武器輸出、5類型限定を撤廃
政府が防衛装備品の移転、つまり武器輸出にあったしばりを放棄しました。
「政府は21日の閣議と国家安全保障会議(NSC)で、防衛装備品の輸出ルールを定めた防衛装備移転三原則と運用指針を改定した。完成品の輸出を非戦闘目的に限定する「5類型」を撤廃し、殺傷能力のある武器の輸出を原則容認。米国などを念頭に、紛争中の国への武器輸出も「特段の事情」がある場合は例外的に認める。日米同盟や同志国の抑止力向上、国内の防衛産業基盤強化につなげる狙いだ」
(産経4月21日)
政府、武器輸出原則容認 非戦闘目的の5類型撤廃 ルール改定を閣議決定 産業基盤強化 - 産経ニュース
ところで改めて「防衛装備品の5類型」とはなんでしょうか。
そもそも「武器」と言わず、「輸出」と欠かずに「移転」と称するのは奇妙ですが、これが「平和国家」日本のしばりでした。
公明党が与党にへばりつき、自民党は彼らを切ると野党に転落するから切れない、そういう強迫観念があるうちはこれに手をつけられませんでした。
今年の衆院選でデトックスできたんですね、実はめでたい。あーすっきりした。
それはさておき、防衛装備品の「5類型」とは、日本の防衛装備移転三原則の運用指針のことで、完成品の輸出を非戦闘目的の「救難・輸送・警戒・監視・掃海」の5分野に限定した枠組みを指します。
スっ読むとああそうなのね、と思っちゃいますが、ヘンじゃありませんか。
武器は「戦闘目的に使うもの」に決まっています。
それを「救難、輸送、警戒、監視、掃海」とわざわさ5つに分類し、コレはダメ、アレはOKと言って自主規制してきたのです。
あたりまえですが、戦争は総合的に戦われます。
戦場に兵員と装備を「輸送」し、敵を「警戒」「監視」し、敵が機雷をまけば「掃海」し、被害が出れば「救難」する、軍隊はこれをトータルにやっています。
だからドンパチやるだけが「武器」ではないのです。
こういう言葉遊びをして、現実から逃避してきたのが「平和国家日本」です。
あ、念のために言えばこの「5類型」廃止は憲法とはなんの関係もありません。
いやむしろ憲法の精神に則ったことです。
憲法前文にはこうあることをお忘れか。
「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」
(憲法前文)
ちゃんと前文には「平和を愛する諸国民の構成と信義を信頼して」、「専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から除去する」ために戦って、「名誉ある地位を占めたい」とちゃんと書いてあるじゃないですか。
だから、「専制と隷従、圧迫と偏狭」を強いるチャイナ帝国やロシア、あるいはその同類たちと戦う人たちのために戦う武器を供給するのです。
このどこが「平和国家」を止めることになるのか、私にはさっぱり理解できません。
あるいは「死の商人になるのか」なんてトンチンカンなことを言う人もいるようですが、死の商人って敵味方関係なく無節操に武器を売りさばく手合いのことですよね。
日本がチャイナやロシアに兵器を売ればそう言って下さい。
彼らは大量の武器を独裁国家に売ってきました。
こういう手合いを「死の商人」と呼びます。
私たち日本は、民主主義を堅く守り、「専制と隷従」と戦う意志を持つ同志国にしかお売りしません。
また現在戦争となっている国(たとえばウクライナがそうですが)にも、残念ですが売れません。
本来はウクライナのような被侵略国にこそ武器供与すべきなのですが、無念です。将来に残された課題としましょう。
もがみ型護衛艦 - Wikipedia
台湾にも大いに支援をすべきところで、売りたいものはFFM(上写真)や潜水艦などめ一杯あるのですが、これも正式な国交が結ばれていない以上不可能です。
ただし、今後さらに中国が「専制と隷従」を強いてくるならば、「我が国の安全保障上の必要性を考慮して特段の事情がある場合」として例外規定をしていいと思います。
規制が緩和されると同時に、管理体制も強化されます。
武器の移転先は、国家安全保障会議(NSC)で厳格な審査を受けます。
国連憲章に適合した国だけに絞られます。
国内でイランのように国民を虐殺したりする国は論外です。
これまでの制度では、5類型に限定したために、戦闘機や護衛艦、潜水艦やミサイルといった主力装備については、共同開発の場合以外、原則として輸出が認められていませんでした。
今回の見直しで、この奇妙な自主規制の呪縛が撤廃されたことにより、戦闘機や護衛艦、潜水艦を含むすべての完成品のほか、部品・技術、さらには修理・整備などの役務についても、制度上は原則として海外への移転が可能となります。
このことで生産ロットが増えて、高くて有名な国産装備が割安になっていきます。
画期的なことです。ああやっとここまで来たか、というところです。
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5類型とは、安倍政権が安保法制整備の時に公明党に配慮して無理矢理作った分類ですからね。
大学や研究機関が「民生用の研究開発はするけど、軍事転用はさせない」とか、昔から言うけど····そんな線引きはしようがありません。
半導体や無人機なんかは典型でしょうに。
今回も「人を殺すための装備」だからダメ!とか騒いでますけど、自動車だって使用を誤ったり暴走すれば大量殺傷が可能ですし。
なんならスコップやクワ、近年外国人シェフに人気の和包丁とか、金属バットや木材だって使いようでは十分な殺傷能力があります。
全く馬鹿馬鹿しいです。
投稿: 山形 | 2026年4月24日 (金) 06時08分
詭弁としか言い様がないですね。または言霊信仰というか。
文字面を変えて後は見ない振りなんて責任ある国のすることではない。
とにもかくにも公明党がよとうを離脱してくれたことが全ての始まりです。
それも自民党側が切ったわけではなくて、公明党側が袂を分かったわけでこんな僥倖は滅多にありません。まあそれを呼んだ高市政権の誕生を褒めるべきかもしれませんが。
(にしても「よとう」を漢字変換するとスパム対策で弾かれるのは謎すぎます)
投稿: 右翼も左翼も大嫌い | 2026年4月24日 (金) 07時54分
韓国が先頃、UAEから2,400万バレルの原油優先供給を確保しました。
この背景には、今回のイランによる弾道ミサイル攻撃に対する迎撃で、UAE防空の総合迎撃率が90%以上とされる中に、韓国製の天弓IIも同水準の迎撃率で役立ったことがあります。
情けは人のためならず。人に良い仕事をして差し上げたら、巡り巡って自分に返って来る。良いものを良き相手に売れば、保守点検等で長いお付き合いが続く。それを戦略としてやります、という話ですね。
投稿: 宜野湾より | 2026年4月24日 (金) 09時44分
2024年武器輸出額ランキングによると日本は33位で日本より10倍以上多い国は17ヵ国。
この17ヵ国にはスウェーデン(13位)や北朝鮮(15位)も含まれています。
ぶっちぎりの1位は当然の如くアメリカで、輸出額は日本の約650倍。
フランス2位、ドイツ3位で共に日本の108倍。イタリアは66倍で第4位、韓国は46倍で第8位。
英国(36倍/9位)とノルウェー(34倍/10位)が同じくらいで、韓国より下。
イランとヨルダンは共に日本の10倍で、スイスも日本より多い。
順位が日本より上の全ての国は、もしかすると平和国家ではない?
参照元
https://www.globalnote.jp/post-3865.html
投稿: ハルキゲニア | 2026年4月24日 (金) 13時31分
記事のように十分ではないが、かなりメリットは多いはずです。
この事は遅すぎたくらいで、高市=小泉ラインは本当に良い仕事をしています。牧野フライスの買収に中止勧告を行った事も然り。
投稿: 山路 敬介 | 2026年4月24日 (金) 19時43分
赤飯炊きたい位めでたい事ですね。パヨクは早速「日本が死の商人になる!」と盛大に火病って、ココログのブログでもそういう手合いを見かけますが、多分彼らは「死の商人」の意味を取り違えているのが丸わかりですね。彼らの論法に従うならば、5大国はもとより、スイスやスウェーデンなど中立国も「死の商人」になりますが、彼らが2国を非難した事はありませんね。所詮無知とダブスタの、パヨクの戯れ言です。
投稿: 珊瑚は大切に | 2026年4月25日 (土) 03時37分
珊瑚は大切に 様
スウェーデンは武装中立政策をナポレオンが生きていた時代から続けていましたが、2024年にNATOに加盟し、約80年中立政策を維持していたフィンランドも2023年にNATOに加盟しただけでなく、今年になって核持ち込み禁止政策を転換すると表明しました。
某国某政党なら戦争準備政策だと大騒ぎしそうですが、ロシアがウクライナ侵略を始めた事による平和を維持するための決断だったのは明白。
なお、フィンランドの世論調査では7割がNATO加盟支持だったそうです。
これが現実的な平和主義というものですね。
投稿: ハルキゲニア | 2026年4月26日 (日) 23時55分