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米国とイランが核合意とホルムズ海峡開放について暫定合意したとメディアが報じています。
CNNの書きっぷりだと、後はトランプ御大がオーケーを出すか出さないかまで煮詰まっているとか。ホントかな。
「(CNN) 米当局者は28日、米国とイランの協議で暫定合意に達したと明らかにした。だが、トランプ米大統領はまだこれを承認しておらず、地域情勢は依然として緊迫している。
当局者らは、いかなる合意にもトランプ氏の承認が鍵になると警告しており、トランプ氏は合意に先立ち、協議の現状に満足していないと述べていた。また、戦争終結に向けたもう一つの不可欠な段階とみられるイラン最高指導者の承認が得られているかどうかも明らかではない。
だが、過去48時間にわたり米イラン間で敵対行為が続いているにもかかわらず、両国間で文書が最終決定されたことは、外交が進展している兆候となった。
覚書には、ホルムズ海峡の航行制限解除、船舶の自由航行の許可、米国の海上封鎖解除に関する文言が盛り込まれる。
また、高濃縮ウランの備蓄の扱いを含むイランの核開発計画をめぐる60日間の交渉期間を開始する内容も含まれる。情報筋によると、核開発計画に関する最も困難な問題は、今後の協議の中で解決していく必要があるという」
(CNN5月29日)
米イラン、海峡開放と核協議開始で暫定合意 トランプ氏は未承認 - CNN.co.jp
日経もアクシオスをソースにしてこのように報じています。
「米政府当局者は28日、米国とイランの交渉が暫定合意に達し、トランプ米大統領の承認を待っていると記者団に明らかにした。米政治サイトのアクシオスによると、停戦を60日間延長し、この間にイランの核問題を協議する覚書を交わすことで一致したという。
アクシオスによると、覚書ではホルムズ海峡を開放し、イラン側は30日以内に全ての機雷を除去する。イランは核兵器の開発を追求しないとの約束が盛り込まれるという。60日間の交渉で高濃縮ウランの処分方法などを話し合う。米国がイランに科してきた経済制裁の解除なども協議する」
(日経5月29日)
米、停戦延長と核交渉継続でイランと暫定合意 トランプ氏の承認待ち - 日本経済新聞
一方、イラン・インターナショナルはヴァンス副大統領の発言をこう伝えています。
「米国副大統領JDヴァンス氏は木曜日、イランはテヘランの核計画に関する合意の可能性をめぐる交渉が続く中、合意を望んでいる一方で、最終的な結果は不確実であると付け加えた。
記者団に対し、ヴァンスは両者が「いくつかの言語問題でまだ意見を交わしている」と述べ、「多くの進展を遂げた」と付け加えた。
「MOUをいつ、あるいは割り当てるかどうかは正確には言い難いと思います。いくつかの言語的な点で意見を交換しています。ここでかなり進展がありました。イラン側は明らかに合意を求めており、ホルムズの街を開放したいと考えています。ホルムズの街を開放してほしい。核関連の問題、高濃縮備蓄、そして濃縮の問題についてもいくつか問題があります」とヴァンスは述べました。
「だから、彼らと行ったり来たりしているんだ。少なくとも今のところ、彼らは誠実に交渉しており、私たちも一定の進展を遂げていると考えています。今後も進展を続けていければと思います。大統領は合意を支持できる立場にいるが、それはまだ議論の余地がある」と付け加えた」
(イラン・インターナショナル5月29日)
Iran wants deal but agreement still unclear, Vance says | Iran International
双方手詰まりなのでしょうね。
イランはメディアが「和平には関心をもっていない。どこまでも続けてやる」というほど余裕はないはずです。
「交戦中の今、イランの主導権を握る革命防衛隊(IRGC)は、文民やイスラム法学者以上に米国との妥協に関心を示していない。
「トランプ政権はイラン政権の性質とアプローチを根本的に誤解していると思う」と戦略国際問題研究所(CSIS)で中東プログラムのディレクターのヤコビアン氏は指摘する」
(AFP5月12日)
焦燥するトランプ氏、イランに対する「カードがない」ことを痛感か 写真2枚 国際ニュース:AFPBB News
一理あるでしょうな。
トランプがカルト宗教国家の中枢である革命防衛隊の「狂気」を理解していないのは事実でしょうね。
常識的に考えて、正気かよ、と思います。
石油備蓄タンクはお漏らしを始めてもう満杯。
これ以上この状況が続けば地層に地下水が混ざって使い物にならなくなく油井が続出するはずです。
つまり石油とテロしか輸出するものがないイランにとって、国家経済の根本が壊滅しかねないレッドゾーンに突入しているのです。
一方、ホルムズ海峡の逆封鎖はまちがいなく効いているはずです。
これが続く限り石油輸出が不可能、輸入もできない、軍事物資も輸入できないのですから、これまた大戦末期に機雷と潜水艦によって海上封鎖されて干上がったわが国の状況を彷彿とさせます。
通常の海上、空軍戦力はほぼ壊滅していますし、「一億総特攻」の革命防衛隊も3分の1の兵員が戦死しているといわれています。
しかしこれも日本の大戦末期と同じで、陸軍のイっちゃった連中はまだまだやれる、松代に大本営を動かし、天皇陛下にも動座願う、女子供にも竹槍持たせて、みたいな狂った連中もいるわけです。
国家がどうなろうと国民が死のうと生きようと、テメーの権力の安泰の犠牲になれというヤツです。
今のイランにも同じようにこの手合いは、それ以上に大勢いるのでしょう。
だから負けたと思われる合意の表現にはとことんこだわるので、ホルムズ海峡開放しちゃったらどう言い訳すんのよ、という話です。
ならば、イランの管轄を水域を拡げる、ホルムズ海峡管理庁まで作って料金設定するなんてエスカレーションを初めからしなけりゃよかったのです。
つまりイランというカルト宗教国家のことですから、持つかもしれないがさすがにこれ以上は無理かもしれないというギリギリ、いやそのレッドラインを片足超えた場所にイランはいるのです。
だからいままで以上に国内を監視強化して締め上げる、いっさいの異論は封じる、インターネットも遮断する、ましてやデモなんかやる奴は重機関銃で根こそぎなぎ倒す、何万だろうと殺しまくる、ということを現実にするわけです。
イランが米国とよく戦っている反米の星だというので贔屓にしている連中がまだいるようですが、こういうことを許すのでしょうか。
かといって、トランプも口で言うほど万全ではないはずです。
「シンクタンク「中東研究所」の上級研究員ブライアン・カトゥリス氏は、「トランプ氏のここ1か月の行動は、この紛争を終わらせようと必死な指導者の姿を示しているが、彼は自分の望むものが得られないと、さらなる紛争をちらつかせて脅し続けている」と指摘。
「これは、彼がより良い条件を引き出す方法を知らないことを示している。戦争が始まる前に、もっと良いディール(取引)ができたはずだ」と述べた。
トランプ氏は昨年、中東への介入を繰り返してきた歴代米大統領を批判し、中国を最大の挑戦者と位置づけていた。
だが、カトゥリス氏によれば、トランプ氏は今、その時よりも「はるかに弱い立場で」中国に臨むことになる。
「米軍はわずか1か月半で大量の武器弾薬を消費しており、中国はそれを承知している」とカトゥリス氏は指摘する」
(AFP前掲)
そりゃ米軍はやれといわれりゃやるでしょうよ。
まだ中央軍だけで戦っていますから、太平洋軍はこの時期に日本では航空ショーなんかやるくらい余裕こいているわけです。
しかしけっこうキツイのは事実です。
「アメリカ議会調査局(CRS)による最新の報告書が、米軍がイランに対する軍事作戦「Operation Epic Fury」において、少なくとも42機の航空機を喪失、または大破させたという衝撃的な事実を明らかにした。この損耗規模は、ベトナム戦争以降の米軍航空戦力における最大級の損失と見られており、長らく米軍の基盤であった「航空優勢神話」に深刻な亀裂を入れるものとなった。この42機という数字には、イラン軍の攻撃により撃墜された機体だけでなく、地上攻撃で破壊された機体、飛行中の事故による損失、そして味方による破壊処分(自爆処分)された機体も含まれている」
(ミリレポ5月27日)
「撃墜だけではない」米軍イランで42機損失、その驚くべき内訳とは
特に米軍の主要打撃力であったトマホーク巡航ミサイルが撃ちすぎて払底しかかっているのが痛いようです。
「英紙フィナンシャル・タイムズは23日、日本政府が反撃能力の柱と位置づける米国製巡航ミサイル「トマホーク」について、納入が大幅に遅れる見通しだと米国が日本側に伝えたと報じた。米軍は対イラン軍事作戦で大量の弾薬を消費したため備蓄が減少しており、日本への納入が最大2年遅れる可能性があるという」
(読売5月24日)
トマホーク、日本への納入が最大2年遅れる見通し…イラン攻撃で1000発超を投入し備蓄が減少 : 読売新聞
中東諸国はイランの報復を恐れてもう止めてくれと言いだすし、国内世論はついてこないし、インフレは亢進するし、トランプも思案のしどころであるのはたしかなようです。
「火砲や戦車も、今なお強力な武器だ。しかし、コストが1000ドルほどのドローンも、熟練操縦者の手にかかれば、3000万ドル相当の戦車を破壊できてしまう。最近の米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、昨年エストニアで行われた北大西洋条約機構(NATO)の演習にウクライナからドローン操縦者が招かれた時、彼らはわずか数人でNATO側に大混乱をもたらしたのだという。NATOは大幅な遅れを取り戻さなくてはならない。4年間の戦争の結果、世界で最も熟練したドローン戦の実戦経験者は、今やウクライナとロシアの兵士たちなのだ。そのことは、今の戦争の大きな影響の一つだ」
(BBC2026年2月26日)
【解説】 ウクライナは今も果敢、敗北が近いとは思えない……BBC国際編集長 - BBCニュース
「そもそもゲーム・チェンジャーとは、何かということですが、この言葉は元々 スポーツ分野の言葉と言われています。 特に野球において、試合の流れを一気 に変えてしまう選手のことを指す言葉でした。 これが転じて、動向を大きく変 える人や出来事をゲーム・チェンジャーと言うようになりました」
04_symposium3.pdf
「2年前にウクライナ軍がドローン専門の司令部を作り、陸軍、海軍、空軍などと同じ軍種の一つにドローン部隊を位置づけた。このドローン専門の司令部がドローン作戦について様々な新しい考え方を打ち出してきた。しかも、陸軍や空軍などとも連携をしている。さらに、ウクライナの軍と民間企業は、この4年以上ずっと連携を続けてきて、イノベーションを起こし、ドローンの能力を飛躍的に高めた。加えてAIなども使って司令官の意思決定を支えるシステムができた。ドローンを有効活用できる態勢が整い、目に見える形で効果を上げ始めている」
(小谷哲男)
ウクライナがドローンで対ロシア反撃“加速”AI駆使で戦場は…米テック企業の意図(テレビ朝日系(ANN)) - Yahoo!ニュース
「ドローン戦で優位に立つため、両国は常に技術革新を続けている。世界一の富豪イーロン・マスク氏が所有するスターリンクのシステムを、どちらも戦場での通信やナビゲーションに使用している。マスク氏が最近、ウクライナ国内で活動するロシア登録端末を遮断すると同意したため、ロシアは打撃を受けた。ポーランドの資金で運用されるスターリンクを使うウクライナが最近、ウクライナ南部の領土を奪還できた、その大きな理由がこれだと言われている」
(BBC前掲)
これよよってウクライナはいままでの防御から攻勢モードに移りました。
それが顕著なのは、あのアゾフ連隊によるアゾフスタル製鉄所の死闘で忘れることのできないサポリージャです。
ここもロシア軍へのスターリンク遮断と機を一にして攻勢に移りました。
そしてその攻勢主力はあの懐かしきアゾフ連隊です。
アゾフスタリ要塞陥落せず: 農と島のありんくりん
米国務省、ウクライナ「アゾフ連隊」への兵器供与を解禁 - CNN.co.jp
「ロシアはウクライナ軍が南部ザポリージャ州で反転攻勢を開始したと主張している。この主張がされ始めた時期は、米スペースXの衛星通信サービス「スターリンク」へのロシア軍のアクセスが新たに制限され、前線の通信に支障が出始めた時期と重なっている。
アナリストらによると、ロシア側が流布する「ウクライナの反攻」というナラティブ(語り)は、ロシア側が以前に主張していた疑義のある領土獲得の話と符合する。スターリンクの制限によって通信に障害が出るなかで、ロシア側のナラティブはにわかにロシア軍の進撃からウクライナ軍の反撃に移り変わった」
(フォーブス2026年2月13日 )
ウクライナ軍が南部で「反攻」とロシア主張 スターリンク制限と絡めナラティブ戦展開 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)
サポリージャはロシア軍の兵站ラインの中央を担っており、ここをウクライナ軍に切断されれば、以西の戦線とクリミアは孤立します。
アゾフ連隊はこのサポリージャに多数のドローンを持って再び登場しようとしています。
ゼレンスキーはこの機をのがさず外交的攻勢に打って出ました。
「他方、この戦闘の背景には外交圧力の高まりがある。ウクライナのボロディミル・ゼレンスキー大統領によると、米国は和平合意を6月までに成立させることを求めているとされる。このタイムリミットにより、ロシア側が持続的に圧力をかけ続けてきた前線の帰趨は、一段と重要な意味を持つようになっている。
2022年にウクライナ南東部マリウポリでウクライナ兵として戦い、ロシア側の捕虜になった元英国軍人ショーン・ピナーは、筆者のインタビューで「懸かっているものはたいへんに大きい。
現状についての認識がそのまま外交に直結するからです」と語った。「ウクライナが行き詰まっているように見えれば、不利なディール(取引)をのませようとする圧力が高まります。一方、ロシアが能力を著しく消耗しているように見えれば、ロシアはどのような交渉でも影響力を一気に失います」
(フォーブス前掲)
トランプの本音は、ここでロシアにドネツクの20%とサポリージャ州とヘルソン州を割譲しろというものです。
ついでにウクライナは選挙をしてゼレンスキーを降ろせということも言っているようです。
これが仮にも自由主義陣営の盟主の言うことかと呆れます。
私がこの男をまったく信用しないのはこういうことをする人物だからです。
しかしそれが現実な以上、ウクライナは独力で独立を守るしかありません。
「ウクライナが今なお保持するドネツクの20%と、ロシア軍が奪取できていない南部ザポリッジャとヘルソンの両州を、それぞれロシアに割譲せよ――というのが、プーチン氏がウクライナに突きつけている要求の重要部分だ。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領によると、アメリカは夏までに停戦を実現しようと、この条件を受け入れるよう彼に圧力をかけているのだという。
アメリカのドナルド・トランプ大統領は、ゼレンスキー氏に選挙実施を求めている。プーチン氏に対しては、同じ要求はしていない。トランプ氏は、戦争を終わらせたのは自分だと宣言したがっている様子だ。たとえ停戦が維持されなくても、彼は停戦を自分の手柄だとして、今秋の中間選挙を戦う材料にするだろう。さらにトランプ氏は、対ロ制裁が解除されるまでは行えない、ロシアとの巨大なビジネス取引も視野に入れている」
(BBC前掲)
その意味でも、ドローンという新たな武器はウクライナにとっての天恵なのです。
ウクライナの驚異的しぶとさが試されるのはいまです。
ひさしぶりにウクライナ応援バナーを出すことにしました。
ウクライナに平和と独立を
思わず、えっと言ってしまいました。
辺野古転覆死亡事故で信じられないような対応が出ているのです。
事故を引き起こした運航者である共産党員船長諸喜田タケル氏と反対協議会が国交省の捜査を拒んでいるというのです。
「沖縄県名護市辺野古沖で船2隻が転覆し平和学習中だった同志社国際高(京都府)の女子生徒ら2人が死亡した事故で、運航団体の「ヘリ基地反対協議会」と抗議船「平和丸」の男性船長が、国交省側の聞き取りを拒否していることが22日、分かった。内閣府沖縄総合事務局運輸部(運輸局に相当)の担当者が同日、抗議船「不屈」の金井創(はじめ)船長(71)=死亡=に対する海上運送法違反罪での告発書を提出後、明らかにした」
(産経5月22日)
辺野古転覆、抗議船運航団体と平和丸船長が聞き取り拒否 「今後も事実確認は困難な状況」(産経新聞) - Yahoo!ニュース
にわかには信じがたいような奇妙な話です。
捜査機関に対して聴取に応じるのは、事故を起こした側のイロハのイ、義務といってもいい。
それを形式的には任意であるからと拒否し、文書提出にすり替えてしまう、これってリッパな隠蔽工作というんじゃありませんか。
なにかというと、彼らには死んだ金井創氏をあたかも悲劇のヒーローの如く持ち上げ、「天国で死んだ金井さんは女子高生と基地反対を運動見守ってくれています」と美化する一方、共同正犯である諸喜田氏はひたすら逃亡を決め込んできて、いまだ一度たりとも記者会見にすら応じていません。
共産党本部が隠れていろ、捜査には応じるなと指令していると見られても致し方のないことです。
あの極度の中央集権体質の党のことですから、たぶんそうなのでしょう。
小池書記局長の言い分も聞いておきましょう。
「国交省側の聞き取りというのは内閣府の沖縄総合事務局運輸部だそうですが、この働きかけは4月中旬にありまして、その際何のための聞き取りなのかが明らかでなかったということで、正確を期すために文書で応じたということです。
同時に船長それからヘリ基地反対協議会の役員は海上保安庁の事情聴取にはこの間も応じていて、これは数回応じていますし6月にも予定されているということです。ヘリ基地反対協議会としては事故の責任団体として事故原因究明に全面協力するという立場を表明してまいりましたが、その立場を堅持していると聞いておりますので、報道がされていますので確認をした事実は以上です」と述べた」
(ABEMA 5月28日)
辺野古事故めぐり記者と共産・小池氏がバトル「平和丸の船長が説明すべきでは」「海保の聴取に応じている。国交省には文書で回答」 互いにカットインの応酬(ABEMA TIMES) - Yahoo!ニュース
いや海保の聞き取りには応じた、国交省のそれは「何のための聞き取りか明らかではなかったので」拒否して文書で代行したということのようです。
ほー国交省が何を聞きたかったのかわからなかった、とは異なことを。
そんなことは分かりきっているでしょうに。
海保に応じたのはあたりまえ。司法当局に応じなかったら逮捕して話を聞くだけのことですから。
国交省はもっと別なことを聞きたいのです。たとえば明らかな海上運送法上の違反や、当日の海の状況、なぜ船を出したのか、どういう状況で転覆事故が起きたのか、その時子供たちはどう海に投げ出されたのか、船長はどういう救命措置をとったのかとらなかったのか、事故後なにをしていたのかなどなど多数あったので、当日の共同正犯である諸喜田氏に聞きただしたかったのですよ。
諸喜田氏はこう述べているとされています。
「女子高校生の命がなぜ奪われたのか、事故の真相解明は「平和丸」船長の証言が鍵を握るが、彼は公の場で自ら説明しようとはしなかった。ただ、事故翌日の17日、「辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議」(オール沖縄)の非公開会合で、「(先に転覆した『不屈』を見て)パニックになった。助ける以外ないと思った」と報告したことが伝えられている。
「助けるため」というが、事故は巡視船1隻とゴムボート10隻で警戒中の海上保安庁の目の前で発生しており、「平和丸」が救助に向かわなくとも、海保が迅速に救助に急行していたのである。しかも、最初に転覆した「不屈」には法定の最大定員10人のところ9人が乗船しており、「平和丸」にも最大定員13人のところ「平和丸」船長と乗組員を含め12人がすでに乗っていた。
その状況で「不屈」乗船の高校生らを海から引き揚げることは、「平和丸」に乗船していた他の高校生らをさらなる危険に晒す行為だった。海保に救助活動を任せることが、「平和丸」に乗船していた高校生たちの命を守るためにも必要だったのである」
(松崎いたる5月27日)
高校生の命が奪われたのに、抗議船転覆から2週間ほぼ沈黙…元共産党員の"党・しんぶん赤旗"への強烈な違和感(プレジデントオンライン) - Yahoo!ニュース
海保の巡視船の目の前で大事故を起こし1隻は転覆したのだから、おとなしく海保という海難救助のプロに救助を任せるべきでした。
にもかかわらずパニックになって、救助しようとしてじぶんまでもが転覆し子供たちを海に投げ出してしまっています。
仮に金井氏の転覆した船にたどりつけたとしても、満杯の自分の船でどう助けたというのでしょうか。
松崎氏はこう指摘しています。
「なぜ「平和丸」は海保の救助活動を信頼しなかったのか。それは、「不屈」「平和丸」の両船が“抗議船”という特殊な性質を持っていたからに他ならない。
辺野古の基地拡張工事に反対する任意団体「ヘリ基地反対協議会」は、「不屈」や「平和丸」を用いて海上での抗議デモを行ったり、米軍基地に反対する野党系の政治家、活動家、マスコミ関係者らを乗船させたりして、工事の視察や監視を行っていた。そのため、警戒・警備を担う海上保安庁とは日常的に対立的な関係にあったのだ」
((松崎前掲)
こんなことは、とっくに自発的に諸喜田氏が記者会見を開いて答えるべきことだったのです。
それをしない。いつもの共産党なら説明責任を果たせとオデコに血管を浮かべて迫ったんじゃありませんか。
いざ自分のこととなると逃げを打ってだんまりを決め込み、書記局長は「現地に問うてみたら」とひとごとのように言う。
なんというダブスタなことよ。
こういう行為を世の中では隠蔽体質と呼びます。違いますか。
こういう調査に非協力的態度を取る限り、諸喜田氏や反対協議会に対して国政調査権を発動して真相解明するしかありません。
国会に証人招致するのは不可欠です。
ところが、二度目にびっくりしたことには、これを拒否したのは参院沖縄北方特別委員会の筆頭理事の今井絵理子議員でした。
「招致を求めた参政党の梅村みずほ氏が22日の委員会で「自民党筆頭理事から『民間人を参考人招致することには慎重であらねばならない』との理由で賛同いただけなかった」と明らかにした。
同委員会の理事は今井絵理子(自民)、自見英子(同)、徳永エリ(立民)、山田吉彦(国民民主)の各氏」
(産経5月25日)
辺野古転覆で平和丸船長と基地反対協代表の参考人招致見送り 参院委「民間人は慎重に」 - 産経ニュース
今井氏は自民党ですよ。 元アイドルタレントで不倫とバカ外遊で有名でしたが、それはいいとして、自分の選挙区で起きたこの痛ましい人災の真相究明を阻んでどうするのか。
自民党、正確に言えば参院自民党の見識が疑われます。
いつから自民党は共産党の同伴者になったのでしょうか。
恥を知りなさい。この人に政治家の資格はない。
文部科学省の見解】
○ 修学旅行等(旅行・集団宿泊的行事)は、校外において集団で行動すること等に伴い、絶えず事故等の発生の可能性をはらんだものである。特に今回のように海上で抗議活動を行っているボートへの乗船という危険性の高い行為であったこと等を踏まえると、事前に下見を行う中で安全性を確認し、教職員間でその状況等を共有し乗船の必要性を吟味するとともに、当日の引率に当たって必要十分な教職員が同行する必要性があったことは言うまでもなく、加えて引率教員が同行しないとの重大な判断ミスや教職員の体調不良により対応できなかった場合の体制等を構築していなかったことなど、研修旅行の事前の計画や当日の対応が不適切であったと考える。○ また、生徒や保護者に対して事前にプログラムの詳細について十分な説明がなされず、理解の徹底が図られなかったことについても学校としての対応は不適切であったと考える。
○ さらに、牧師や船員への依頼について、信用度等に関し十分な調査を行った事実や、学校としての依頼事項の明確な提示などが確認できず、牧師に対する信頼に基づき依頼をし、学校が主体性を持って安全確保を図っていたとは言えないことから、その点においても不適切であったと考える。
○ 以上、学校の対応は、「修学旅行における安全確保の徹底について」(昭和 63 年文部事務次官通達)や、高等学校学習指導要領解説(特別活動編)等に沿ったものとは言えず、生徒が死亡するという重大な事故につながったことを踏まえれば、著しく不適
切であったと考えられ、是正を図る必要がある。
【文部科学省の見解】
○ まず、学校保健安全法に基づいて学校ごとに策定することとされている危機管理マニュアルに関して、文部科学省が示す「学校の危機管理マニュアル作成の手引」(平成30 年2月)、「学校の『危機管理マニュアル』等の評価・見直しガイドライン」(令和3
年6月)、「「生きる力」をはぐくむ学校での安全教育」(平成 31 年3月)等における校外活動時の事前の安全確保の検討・対策についての項目 ・内容が、学校の危機管理マニュアルに記載されておらず、不適切であったと考える。
○ また、学校における今回のプログラムの実施に当たっては、
・ 本プログラムを想定して事前の現地の状況や天候把握の確認をしていなかったことや、悪天候などによる活動の変更・中止を想定した代案について事前に決めていなかったこと、
・ 本プログラムは旅行会社における下見等の確認対象に入っていないにもかかわらず、安全面における現地固有の状況や乗船に伴うリスク(海上運送法上の事業登録の有無、航路、船の形状、通常の船着き場ではなく危険な護岸からの乗船など)、救護・通報にかかる施設等について、事前に下見や実地調査などにおいて把握・確認しておらず、想定される事故等が発生した場合の対策等が講じられていないこと、
・ 訪問先の船の運航関係者との安全確保に関する事前調整を十分に行っていないこと、・ プログラムに参加する生徒に対して、学校からライフジャケットの着用方法等の事前の安全指導・教育が行われていないことなどから、文部科学省が「学校の危機管理マニュアル作成の手引」等で示す安全管理・安全確保の取組が不適切であったと考える。
○ したがって、今回の研修旅行のプログラムにおける学校の安全管理・安全確保の取組は、著しく不適切であったと考えられ、是正を図る必要がある。
【文部科学省の見解】
○ 多様な見方や考え方のできる事柄、未確定な事柄、現実の利害等の対立のある事柄等を取り上げる場合には、生徒の考えや議論が深まるよう様々な見解を提示することなどが重要であり、特定の事柄を強調しすぎたり、一面的な見解を十分な配慮なく取り上げたりするなど、特定の見方や考え方に偏った取扱いにより、生徒が主体的に考え、判断することを妨げることのないようにすることが求められる。
○ この点、同志社国際高等学校の研修旅行における辺野古への移設工事に関する学習について、これまで把握した限りでは、事前及び事後の学習を含めて、様々な見解を十分に提示していたことが確認できず、特定の見方・考え方に偏った取扱いであったと考えられる。○ また、研修旅行冒頭の開会礼拝で牧師自身が行っている辺野古への移設工事に反対する抗議活動の説明が少なくとも 2019年、2025 年、2026 年の複数年にわたり行われていたこと、2025 年の研修旅行における謝礼の領収書の名義人の一部が 「ヘリ基地反対協議会」となっていること、主たる目的として、「「きれいな海を見る」ことではなく、基地建設と、それに反対する人が対峙する「現場」を見ること」であるとのメッセージが生徒だけでなく、学年主任や担任も見られるものであったことなどから、教員の相当数が、船長が抗議船で日常的に抗議活動を行うとともに、生徒らを乗せる船が抗議船であるという認識を持っていたと考えざるを得ない。
その上で、当該プログラムを含む研修旅行は、同志社国際高等学校の公式の学校行事であり、研修旅行の研修内容は、教職員会議で決定・承認され、最終的には校長の責任の下、実施されたものであって、当該プログラムも、その決定プロセスで研修旅行に組み込まれ、行われたものである。学校は、生徒を乗船させる船が抗議船であるという認識を持っていた教員はごく一部にとどまっていたと述べているが、当該プログラムの具体的内容は、担当教員で計画し、当日は引率教員により実施されたものであり、当該教育活動は学校の教育活動として実施されたものであることは明らかである。○ 学校は、辺野古への移設工事に関する学習は、平和に関する学習の一環であり、政治的中立性を確保していたと説明しているが、上記のとおり様々な見解を十分に提示しておらず、教員の相当数は、船長が日常的に抗議活動を行い、生徒らを乗せる船が抗議船であるという認識を持っていたと考えざるを得ない中で、学校の研修旅行の選択プログラムの一つとして、辺野古テント村への訪問や、辺野古沖での抗議船として日常的に使用される船による見学のプログラムを組み実施していたこと、研修旅行初日の開会礼拝のメッセージにおいて牧師より複数年にわたって抗議活動に関する説明が行われていたこと、2015 年から 2018 年までの研修旅行のしおりの中で、ヘリ基地反対協議会による座り込みをお願いする文書を掲載していたこと、2015 年の辺野古コースに参加した生徒の感想の中には、「ヘリ基地反対協議会の共同代表」の名前を具体的に挙げた上で、その方から基地に反対する理由を聞いたと記述があることなどが明らかになった。
○ 以上のことを総合的に勘案すれば、現時点で把握した情報からは、辺野古への移設工事に関する学習について、政治的活動を禁じる教育基本法第 14 条第2項に反するものであったと考えられ、是正を図る必要がある。○ 平和に関する学習については、学習指導要領等に基づき、小中高等学校段階を通じ、児童生徒の発達段階に応じて主として社会科や地理歴史科、公民科等において指導することとされており、例えば、高等学校段階では第二次世界大戦について扱う中で、我が国においても沖縄戦などで戦禍を被ったことに着目させ、平和で民主的な国際社会の実現に努めることの重要性を自覚させるようにすることとしている。
各学校が行う沖縄における平和に関する学習についても、こうした観点から教育基本法や学習指導要領等の関係法令、「高等学校等における政治的教養の教育と高等学校等の生徒による政治的活動等について」(平成 27 年文部科学省初等中等教育局長通知)、「学校における校外活動の安全確保の徹底等について(令和8年文部科学省初等中等教育局長・総合教育政策局長・高等教育局長通知)を踏まえ、適切に行われることが必要である。
【文部科学省の見解】
○ 「修学旅行における安全確保の徹底について」(昭和 63 年文部事務次官通達)において、「学校の管理機関等においては、平素から、各学校に対して、修学旅行のもつ意義と留意点についての理解の徹底を図るとともに、各学校の修学旅行の計画実施が児童生徒の安全と健康の保持上無理なく適切なものであるかにつき、十分な実態の把握と必要な指導を行うこと」とされていることも踏まえれば、まず、設置者である学校法人としての管理体制が不十分であったと考える。○ 学校が今回の事案のような教育活動を行うに当たっては、外部団体との関係の有無にかかわらず、安全性の確保はもとより、教育基本法や平成 27 年通知等を踏まえた対応が求められることはいうまでもない。しかし、学年の担任会、教職員会議、最終的には校長の責任の下での意思決定の過程において、これらの法令等を踏まえた議論が全く行われず、過去の研修旅行後の感想文で参加生徒が危険性や不安を申し述べていたことも一顧だにされず、結果として必要な見直し等が行われることなく、今回の事案に至った。
これらを踏まえれば、学校運営の責任者である校長の責任の下、学校組織として適切な内部チェック体制が整っていたとは言えず、適切な意思決定を行うためのガバナンスに極めて大きな問題があったと考えられ、是正を図る必要がある。
また、生徒や保護者に対して、事前に研修旅行のプログラムの詳細について十分な説明が行われていなかった点についても、学校としての組織的な対応が不適切であったと考える。
○ 以上のことから、今回の事案に関して、設置校における安全管理も含めた教育活動
の最終的な責任を負う設置者たる学校法人及び学校の責任は極めて重い。
デニー知事が人並みはずれているのはその鈍さです。
しかも鈍さと過敏なまでの自己防衛本能が同居しているのですからたまりません。
デニー知事は、文科省が辺野古転覆死亡事故を引き起こした「平和教育」を「政治活動」と指摘したことを批判しました。
「沖縄県の玉城デニー知事は25日、同県名護市辺野古沖で船2隻が転覆し同志社国際高(京都府)の女子生徒ら2人が死亡した事故をめぐり、同校の学習内容が政治的中立性を定めた教育基本法に違反するとした文部科学省の判断に対し「踏み込みすぎた」と改めて批判。「沖縄県における平和教育全般が偏向しているというようなことはない」と強調した。県庁で記者団の取材に応じた」
(産経5月25日)
沖縄の平和教育「偏向していない」玉城知事 文科省の判断を「踏み込みすぎ」と再度批判 - 産経ニュース
文科大臣がこの「平和教育」が教育基本法違反であって政治活動だと指摘したのが5月22日ですからわずか3日後のこの発言です。
「「沖縄県名護市辺野古沖で小型船2隻が転覆し、研修旅行の平和学習で訪れていた同志社国際高校(京都府)の生徒ら2人が死亡した事故を受け、松本洋平文部科学相は22日の記者会見で、辺野古への移設工事に関する同志社国際高の教育内容が政治的中立性を定めた教育基本法に違反するとの考えを示した」
(朝日5月22日)
同志社国際高の辺野古移設めぐる学習、文科相「教育基本法に違反」 [辺野古沖転覆事故]:朝日新聞
一方、亡くなった女生徒に手をあわせたのは1カ月遅れで、メディアの大群を引き連れてことさらに手を合わせてパーフォーマンスして見せました。
「沖縄県の名護市辺野古沖で船2隻が転覆し、平和学習のため訪れていた同志社国際高(京都府)の生徒と船長の2人が死亡した事故を受け、玉城デニー知事は21日午後5時20分ごろ、追悼のため、事故現場海域を望む名護市瀬嵩の海浜を訪れ、献花した。玉城知事が現場を訪れるのは、事故後初めて」
(琉球新報4月21日)
【動画】辺野古転覆事故、デニー知事が事故現場へ献花 沖縄
自分が関わった「平和教育」を教育基本法違反だと指摘されればたった3日で「踏み込みすぎだ」政治の介入だとばかりにピリピリするような被害者ヅラです。
実に素早い。呆れるほど早いリアクショでした。この人には人の心があるのか。
しかし亡くなった女子生徒を追悼のために辺野古現地に仕掛けたのが4月22日、事故が起きたのは3月16日ですから1カ月以上たってからのことです。
もっとも先に出かけて献花すべきは、この沖縄の海の管理者であり、「命が宝」のデニー知事だったはずですが、この鈍さがやりきれません。
なんというアンバランスなことよ。
その理由をデニー氏はみずから説明してこう言っています。
やや長いですが、まとまった「平和教育」についての沖縄県の認識ですので引用しておきます。
「10日に行われた定例記者会見で、県外幹事を務める産経新聞の記者が、米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の辺野古移設工事現場を洋上から船で見学することが平和学習の一環と思うかとただしたのに答えた。
玉城氏は「同志社国際高校がどのような考えのもとで平和学習を行っているのか、県の立場から答えるのは難しい」としながらも、「安全性を確保した上で、生徒の考えや議論が深まるようさまざまな見解を提示し、現地を視察することによって、活動の趣旨、目的、安全性、中立性が確保された上での教育の一環であるという考え方は、共通していると思う」と述べた。
沖縄県は平和教育の基本的考え方として、①憲法および教育基本法の精神に基づき、生命の尊重、個人の尊厳を基本とする②国際社会の一員として、国際社会に生きる態度を養い、国際社会の平和に貢献しうる資質を育成する③他人の立場を理解し、思いやりの心、寛容の心を育成する④沖縄県の歴史的特性に基づき平和を尊ぶ心を育成する-としている」
(産経4月10日)
辺野古移設現場を研修旅行で見学「沖縄県の平和学習の考え方と共通」 玉城知事が認識示す - 産経ニュース
これは献花に行く10日ほど前の発言で「同志社高校の研修は沖縄県のものと一致している」と断言しています。
つまり同じ穴のムジナであるとみずから認めているわけです。
ここでデニー知事は、犠牲者まで出した辺野古転覆事故のようなことは「平和教育は憲法と教育基本法に基づいたものだ」と言い切っていることになります。
それを完全に否定したのが、5月22日に公表された文科省調査報告書だったというわけです。
だから自己保身に走ったのです。
沖縄県はこの死亡事故を引き起こした反対協議会がした「平和教育」に多額の税金を投入してきました。
沖縄県は「平和教育」だけを独立した科目にしているわけではなく、いくつかの予算に分散しています。
まず、県教育委員会の教育費予算の中の「平和教育推進関連事業」ですが、これは戦後80周年に合わせた平和教育推進事業や平和教育フォーラム、出前授業などが計上されています。
戦後80周年平和祈念特設ページ|沖縄県公式ホームページ
次に、県知事部局の「平和・人権」「戦後80周年平和祈念」などの施策があります。
平和祈念事業、平和祈念資料館の展示更新、国内外に向けた平和啓発プロモーションなどが含まれています。
沖縄県教育年報_令和7年度版(令和6年度の実績)
また学校現場の平和教育は、教育費として別途に沖縄戦や米軍基地問題などを扱う授業・研修旅行への支援しています。
旅費や教材などは学校や市町村教育委員会の教育費の中で賄われ、県教育委員会は指導資料作成や研修会、ワークショップなどで支援しています。
このように「平和教育」あるいは「平和運動」への支出は分散されているために数字に判明しずらいですが、億単位の税金を投下していると推測されます。
つまり沖縄県は、反対協議会と同一のイデオロギーを持ち、その「平和教育」にもカネを出してきたスポンサーなのです。
だから、その責任から逃げ続けてきたのです。
亡くなられた武石知華さんのお父上はnoteでにこう記しています。
この記事には幼い日の知華さんの写真が添えられていました。
その姿は真摯に学ぶ彼女の姿を止めています。
「沖縄や辺野古という場所は、平和、戦争、命、歴史、基地、環境、国防、日米関係、地政学といった、様々な現在進行中の課題を肌で感じることができる場所です。もし学校教育の一環としてここを訪れるのであれば、これらを多面的に考える場が提供されるべきかと思います。しかし、どちらか偏った情報を一方的にインプットされるのであれば、それはもはや「平和教育」ではありません。そのような場に、研修旅行と称して生徒を連れて行くべきではありません」
沖縄研修旅行の異質さ 2|辺野古ボート転覆事故遺族メモ
この言葉にデニー氏はどう答えるつもりでしょうか。
一生に一度くらい正面から向き合ったらどうですか。
そう思って、冒頭のデニー知事の「文科省調査報告は踏み込みすぎ」という台詞を聞くと、この事件に踏み込むと出てくる「黒幕」は自分の県政だからという影の声が聞こえてきそうです。
米国とイランの休戦協定は大詰めであることは確かなようです。
「トランプ米大統領は23日、イランとの戦闘終結に向けた合意が「まもなく発表される」との認識を示した。合意内容の大部分について交渉は終わったとして「ホルムズ海峡は開放されるだろう」と主張した。
自身のSNSに投稿した。サウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)など中東諸国の首脳とイランと交わす予定の覚書について電話協議したと明らかにした。現時点で「最終的な詳細を協議している」と書き込んだ。
電話協議の相手についてはサウジとUAEのほか、カタール、トルコ、エジプト、ヨルダン、バーレーン、パキスタンの首脳を挙げた。これとは別に、イランとの戦闘を主導したイスラエルのネタニヤフ首相とも電話し「とてもうまくいった」と言及した。
トランプ氏の「ホルムズ海峡が開放される」という主張について、イランの革命防衛隊に近いファルス通信は現地時間24日、事実ではないと伝えた。戦闘終結に向けた合意が成立した場合でも、イランがホルムズ海峡を引き続き管理下に置くと主張した」
(日経2026年5月24日)
トランプ氏、イランとの合意「まもなく発表」 覚書を調整 - 日本経済新聞
いままでなんどとなくトランプの「交渉は終わった」という言葉にふりまわされてきましたが、今回は息子の結婚式にも出ずにホワイトハウスにいると言ったことで、おおっとなりました。
たしかにいくつかの兆候が現れています。
5月22日、米国も認めた上でカタールの交渉チームがパキスタン入りしました。
ここでカタールというコウモリ外交の国が顔を出したのは面白いといえます。
テヘランでのカタールチームの会談;トランプは息子の結婚式を欠席して首都に留まると言っています。タイムズ・オブ・イスラエル
カタールはひとことで言えばヌエ、コウモリ国家です。
ハマスを支援してその指導者の豪邸まで構えさせており、その繋がりでイランとも関係を持っています。
それが原因でイスラエルがハマス残党を爆撃し、カタールの政府関係者にも死亡がでました。
これはイスラエルの戦略ミス、有体に言えばやりすぎというべきで、これで湾岸諸国の対イスラエル感情は冷え込みました。
その一方、カタールは米軍基地も設置させており、そのためにイランはカタールへの攻撃もようしゃなく行い、天然ガス施設に被害が出ました。
そのために仲介の場にカタールは登場しなくなっていますが、今回、再び仲介役を買ってでたわけです。
ここでカタールが首を出したのには理由があります。
おそらく(推測の域を出ませんが)現時点で交渉の眼目は、 イランの凍結資産の解放がテーブルに乗っている可能性が高いと言われています。
解放に時間がかかる場合、カタールは120億ドル(60億ドルはカタールの銀行に凍結中)をイランに支払い、解放手続きを進めるとされています。
これが最大の米国がイランに与えた飴で、この飴を振り出す役割がカタールです。
また核濃縮については、停止期間を10年、15年、あるいは20年とするのかで決着がつかないようです。
すでに60%濃縮済みのウランは400キログラムあるので、これをどうするのか、イランに残るとすればIAEAの査察と監視下に置かれ、中国やロシアというイランと親しい第三国に行くという案もあるようです。
ただし中露に保管を委託なんていう折衷案をトランプが飲むかどうか、はなはだ疑問です。
あとはホルムズ海峡の「管理」問題ですが、イランはすでに法律を作って行政化し、通行料の支払い方(仮想通貨を使うそうですが)や窓口まで作っています。
これを認めるのかどうか、これは革命防衛隊の最後の意地みたいなものですから、案外がんばっているのかもしれません。
核とホルムズ海峡でイランを黙らせないと交渉は終わらないということです。

辺野古転覆死亡事故について文科省の調査報告がでました。
明確に同志社国際高校の「研修旅行」は「政治的活動」であって、教育基本法第14条第2項 違反であると指摘しています。
「沖縄県名護市辺野古沖で船が転覆し、研修旅行中だった同志社国際高校(京都府)の生徒らが死傷した事故で、文部科学省による調査の結果概要が21日、わかった。生徒たちは同校教員から、乗船の目的について「基地建設とそれに反対する人が対峙 する『現場』を見ること」と伝えられていたとした。
同日開かれた参院文教科学委員会理事会に概要を示した。関係者によると、同校は2015年から18年にかけて、辺野古への米軍基地移設工事に反対する辺野古テント村への訪問を研修旅行の一部コースで実施。その際、現地ガイドの依頼を受け、生徒向けのしおりに「ここでの闘いは『座り込み』です。私たちの行動に賛同いただける方は、まず一緒に座り込んでください」と記載していた」
(読売2026年5月22日)
辺野古沖転覆、乗船目的について教員が生徒に「基地建設と反対の人の対峙する現場見る」…文科省調査 : 読売新聞
抗議船に生徒たちを乗せた目的について「基地建設とそれに反対する人が対峙 する『現場』を見ること」だという生徒の証言がでてしまったようです。
こんな証言が出てしまっては投了です。
もはや学校教育とは名ばかりの左翼運動への参加の強要といってよいでしょう。
いままで西田校長はこう言っていたはずです。
「事故後SNSでは同校を巡り「左に偏った学校」「親もそういう活動をしているのでは」といった書き込みがあり懸念する保護者もいた。
これらの意見に対し西田校長は「そういう認識を世間に与え申し訳ないが、どちらかに偏った指導はしていない」「学校としてもう一度検証しないといけないが、大きな非があった、瑕疵(かし)があったということではなく、金井先生の平和を愛する部分を信頼して選んだ」と繰り返し説明した」
(産経3月27日)
同志社国際の紛糾保護者会「船長」「思想」に質問殺到 「平和愛する部分を信頼」と釈明 - 産経ニュース
また西田校長は、金井船長に無条件で委託したことについてこうも言っています。
「保護者の女性は「金井さんにどうしてそこまで信頼を寄せていたのか」と質問。西田校長は「キリスト教の中では平和活動家として名の通った方。その先生のプログラムなら、と調査もせずに信じて乗せてしまった」と釈明したが、別の保護者は「プロではなくボランティアの船。プログラムの設計自体に欠陥がある」と指弾した」
(産経前掲)
キリスト教業界で名の通った「平和運動家」だから信じて、全権委任し、付き添い教師たちは共に乗船するどころか岸辺にも行かなかったために、海保への救難要請は生徒が自ら行い互いに励まし合って荒海を泳いで岸辺に辿りついていたのです。
当然、事故現場にいるべき学校の姿は見えず、もうひとりの共産党員の船長もなんの救助活動も放棄したのですから、犠牲者がひとりであったことが幸運にも見えてきます。
そして「研修旅行」と称していながら、その「研修内容」は左翼反基地運動そのものであり、抗議テントですわり込みすらさせていたに至っては言葉を失う偏向です。
父兄が「左に偏った学校なのか」と悲痛な声を上げて当然であって、教育の枠を大きく逸脱しています。
「沖縄県名護市辺野古沖で船2隻が転覆して平和学習中だった同志社国際高(京都府)の女子生徒ら2人が死亡した事故で、文部科学省は22日、学校側に対する調査結果を公表した。結果では、同校が実施した平和学習が「政治的活動」に該当し、教育基本法違反だとした。松本洋平文部科学相は22日の閣議後記者会見で明らかにした」
(産経2026年5月22日)
辺野古転覆、同志社国際実施の平和学習は「政治的活動」に該当 文部科学省が調査結果公表 - 産経ニュース
しかもこのような左翼政治活動を10年前から9回もやってきたというのですから、学校側は言い逃れできません。
亡くなられた武石知華さんの父親は、この文科省報告書に対して22日、noteにこう記しています。
「内容を全て読みました。しっかりと追求していただいたことにまずは深く感謝を申し上げたいです。全容解明や再発防止に向けて大きな前進となるものだと思っています。
安全管理の面では、学校側の様々な安全管理不備を「著しく不適切」と認定し、学校および学校法人の責任を極めて重いと明示しました。行政がここまで踏み込んだ表現で学校の安全管理を断じたのは、生徒の安全をそれだけ重くみている意思の表れだと思います。
加えて文科省が京都府とも連携し、 保護者等への説明責任等も求めながら、検証を進めていくとした通り、今後も検証が続けられることを望んでいます」
文部科学省の報告について|辺野古ボート転覆事故遺族メモ
知華さんのご冥福を改めてお祈りします。
彼女はこんな場所で、こんな死に方をしてはいけなかったのです。
トランプの後を狙うようにしてプーチンが訪中しました。
常々ヒッキーで身内の粛清に血道を上げているせいか、外交がお好きとも思えない習大人もお忙しいこと。
「5月20日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は19日、中国・北京に到着した。20日に習近平国家主席と会談し、両国の揺るぎない結束を確認すると見られる。
プーチン氏は19日深夜、北京の首都国際空港に到着し、中国の王毅外相らによる出迎えを受けた。
20日には歓迎式典に出席し、習氏との首脳会談に臨む。会談後、共同声明に署名する予定。両首脳の対面での会談は去年9月にプーチン氏が中国を訪れて以来。
今回の会談は、先週行われたばかりの米中首脳会談に続いて開催されるもので、ロシア側の声明によると、プーチン氏と習氏は両国の戦略的パートナーシップを強化する方法や「主要な国際および地域問題について意見交換」を行う予定だ。
訪問に先立ち、プーチン氏はビデオメッセージで、両国関係が「真に前例のないレベル」に達しており「ロシアと中国の緊密な戦略的関係は、世界的の安定化に大きな役割を果たしている。我々は平和と普遍的な繁栄を追求している」と述べた。
中国外務省の報道官は19日、プーチン氏の訪中を歓迎し、「中国とロシアの永続的な友情」を強調した」
(AFP5月20日)
プーチン氏、北京到着 20日に中ロ首脳会談 揺るぎない結束アピールへ 写真7枚 国際ニュース:AFPBB News
AFPの記事を読んだだけでは、プーチンがなにしに行ったのかまったくわかりません。
首都が爆撃にさらされているのに、国を開けていいんでしょうか。
「国際情勢は複雑に絡み合った混乱と変革に特徴づけられており、一方的な覇権主義の潮流が横行している」。習氏はそう語った。これは中国政府の典型的な言い回しで、米国による外交政策を行き過ぎと見なす際に用いられる。
中国国営メディアによると、習氏はこうした状況を踏まえ、中国とロシアは「包括的な戦略的協調」を強化すべきだと述べた。
習氏はまた、米国とイスラエルによるイランとの戦争に直接言及し、その「早期終結」がエネルギー供給、サプライチェーン(供給網)、貿易への混乱を軽減するのに役立つと主張した。
習氏とプーチン氏は近年、貿易、外交、安全保障の分野で両国の連携を大幅に強化してきた。背景には米国との摩擦の共有と、世界秩序の再構築を目指すという共通目標がある。中ロは現状西側諸国が世界を不当に支配しているとの認識を抱いている。
プーチン氏は冒頭の挨拶(あいさつ)で、中ロ関係は「かつてないほど高いレベル」に達しており、「国際舞台における主要な安定化要因」の一つだと述べた」
(CNN5月20日)
習氏、訪中のプーチン氏を盛大に歓迎 米国を暗に批判も - CNN.co.jp
中国やロシアに「覇権主義の横行」なんて言われたくありませんが、彼らから見れば「米国の行き過ぎ」によって世界秩序が揺らいでいるという認識なようです。
強いて言えば中露同盟の再確認と石油ビジネスかもしれません。
今この時期と言うならば、イラン戦争しか考えられません。
イラン戦争は後効きしてくる戦争なようで、イランが卑劣にもホルムズ海峡を人質にとったことで中東の局地戦から世界経済に直結する性格に変化しました。
イランの石油タンクはすでにお漏らしをし始めており、耐えられるのはせいぜいが5月一杯だと見られています。
あとは「神州不滅・一億総特攻」を掲げる革命防衛隊が国を滅ぼすまで戦う「だけ」のことです。
そういう意味ではイランは「負けない」のです。
ただし、仲介に入った国はそういうわけにはいきません。
仲介の労をとったパキスタンはまともに戦争の影響を受け、カタールからのガス停止によって大規模な電力危機に陥っています。
パキスタンの背後にいる中国も同様で、中国の経済成長を支えてきたイランからの安い油が途絶しました。
ただでさえデフレに突っ込んでいる経済は、これでは回復しようがありません。
一方、ロシアは大砲の弾や戦車を大量生産して一時的には戦時景気にわいたのも過去の話。
いまや国庫は空ッポ、明日の戦費にも事欠き、首都モスクワ近辺だけが安全圏にいた特権的市民もついに戦火を浴びることとなりました。
もはやなにかを売ってカネを作るしかないわけですが、ロシアには売れるものが石油くらいしかない。
一般の国は経済制裁やぶりですから、2次制裁を恐れてロシア産原油や天然ガスには手を出しませんが、年来の友人であり、「包括的戦略協調」を謳う中国ならひょっとして商談が出来ると思ったのでしょうね。
中国の国外からの天然ガスパイプラインは現在3つのルートが稼働中です。
さらに2つが計画中で、そのうちロシアからが3つ、その他が2つです。
・稼働中のもの
①「中国カザフスタン(中央アジア)線」
②「中国ミャンマー線」
③「中国ロシア東線」(ロシア名:「シベリアの力」)
・計画中のもの
①「中国ロシア極東(サハリン)線」
②「中国-モンゴル-ロシア線」(ロシア名:「シベリアの力2」)
経済的可能性としては有望です。
ロシアは有り余って売れない石油、天然ガスを抱え、中国は中東原油の先行きが怪しくなった今、買ってもいいと思っているはずです。
「ロシア側からすると、天然ガスの対ヨーロッパ供給が今後、不安定化する可能性が高く、諸外国からの経済制裁で苦しむ中、成長途上の大口需要先である中国への輸出を増やしたい思いは強いはずだ。「シベリアの力2」を積極的に進めたい思惑があるのは間違いない。中国の側でも、現時点ではロシア産天然ガスが輸入全体に占める比率は低く、調達先多様化の観点からもまだ増やす余地がある。その点で、ロシアと中国の天然ガスの取引は拡大していく可能性が高い。海上輸送によるLNGの輸入を増やす可能性もある」
(田中信彦)
中国とロシアをつなぐ天然ガスパイプライン ウクライナ戦争で「漁夫の利」はあるのか 次世代中国 | NEC wisdom | ビジネス・テクノロジーの最先端情報メディア
ただし新しいパイプラインの建設には長い時間と多額の投資が必要で、明日あさってという性格ではありません。
ここで米国に妙な対抗心を燃やして「シベリアの力2」構想に前のめりになるとどこでつまづくかわかりません。
だから気分は大いに盛り上げても、具体的商談となるとムニャムニャとなるのでないでしょうか。

国交省が辺野古転覆事故の金井船長を刑事告訴する方針であることがわかりました。
当然のこととはいえ、やっと告訴に至りましたか。
この事故は司法の裁きの場に持ち込まないと、どうにもならない所にきていました。
運営側の反対協議会も同志社高校側にも誠意ある当事者意識が欠落して、言を左右しており、メディアはこの事故の風化を企んでいるからです。
「沖縄県名護市辺野古沖で小型船2隻が転覆し、同志社国際高(京都)の女子生徒ら2人が死亡した事故で、船を無登録で運航したとして、国土交通省と内閣府沖縄総合事務局が海上運送法違反容疑で、死亡した金井創船長(71)を中城海上保安部(沖縄市)に刑事告発する方針を固めたことが20日、関係者への取材で分かった。
海上運送法は、旅客定員が12人以下の小型船を利用するなどし、他人の需要に応じて人を運送する「一般不定期航路事業」を営む場合、国への登録を義務付けている。
国交省などは、無償か有償かを問わず、船の運航を事業として登録すべきだったと判断したとみられる。無登録事業者には1年以下の拘禁刑などの罰則がある。
市民団体「ヘリ基地反対協議会」は、生徒らを乗せ運航したことについて「ボランティアで、事業としてやっているわけではない」と主張し、国への登録は必要ないとの認識を示していた」
(時事5月20日)
死亡した船長を刑事告発へ 海上運送法違反容疑で 辺野古転覆(時事通信) - Yahoo!ニュース
それにしても協議会側がいまだ「ポランティアであって事業ではない、だから海上運送法の事業登録はいらないのだ」と言っていることに改めて驚きさえ感じます。
この人たちはなにひとつ学んでいないし、なにひとつ反省もないのです。
海上運送法では、他人の要望に応じて人を運ぶ場合、転覆した2隻のような小型の「非旅客船」であっても「内航一般不定期航路事業」に該当し、国への登録が義務付けられています。
しかも刑事告訴された金井船長は事故前に、高校側と運航についての連絡を取り合ってスケジュール化していました。
決してこれが初めてのことではなく、国交省は2隻の運航実態が反復継続されており、事業としての運送事業が実施されていた証拠として告訴の重点に置いていました。
「反省」などという高尚なものは求めませんが、せめて死亡事故を起こした当事者として法的責任と向きあったらどうなのですか。
メディアは磐越自動車死亡事故については連日過熱報道をしていますが、辺野古事故との相似性には触れようともしません。
磐越死亡事故では、バスと運転手の手配をめぐり、学校側とバス会社側の説明は明らかに食い違っています。
貸し切りバスではなくレンタカーを使用し、いわゆる「白バス」運送の実態が浮上しています。
そして学校側も「白バス」だと知って児童を預けたたのです。しかも付き添い教師も付けずに。
つまり学校側、バス会社側、双方の対応がきわめて杜撰で、「誰が安全を確認していたのか」がわからなくなってしまっているわけです。
学校側は、教育の一環である部活動遠征でありながら、バスの運行形態、運転手の資格・雇用関係、引率体制、契約内容を確認使用とせず、自動車会社も無免許の白バスに免許返納をもうしでている運転手を乗せたというのですから話になりません。
これは偶発的なミスによる事故ではなく、組織的な安全管理の失敗がもたらした人為事故です。
これって、亡くなった犠牲者が前途ある高校生だったことも含めて、辺野古死亡事故とまったく同じ文脈じゃありませんか。
さて、事故から約1カ月後の4月18日、琉球新報などが企画・運営する平和ガイド育成講座「沖縄戦の記憶継承プロジェクト 戦争をしない/させないために」で反対協議会の浦島代表はこのように発言し、その音声データをもとにして産経はこう報じています。
「3月16日の事故当日については「実は修学旅行の生徒たちが海に出るというのは知らなかった」と振り返り、「海上チームにお任せしていた」と釈明した。
事故当日、現場海域には波浪注意報が発表されており、「明らかに白波が立ち、危ない状態」(捜査関係者)だった。事故で抗議船「平和丸」に乗っていた武石さんと「不屈」の船長が死亡し、生徒12人と乗組員2人の計14人が負傷した。
浦島氏は勉強会で「波浪注意報が出ているから出航してはいけないということはない」との認識を示し、「冬場はずっと(波浪注意報が)毎日出ている。2、3カ月の中で出ない日が1日か2日」と指摘した」
(産経5月4日)
「間違いが流布」 辺野古転覆、抗議団体代表が事故後に平和ガイド育成講座で講演 - 産経ニュース
まさにあきれ果てたとはこのことです。どうしてすぐにバレる嘘をつくのでしょうか。
そもそも浦島代表はいったいどこの「海人の証言」を聞いてきたのか。
名護漁協辺野古支部 川上将吾支部長は明確に「だれひとり漁業関係者で聞かれたものはいない」と明言しています。
客観的データで、当日は波浪注意報が発令され川上支部長によれば、うねりがすごくしぶきが沖の長島を越えるほどで、実際には波高3~5mあったと推測しています。
事実、漁協は一隻の船も出していません。
また生徒たちはこの3メートルもの波浪の中、幅43センチという細い防波堤の上を歩いて船に乗り込んでいました。
そしてその船も定員一杯に詰め込まれており、救命胴衣の使い方のレクチャーもなされませんでした。
非常識の上に非常識を積み重ねていたのです。
「海人の証言は噓」辺野古転覆、抗議団体の発言を漁業者が否定 事故当日「うねりすごく」 (産経新聞) - Yahoo!ニュース
また反対協議会は「謝罪はしている」と言いながらその内容はこうです。
「また、産経新聞や「右派的な週刊誌」が「ちょっとしたことに尾ひれはひれをつけて、違う方向に持っていって報道している」と批判。勉強会の参加者に対し、「そういう報道に接したときには、うのみにするのではなく、考えてほしい」とも呼びかけた。
冒頭で「事故で心配をかけている」と詫びた上で「私たちは学校やご遺族に謝罪の申し入れをしているが、実現していない中でいろいろなことに追われている」「皆さんから励ましを励みにこの苦境を乗り越えていきたい」「悪意に基づく虚偽情報が本当に山ほど流されている」「これは違うよということをお伝えしたい」というところから語り始めています」
(産経5月4日)
「間違いが流布」 辺野古転覆、抗議団体代表が事故後に平和ガイド育成講座で講演 - 産経ニュース
浦島代表は、事故当日について「実は修学旅行の生徒たちが海に出るというのは知らなかった。海上チームにお任せしていた」と釈明するのですが、その海上チームのリーダーだった金井船長は死亡し、もうひとりの共産党員の船長も取材拒否している現状では、死人にすべて責任をなすりつけるといわれても致し方ないでしょう。
またデマや中傷を流されていると言いますが、仮にデマがあるというならば被害者ヅラをする前に、もう少しまともな記者会見を開いたらどうなのですか。
現在、反対協議会や同志社国際高校が厳しい批判にさらされているのは故無きことではありません。
いままでなんどとなくやってきた「平和学習」なるものが著しく政治的公平を書いた偏向した内容であったこと、そしてその内容も生徒達を抗議船に乗せるという一線を超えたものだったからです。
そして全ての行程に渡って誰が生徒達の安全を確保する義務があったのか、誰がその責任を果たすべきだったのか、そして事故が起きた場合どこが責任を引き受けて説明責任を果たし、補償を行うのか、その原資は用意されていたのかなどすべてにグズグズだからです。
こういう浦島氏の言説を聞いていると、まだ彼らは事故がなぜ起きたのか、今何をすべきなのかわからずに「天国のお二人も基地のない島を願って今日も見守って下さっているのです」といったグロテスクなファンタジーに逃げ込もうとしているとしか思えません。
今回の辺野古ボート転覆事故において奇怪なことは、メディアが意図的にスルーしていることです。
京都府南丹市の男子殺害事件では連日洪水のような報道を流しながら、辺野古事故にはわずかに申し訳程度の報道をするに止まりました。
なぜでしょうか。理由は単純です。
メディアがヘリ基地反対協議会の良き理解者、いや同伴者だったからです。
地元2紙である琉球新報、沖縄タイムスなどはオール沖縄の一角の勢力だったほどです。
それに疑問を呈し、反基地運動の暴力化に警鐘を鳴らす報道も極めて少数ですが、存在しました。
たとえば2017年にTOKYO MXで放映された「ニュース女子」などです。
しかしこのような番組は、直ちに反基地運動側の提訴に合って「重大な放送倫理違反」とされていしまいました。
たとえは提訴を受けたBPOが2017年の報告書全体で述べていることは、要はこうです。
「暴力はなかった。危険な状況ではなかった。救急車は問題なく通行できた。日当をもらっているような人はいなかった。反対派は機動隊や右翼から差別語をいわれながらがんばっていた」
なんと既視感溢れることよ。この既視感は、BPOが沖タイ、琉新、つまりは「オール沖縄」の主張とそっくりです。
つまりは、沖縄の閉塞的言論状況をBPOが、「ニュース女子」検証という形を借りて信用の裏書きをしたということになります。
BPOがそのような左翼的バイアスに満ちた機関だとうことは、いまさらいうまでもないこと で、今それを言う意味はないと私は思っています。
それを言い出せばメディア全体がそうであって、特にBPOだけが突出してそうであるわけではないのですから。
では日当問題を考えてみます。
「③本件放送で提示された茶封筒のカラーコピーやチラシは、基地建設反対派は誰かの出す日当をもらって運動しているという疑惑の裏付けとなるものとは言いがたい。これらの内容は、他のマスコミが報道しない「過激な反対運動」の実像を伝えるという本件放送の核となるべきものであるにもかかわらず、それらに十分な裏付けがないままに放送された点で、本件放送には放送倫理上の問題が含まれていた」
(BPO報告書Ⅴ 考査に対する検証)
https://www.bpo.gr.jp/wordpress/wp-content/themes/codex/pdf/kensyo/determination/2017/27/dec/0.pdf#page=14
やれやれ、BPOからやはり言われてしまいましたね。
あんな拾った茶封筒はなんの証拠にもならないのはわかりきった話です。こんなものを取り上げて、ことさら意味があるが如く放映してしまう神経に驚かされます。
「ニュース女子」は「金をもらって動員されてきた連中が多くいる」、ということを言いたかったのだと思います。
「ニュース女子」は運動がすべて身銭を切ってするのだけが、崇高だと思っているのでしょうか。
運動は一定規模になれば、組織動員が前提となります。
保守はそもそも運動をすることが目的ではないために、運動組織は持ちません。
よく引き合いに出される日本会議ですら、実態は懇親会と勉強会のようなものにすぎず、街頭にでることは極めて稀です。
一方左翼運動は戦前からの長い運動経験と組織を有していますから、そんなに素人臭くありません。
運動を継続するには事務局を維持せねばならず、集会は黙っていても集まらないので、動員をかけて会場までの移動の手配、弁当代、街宣車などの経費で一回の集会で、何十万、何百万という金が飛ぶことを熟知しています。
県民大会クラスだと、数千万の費用がかかるのではないでしょうか。
当然のこととして、それを維持するために多額の資金が必要で、その資金源は労働組合や左翼政党です。
沖縄では、一説で、自治労や共産党系などの政党が資金提供をしているといわれています。
辺野古や高江紛争のように長期化すれば、地元に現地事務局や小屋も必要になります。
彼らを無給で使うわけにはいかないので、生活費を支給します。

出典不明
上の写真はシュワブ前の集会風景ですが、集会の動員も、自然発生的に集まるわけではなく組織動員がなされています。

ニューズウィーク(2015年6月30日)特集「沖縄もうひとつの現実」は、こう述べています。
「陸の抗議活動は日々、さまざまな団体から動員が行なわれて維持されている。朝からマイクで労働歌や演説を繰り返しながら、各地からの動員を待つ。人数が揃うとゲート前の道を練り歩き、車の出入りを封鎖する。これを毎日繰り返すだけの大人数が必要で、組合によっては動員人数の目標を設けるところもある」
集会が設定されると、運動事務局から労組や市民団体に何人出してくれというお達しが回ってきます。
南部・中部、本土から来る参加者のためにバスを用意し、弁当を喰わせ、街宣車を回し、日当まで払うと、一体1日どれほどの金がかかるのか、想像していただきたいと思います。
闘争には莫大な金がかかるのです。
労組や政党によって動員された集会参加者には、日当と弁当、足代が支払われます。
額は幅がありますが、平均的給与である1日1万円前後ではないでしょうか。
言い方は悪いですが、組織動員で現地に来た参加者は、個人の飛び入りをのぞけば大部分がアゴアシ付きです。
「ニュース女子」が放映した「茶封筒」は、たぶん上の時のものだと思われますが、そういう性格のものです。
上の写真の書き込みには「生業としてやっているなら隠すな」とありますが、特に隠してはいないと思います。
ty i a;j宇に動員はつきもので、悪いことだとはまったく思っていないはずです。
もちろん集会に参加している人の中には、「生業」でやっているいわゆる運動家、あるいは専従という職業的左翼運動家たちも多くいます。
前掲のニューズウィークは、辺野古のいわゆる「外人部隊」についても報じています。
「カヌー隊で海上抗議行動を連日行なうH(※原文は本名)もまた、労組によって本土から派遣されたひとりだ。もともとは大阪の生コン運転手。建設運輸関連の組合から各地の平和・反核運動に動員され、辺野古には昨年は計1か月間、今年は正月開けから8月末まで派遣されているという」(前掲)
ここで出てくる「大阪の生コン労組」とは、あの有名な過激労組の「関西生コン」です。
ここに登場する人は、正月明けから8か月間、累積約9か月間も現地で暮らして運動をしています。
もちろん9か月も会社を休めるはずもありませんから、とうぜん職業として左翼活動しています。
専従は給料と同等の賃金が貰える上に、「現地」での生活費や活動費も加給され、時には危険手当さえもつく悪くない仕事のようですが、単身での現地暮らしも楽ではないでしょうね。
この記事に出てくる生コンの運ちゃんも、毎日こんなすさんだ暮らしをしていると、元の実直な勤労者に戻るのはむずかしいかもしれませんがね。
このような労組や政党によって動員された人たちが、大量に高江や辺野古に向かいました。

岩上安身氏のツイッター
上の写真は岩上安身氏のツイッター(2016年8月7日)に載せられた写真ですが、このように説明してあります。
「県外からきてくれた人、手を挙げてください」という山城氏の呼びかけに応えて挙手する参加者の方々。18時からの集会が本番。まだまだ増える見込み」
恒常的な統計数字はありませんが、高江紛争の主役が県外者、俗に言う「外人部隊」である時期が長期間続いたのは紛う事なき事実です。
これを、メディアは「地元住民」と画一的に報じていますが、それは「住民の野自発的意志による反対運動」に見せかけたい印象操作にすぎません。
それを暴力で弾圧する国家権力、という図式です。
沖タイ
上の写真は沖タイ(2016年7月23日)ですが、「平和を叫ぶ市民を国家権力が暴力で排除した。これは殺人行為だ」と報じています。
地元紙や全国紙などのメディアは、このような衝突の背後にあるものを意識的にスルーしています。
そしてこんな基地反対運動の実態を知らないはずがないBPOも、そ知らぬ顔をして「茶封筒のカラーコピーやチラシは、日当をもらって運動しているという疑惑の裏付けとなるものとは言いがたい」とシャラと言ってのけたわけです。
辛淑玉氏が名誉棄損をさけぶなら司法に提訴すればよいものをあえてBPOを選んで提訴したのは、弁護人ぬき裁判ができるからであり、なによりもBPOがシンスゴ氏のよき理解者だからです。
当時、反基地運動の暴力化を報じた「ニュース女子」の報道自体は、辺野古ボート転覆事故を予見するものでした。
しかしそれはメディアの偏向のために「誤報」で葬られてしまったのです。
あまり日本では報じられていませんが、ウクライナがモスクワを爆撃しました。
なんとモスクワを襲ったウクライナのドローンはその数500機の猛爆でした。
プーチンは首都モスクワも守れないと非難されてメンツ丸潰れです。
「(CNN) ロシア国営タス通信は17日、地元当局者や軍関係者の話として、ウクライナが夜間に500機を超えるドローン(無人機)でロシアを攻撃し、首都モスクワ近郊で少なくとも3人が死亡したと報じた。
タス通信が市長の発表をもとに報じたところによると、モスクワへの攻撃は「ここ1年あまりで最大」規模となった。ロシアは今週、ウクライナの首都キーウを狙った大規模攻撃を相次ぎ実施。ウクライナ当局によると、一連の攻撃で少なくとも25人が死亡、数十人が負傷していた」
(CNN2026年5月17日)
ウクライナがモスクワへ大規模攻撃、3人死亡 ロシア国営メディア「ここ1年あまりで最大」 - CNN.co.jp
これはキーウ空襲に対する報復だとゼレンスキーは宣言しました。
「ロシアの侵略を受けるウクライナのゼレンスキー大統領は17日、ウクライナ軍が露首都モスクワや近郊への大規模な長距離攻撃に成功したとし、「戦争は『母港』に戻っている」と述べた。攻撃は13~14日にかけた露軍の大規模攻撃によりウクライナの首都キーウで24人が死亡したことなどに対する報復だったとした上で、「他国に侵略戦争を仕掛けるべきではないというシグナルだ」と指摘した。
今回の攻撃について、ウクライナ軍参謀本部とウクライナ保安局(SBU)は17日、ロシアの軍需施設や原油精製施設などを標的としたと発表。攻撃にはウクライナ製のミサイルを使用したとも説明した。地元メディアが伝えた」
(産経5月18日)
ゼレンスキー氏「戦争が『母港』に戻った」 モスクワへの大規模長距離攻撃で声明 - 産経ニュース
ゼレンスキーはいみじくもこう言ってます。
「ロシアによる戦争の長期化と都市やコミュニティへの攻撃に対する我々の対応は完全に正当化されます。
今回はウクライナの長期制裁がモスクワ地域に及び、我々はロシアに明確に告げています。彼らの国家は戦争を終わらせなければなりにしなければなりません。
ウクライナのドローンおよびミサイルメーカーは引き続き活動を続けています。私はウクライナ保安局およびウクライナ国防軍の精密さに感謝します。ウクライナ国境からの距離は500km以上です。モスクワ地域におけるロシアの防空の集中度は最も高いです。しかし、私たちはそれを乗り越えつつあります。ウクライナに栄光あれ!」
XユーザーのVolodymyr Zelenskyy/ X
ロシアはメンツにかけてモスクワを絶対守備圏としてきました。
他の都市など無視し、防衛産業インフラ地帯ですらスカスカの防空のまま放置し、最新の防空システムで十重二十重にモスクワを守っていたのです。
ですから、去年夏頃から軍需工場や石油基地はやられ放題。ウクライナ軍のドローンがなんの抵抗もなく爆撃していくのが動画に残されています。
「[キーウ 11日 ロイター] - ウクライナは11日、ロシア西部モスクワ州の戦闘機工場とトゥーラ州のミサイル製造施設へのドローン(無人機)攻撃により、両施設で爆発と火災が発生したと発表した。
ウクライナ軍によると、これら施設ではミグ戦闘機や対空ミサイルが製造されていた。
一方、ロシア国防省は、モスクワに向かっていた11機を含む計155機のウクライナのドローンを撃墜したと発表。トゥーラ州のミリャエフ知事はテレグラムへの投稿で、同州へのウクライナ軍の攻撃で1人が死亡、1人が負傷したと述べた」
(ロイター2025年7月12日)
ウクライナ、ロシア西部にドローン攻撃 戦闘機・ミサイル工場標的 | ロイター
【オピニオン】ロシア領内深くを攻撃するウクライナ - WSJ
ウクライナのドローン爆撃によって対独戦勝利記念日はボロボロにされ、今回の「モスクワは爆撃」でメンツを徹底的に叩き潰されたプーチンは、今以上に防空アセット(資産)をモスクワに集中させることでしょう。
いままでは国境からわずかな地域のみを防空していればよかったのが、一気に自国領内最深部までウクライナの爆撃範囲に入ってしまったのですから。
すると他の地域はいっそうザルとなるわけですが、頭に血が昇っているプーチンはそうするでしょうね。
その結果、いっそうウクライナ侵攻軍は戦車が足りない、迎撃ミサイルが足りない、砲弾が足りない、兵員が足りないというないない尽くしに陥ります。
さぁ、いつまで侵略軍を他国に置いていられる余裕があるのでしょうか。
一方ウクライナはドローンの迎撃において世界一の能力を獲得しています。
いまやキーウを攻撃に来るロシアドローンの9割は撃墜されるというノウハウがあります。
たとえばロシア軍が大量に使用しているイラン製シャヘドに対して、ウクライナはそのほとんどを迎撃できています。
「ロシア軍が用いるシャヘドは、もともとはイランから輸入されていたが、ライセンス契約のもと、西部のタタールスタン共和国エラブガ(タタール語・アラブガ)にある巨大な新工場での国内生産分が増えている。シャヘドの設計は過去2年で改良されてきたとはいえ、基本はほとんど変わっていない。翼幅約2.5mのプロペラ駆動式ドローンで、時速約180kmで巡航し、45kg超の弾頭を搭載する。低コスト以外でシャヘドの大きな強みは1600km超という射程(航続距離)の長さで、最長で3300kmに達する可能性がある。
ロシア軍は通常、一度に最大30機のシャヘドを発射する。ウクライナ側は、ネットワーク化された何千ものマイクでシャヘド特有の草刈り機のようなエンジン音を聞き分け、探知している。そして、目標に到達するまでの数時間の間に、重機関銃や機関砲を装備した対ドローン機動部隊が配置につく。多くのシャヘドはこうした部隊や地対空ミサイルシステムで迎撃されていて、カスタマイズされた電子戦(EW)システムでコースをそらされたり、墜落させられたりする場合もある」
(フォーブス2024年8月14日 )
ウクライナの長距離ドローン攻撃数、ロシアを初めて上回る | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)
これを活かして、ウクライナの民間企業がドローン迎撃技術を自由世界に輸出しようという動きすらあるほどです。
「ウクライナ戦争は、同国をドローン(無人機)迎撃技術の先駆者へと押し上げた。中東紛争はウクライナにとって、この技術を世界展開できるか否かの分かれ目となる可能性がある。
ウクライナのゼレンスキー大統領は週末、ドローン迎撃システムとノウハウを売り込むため、イランによるドローン攻撃の標的となった湾岸諸国を歴訪した。
ゼレンスキー氏は先週ロイターのインタビューで「ウクライナは中東では得られない専門知識を提供している。専門知識とはドローンそのものだけではなく、ドローンを防衛の一部に組み込むスキルであり、戦略であり、システムのことだ」と語った。
実際、ウクライナはここ数日でサウジアラビアおよびカタールと協力枠組み協定を締結し、アラブ首長国連邦(UAE)とも協定交渉中だと明かしている。ゼレンスキー氏は、武器販売は政府レベルで決定すべきことだと強調し、自国の企業が顧客と直接交渉しないようくぎを刺した。
ウクライナのドローン産業は輸出の解禁を今か今かと待ち望んでいる」
(ロイター2026年3月31日)
焦点:ウクライナ、ドローン迎撃技術輸出の好機 中東紛争で需要 | ロイター
イランのドローンにさんざん被害にあったUAEとはすでに商談が進んでいるとか。
中国のウンカのようなドローンと戦ねばならないわが国もぜひ導入したいものです。
ころんでもただ起きないウクライナのしぶとさが戦局を換えようとしています。
台湾について米中首脳会談でどう話合われたのでしょうか。
中国側がうるさがられるほど大量に「台湾」「台湾」を連呼したことは確かなようです。
新華社電子版はこう伝えています。
「習近平は台湾問題が中米関係において最も重要な問題であると強調しました。 適切に対処されれば、両国の関係は概ね安定するでしょう。 適切に対処されなければ、両国は衝突または衝突し、中米関係全体を非常に危険な状況に追い込むことになる。 「台湾独立」と台湾海峡の平和は両立せず、台湾海峡の平和と安定の維持こそが中国とアメリカの最大の共通点である」
(新華網5月14日)
習近平、米国大統領トランプ氏と会談 - 新華網
外交的なシュガーコートをはぎ取って、「適切に対処されなければ、両国は衝突または衝突し、中米関係全体を非常に危険な状況に追い込む」、つまりトランプが台湾独立を承認するそぶりなんぞしたら戦争だと言っています。
まことにぶっそうな話で、外交の場で言うこっちゃないね。
では、トランプはどう答えたのでしょうか。
サンモニの膳場アナは「二階に登ってはしごをはずされた」みたいなことを言っていたようですが、それはいつものTBS流の色眼鏡です。
今の時点で、そんなに習近平にサービスする必要をトランプは認めていません。
結論からいえば、スルーしたのです。「台湾」の「タ」の字も口にしなかったのです。
トランプは高市首相にも「口外するな」と言っていろいろ教えてくれたようですが、FOXにはこうインタビューに答えています。
FOX
「誰も定義できないので、私たちはそれを「場所」と呼ぶことにしますが、彼らはそれが独立するのを見たくないのです。
彼らはそれをやりたくないのです。
そして、彼らはかなり厳しいことをするだろうし、それに対して厳しい報復があり、悪いことが起こるだろうと思う。そうではない。
ちなみに、昨晩は一晩中その問題について話しました。
今の私は、他のほとんどの国よりも台湾についてよく知っていると思う」
(FOXニュース)
「台湾」といわずに「定義できない場所」と呼ぶほど、笑えるほど慎重です。
これがトランプの立ち位置です。ね、ある意味分かりやすいでしょう。
トランプのウクライナとの交渉の方法は、台湾対応を考える上でも役に立ちます。
福島香織氏はトランプの台湾への立ち位置についてこう書いています。
「バイデン政権は過去に何度も、台湾が攻撃された場合、米国はその防衛に当たると公言してきました。ですが、トランプは、そういう言質を取らせないようにしています。メディアが、台湾が攻撃された場合、米国は軍隊を防衛のために派遣するか?という質問をしたとき、トランプはかたくなに、それは言わない、言ったらディールにならないじゃないか、と言っています」
(福島香織中国趣聞No1128 2025年2月23日)
つまり、米国民主党政権のように自由主義陣営としての共通の価値観を持つ台湾だから防衛するのではなく、米国にとって実利があれば支援してやらぬではないというディールに変じています。
独立容認は論外として、台湾が強く望んでいる武器供与についても、台湾がなにを取引条件に出すのか次第で考えてやってもいい、という姿勢です。
台湾の場合、トランプは台湾の対米貿易黒字が過去最高であることに常々不満を抱き、台湾が米国の半導体産業を「盗んだ」と言いがかりをつけてきました。
そして台湾製半導体製品に高関税を課し、生産拠点は米国に置くべきだと主張してきています。
今、アリゾナには大規模な工場群を台湾系半導体企業のTSMCが作っています。
「台湾積体電路製造(TSMC)は米アリゾナ州の拠点で先端半導体の生産能力を大幅に増やす。公表済みの6棟の半導体工場の建設と量産を急ぎ、新たな工場用地も取得する。AI(人工知能)向けの旺盛な需要や米関税政策を背景に、米NVIDIA(エヌビディア)などの大口顧客が集中する米国での生産を強化する。TSMCの熊本工場やRapidus(ラピダス、東京・千代田)の事業にも影響を及ぼす可能性がある。
TSMCは2026年1月8日、アリゾナ州の既存工場の近くの365万平方メートルの土地を1億9725万米ドル(約310億円)で取得すると発表した。新たに複数の半導体工場を建設する公算が大きい。同社がアリゾナ州に持つ半導体工場が10棟を超えるとの観測も出てきた」
(日経テック2026年2月2日)
TSMC、AI半導体「米国に巨大工場群」 熊本と温度差 | 日経クロステック(xTECH)
トランプ閣下、ご心配ご無用。
かつて台湾民進党は、台湾が独立すると口にした瞬間、中国が攻めてくることを知っていますから、「独立」という表現を使わず、かつ「中華民国」という国民党臭がこびりついた国名を使うことにも慎重でした。
頼新総統はその制限をあえて破って、自らを就任演説で「中華民国」と呼んでいます。
「傲慢にも卑屈にもならず、(中台関係の)現状を維持する。中国が言論や武力での威嚇を停止し、共に台湾海峡と地域の平和と安定の維持に尽力するよう求める。中台は互いに隷属しない。
中華民国(台湾)の存在を中国が直視し、台湾人の選択を尊重するよう望む。中国が民主的な選挙で選ばれた合法的な政府と対等の原則の下で、対話と交流を進めることを望む。
ただ中国に幻想を抱いてはいけない。中国は台湾に対する武力侵攻の可能性を放棄していない。中国の台湾併合の企てが消えることはない。
民主主義国家と平和の共同体を形成して抑止力を高めて戦争を回避しなければならない」
(頼清徳新総統の演説要旨 「台湾をAIの島に」 - 日本経済新聞 (nikkei.com)
つまりこれは、頼氏率いる民進党の台湾アイデンティティの現れで、もう台湾は国民党の私物ではないのだから中華民国でかまわないというのが新総統の考えです。
「国名問題に結論を出しています。中華民国じゃなくて、台湾が正名とかいう議論は些末な問題で、重要なのは民主パワーで団結すること、という立場を言明。
これで憲法問題、国名問題について頼清徳民主党政権として答えを完全に出したということです。なので頼清徳政権による国名変更も、憲法改正も当面ない、ということです。だから、国民党は台湾の政党として国家主権を守るという立場において民進党と協力、強調せよ、と呼び掛けているわけです」
(福島香織 note前掲)
そしてそのうえで中国に対して「中華民国」という現実を直視し、侵略をしないようにと呼びかけています。
まことにふてぶてしいほど大人の対応で、台湾はすでに中華民国として「独立」しているのだからあえてもう「独立」などと言う必要がないという立場です。
だからトランプ閣下、ご心配ご無用。台湾という「場所」は独立などおくびにも出しませんし、半導体企業への米国移転にも協力的です。
TSMCが熊本やアリゾナにあるほうがリスクの分散になるし、「ひとつの中国」で縛られた日米にとって経済なら支援が得られると知っていますからね。
トランプは今後も絶対に台湾を守るなど言いませんし、支援するとも言わないでしょう。
ただししないとも言わない。ウクライナに対する対応と一緒で中国と天秤にかけながら状況次第、それがトランプというビジネスマンです。
いいも悪いも、こういうヌエが合衆国大統領な以上しょうがないでしょう。
今回の米中首脳会談で妙な悲観マウントをする人が出ているようですが、違うでしょうね。
トランプは「勝った」と思いますよ。
なぜなら、余計なことを言わなかったから。
あのおしゃべりはペラペラと品性のないことを言ってしくじるのですから、それを封じていれば「勝ち」です。
黙っていれば堂々とした合衆国大統領に見えるよ、トランプさん。
心配していたG2についても、台湾についてもあれだけ誘いを掛けられても言質を与えませんでした。
その意味でイニシャチブはトランプが一貫して握っていたといえます。
習近平はともかくトラ親方の言質を取りたい、得点を得たいとガツガツした印象でした。
冒頭から中国流歓迎責めでトランプを喜ばせて丸め込みたかったようです。
エアフォースワンが北京に到着したら、韓正国家副首席がお出迎えし、ダーっとレッドカーペットを敷かれた上を歩かされて、そのすぐ脇を中国の青少年が同じ服を着て同じパーフォーマンスで踊るといういかにも権威主義国家らしいお出迎えが待っていました。
人文字の世界ですな。自由主義国家でコレやる国なんか考えられません。
高市さんがやったらと思うと爆笑ものですが、習近平としてはこれが最大の歓迎の表現なんですから、あの人の価値観がモロに出ました。
さすがは文革下放組、さすがは根っからの毛沢東主義者。
トランプ氏、習氏と米中首脳会談へ 北京に到着し歓迎受ける - BBCニュース
私だったらこの時点で気持ち悪くなって帰りたくなりそうですが、案外トランプはいい気分だったようです。
一方習近平はこの間、粛清をしまくって不安定な権力基盤をさらけ出していました。
2025年10月に北京で開催された4中全会では、中央委員資格を持つ軍幹部やOB42人のうち、実に6割超にあたる27人が欠席し、うち8人はすでに「重大な規律違反」を理由に党籍と軍籍を剥奪されていた元軍人でした。
その中には側近中の側近であるはずの張又侠中央軍事委員会副主席まで含まれていました。
彼は福建省厦門(アモイ)市に駐屯する旧第31集団軍の出身者で、台湾方面を管轄する東部戦区やその前身の旧南京軍区に長く勤務していました。
つまり中国軍の戦略正面を任されていた軍人でしたが、これの首を斬ったわけです。
またトランプ訪中直前の5月7日、元国防相の魏鳳和と李尚福らを汚職、不忠誠などを理由に党籍、軍籍剥奪処分とし、さらに中国軍事法廷は収賄、贈収賄容疑で、執行猶予付きの死刑判決を言い渡しました。
死刑といっても2年後には終身刑に減刑されるようですが、その後の減刑はなく仮釈放もないために終身刑ということです。
個人財産は全部没収されて一家離散ですからスゴイね。
容疑は汚職ですが、高級軍人で汚職に手を染めない者はないのが中国軍ですから、習近平の恣意で誰でも粛清できます。
つまり習近平にとって、決していい時期に来られたわけではないということです。
そして誰もいなくなった: 農と島のありんくりん
さて、話を戻して首脳会談において習近平は台湾についてこう言っています。
「習近平は台湾問題が中米関係において最も重要な問題であると強調しました。 適切に対処されれば、両国の関係は概ね安定するでしょう。 適切に対処されなければ、両国は衝突または衝突し、中米関係全体を非常に危険な状況に追い込むことになる。 「台湾独立」と台湾海峡の平和は両立せず、台湾海峡の平和と安定の維持こそが中国とアメリカの最大の共通点である」
(新華網5月14日)
習近平、米国大統領トランプ氏と会談 - 新華網
この習近平の言い方はずいぶんと強硬な言い方で、台湾に手を出したら「両国は衝突し危険な状況になる」、つまり戦争になると言っています。
大歓迎のベールの下はコレです。
ここで下手な言質を与えれば、翌日の官製メディアのトップにデカデカと乗ったでしょうが、なにもないのでトランプはスルーしたようです。
トランプの返礼はこうです。
前段は空疎な外交辞令ですから読みとばしてくれてけっこうです。言いたかったのは後段。
「トランプ氏は中国を国賓訪問することは大変光栄だと述べました。米中関係は非常に良好であり、私は米中両国の国家元首間で史上最長かつ最良の関係を築き、友好的なコミュニケーションを維持し、多くの重要な問題を解決しました。習近平国家主席は偉大な指導者であり、中国は偉大な国であり、習近平国家主席と中国国民を深く敬意を表しています。本日の会談は世界的な注目を集める重要な会談です。
私は習主席と協力し、コミュニケーションと協力を強化し、意見の相違を適切に解決し、歴史上最高の米中関係を開拓し、両国のより良い未来を創り出したいと考えています。米国と中国は世界で最も重要かつ強力な国であり、米中協力は両国と世界に多くの偉大な成果をもたらす可能性があります。私の訪問には中国を尊重し評価するアメリカのビジネス界の優れた代表が集まり、彼らに中国との協力拡大を積極的に促します」
(新華網前掲)
そしておもむろに習近平に紹介したのが米国籍の世界トップ企業30社のCEOでした。
AI、宇宙産業、半導体、航空機、半導体などで、いずれも米中が覇を競っているものばかりです。
これらの世界覇権はオレの国だぜ、どうだ買えやということです。
その他にも農産物もあったようですか、いままで中国は外交辞令で大豆や旅客機を大量に買うと約束しながらことごとく空手形でしたから、CEOを連れていって契約までさせてしまおうということのようです。
つまりトランプは商談に行ったので、イランで習近平がホルムズ海峡開放大賛成、武器売りません、核開発反対、なんて特に言ってもらわなくても困らなかったでしょう。
そんなことは決まりきったことですからね。
米中首脳会談が開かれていますが、ブルームバークが面白い一覧を作って対比しています。
米中首脳会談、双方の発表比較-台湾やホルムズ海峡にどう言及したか - Bloomberg
上図をみるとわかるのは、圧倒的に習近平がラブコールを送っていることで、一方トランプ側は「言及なし」に止まっています。
習はこの会談のテーマはひたすら「戦略的安定性を備えた建設的な関係」の構築」だったようで、競争関係ではなく協力関係だと盛んにアピールしたようです。
たとえば習の発言のこの部分。
「習近平は次のように指摘した。「現在、百年に一度の大変局が加速しており、国際情勢は変動と混乱が入り混じっている。米中両国は『トゥキディデスの罠』を乗り越え、大国間の関係の新たなパラダイムを切り開くことができるだろうか。
手を携えて地球規模の課題に取り組み、世界にさらなる安定をもたらすことができるだろうか。
両国国民の福祉と人類の未来・運命に目を向け、二国間関係の明るい未来を共に切り開くことができるだろうか。これらは歴史の問い、世界の問い、人民の問いであり、大国指導者が共に書き上げるべき時代の答案でもある。
私はトランプ大統領と共に、米中関係という大船の航路を正しく導き、舵取りをしっかりと行い、2026年を米中関係において過去を継承し未来を切り開く、歴史的かつ象徴的な年としたい」
(福島香織note5月14日)
ほー、柄にもなくなかなか知的なことを言うもんだわさ。
「トゥキディデスの罠」とは米国のグレアム・アリソンが提唱した概念です。
「トゥキュディデスの罠(トゥキュディデスのわな、英: Thucydides Trap)[注 1]は、アメリカ合衆国の政治科学者、グレアム・アリソンによる国際政治学上の用語で、新興国が既存の大国の地域的ないし国際的な覇権の地位を脅かそうとする際に、必然的に戦争に陥ってしまう傾向があるという主張を説明するものである」
トゥキュディデスの罠 - Wikipedia
まぁ諸説あって、アリソン説に対しては多くの異説が存在します。
「トゥキディデスの罠 」説をとると、台頭する新興国と既存の覇権大国が、相互不信や相手への恐怖心から戦争に至りやすいということになりますが、共産党トップがあえてこの説を持ち出したのは共存可能だというシグナルです。
一方米国側も今は米中覇権闘争をしたくはない。
国力がもたん、ということです。
だから日中間の対立を前にして、トランプ政権は介入しようとはせずに沈黙を守っています。
中国とのディールを同盟国との関係よりも優先させているようです。
これはヨーロッパについても同じで、いまやNATOは切り捨てられるかもしれません。
トランプの頭に米国と中国で世界を支配する「G2体制」がないといったら嘘になるでしょう。
しかしそれでは民主主義は守れないのですが。
今回も習はトランプとの「特別に親しい関係」をアピールし、G2への誘い水を出しまくったようです。
それに 答えて米国は「中国市場へのアクセス拡大と米国産業への投資拡大」が優先すると答えたようで、要は米国が儲かればいいんだということのようです。
だから巨大企業のCEOを1ダースも連れて行き、習にひとりひとり紹介するなんてことをしたのでしょう。
ある意味、トランプほど籠絡するのが簡単な奴はいないのです。
キンピカをちらつかせ、裏でトランプファミリーに利権をくれてやればよい。
トランプは精神不安定な政権で、1期目と2期めは大きく違っています。
1期めは国務長官にフリーダム・コーカスのマイク・ポンペオが座っており、安全保障補佐官にはボルトンがいました。
彼らは中国脅威論の立場に立ち、中国への高関税政策や先端技術の流出防止に注力しました。
軍事的にも主敵を中国に置き、想定戦場は西太平洋でした。
ところが2期目となってこの両人は切られ、替わって高関税政策となります。
ただし世界すべての国に対しての敵も味方もない無差別爆撃だったので、世界経済は大きく動揺しました。
一方、中国は産出量で世界の約7割、精製で約9割を握るレアアース(希土類)の輸出規制に乗り出して対抗しました。
米国の成長産業はAIですので、厳しいツボを押さえられてしまったことになります。
結局、この不毛な関税戦争が終了したのはこの中国のレアアース輸出規制が効いたからです。
その流れの中で今回の訪中があったわけです。
非常に憂鬱ですが、このふたり放っておくとG2になりますね。
なにしに行ったのか知りませんが、トランプご一行大訪中団です。
日本のメディアは盛んに「イラン和平を中国に仲介してもらうんじゃないか」なんて邪推、いや憶測をしていましたが、わけないしょ。
対中イケイケを金看板にしているトランプが、9割方追い詰めたイランにここで水入りさせる道理がない。
中間選挙目前の今、そんなことをやったら共和党は大敗しますよ。
そもそも中国はイランの「親友」です。
イランが自分で言っているんだから間違いない。
「[北京 6日 ロイター] - イランのアラグチ外相は6日、北京で中国の王毅外相と会談した。トランプ米大統領と中国の習近平国家主席の会談を控え、イランと中国の緊密な関係を強調した。
アラグチ氏の訪中は米国とイスラエルによるイラン攻撃開始以降初めて。中東紛争は世界的な石油供給ショックを引き起こし、中国のエネルギー安全保障も脅かしている。ケプラーのデータによると、中国は中東紛争勃発前、イランの海上輸出原油の80%超を購入していた。
イラン学生通信(ISNA)によると、アラグチ氏は王氏との会談で、中国はイランの親友であり、二国間の「協力は現状下でさらに強固になる」と述べた。また、紛争終結に向けた米国とイランの交渉について、「われわれは交渉において自国の正当な権利と利益を守るために最善を尽くす。受け入れるのは公正かつ包括的な合意のみだ」と語った」
(ロイター5月6日)
イラン・中国外相が会談、紛争開始後初めて 緊密な関係強調 | ロイター
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イランにおすがりすれば「国を動かして中東ルートの復活が叶う」だそうです。アホですか。
妨害している奴にすがってどうするの。
ホルムズ海峡はオレ様のものだと言い、航行する民間船を襲撃しているのはイランでしょうが、間違えてもらっちゃ困ります。
メディアや百田氏は感涙にむせいだようですが、かつての「日章丸」の時にホルムズ海峡を通さないと言っていたのは英国。
そして当時のイランはカルト宗教国家ではなく王政でした。
米国は今逆封鎖していますが、それはイラン船を阻止するためで、航行の自由を守る立場にいます。
つまりかつての「日章丸」と今の「出光丸」とは、なにからなにまで正反対の構図ですから、一緒にしちゃいけません。
それを「日本は世界一の友好国」だから通してくれたんだ、ありがたやと涙するのですからどうにかしています。
日本の唯一の同盟国である米国は、イランをかねてから「世界最悪のテロ支援国家」と認定して戦ってきました。
そして「世界最悪のテロ支援国家イラン」の手に核兵器を渡さないために今回の戦争を始めたのです。
そしていまが大詰めでトランプが訪中する直前を選んでアラグチが訪中したのは、支援の最後のお願いをするためだったのでしょう。
言っていることはメチャクチャで、態度は粗野そのものですがトランプは勝負勘ひとつで大統領になった男です。
まちがっても中国に借りを作るようなマネはしないでしょう。
どのような会談になるかはいずれ、(2日後くらい)にはわかるので、待つしかありません。
イランが回答を寄こしましたが、トランプが一蹴したことでわかるように到底折り合えるものではないようです。
(CNN) 米国の戦争終結に向けた計画に対してイランが示した提案には、封鎖されているホルムズ海峡の主権承認と賠償要求が含まれている。イラン国営メディアが伝えた。
国営イラン放送(IRIB)は11日、提案は凍結されているイラン資産の解放と制裁解除を求めていると報じた。
ロイター通信がイラン国営テレビの報道を引用して伝えたところによると、イランはレバノンを含むすべての戦線での戦闘終結も求めている。
イラン国営メディアのこれまでの報道によれば、対案はイランの核開発計画について一切触れていない。
トランプ米大統領は、パキスタン経由で提出されたイランの対案について「到底受け入れられない」と却下した。
ウォルツ米国連大使は10日、FOXニュースの番組で、米国は最新の提案で「非常に明確なレッドライン(越えてはならない一線)」を示したと述べた。「トランプ大統領は、イランが核兵器を保有することは決してなく、世界経済を人質に取ることもできないと明言している」
(CNN5月11日)
イラン、米国の提案に対しホルムズ海峡の主権承認と賠償を要求、核開発には言及せず 国営メディア - CNN.co.jp
イランは賠償金を出せとか、レバノンがどーしたこーしたなどとグダグダ言っていますが、交渉はあくまでも核保有の放棄をイランがするか否かにかかっています。
なにかホルムズ海峡封鎖が前面に押し出されたので勘違いする向きもあるようですが、イランがここはオレ様の主権だと言おうとどうしようと、封鎖する実効支配能力なんぞないのですから意味がありません。
イランの回答の詳細は明らかになっていないのですが、核開発問題について米国は60%の高濃度ウランはすべて引き渡し、今後20年間はウランの濃縮は行わない、そして核施設の解体も求めていたようです。
一方、イランは戦闘の完全な終結、つまり攻撃の停止が実現してから核協議に入るとすると答えたようです。
つまりは回答の先のばしです。
先のばしするというのはさんざんイランが使ってきた戦術で、日本のメディアが大好きな「話あい」というヤツです。
ホルムズ海峡封鎖でも、すぐにイランに土下座しないとナフサが止まって「日本経済は6月に詰む」という境野氏の風評がTBSから大量に流されました。
映画館で火事だぁと叫ぶような煽り行為で実に悪質です。
あるいは、保守を自称する識者の中にも、いきなりハメネイを殺してしまったのは失敗だ、これによって話し合いの相手がいなくなってしまった、ハメネイ親子がいたら革命防衛隊もなだめられたのに、と主張する人が出ました。
おいおい、ハメネイこそが「核合意」路線の下に、イランと米国の「話し合い」と「外交」「対話」を延々と続けて,結局その間に核濃縮を兵器級一歩手前まで進めてしまったのではありませんか。
ハメネイになにを期待しているのか知りませんが、それは「対話」という先のばし欺瞞戦術にまた戻ることを意味するだけのことです。
ですから、トランプが緒戦でハメネイの斬首作戦をしたのは、このようなあいまいな「話合い」には戻らないという強烈な意志表示でした。
核開発については、WSJが伝えたところによると、イランは高濃度ウランについて一部は希釈してイランが保有し、それ以外は第三国に移送するとしたらしいようです。
これもイランがよくやる便法です。IAEAはイランが60%濃縮ウランを440㎏持っているとしています。
このうち半分の200㎏はイスファハンの核施設に補完されているとされています。
つまりイランは、あと少し手を加えれば核兵器10発分の核物質を持っているわけです。
トランプ氏、米軍がイランの核施設3カ所を爆撃し破壊と発表 フォルドなど - BBCニュース
これも誤解されているようですが、イランの核の民間利用はかまわないのです。
どうぞ原発でもなんでも持つのは自由ですが、ただしそこから出てくるプルトニウムについてはIAEAの査察を受け入れなさい、ということにすぎません。
これは日本が淡々とやってきたことで、IAEAの査察官は日本に常駐していますし、世界中の原発保有国はこのルールに従っています。
IAEAは今回の戦争に際してこう言っています。
IAEA | 国連広報センター
「国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は3日、米イスラエルの攻撃を受けるイランについて「核兵器を製造している証拠はない」と述べた。米イスラエルが攻撃の理由として挙げるイランの核兵器保有阻止について、IAEAの従来の立場を改めて表明したとみられる。X(旧ツイッター)で明らかにした。
グロッシ氏は一方で、イランが高濃縮ウランを大量に貯蔵し、核施設への必要な査察を拒否してきたことに「深刻な懸念」を表明。査察に協力しない限り「イランの核開発が平和目的であることを保証する立場にない」と強調した」
(日経2026年3月4日 )
IAEA事務局長「イランが核兵器製造している証拠はない」 - 日本経済新聞
日経はこのグロッシ事務局長の発言に「IAEA事務局長「イランが核兵器製造している証拠はない」という見出しをつけましたが、ミスリードです。
グロッシ氏は、イランが核施設への必要な査察を拒否してきたことに「深刻な懸念」を表明し、査察に協力しない限り「イランの核開発が平和目的であることを保証する立場にない」と言ったのです。
査察をうけいれない限り核兵器を作っている証拠こそないが、受け入れ拒否する行為自体が平和目的であるということを自ら否定していますよ、平和目的ならすぐに査察を受け入れなさい、と言っているのです。
つまり、イランがIAEAの査察を受け入れますとさえ回答すれば、この交渉は9分どおり終わったのも同然なのです。
イランが自己破滅的回答をよこしましたが、内容的にはなんの進歩もないので、これについては明日にまわします。
さて、ロシアが突然一方的停戦をしました。
理由は、突然平和が好きになったのではなく、とうやら「戦勝記念日」に停戦しないとモスクワを爆撃されそうだからのようです。
「ロシアの首都モスクワで4日未明、高層集合住宅にウクライナのドローンが命中し、建物の外壁が大きく損傷した。死傷者はいなかった。高層住宅は、クレムリン(ロシア大統領府)や赤の広場のある首都中心部から南西約6キロの高級住宅地にある。他方、ロシア政府は4日、戦勝記念日の記念行事に合わせて8日と9日にはウクライナに対して停戦すると一方的に宣言した」
(BBC5月5日)
モスクワの高層住宅にドローン攻撃 赤の広場から数キロ - BBCニュース
かつては鉄壁を誇ったロシアの防空システムはいまやズタボロです。
イランやベネズエラでもわかったことですが、ロシア製防空システムはほとんど無効化されています。
これは恐ろしいことで、同じシステムを使っている中国やイラン、北朝鮮、キューバなどの空はガラ空きだということになります。
ですから、ウクライナは自由にドローンを侵入させてロシアの内懐を攻撃し続けていますが、まったく撃墜できていない状況です。
「これまで前線から遠く離れていたロシアの首都モスクワが、ウクライナの長距離攻撃能力の向上により、安全圏ではなくなりつつあります。数日前には、ウクライナによるとみられる無人機(ドローン)攻撃がモスクワ周辺で相次いで確認され、空港の一時閉鎖など、ロシアの首都機能にまで影響が及びました。ウクライナのキーウからモスクワまでは約800km、国境からも最短で450kmという距離にもかかわらず、ドローンが到達した事実は、ウクライナの長距離ドローン戦力の向上と、ロシアの防空システムの地理的・機能的な「穴」を露呈しました。この事態は、ロシア当局に前線だけでなく、国内、特に首都の防衛という新たな、かつ緊急性の高い課題を突きつけています。こうした首都への脅威を受け、ロシア当局は戦勝記念パレードの規模を大幅に縮小する判断を下しました」
(ミリレポ5月6日)
ロシアが突然の停戦…理由は「戦勝パレード」か モスクワ攻撃の影響も
一方、ロシアがやけっぱちのように撃ってくるドローンやミサイルは9割以上の確率で落されています。
たとえばロシアの弾道ミサイル「キンジャール」は、イスカンデルの空中発射型でマッハ10で飛翔し、米欧の防空ミサイルでは絶対に撃墜されない、と豪語していましたが、ウクライナの防空ミサイルで多くが撃墜されています。
たとえば直近の5月1日の迎撃戦闘のドローンとミサイルの阻止率を見てみましょう
5月1日:8時発表・宇空軍(前日17時45分~8時)
自爆無人機と囮無人機×210飛来190排除、20突破 ※阻止率90%
5月1日:15時30分発表・宇空軍(8時~5時30分)
自爆無人機と囮無人機×409飛来388排除、21突破 ※阻止率95%
2026年5月1日ウクライナ迎撃戦闘の合計
自爆無人機と囮無人機×619飛来578排除、41突破 ※阻止率93%
(JSF5月4日)
ロシア軍がウクライナを3日連続で夜と昼の絶え間ない空襲、1500機以上の長距離ドローンが飛来(JSF) - エキスパート - Yahoo!ニュース
ISWはこう述べています。
「クレムリンはここ数週間、防空資産を移動させたにもかかわらず、ウクライナの攻撃に対してほとんど防御に失敗し、パレード直前の数日間は脅威のエスカレートに訴えた。
クレムリンが歴史的に利用してきたこのようなイベントの短縮された形式は、4年間にわたる戦争がロシアに与えている負担の増大を反映している」
(国際戦争研究所5月9日)
ロシア攻勢作戦評価、2026年5月9日 |ISW
そしてそこまでしてやった戦勝記念日は実にシケたものでした。
ロシア人が大好きな戦車の大群は1台も登場せず、ロシア歩兵はショボついて行進し、主役は北朝鮮の傭兵軍団だけで、いつもがん首を並べる独裁国家のボスの姿もほとんど見えなかったいという薄味だったようです。
これでは国威発揚どころか、国威ダダ下がりです。
北朝鮮軍が戦勝節で初参加 ロシアと同盟強化示す - ChosunBiz
「今年の5月9日のパレードは規模が縮小されることになった。赤の広場では約20年ぶりに兵器が登場しない。戦車も弾道ミサイルも登場しない。兵士の行進があるだけだ。
過去を思い起こそうとするクレムリン(ロシア大統領府)のやり方は、現状を実に雄弁に物語っている。ロシアによるウクライナでの戦争が、計画通りに進んでいないことを表している。
「我々の戦車は今、手一杯だ」と、ロシア国会のエフゲニー・ポポフ議員は私に言った。「戦っている最中だ。赤の広場より戦場で(戦車を)必要としている」」
(BBC5月6日)
【解説】 ロシアの対独戦勝記念パレードに戦車なし、ウクライナでの戦争が計画通りでないこと示唆=ロシア編集長 - BBCニュース
そう、ポポフ議員が言うように戦場では戦車がたりないのです。
いやすべてが足りない。
プーチンの脳内ではソ連の大祖国戦争に連なるのがウクライナ戦争のはずでした。
軍事的政治的だけではなく、道徳的にも真正の「ソ連の末裔」はロシアであり、それを証明するための戦争だったはずでした。
しかし大祖国戦争より長い期間の戦争になってしまったにもかかわらず、すでに犠牲者はロシアの総人口の1割に達し、財政負担はきしみを上げてのしかかっています。
「ロシアの野党メディア、メドゥーザとメディアゾナは5月9日に、ロシア相続事件登録簿(RND)、連邦国家統計局(Rosstat)、ロシアの裁判所記録、そして死亡した兵士リストのデータによると、ロシアが2022年2月に全面侵攻を開始してから2025年末にかけて少なくとも35万2千人のロシア兵が死亡していると報じた。
メデューザとメディアゾナの更新された負傷者数には、初めて行方不明および死亡推定の軍人が含まれています。ロシアの裁判所は、2025年7月までに約9万人の軍人が行方不明で死亡したと宣言しています。実際のロシア軍人の戦死数(KIA)は、メドゥーザとメディアゾナの報告の制限から保守的な推定である可能性が高いため、はるかに多いと考えられます。2026年2月時点でのロシアの総死傷者(戦死および重傷者)は130万人と報告されています」
( 国際戦争研究所5月9日)
ロシア攻勢作戦評価、2026年5月9日 |ISW
プーチンは祖国の救世の英雄になるどころか、いまやクーデターを恐れて地下壕に逼塞する有り様です。
そしてモスクワですらウクライナの攻撃の射程に入ってしまったわけです。
戦勝記念日はロシアの敗北と衰退を告げる暗い戦勝記念日となったのです。
イランはホルムズ海峡を通過する船舶だけではなく、海底を走るインターネットケーブルにまで「課税」すると言い出しました。
革命防衛隊のメディアであるタスニム通信です。
「IRGC関連のメディアは、ホルムズ海峡を通過する海底インターネットケーブルからイランが収益を得るよう求め、この水路をエネルギーと輸送の要衝であるだけでなく、デジタルの圧力点としても位置づけた。
タスニムは「ホルムズ海峡インターネットケーブルから収益を生み出すための3つの実践的なステップ」と題した記事で、海峡を通過する海底光ファイバーケーブルが1日あたり10兆ドル以上の金融取引を運んでいると述べたが、イランはこの重要な通信インフラの経済的・主権的利益を、伝統的な海峡観のせいで奪われていると述べた」
IRGC関連メディアはホルムズの海底インターネットケーブルの料金要求 |イラン・インターナショナル
ホルムズ海峡には多くの回線が走っています。
「アラブ首長国連邦、カタール、バーレーン、クウェート、サウジアラビア、イラク、さらにはイランの一部に至るまで、世界のインターネット網に接続するために、やむを得ずこの狭い入口を通過するケーブルに依存している。
イランよりも湾岸諸国の通信ネットワークの方がホルムズ海峡への依存度が高い。イランはインターネットの30〜40%のみがホルムズ海峡などの南部海底ケーブルを通じて接続されているのに対し、サウジアラビアやアラブ首長国連邦・カタールなどペルシャ湾南岸の国々は、最大90%をこれに依存しているという。
もし自然災害、船舶の錨の投下、海難事故、あるいは故意の行為など、いかなる理由であれ海峡の主要ケーブル数本が同時に切断されれば、湾岸アラブ諸国では『デジタル災害』が発生する。
インターネットは深刻な断絶や広範囲にわたる障害に見舞われ、1日あたりの経済損失は数億ドルから数十億ドルに達するだろう。
(イラン・インターナショナル前掲)
イランはこの「合法的富の戦略的中心地」から巨額のカネをとれると主張しています。
① 外国企業に初期ライセンス料と年間更新料を課すこと
② Meta、Amazon、Microsoftなどの主要テクノロジー企業にイランの法律の下で事業を行うことを義務付けること
③ イラン企業にケーブルの保守と修理に関する独占的な管理権を与えること
ホルムズ海峡を通過する海底ケーブルの多くは公海上の海底を通過しています。
海底ケーブルは大きく分けて海の中の区間と、陸に上がってくるごく近い沿岸・陸揚げ局周辺で扱いが変わります。
ホルムズ海峡の海底ケーブルは、国や個人が「土地を貸す」形ではないので、通常の地代・設置料のようなものは発生しません。
イランが仮に船舶を通すことに合意したとしても、次から次へと手を変え、品を変えてホルムズ海峡をネタに世界に揺さぶりをかけるだろうということです。
次はホルムズ海峡の空気吸ったらカネ取るなんてね。(笑)
いずれにしてもイランから回答が来たそうなので、中身はわかりませんが、ここ数日で米軍が「ブロジェクト・フリーダム」を再開するかどうかを決めるはずです。

とうとう前々から言われてきたイランのカーグ島原油貯蔵施設からの原油流出が衛星写真でとらえられています。
もう待ったなし、タイムアウトですね。
実はイランがカーグ島に中古タンカーを横付けして積み出していた時点で一杯だったのです。
「トランプ米政権による海上封鎖の影響でイラン産原油が行き場を失い始めた。イランは原油生産を続けるが貯蔵タンクが満杯になり、現役引退したタンカーをペルシャ湾に浮かべて洋上貯留でしのいでいるとみられる。再攻撃の圧力で譲歩を迫るトランプ政権に対し、イランが耐えられなくなるのは時間の問題だとの見方もある」
(日経5月2日)
イラン原油、日量180万バレル行き場失う ペルシャ湾を漂うタンカー - 日本経済新聞
これが4月末から5月頭ですから、もう1週間前にはカーグ島は一杯一杯だったということになります。
つまり革命防衛隊がイキって交渉を引き延ばすのは勝手ですが、それは油層に地下水の侵入を許したことになるので、イランの原油生産の未来そのものが断たれます。
それでいいのか、という判断をイランは求められているわけです。
イランはOPEC3位の産油国で、1日あたり330万バレルの原油を生産し、世界の石油供給の4・5%を占めています。
カーグ島には毎日、イランの各主要油田から数百万バレルの原油がパイプラインを通じて送り込まれて貯蔵されています。
カーグ島から9割の原油が輸出されていました。
この島の支配権は革命防衛隊であり、彼らがこの島のすべてを仕切っており、一般国民は島に行くことすらできません。
ロイター
そしてこのイラン原油の9割を買っているのが中国です。
戦争初期には通れたオマーン湾沿いのジャスクターミナルも、米海軍の逆封鎖で使用不可能となっています。
またイランは制裁されているために、米国が支配する国際決済システムであるSWIFTを使用することができません。
ですからイランと中国は原油決済をCIPSなどの人民元決済で処理してきましたが、これも米国のエコノミックフューリー作戦で潰されました。
米国は中国の5つの製油所に制裁をかけ、二次的制裁の可能性を通知して締め上げました。
当初、中国商務省は強気で米国の制裁なにするものぞと命じていましたが、とうとう先日折れて銀行にこの5つの精油所に新規融資はするなと命じました。
この前後から中国はパキスタンを使って和平調停に乗り出しています。
つまりイランは外堀を埋められ、本丸も炎上し始めたわけです。
したがって交渉もそろそろラストストレッチに入りました。
「米国は、トランプ大統領による戦争終結に向けた最新提案について、イランが近く回答するとの見通しを示した。一方で、衝突が発生しており、約1カ月続く停戦が揺らぐ恐れもある。
ルビオ米国務長官は8日、イランは同日に回答を示すはずだと記者団に話した。
イランは依然として、トランプ氏が6日に提示した停戦案を受け入れるかどうか明らかにしていない。この提案は、今後1カ月でイランがホルムズ海峡を再開し、米国はイランの港湾に対する封鎖を解除するという内容だ」
(ブルームバーク5月9日)
米国、イランの回答を8日に見込む-衝突発生で緊張一段と高まる - Bloomberg
海上封鎖をしていた米駆逐艦が攻撃を受けて軽い交戦をしたとの報道もありましたが、交渉そのものには影響はないはずです。
フィリピンにおいて、米国、フィリピンそして自衛隊による「バリカタン」合同軍事演習が行われました。
画期的なことです。
「米国とフィリピンによる定例の合同軍事演習「バリカタン」に自衛隊が初めて本格的に参加し、6日、比ルソン島北部パオアイの沿岸部で行われた実弾射撃などの様子が報道陣に公開された。
演習は4月20日~5月8日の予定で、陸海空3自衛隊からは約1400人が参加している。これまで日本は主にオブザーバー参加だったが、自衛隊とフィリピン軍が互いの国で活動しやすくなる「円滑化協定(RAA)」が昨年発効したことで、大規模な部隊派遣が可能となった。日米比の連携を示して中国をけん制する狙いがある」
(読売5月6日)
自衛隊、米国とフィリピンの合同軍事演習「バリカタン」に初の本格参加…3国の連携示し中国けん制する狙い(読売新聞オンライン) - Yahoo!ニュース
なにがスゴイと言って、自衛隊がここまで本腰を入れたのはアジアでは最初です。
自衛隊はお宝の88式地対艦誘導弾まで持ち込み、実際にフィリピンの退役軍艦「ケソン」に命中させたという力の入れようです。
陸上自衛隊
「6日には、沖合の標的に向け、陸上自衛隊が「88式地対艦誘導弾」を発射した。米軍の無人式地対艦ミサイルシステム「ネメシス」と防空統合システム「マディス」も展開された」
(読売前掲)
「バリカタン」合同演習はいままでも開催されていましたが、それは米比2カ国のものでした。
2024年の演習では、米比両軍のほか、オーストラリア軍とフランス軍が初めて正式参加し、日本(自衛隊)をはじめ、東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国のマレーシアやベトナム、ブルネイなどを含む14か国がオブザーバー参加しています。
今回は日本が1400人という圧倒的ボリュームと最新鋭対艦ミサイルをもって参加したわけです。
また今回、自衛隊からは過去最大の人員に加え、多彩な装備が投入されます。
海自からは空母型護衛艦「いせ」や「いかづち」、輸送艦「しもきた」といった艦艇のほか、US-2救難飛行艇、空自からはC-130H輸送機、そして陸自は切り札の88式地対艦誘導弾などを派遣しました。
オブザーバーから一気に米比両軍に並ぶ主力に文字通り「バリカタン」(肩を並べた)しました。
これが可能となったのは日本がフィリピンと物品役務相互提供協定(ACSA)と円滑化協定(RAA)を締結したからです。
「茂木敏充外相は15日、訪問先のフィリピンでラザロ外相と会談し、自衛隊と比軍の間で物資を融通し合う物品役務相互提供協定(ACSA)に署名した。東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国との締結は初めて。日比両国はすでに自衛隊と比軍が共同訓練などで相互に訪問しやすくなる「円滑化協定(RAA)」を締結しており、東シナ海や南シナ海で軍事活動を活発化させる中国を念頭に、日比関係は「準同盟級」へと強化されつつある」
(朝日2026年1月15日)
日比外相、自衛隊と比軍で物資融通の協定締結 「準同盟級」へ強化:朝日新聞
「物品役務相互提供協定」は、日本の自衛隊と相手国の軍隊のあいだで、軍事活動に必要な物品やサービスをお互いに融通し合うためのルールを定めた協定です。
英語では Acquisition and Cross‑Servicing Agreement (ACSA )と呼ばれます。
この協定を締結していないと、その都度条約を作って締結せねばならなかったのですが、これがあればいつでも相互に軍隊を派遣することが可能となります。
日本は米国やオーストラリア、イギリス、インド、イタリア、オランダ、フィリピンなど、価値観や安全保障上の協力関係が深い国々と ACSA を締結しています。
これにより、共同訓練や有事・災害時の連携をスムーズにし、日本は同盟国や同志国から支援活動を受けることが可能で、また逆に相手国に対してスムーズな支援をを絶えることが可能となりました。
一方円滑化協定は、英語名を Reciprocal Access Agreement(RAA) と呼ばれ、「一方の国の部隊が他方の国を訪れて共同訓練などを行うときの手続きや法的地位などを定める協定」です。
要するに、相手国で自国軍が活動するときに「どの国の法律をどう適用するか」「どう出入りし、何を免除するか」といった細かいルールをあらかじめ決め、訓練や協力をスムーズに行うための枠組みです。
かくしてこれにてフィリピンは事実上の「同盟国」(準同盟国)となりました。
そしてそれに合わせて、日本は海上戦力が貧弱なフィリピンに対して大きなプレゼントをしました。
退役する「あぶくま」型護衛艦を供与するという太腹です。
「小泉防衛相は5日、フィリピンを訪問し、首都マニラでギルベルト・テオドロ国防相と会談した。海上自衛隊の中古護衛艦の輸出に向けた作業部会を設置し、具体的な協議に入ることで合意した。地域の平和と安定に向け、海洋安全保障分野での協力を拡大する。会談後に発表した共同声明では、中国を名指しし、日本周辺や南シナ海での威圧的な活動への「深刻な懸念」を明記した。
中古護衛艦の輸出が実現すれば、日本政府が4月21日に防衛装備移転3原則と運用指針を改定後、初のケースとなる見込みだ。装備品の輸出品目を救難・輸送・警戒・監視・掃海に限る「5類型」を撤廃し、殺傷能力がある護衛艦の輸出が原則可能となった」
(読売5月5日)
日フィリピン防衛相会談、中古護衛艦の輸出協議入りで合意…防衛装備移転3原則の改定後初 : 読売新聞
これで日本とフィリピンは共同の運用を加速し、中国への盾が何重にもなったというわけです。
このような取り組みが早くなされていたなら南シナ海がみすみす中国の支配下になることはなかったでしょうし、台湾有事においても極めてこころ強い味方を得ることができました。
公明党をデトックスした効用はここにも現れています。
トランプがホルムズ海峡の商船護衛「プロジェクト・フリーダム」作戦を一時停止しました。
あ、そうそう、いままでやっていた「エピック・フューリー作戦」は戦争権限法の時限が来て5月1日で止めたそうで、今やっているのはプロジェクトなんじゃらの方だそうです。
これを一時停止したのは、イランからなんか色よい返事が来たような雰囲気ですが、内容は現時点ではわかりません。
「トランプ米大統領は5日、ホルムズ海峡を通過できずにいる船舶の航行を支援する米主導の取り組みを一時停止し、イランとの戦争終結に向けた合意が最終的にまとまるかを見極める考えを示した。
SNSへの投稿で「プロジェクト・フリーダム(ホルムズ海峡を通過する船舶の移動)は、合意がまとまり、署名されるかどうかを見極めるため、短期的に停止される」と述べた。
トランプ氏は今回の判断に至った理由として「イラン側代表との間で完全かつ最終的な合意」に向けて「大きな進展」があったとしたほか、パキスタンや他の国々の要請に基づくものだと説明。一方で、イランの港湾に出入りする船舶に対する米国の封鎖については「引き続き全面的に維持される」とした」
(ブルームバーク5月6日)
トランプ氏、ホルムズ通過支援計画を一時停止-対イラン合意見極め - Bloomberg
ま、来てもおかしくはないですね。
イランにとってホルムズ海峡封鎖というのは最後のカードでした。
世界のエネルギー供給に制約をかけて、国際世論を味方につけて「イランをいじめるトランプが悪い、早くカネ払って土下座して開けてもらえ」という声を盛り上げたかったんですよね。
「世界一の親イラン国」である日本でこそこういう声がメディアに溢れましたが、こんな湿った感情論は世界世論の大多数にはなりませんでした。
国際海峡における航行の自由を妨げているのがイランの側だというのはハッキリしていたからです。
今、そんなことを認めてしまったら、未来永劫イランはホルムズ海峡封鎖を武器化しちゃいますからね。
そうしたら核兵器なんか作らなくても世界はわが手にの内に、ってなもんです。
さて、今回土下座して自分の国だけが通してもらおうという国がほんとうに現れました。
やっぱりお隣の韓国です。
韓国は日本メディアご推奨の土下座戦術を本格的にやってしまいました。
日本は高市さんが「すべての国の航行の自由を守れ。カネはびた一文払わん」と原則をゆずらなかったのに対して、韓国は日本よりももっと踏み込んで、4月23日には外交特使をイランに派遣し、「50万ドルの人道的支援」という冥加金を渡しました。
「韓国外交部の鄭昺河(チョン・ビョンハ)長官特使が22日、イランのテヘランで同国のアラグチ外相と会い、中東情勢と両国関係の懸案などを議論した。
外交部によると、鄭特使は22日にアラグチ長官と会い、ホルムズ海峡内で足止めされている韓国籍の船舶26隻と船員、イラン国内在住の韓国国民約40人の安全を強調しながら格別の関心を求めた。特にホルムズ海峡内の自由な航行を保障しなければならないと強調し、あらゆる船舶の迅速で安全な航行に向け協力してほしいと要請した」
(韓国中央日報4月23日)
韓国外交部長官特使、イラン外相と面談…「ホルムズ海峡の韓国船舶と国民の安全強調」 | Joongang Ilbo | 中央日報
あーあ、やっちゃった。「ホルムズ海峡内で足止めされている韓国籍の船舶26隻と船員、イラン国内在住の韓国国民約40人の安全を強調しながら格別の関心を求めた」だなんて、薄みっともない。そうとうに恥ずかしい。死ぬほど恥ずかしい。
これに対するイラン当局様のお答。
かわいい奴よ、さらに「長期的利益を維持するためには、(米国への)対応から脱却せぇよ、とのお言葉を賜ったのでございます。
つまり韓米関係を見直せってことです。
「イランの準国営メディアが、米国・イスラエルとイランとの戦争中の韓国の対イラン外交について「前向きで建設的なアプローチ」だと評価した。ただし同メディアは、人道支援の定例化などに言及しつつ、「長期的な利益を維持するためには、対応から脱却し、積極的に役割を果たすべきだ」と注文をつけた」
(ハンギョレ5月1日)
李大統領の発言をイランメディアが評価…「韓国外交、慎重なバランスは前向き」(ハンギョレ新聞) - Yahoo!ニュース 。
それがなんと言葉だけだったとわかったのが昨日のことです。
米の海峡通過船舶支援作戦始まる イランは貨物船を相次ぎ攻撃 韓国船で爆発も(テレ朝NEWS)|dメニューニュース(NTTドコモ)
「中東戦争により封鎖されたホルムズ海峡付近で、被弾したとみられるHMM運航の中小型バルク貨物船の火災は鎮火したが、機関系統に致命的な損傷を受けており、自力航行が不可能な状態とみられている。
5日、HMM関係者は「前日(午後8時40分ごろ)、爆発とともに発生した火災は、日付が変わった後にようやく鎮火した。二酸化炭素(CO2)を放出して消火作業を行った」とし、「人的被害はなく、火災の原因はまだ明らかになっていない」と明らかにした。船社側は監視カメラ(CCTV)で火災の鎮火を確認しており、この日(日本時間5日)午後ごろ、船舶の機関室に入り、調査作業を行う方針だ」
(中央5月5日)
「被弾の可能性」韓国貨物船の火災鎮火…「自力航行不能の状態」 | Joongang Ilbo | 中央日報
韓国と長い期間おつきあいしてきた者には、またいつもの中国とやっていることをイランにもしているのね、としか見えません。
ムン・ジェイン元大統領は、自称「バランサー外交」を唱えてこんなことを述べています。
「米国との関係を重視しながら中国との関係も一層堅固にするバランスのよい外交を目指したい」
ムンはそれを実践し、中国の要求を丸呑みしてTHAADの追加配備を拒否し 関係修復にこぎつけるという成果を上げます。
このへんは、中国まで含んだ東アジア共同体という意味不明の構想をぶちあげ、普天間移設問題をちゃぶ台返しをして日米同盟に打撃を与えたバカバト首相によく似ています。
そしてこのまま中国の傘下に入ってしまうのかと思いきや米韓同盟を廃棄するわけでもなく、トランプ訪韓を控えて今度は逆に舵を右に切って防衛力の強化に向けてミサイル弾頭重量制限を解除することで合意してしまいました。
これが韓国得意の二枚舌外交、自称「東アジアのバランサー外交」です。
このお家芸の二枚舌外交がイランにも通用すると思ったのでしょう。
お生憎。イランは冥加金だけをかすめ取って、あっさりと韓国船を襲撃したのです。
やれやれ、笑うきゃないですな。
この戦争も終わりが見えてきました。たぶんあと数週間、早ければ来週には終了するでしょう。
というのは、米国が「プロジェクト・フリーダム」作戦を本格開始しましたが、イランの最後の切り札「蚊の艦隊」は手も足も出ないことがバレてしまったからです。
イランラバーの皆さんは、雨あられとミサイルの飽和攻撃があるとワクワクされていたのかもしれませんが、ミサイルはUAEのハリファ港を狙った4発のみ。それも3発は撃ち落とされ、1発は海中にドボンでした。
昨日書いたフジャイラ石油関連しせつにはドローンが飛んできただけ。火災が起きましたが、たいしたことはありません。
「アラブ首長国連邦(UAE)は4日、イランによるミサイルやドローン(無人機)の攻撃を受けたと発表した。国防省によると、イランからミサイル4発が発射され、そのうち3発を迎撃し、1発は海に落下した。
また、東部フジャイラの地元当局によると、イランによる無人機攻撃を受けて石油関連施設で火災が発生した。インド国籍の3人が負傷し、病院に搬送されたという」
(読売5月5日)
UAE、イランによるミサイルやドローン攻撃被害…石油関連施設で火災発生、3人負傷 : 読売新聞
米海軍に守られた船団は静々とホルムズ海峡を押し渡っています。
イラン革命防衛隊の特攻ボート(「蚊の艦隊」)が襲撃しようとしましたが、鎧袖一触で吹き飛ばされて6隻撃沈されてしまいました。
「ブラッド・クーパー米中央軍司令官は4日、米国がホルムズ海峡の船舶航行を解放するための作戦を開始し、イランの小型船舶6隻を破壊したほか、イランが発射した巡航ミサイルとドローンを迎撃したと述べた」
(ロイター5月5日)
米中央軍、イラン小型船舶6隻を撃沈 ホルムズ海峡開放作戦を開始 | ロイター
そりゃそうなるでしょうとも。米国は多層的防御陣形を敷いていたのですから。
空中から多数の航空機で監視する下を、多くの駆逐艦と海中ドローンが守備を固めていたのですから、わずか10隻足らずのレジャーボート艦隊などつけいる隙間はありませんでした。
「クーパー氏は、作戦開始にあたり、イラン軍に対し米軍に近づかないよう「強く推奨した」と述べた。作戦には米兵1万5000人、米海軍の駆逐艦、100機超の陸上・海上航空機、水中戦力が投入されているという。また、イランへの船舶の入港やイラン領土からの出港を阻止する米国の対イラン封鎖も継続しており、予想以上の効果を上げていると述べた。
作戦は複数の段階で構成され、まずイランが敷設した機雷を除去する航路の確保から始まった。米国は4日、米国旗を掲げた商船2隻を海峡に通過させ、航路の安全性を実証した」
(ロイター前掲)
ちなみに2019年6月には日本が運用していた「コクカ・カレイジャス」号が革命防衛隊とおぼしきボートで吸着機雷を着けられて炎上したことがあります。
Marine Traffic HP
この襲撃現場は革命防衛隊海軍ジャースク基地の目の前です。
やっとホルムズ海峡情勢が動くようです。
「トランプ米大統領は3日、ペルシャ湾に足止めされている中立的な一部船舶を対象に米国がホルムズ海峡を通過させる誘導を4日に開始するとSNSに投稿した。
トランプ氏は「船舶の移動は、何ら非のない個人や企業、国家を解放することを目的としたものであり、彼らは現在の状況の犠牲者だ」と指摘し、「この人道的プロセスが何らかの形で妨害される場合、遺憾ながら断固とした対応を取らざるを得ない」と表明した。
投稿では、米国が具体的にどのような措置で船舶の海峡通過を支援するのかは明らかにしていない。米中央軍は3日、ホルムズ海峡での商業航行を回復させるため、誘導ミサイル駆逐艦や航空機、ドローンの活用を含む軍事支援を提供すると発表した」
(ブルームバーク2026年5月4日 )
米国、ホルムズ海峡通過を4日から支援-中立船が対象とトランプ氏 - Bloomberg
ただし、よく分からないのは「米当局者」はこうも言っていることです。
「米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が米当局者の話として伝えたところによると、この新たな取り組みには現時点で米海軍による護衛は含まれておらず、各国や保険会社、海運団体との調整プロセスが中心になるという。当局者名は示されていない」
(ブルームバーク前掲)
う~ん、このWSJがいう「保険会社と海運会社との再調整プロセス」って、例のトランプが言っていた米政府がロイズから再保険するということなんでしょうか。
あれはトランプが、いままで英国の繁栄を支えて来たロイズ保険組合とガチンコの勝負をしようという話でした。
ロンドンにはもうひとつロンドンがあって、それは「シティオブロンドン」(通称「シティ」)と呼ばれている金融業の中心地です。
今の英国はこの金融業で食っているのですが、その中心は保険と船主組合、船員組合などが一体となったロイズ保険組合です。
ロイズとは何か?イギリスの保険市場「ロイズ」の仕組みを解説 - ひつじ図書協会
これは海事における大型保険などの再保険を引き受ける引受人団体のことで、彼らロイズが300年間に渡って海のルールを決めてきました。
そして、その下には、地域別の7つのP&I保険組合があり、そこが船の自賠責保険であるP&I保険(船と船荷ともしもの時のサルベージなど)を引き受けてきました。
その引き受け条件として、船体検査等安全な船の運行を手助けしてきており、海事条約加盟国はこの保険の加入を入港の必要条件としてきたわけです。
海事条約とは国同士で取り決めた「海と船に関する国際ルール」をまとめた条約の総称で、国連の専門機関である国際海事機関( IMO) や、国連などで作られています。国連海洋法条約が有名ですね。
つまりロイズは各海運会社にこれらを守らせ、ロイズに保険金を払っていないと外国の港に寄港すらできなくなるわけです。
もっとも、いまやロシア、インドなどが白タクならぬ「影の船団」をおおっぴらに運航して保険に入らない船が2割にも達するという事態になっています。
ロイズの権威はロイヤルネイビーが裏打ちしていたのですが、海軍が衰退したためにこのような事態になってしまったのです。
ロイズとは何か?イギリスの保険市場「ロイズ」の仕組みを解説 - ひつじ図書協会
今回のホルムズ海峡封鎖事件でも、ロイズは杓子定規に保険には入れないという型通りの対応をしたために、数百隻のタンカーやばら積み船、貨物船が依然としてペルシャ湾内に滞留しており、一方産油国も新規の原油供給を受け入れるスペースがなくなり、地域の産油国は大規模な石油生産の停止を余儀なくされているわけです。
これに怒ったのがトランプです。
なんだロイズ、てめーの無能で世界が困っているじゃねぇか、リスクを引き受けてこそ保険会社だろ、航行の自由を保険屋が奪ってどうする、といきりたったのです。
ならばオレの国でロイズに代わる海事保険の仕組みを作ってやろう。
それが米国による米海軍による船舶の安全の保証と、3兆円の保険の創設です。
そのうえに英国のスターマー労働党政権は、今回の戦争に反対して米国に非協力を貫いています。
いちばんトランプが腹を立てたのは、インド洋のヘソに位置する英国と米国の共同基地があるディアゴガルシア島をイラン作戦に使わせないとした措置です。
そのために、米軍機はディアゴガルシアにで給油できないために、何度も空中給油をくりかえしながらヘトヘトになって中東に到着するはめになったのです。
怒ったトランプは英米の「特別な関係」(the Special Relationship )はお終いだと喚きだしたので、慌ててチャールズさんがふっ飛んでいったのです。
このような状況で、4日から船団を組んで、それを米海軍が護衛してホルムズ海峡を渡ることになります。
さてすでに2隻の米国籍船舶が通過したそうですが、どうなりますか。
UAEのアンワル・ガルガシュ大統領顧問は2026年4月27日というOPEC脱退直前に、中東紛争の発端となった米イスラエルによる攻撃に対するイランの報復攻撃への湾岸諸国の対応を批判しました。
非常にすっきりとした批判で、いままでのイランに対する湾岸諸国のあいまいさを鋭く突いていて、UAEはOPECという経済的カルテルから離脱するだけではなく、軍事的にも独自の道を歩もうとしているようです。
「【5月1日 AFP】アラブ首長国連邦(UAE)のアンワル・ガルガシュ大統領顧問は4月27日、中東紛争の発端となった米イスラエルによる攻撃に対するイランの報復攻撃への湾岸諸国の対応を批判した。
ガルガシュ氏はドバイで開催された会議で、この危機において湾岸諸国とは物流面で助け合ったとする一方で、湾岸諸国の政治的・軍事的対応を厳しく批判。
「攻撃の性質と、それがすべての国に及ぼす脅威を考慮すれば、GCC(湾岸協力会議)の対応は歴史的に見て最も弱腰だった」と述べた。湾岸協力会議の加盟国は、UAE、バーレーン、クウェート、オマーン、カタール、サウジアラビアの6か国。
ガルガシュ氏は、中東・北アフリカの21か国と1機構から成るアラブ連盟については弱腰な対応をすると予想していたが、「GCCの弱腰な対応については予想外であり、驚いている」と述べた」
(AFP5月1日)
UAE、湾岸諸国のイラン対応を「弱腰」と批判 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
UAEは日本にとって原油の輸入において、サウジを凌いで圧倒的に第1位の座に君臨しています。
【日本の原油調達】脱中東依存、妙手なく 多角化困難、続く高騰懸念:山陽新聞デジタル|さんデジ
今回のOPEC離脱の原因となったのは、UAEが高い潜在的生産量を持っているにもかかわらず、サウジに頭を抑えられていることへの不満が溜まっていたからです。
というのもUAEの生産能力は日量480万バレルですが、現在のOPECの生産割当制度の下では日量約342万バレルに制限されてきました。
産油能力の3分の1に近い138万バレルも削られれば、そりゃ頭くるわな。
UAEがOPEC脱退表明 ホルムズ海峡の封鎖長期化の中 背景にサウジとの“対立”(テレ朝NEWS)|dメニューニュース(NTTドコモ)
最も加盟国が多い時には、OPECの加盟国は16カ国でしたが徐々に離脱していき、今はなんとロシアなどを入れた「OPECプラス」という新たな枠組みまで作ってカルテルを維持しようとしてする始末です。
ロシアが国際制裁で原油輸出できないのを百も承知でやっているのですから、まったくサウジはタチが悪い。
ここまでしてサウジは生産量の割り当てを押しつけてきていたのです。
このようなサウジの動きがUAEを刺激したのは間違いありません。
サウジアラビア皇太子とロシア・プーチン、世界石油市場について対談|ARAB NEWS
また近年UAEは油井や精油所の近代化に大きな投資をおこなっています。
だから湾岸諸国随一低い採算分岐点を誇っており、増産を強く望んできたという背景があります。
したがって、サウジのようにいたずらに高く売る必要はなく、したがって価格カルテルを拡大する必要もないのです。
「英ウォリック・ビジネス・スクールのデイヴィッド・エルムズ教授は、UAEは採掘した石油の損益分岐点が最も低い国の一つで、サウジアラビアのほぼ半分だと指摘。これは、原油価格が低い局面でも利益を確保できることを意味する。
「つまり、UAEはもっと多く売りたい一方で、価格を高く保つことにはあまりこだわっていない。(OPEC離脱によって)それが可能になる」と、同教授は説明した」
(BBC4月29日)
UAEが5月1日にOPEC脱退へ、かねて生産拡大に投資(BBC News) - Yahoo!ニュース
今回のホルムズ海峡騒動でわかったように、イランはこのここを握ることで世界を自由に操れると過信していました。
しかしあいにくなことには、UAEはホルムズ海峡を通過せずに原油輸出することが可能なのです。
それがフジャイラ・ルートです。
UAEの原油の半分ほどを占めるムルバン原油はパイプラインでフジャイラの製油所と港に直接接続されています。
つまりフジャイラ港から輸出することで、イランによるホルムズ海峡封鎖の影響をなくすことが可能です。
UAEがOPEC離脱。日本はフジャイラ港からホルムズを経由しない低リスク中東産原油を輸入可能に:徹底解説レポート | さっつーのAIエージェント:監修 今泉大輔
「UAEは、自国が保有する「アブダビ原油パイプライン(ADCOP)」およびフジャイラ港のインフラ機能を最大化することで、ホルムズ海峡の物理的リスクを「例外化」することに成功した 。この物理的な海峡バイパス能力を背景に、UAEは生産枠に縛られない「売り切り戦略(Front-loading Strategy)」へと舵を切り、石油で稼いだキャッシュをAI、宇宙、クリーンエネルギーへ集中投下する国家改造計画を加速させる 」
(今泉大輔)
このような切り札を持つUAEがOPECを見限ったのは遅すぎたくらいで、さらにそれは湾岸諸国のもうひとつの繋がりである安全保障協力にも連動していったわけです。
次回はもう少しUAEのもたらした政治的パラダイムシフトを考えていきます。
大統領閣下、時間切れです。
日本のメディアはスルーしていますが、米国には大統領が勝手にダラダラ戦争をさせないために戦争権限法(War Powers Act )というのがあります。
それが5月1日で切れました。
「米国憲法上、戦争を宣言する権限は議会にある。1973年に制定された戦争権限法は、大統領が議会の承認なしに軍事力を動員した場合、共同決議によって軍の即時撤退を求めることができると規定している。また、60日以内に議会から武力行使が承認を得られなければ、30日以内に撤退しなければならない。今回の戦争の実際の開戦は2月28日だが、トランプ政権が議会に公式に作戦開始を通知した時点(3月2日)から日数が数えられる。
軍を撤退させない場合、トランプ大統領が選択しうる方法は、共和党を説得して上下両院で戦争の承認を得るか、議会の同意なしに自ら戦争延長を強行するかの2つだ」
(韓国ハンギョレ4月24日)
トランプ大統領「議会承認なき戦争」あと7日…共和党も「デッドライン」(ハンギョレ新聞) - Yahoo!ニュース
米国における「大統領」はいわば国王のようなものだと考えて下さい。
一方「議会」は上院、下院のそれですが、大統領の権力とバランスするように出来ています。
これは伝統的な欧米の考え方ですが、米国の場合、ベトナム戦争が議会の明確な承認なしに長期化したことへの反省から、大統領の独走を防ぎ、議会の関与を強めるために作られました。
軍事行動に関して、大統領は緊急時には議会の正式な宣戦布告がなくても一定期間、軍を行動させることができます。
ただし、戦争をする権限があるのは議会だけです。
つまり、大統領は自分の権限で軍隊を動かせますが、それは短い期間ですよ、という仕組みです。
米国防権限法が成立、予算は過去最大 台湾の防衛力強化など盛り込む - 日本経済新聞
また、軍事行動は議会への「報告義務」と「期間の制限」があって、期限を過ぎると議会の承認が必要となります。
戦争権限法ではその具体的期限はこのようになっています。
① 最初の48時間以内。大統領は米軍を戦闘状態に投入した場合、48時間以内に議会へ報告しなければなりません。
② 報告後、原則60日間は議会の正式承認なしで戦闘行為を継続できます。
③この60日を過ぎて、議会が承認しない場合は、大統領は単独の判断で戦争を継続できません。
④撤退に要する期間を追加で30日間とみなしますから、都合90日間ということになります。
したがってこの期間を過ぎると、特定の軍事行動を認める法律、あるいは同等の決議や授権決議が必要となります。
2月28日が開戦ですので、60日の制限は4月28日となります。
議会の承認が得られない場合、4月28日までに撤退を開始しなければなりません。
なお、撤収のための「追加30日間」が適用される場合は、さらに5月29日まで延長される可能性があります。
いずれにしても、この期限までに議会からの正式な承認を取り付けねばなりません。
ではトランプ政権はどう考えているのでしょうか。
ヘグセス国防長官はこう言っています。
「1973年制定の戦争権限法は、議会の承認なしに軍を派遣した場合、原則として60日以内に戦闘を終える必要があると定めており、政権の対応が注目されていた。ヘグセス氏は「停戦中は60日間の期限をカウントする時計が一時的に止まる」と主張。トランプ大統領が4月、対イラン攻撃を2週間停止することに同意すると述べ、その後も停戦を延長しているとの立場を踏まえた発言とみられる」
(読売5月1日)
対イラン軍事作戦、戦争権限法の60日撤退規定「停戦中は対象外」…米国防長官が派兵継続を主張 : 読売新聞
つまり、休戦協議のために2週間戦闘行動を停止しているのだから、カウントからはずすということです。
するとデッドエンドは5月2週ということになります。撤収までいれるとさらに30日間追加されます。
では、議会で承認される可能性はどうなのでしょうか。
実はギリギリです。
「一方、上院は4月30日、野党・民主党の議員が提出した、米軍の撤退を求める決議案を採決し、賛成47、反対50で否決した。6回目の否決で、4月22日の前回採決時に反対した与党・共和党の議員1人が賛成に回り、票差が縮まった。
民主党は今後も採決を続ける構えだ。トランプ氏は30日、記者団に「イランとの交渉を進めているのに、(民主党は)毎週のように決議案を提出してくる」と述べ、不快感を示した」
(読売前掲)
微妙ですね。このように見ると、トランプもただのんびりとイランの回答を待っているというわけにいかなくなります。
イランはタンクが満タンで油井がオシャカになりそうですし、トランプもあまり時間が立つと共和党からあと3名造反がでるとアチャーとなるわけです。
またあまり待機させていると集結した軍の志気がダダ下がりとなりますので、来週早々に米軍の再攻撃があるかもしれません。
イランが日本に難しい球を投げてきました。出光丸をホルムズ海峡を通したのです。
「船舶位置情報の提供サイト「マリントラフィック」によると、出光タンカー(東京)が所有する超大型タンカー「IDEMITSU MARU(出光丸)」(パナマ船籍)が日本時間28日午後現在、ホルムズ海峡を通過中のもようだ。
サウジアラビア産原油約200万バレルを積載しているとみられる。当初の目的地は名古屋港で、現在は「FOR ORDER」(注文用)と表示されている。出光タンカーの親会社、出光興産は出光丸の位置などについて「安全上の観点から、お答えできない」、日本船主協会は「連絡がなく、分からない」としている。
同協会によると、ペルシャ湾内には今も日本関係船舶が42隻残っている。米国とイスラエルによるイラン攻撃後、商船三井の液化天然ガス(LNG)運搬船などがホルムズ海峡を通過したものの、目的地は日本ではない。出光丸の安全航行が期待される」
(産経4月28日)
超大型タンカー「出光丸」がホルムズ海峡を通過中か サウジ産原油200万バレルを積載 - 産経ニュース
「出光丸」ホルムズ海峡通過 戦闘開始後、日本関連で“初の原油タンカー”(2026年04月29日) - YouTube
出光丸はモンスター級の超大型タンカー(VLCC)です。
長さ333m、幅60m、深さ29mの巨大な船で、30万トン(200万バレル)の原油を積み、約30km/h(路線バスくらい)で休みなく走り続けることができるという怪物です。
ではこれが日本にどういう影響を及ぼすのか。
日本の製油所が復活します。というのは、日本の精油所は日本最大のENEOS川崎製油所で約24万9,100バレル/日、日本全体での原油処理能力は、石油連盟などの統計では日量合計で200万〜300万バレル規模とされています。
つまりちょうど出光丸が運んだ量に匹敵し、今の日本の精油所が陥っている苦境を救うまさに干天の慈雨です。
さて、気になっていたイランが要求していた「通行料」について、支払っていないとのことです。
また、日本政府がすべての国の船舶の無条件での通航を強く求めていましたから、その成果ともいえます。
これをさすが出光と手放しで激賞しているのが百田尚樹御大です。
「百田氏は29日、X(旧ツイッター)で「さすが出光! 約80年前、出光が日章丸でイランの石油を積み込み、ホルムズ海峡を突破したことを思い起こさせる」と投稿。30日の動画番組で「その出光が、状況は違うが、日本のタンカーとして最初にホルムズ海峡を抜けたのは感慨深い」と、声を詰まらせながら語った」
(産経4月30日)
日章丸描いた百田尚樹氏、ホルムズ通過「さすが出光」 飯山陽氏「イランのプロパガンダ」 - 産経ニュース
ホルムズ海峡通過の出光丸、行き先は「名古屋」 厳戒下の決断、73年前の日章丸事件想起 (産経新聞) - Yahoo!ニュース
でたな、妖怪というかんじですが、いきなりこちらは頭が冷えてしまいました。
百田氏が有名な『海賊とよばれた男』を書いたことは有名すぎるほど有名ですが、あの「日章丸」事件とは、身も蓋もない言い方をすれば、日本の民族石油会社がイランと結託して米英を出し抜いてやったぜというお話なんですよ。
「日章丸」事件を彷彿とさせるというならば、今回の「出光丸事件」も苦境のイランと手を結んで、英米を出し抜いてやったぜということになってしまいます。
それってイランの日米分断工作にまんまと乗ったということじゃありませんか。
まちがいなくイランにはその意図があったはずです。
というのは、口が酸っぱくなるほど書いてきていますが、イランのカーグ島貯蔵施設は満タンでもう入らないのです。
窮余の一策でカーグ島にポンコツタンカーを付けて移送しようとしてみたり、最後には中国に陸路でなんとか移すことまで考えたそうですが、全部ダメ。インフラが革命政権のおかげでガタガタだからです。
溢れだしたら、イラン油井は「永遠のゼロ」です。
アラグチなどの現実派はなんとかホルムズは開けるし、封鎖が解ければ核物質もなんとか革命防衛隊をなだめるからと米国に言っているのでしょうが、米国の答は変わらずにノーです。
イランの約束破りと引き延ばし戦術はいつものことですし、そもそも言っているアラグチらが実権を掌握していないことを充分に知っています。
「一億総特攻」のカリバフがクーデターを起こして現実派を一掃しようとしていることまで知っているからです。
現実派がどこまで国軍を味方に付けられるかが勝負です。
結局、国軍を動かすしかないでしょうが、今ひとつ国軍の状況がつかめません。
イランのもひとつの軍である国軍が、「一億総特攻」に走った革命防衛隊とシッカリ対峙できれば状況は大きく変わるのですが。
こんなときに飛び出したのが「出光丸事件」でした。
これをアラグチらの差し出す手ととるか、分断ととるかなんともいえません。
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