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2026年5月29日 (金)

ウクライナ軍、ドローンを携えてサポリージャに反攻

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ウクライナは世界有数の、おそらくは世界一のドローン技術を持つ国です。
いわば国を支える特技といってよいでしょう。
そのドローン技術は、いまや支援を受ける国から、与える国へと変貌しつつあり、外交的に極めて協力なカードとなっています。
たとえばNATOの演習にオブザーバー参加したウクライナ軍は、わずか数人のオペレーターで対抗側を振り回し、叩きたたきのめしたと言われています。
西側も、眼前で3000万ドルもするような高価な戦車が、わずか1000ドルもしない攻撃用UAVで破壊されるのを見せつけられたわけです。
こりゃ認識も変わるはずです。
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ウクライナ「ドローン軍」強化、1000の無人兵器投入へ…「兵士の命救うため代わりに」 : 読売新聞

「火砲や戦車も、今なお強力な武器だ。しかし、コストが1000ドルほどのドローンも、熟練操縦者の手にかかれば、3000万ドル相当の戦車を破壊できてしまう。最近の米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、昨年エストニアで行われた北大西洋条約機構(NATO)の演習にウクライナからドローン操縦者が招かれた時、彼らはわずか数人でNATO側に大混乱をもたらしたのだという。NATOは大幅な遅れを取り戻さなくてはならない。4年間の戦争の結果、世界で最も熟練したドローン戦の実戦経験者は、今やウクライナとロシアの兵士たちなのだ。そのことは、今の戦争の大きな影響の一つだ」
(BBC2026年2月26日)
【解説】 ウクライナは今も果敢、敗北が近いとは思えない……BBC国際編集長 - BBCニュース

まさにその意味で、ドローンは言葉の正しい意味でゲームチェンジャーだと言ってよいでしょう。
防衛省は、ゲームチェンジャーについてこう言っています。
「そもそもゲーム・チェンジャーとは、何かということですが、この言葉は元々 スポーツ分野の言葉と言われています。 特に野球において、試合の流れを一気 に変えてしまう選手のことを指す言葉でした。 これが転じて、動向を大きく変 える人や出来事をゲーム・チェンジャーと言うようになりました」
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かつてこのウクライナ戦争においても、ゲームチェンジャーと呼ばれた兵器はいくつも登場しました。
ある時はそれはハイマースであり、ジャベリンであり、F16であり、はたまた西側戦車がゲームチェンジャーに擬されましたが、いずれも長短があってその座に長く止まることはできませんでした。
たとえばロシア戦車に無敵を誇ったジャベリンは強力無比な対戦車ミサイルでしたが、恐ろしく高価で、米国からの供与された数も限られたものでした。
ハイマースも面制圧が可能な精密多弾頭ミサイルでしたが、これも同様な理由でウクライナの自由にはなりませんでした。
F16もエイブラハム戦車も奮闘していますが、いかんせん数に限りがありすぎます。
このような数とコストの壁に阻まれて、一時はウクライナはこのまま敗北するのかと思われていましたが、そこに登場したのがドローンという救世主でした。
ドローンの凄さは恐ろしく安価で、大小目的により価格に幅がありますが、安いものなら15万円で一機買えてしまえるというチープぶりです。
また大部分の部品はウクライナ国内で調達できる民製品で済みますから、支援という外部に依存せずに済みます。
恩きせがましく、支援を出したり引っ込めたりするトランプの顔色をうかがわずに済むということです。
「2年前にウクライナ軍がドローン専門の司令部を作り、陸軍、海軍、空軍などと同じ軍種の一つにドローン部隊を位置づけた。このドローン専門の司令部がドローン作戦について様々な新しい考え方を打ち出してきた。しかも、陸軍や空軍などとも連携をしている。さらに、ウクライナの軍と民間企業は、この4年以上ずっと連携を続けてきて、イノベーションを起こし、ドローンの能力を飛躍的に高めた。加えてAIなども使って司令官の意思決定を支えるシステムができた。ドローンを有効活用できる態勢が整い、目に見える形で効果を上げ始めている」
(小谷哲男)
ウクライナがドローンで対ロシア反撃“加速”AI駆使で戦場は…米テック企業の意図(テレビ朝日系(ANN)) - Yahoo!ニュース
もうひとつ有利に働いたのはスターリンクでした。
これはイーロン・マスクが所有するナビゲーションシステムですが、マスクはウクライナ国内のロシア登録末端を切断しました。
これにより、ロシアはナビがつかえなくなるという致命的な状況に陥りました。
現代の戦場でナビが使えないければ、大砲やミサイルを発射できず、ドローンも歩兵の組織的運用すら不可能となります。
「ドローン戦で優位に立つため、両国は常に技術革新を続けている。世界一の富豪イーロン・マスク氏が所有するスターリンクのシステムを、どちらも戦場での通信やナビゲーションに使用している。マスク氏が最近、ウクライナ国内で活動するロシア登録端末を遮断すると同意したため、ロシアは打撃を受けた。ポーランドの資金で運用されるスターリンクを使うウクライナが最近、ウクライナ南部の領土を奪還できた、その大きな理由がこれだと言われている」
(BBC前掲)

これよよってウクライナはいままでの防御から攻勢モードに移りました。
それが顕著なのは、あのアゾフ連隊によるアゾフスタル製鉄所の死闘で忘れることのできないサポリージャです。
ここもロシア軍へのスターリンク遮断と機を一にして攻勢に移りました。
そしてその攻勢主力はあの懐かしきアゾフ連隊です。
アゾフスタリ要塞陥落せず: 農と島のありんくりん

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米国務省、ウクライナ「アゾフ連隊」への兵器供与を解禁 - CNN.co.jp

「ロシアはウクライナ軍が南部ザポリージャ州で反転攻勢を開始したと主張している。この主張がされ始めた時期は、米スペースXの衛星通信サービス「スターリンク」へのロシア軍のアクセスが新たに制限され、前線の通信に支障が出始めた時期と重なっている。
アナリストらによると、ロシア側が流布する「ウクライナの反攻」というナラティブ(語り)は、ロシア側が以前に主張していた疑義のある領土獲得の話と符合する。スターリンクの制限によって通信に障害が出るなかで、ロシア側のナラティブはにわかにロシア軍の進撃からウクライナ軍の反撃に移り変わった」
(フォーブス2026年2月13日 )
ウクライナ軍が南部で「反攻」とロシア主張 スターリンク制限と絡めナラティブ戦展開 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

サポリージャはロシア軍の兵站ラインの中央を担っており、ここをウクライナ軍に切断されれば、以西の戦線とクリミアは孤立します。
アゾフ連隊はこのサポリージャに多数のドローンを持って再び登場しようとしています。

ゼレンスキーはこの機をのがさず外交的攻勢に打って出ました。

「他方、この戦闘の背景には外交圧力の高まりがある。ウクライナのボロディミル・ゼレンスキー大統領によると、米国は和平合意を6月までに成立させることを求めているとされる。このタイムリミットにより、ロシア側が持続的に圧力をかけ続けてきた前線の帰趨は、一段と重要な意味を持つようになっている。
2022年にウクライナ南東部マリウポリでウクライナ兵として戦い、ロシア側の捕虜になった元英国軍人ショーン・ピナーは、筆者のインタビューで「懸かっているものはたいへんに大きい。
現状についての認識がそのまま外交に直結するからです」と語った。「ウクライナが行き詰まっているように見えれば、不利なディール(取引)をのませようとする圧力が高まります。一方、ロシアが能力を著しく消耗しているように見えれば、ロシアはどのような交渉でも影響力を一気に失います」
(フォーブス前掲)

トランプの本音は、ここでロシアにドネツクの20%とサポリージャ州とヘルソン州を割譲しろというものです。
ついでにウクライナは選挙をしてゼレンスキーを降ろせということも言っているようです。
これが仮にも自由主義陣営の盟主の言うことかと呆れます。
私がこの男をまったく信用しないのはこういうことをする人物だからです。
しかしそれが現実な以上、ウクライナは独力で独立を守るしかありません。

「ウクライナが今なお保持するドネツクの20%と、ロシア軍が奪取できていない南部ザポリッジャとヘルソンの両州を、それぞれロシアに割譲せよ――というのが、プーチン氏がウクライナに突きつけている要求の重要部分だ。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領によると、アメリカは夏までに停戦を実現しようと、この条件を受け入れるよう彼に圧力をかけているのだという。
アメリカのドナルド・トランプ大統領は、ゼレンスキー氏に選挙実施を求めている。プーチン氏に対しては、同じ要求はしていない。トランプ氏は、戦争を終わらせたのは自分だと宣言したがっている様子だ。たとえ停戦が維持されなくても、彼は停戦を自分の手柄だとして、今秋の中間選挙を戦う材料にするだろう。さらにトランプ氏は、対ロ制裁が解除されるまでは行えない、ロシアとの巨大なビジネス取引も視野に入れている」
(BBC前掲)

その意味でも、ドローンという新たな武器はウクライナにとっての天恵なのです。
ウクライナの驚異的しぶとさが試されるのはいまです。

ひさしぶりにウクライナ応援バナーを出すことにしました。

 

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ウクライナに平和と独立を



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コメント

いつもありがとうございます。
ウクライナ、本当に凄いですね。

一方でロシア側のゲームチェンジャーを挙げると、
核(恫喝)、原発(恫喝)、外国人兵、
そしてトランプ・・・なんでお前がロシアの切り札なんだと。

今後は、中露首脳会談の成果として、
中国の兵器・兵員が来るのではないかと思います。
さらに属国化が進むのですが。

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