして不満を強め、脱退も示唆するなど関係が悪化していて、政府関係者は「日本がどのように良好な日米関係を築いているのかもテーマになるだろう」と話しています」
(テレ朝4月10日)
約30カ国のNATO大使が4月中旬訪日へ 一度に訪れる人数として異例の規模(テレビ朝日系(ANN)) - Yahoo!ニュース
それはさておき、政権強硬派は脳が神様しちゃって受け付けないのがわかっているから、ペゼシュキュアンを選ぶのもよい。



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イラン大統領選 改革派ペゼシュキアン氏が当選 - BBCニュース

ペゼシュキアンは医師で、内政においてはヘジャブの着用を強制して死者まで出した道徳警察(なんてもんまであるんですよ、イランには)に批判的で、反米反西欧的だった従来の姿勢の変革を呼びかけて当選しました。


「ペゼシュキアン医師は71歳の心臓外科医で、イランの国会議員。イランの悪名高い道徳警察に批判的で、イランの世界からの「孤立」解消と「団結と結束」を約束し、波紋を呼んだ。
ペゼシュキアン氏はさらに、イランの核開発をめぐり西側諸国と「建設的な交渉」を呼びかけた。イランと西側諸国は2015年、西側の制裁緩和を条件にイランが核開発計画で譲歩すると合意したものの、3年後に米トランプ政権が一方的に離脱して対イラン制裁を再開したことから、この合意枠組みは停滞している。ペゼシュキアン氏は枠組みの再建を目指すとしている。
対抗馬のジャリリ氏は強硬な反欧米姿勢で知られ、核合意再建に反対し、現状維持を呼び掛けていた。同氏は、宗教関係者の支持を得ていた」
(BBC2024年7月7日)
 BBCニュース

 当然、保守頑固派で占められているかれの政権内の立場は微妙で、実際の権限はミニマムであろうと思われます。
しかし、であってもよいのです。
なぜなら、高市氏の目的は現実的にイランを動かすのではなく、イラン政権の裂け目に手を突っ込んで揺るがすことだからです。
そもそも今西側の首脳でイラン政権内の要人に電話できるのは高市氏ただひとりでしょうし、その相手はペゼシュキアン しかいないのです。

では、ペゼシュキュアンはなにと対立しているのか、言わずと知れた革命防衛隊です。
たとえば、今注目されているホルムズ海峡を明けるの、締めるのと言っているのは誰か、革命防衛隊です。
彼らは好むと好まざるとに関わらず、昔の村上海賊よろしく現在ホルムズ海峡のラクク島に関所を作り、「通行料」を払えば通航を許可しています。
支払いは人民元だそうです。
ここを米国が制圧しないかぎり、実効支配権はイランが握っていることになります。
現実には革命防衛隊にタンカーを撃つ能力がなくても、保険屋はゆるさないですからね。

ペゼシュキアンには革命防衛隊を指揮する権限がありません。
それを持つのは国家治安委員会であって、そことアクセスするのは不可能です。
ならば、誰が今イランを危機に陥れているのか、誰が世界経済のパブリック・エネミーとなっているのか、それを白日に曝すしかないでしょう。

今のイラン政権はモザイクのよう分裂しているようです。
独立系のイラン・インターナショナルはこう述べています。

「親政府派のISNA通信は、議会議長モハンマド・バゲル・ガリバフが金曜日にパキスタン・イスラマバードで開始予定の会談にイラン代表団を率いると報じた。30分以内に、IRGC系のタスニム通信は報告に反論し、「関係機関」によって代表団の構成がまだ確定していないと述べた。
相反する報道は、代表団のリーダーが誰になるかの不確実性を浮き彫りにし、テヘランの意思決定をしばしば形作る対立を浮き彫りにした」
(イランインターナショナル4月9日)
脆弱な停戦が進む中、テヘランの各派閥が功績を争う|イラン・インターナショナル

つまり、イラン政権は交渉団すら決められないで二転三転しているのです。
気に食わない奴がイスラマバードに行って、気に食わない妥協でもされたらたまらん、なんて互いに言って足を引っ張りあっているために神輿が進まないのです。
かといって最強硬派の革命防衛隊にでも行かせれば、そんな人選した段階で米国は相手にしない、かといってペゼシュキアン なんかに行かせたらどえらいことを呑んできかねない、ワイワイガヤガヤというわけです。
あげく、でてきたのは革命防衛隊幹部だったガリバフ国会議長殿です。

意思決定する者がいないから、戦争を終わらせる解決能力が欠落しているのです。

ならばこのバラバラなイラン政権に楔を撃ち込むしかないでしょう。
高市さんはそれをやったのです。

 

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コメント

 だから、国際法や国際慣習法や条約を無視していいという在り方を是認してはいけないのですよね。

国際海事機関は、「ホルムズ海峡利用料徴収は危険な前例となる」と警告し、「国連海洋法条約に基づく権利を妨害、もしくは通過を停止してはならない」と9日に明言している。
(しつこく前置きするが)私は高市さんの政策で支持しないものが幾つもある、だがしかし。
「アメリカの攻撃は国際法違反だと言えないどころか、媚び媚びでトランプを持ち上げる高市は世界の恥」という人たちのその口が、「高市はさっさとイランと交渉してタンカーを通してもらえ」と言ったことは、永く記憶・記録しておくべき。
ダブスタ・矛盾に悩んだ様子も、ヤクザへの服従と倫理の間で悩んだ様子も無く、一方の違反を責めろと言い、もう一方の違反にはストレートに「みかじめ料を受け入れて払え」と言えてしまうところが、控えめに言って、どうかしている。
なお高市さんは、欧州諸国やカナダとともに共同声明を発表し、イスラエルのレバノン攻撃が停戦に含まれることを支持している。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/me_a/me2/pageit_000001_02857.html
停戦に関するレバノンの件ではイランの側に立っているわけで、これも日本のリベラルを自称する側が真っ先に褒めるべきところが、何故かそうならないところに微苦笑。

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