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2026年5月12日 (火)

ゆっくりと死んでいくロシア

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イランが自己破滅的回答をよこしましたが、内容的にはなんの進歩もないので、これについては明日にまわします。

さて、ロシアが突然一方的停戦をしました。
理由は、突然平和が好きになったのではなく、とうやら「戦勝記念日」に停戦しないとモスクワを爆撃されそうだからのようです。


「ロシアの首都モスクワで4日未明、高層集合住宅にウクライナのドローンが命中し、建物の外壁が大きく損傷した。死傷者はいなかった。高層住宅は、クレムリン(ロシア大統領府)や赤の広場のある首都中心部から南西約6キロの高級住宅地にある。他方、ロシア政府は4日、戦勝記念日の記念行事に合わせて8日と9日にはウクライナに対して停戦すると一方的に宣言した」
(BBC5月5日)
モスクワの高層住宅にドローン攻撃 赤の広場から数キロ - BBCニュース

かつては鉄壁を誇ったロシアの防空システムはいまやズタボロです。
イランやベネズエラでもわかったことですが、ロシア製防空システムはほとんど無効化されています。
これは恐ろしいことで、同じシステムを使っている中国やイラン、北朝鮮、キューバなどの空はガラ空きだということになります。

ですから、ウクライナは自由にドローンを侵入させてロシアの内懐を攻撃し続けていますが、まったく撃墜できていない状況です。

「これまで前線から遠く離れていたロシアの首都モスクワが、ウクライナの長距離攻撃能力の向上により、安全圏ではなくなりつつあります。数日前には、ウクライナによるとみられる無人機(ドローン)攻撃がモスクワ周辺で相次いで確認され、空港の一時閉鎖など、ロシアの首都機能にまで影響が及びました。ウクライナのキーウからモスクワまでは約800km、国境からも最短で450kmという距離にもかかわらず、ドローンが到達した事実は、ウクライナの長距離ドローン戦力の向上と、ロシアの防空システムの地理的・機能的な「穴」を露呈しました。この事態は、ロシア当局に前線だけでなく、国内、特に首都の防衛という新たな、かつ緊急性の高い課題を突きつけています。こうした首都への脅威を受け、ロシア当局は戦勝記念パレードの規模を大幅に縮小する判断を下しました」
(ミリレポ5月6日)

ロシアが突然の停戦…理由は「戦勝パレード」か モスクワ攻撃の影響も

一方、ロシアがやけっぱちのように撃ってくるドローンやミサイルは9割以上の確率で落されています。
たとえばロシアの弾道ミサイル「キンジャール」は、イスカンデルの空中発射型でマッハ10で飛翔し、米欧の防空ミサイルでは絶対に撃墜されない、と豪語していましたが、ウクライナの防空ミサイルで多くが撃墜されています。
たとえば直近の5月1日の迎撃戦闘のドローンとミサイルの阻止率を見てみましょう

5月1日:8時発表・宇空軍(前日17時45分~8時)
自爆無人機と囮無人機×210飛来190排除、20突破 ※阻止率90%
5月1日:15時30分発表・宇空軍(8時~5時30分)
自爆無人機と囮無人機×409飛来388排除、21突破 ※阻止率95%
2026年5月1日ウクライナ迎撃戦闘の合計
自爆無人機と囮無人機×619飛来578排除、41突破 ※阻止率93%
(JSF5月4日)
ロシア軍がウクライナを3日連続で夜と昼の絶え間ない空襲、1500機以上の長距離ドローンが飛来(JSF) - エキスパート - Yahoo!ニュース

ISWはこう述べています。

「クレムリンはここ数週間、防空資産を移動させたにもかかわらず、ウクライナの攻撃に対してほとんど防御に失敗し、パレード直前の数日間は脅威のエスカレートに訴えた。
クレムリンが歴史的に利用してきたこのようなイベントの短縮された形式は、4年間にわたる戦争がロシアに与えている負担の増大を反映している」
(国際戦争研究所5月9日)
ロシア攻勢作戦評価、2026年5月9日 |ISW

そしてそこまでしてやった戦勝記念日は実にシケたものでした。
ロシア人が大好きな戦車の大群は1台も登場せず、ロシア歩兵はショボついて行進し、主役は北朝鮮の傭兵軍団だけで、いつもがん首を並べる独裁国家のボスの姿もほとんど見えなかったいという薄味だったようです。
これでは国威発揚どころか、国威ダダ下がりです。

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北朝鮮軍が戦勝節で初参加 ロシアと同盟強化示す - ChosunBiz


「今年の5月9日のパレードは規模が縮小されることになった。赤の広場では約20年ぶりに兵器が登場しない。戦車も弾道ミサイルも登場しない。兵士の行進があるだけだ。
過去を思い起こそうとするクレムリン(ロシア大統領府)のやり方は、現状を実に雄弁に物語っている。ロシアによるウクライナでの戦争が、計画通りに進んでいないことを表している。
「我々の戦車は今、手一杯だ」と、ロシア国会のエフゲニー・ポポフ議員は私に言った。「戦っている最中だ。赤の広場より戦場で(戦車を)必要としている」」
(BBC5月6日)
【解説】 ロシアの対独戦勝記念パレードに戦車なし、ウクライナでの戦争が計画通りでないこと示唆=ロシア編集長 - BBCニュース

そう、ポポフ議員が言うように戦場では戦車がたりないのです。
いやすべてが足りない。

プーチンの脳内ではソ連の大祖国戦争に連なるのがウクライナ戦争のはずでした。
軍事的政治的だけではなく、道徳的にも真正の「ソ連の末裔」はロシアであり、それを証明するための戦争だったはずでした。
しかし大祖国戦争より長い期間の戦争になってしまったにもかかわらず、すでに犠牲者はロシアの総人口の1割に達し、財政負担はきしみを上げてのしかかっています。

「ロシアの野党メディア、メドゥーザとメディアゾナは5月9日に、ロシア相続事件登録簿(RND)、連邦国家統計局(Rosstat)、ロシアの裁判所記録、そして死亡した兵士リストのデータによると、ロシアが2022年2月に全面侵攻を開始してから2025年末にかけて少なくとも35万2千人のロシア兵が死亡していると報じた。
メデューザとメディアゾナの更新された負傷者数には、初めて行方不明および死亡推定の軍人が含まれています。ロシアの裁判所は、2025年7月までに約9万人の軍人が行方不明で死亡したと宣言しています。実際のロシア軍人の戦死数(KIA)は、メドゥーザとメディアゾナの報告の制限から保守的な推定である可能性が高いため、はるかに多いと考えられます。2026年2月時点でのロシアの総死傷者(戦死および重傷者)は130万人と報告されています」
( 国際戦争研究所5月9日)
ロシア攻勢作戦評価、2026年5月9日 |ISW

プーチンは祖国の救世の英雄になるどころか、いまやクーデターを恐れて地下壕に逼塞する有り様です。
そしてモスクワですらウクライナの攻撃の射程に入ってしまったわけです。
戦勝記念日はロシアの敗北と衰退を告げる暗い戦勝記念日となったのです。

 

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コメント

「いやすべてが足りない」プーチンのおつむも足りない(爆笑)。

まさか名物の骨董品T-34すら出ないとはね。

戦争がこれだけ長引いてるのに戦果に対して死者が多すぎました。さすがにロシア国民もおかしいことに気付いてきたということでしょう。
プーチンも危険を感じて地下壕に籠り、高級官僚や軍人には監視つけるという有様。とうとう自らの統治がボロボロと崩れつつあると悟ったようです。

4年前から言ってましたが「やらなくてもいい無駄な戦争」を続けた独裁者の末路です。

ついには侵略された側のウクライナから発射されるドローン数がロシアを上回りました。

まあそんなピンチのロシアを中東で戦争を起こして原油価格を引き上げることで間接的にアシストしているんですけどねトランプは。

日本も首相が今井補佐官やムネオに唆されたのかは知りませんが経産省主導の企業訪露団なんか結成しちゃってまだ懲りてないのかと言いたい。

いつもありがとうございます。

ウクライナの技術革新と勇戦には頭が下がります。

原油価格のためにロシアは停戦をしない、と思っていましたが、
首都の防衛や反乱の抑止と天秤に掛ける事態になりました。

今後は正規軍は全部ロシアへ、
テロ組織だけホルムズ海峡で活動、
となるでしょう。

テヘランから戦車が抜かれれば、
市民が立ち上がりやすくなります。

モスクワだって、今プリゴジンが蜂起すれば、
勝てたかもしれないですね。

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