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2026年5月16日 (土)

商談に行ったトランプ

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今回の米中首脳会談で妙な悲観マウントをする人が出ているようですが、違うでしょうね。
トランプは「勝った」と思いますよ。
なぜなら、余計なことを言わなかったから。
あのおしゃべりはペラペラと品性のないことを言ってしくじるのですから、それを封じていれば「勝ち」です。
黙っていれば堂々とした合衆国大統領に見えるよ、トランプさん。

心配していたG2についても、台湾についてもあれだけ誘いを掛けられても言質を与えませんでした。
その意味でイニシャチブはトランプが一貫して握っていたといえます。

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習近平、米国大統領トランプ氏と会談 - 新華網

習近平はともかくトラ親方の言質を取りたい、得点を得たいとガツガツした印象でした。
冒頭から中国流歓迎責めでトランプを喜ばせて丸め込みたかったようです。
エアフォースワンが北京に到着したら、韓正国家副首席がお出迎えし、ダーっとレッドカーペットを敷かれた上を歩かされて、そのすぐ脇を中国の青少年が同じ服を着て同じパーフォーマンスで踊るといういかにも権威主義国家らしいお出迎えが待っていました。
人文字の世界ですな。自由主義国家でコレやる国なんか考えられません。
高市さんがやったらと思うと爆笑ものですが、習近平としてはこれが最大の歓迎の表現なんですから、あの人の価値観がモロに出ました。
さすがは文革下放組、さすがは根っからの毛沢東主義者。

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トランプ氏、習氏と米中首脳会談へ 北京に到着し歓迎受ける - BBCニュース

私だったらこの時点で気持ち悪くなって帰りたくなりそうですが、案外トランプはいい気分だったようです。
一方習近平はこの間、粛清をしまくって不安定な権力基盤をさらけ出していました。
2025年10月に北京で開催された4中全会では、中央委員資格を持つ軍幹部やOB42人のうち、実に6割超にあたる27人が欠席し、うち8人はすでに「重大な規律違反」を理由に党籍と軍籍を剥奪されていた元軍人でした。

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XユーザーのTatsushi Tomiokaさん X

その中には側近中の側近であるはずの張又侠中央軍事委員会副主席まで含まれていました。
彼は福建省厦門(アモイ)市に駐屯する旧第31集団軍の出身者で、台湾方面を管轄する東部戦区やその前身の旧南京軍区に長く勤務していました。
つまり中国軍の戦略正面を任されていた軍人でしたが、これの首を斬ったわけです。

またトランプ訪中直前の5月7日、元国防相の魏鳳和と李尚福らを汚職、不忠誠などを理由に党籍、軍籍剥奪処分とし、さらに中国軍事法廷は収賄、贈収賄容疑で、執行猶予付きの死刑判決を言い渡しました。
死刑といっても2年後には終身刑に減刑されるようですが、その後の減刑はなく仮釈放もないために終身刑ということです。
個人財産は全部没収されて一家離散ですからスゴイね。
容疑は汚職ですが、高級軍人で汚職に手を染めない者はないのが中国軍ですから、習近平の恣意で誰でも粛清できます。
つまり習近平にとって、決していい時期に来られたわけではないということです。
そして誰もいなくなった: 農と島のありんくりん

さて、話を戻して首脳会談において習近平は台湾についてこう言っています。

「習近平は台湾問題が中米関係において最も重要な問題であると強調しました。 適切に対処されれば、両国の関係は概ね安定するでしょう。 適切に対処されなければ、両国は衝突または衝突し、中米関係全体を非常に危険な状況に追い込むことになる。 「台湾独立」と台湾海峡の平和は両立せず、台湾海峡の平和と安定の維持こそが中国とアメリカの最大の共通点である」
(新華網5月14日)
習近平、米国大統領トランプ氏と会談 - 新華網

この習近平の言い方はずいぶんと強硬な言い方で、台湾に手を出したら「両国は衝突し危険な状況になる」、つまり戦争になると言っています。
大歓迎のベールの下はコレです。
ここで下手な言質を与えれば、翌日の官製メディアのトップにデカデカと乗ったでしょうが、なにもないのでトランプはスルーしたようです。
トランプの返礼はこうです。
前段は空疎な外交辞令ですから読みとばしてくれてけっこうです。言いたかったのは後段。

「トランプ氏は中国を国賓訪問することは大変光栄だと述べました。米中関係は非常に良好であり、私は米中両国の国家元首間で史上最長かつ最良の関係を築き、友好的なコミュニケーションを維持し、多くの重要な問題を解決しました。習近平国家主席は偉大な指導者であり、中国は偉大な国であり、習近平国家主席と中国国民を深く敬意を表しています。本日の会談は世界的な注目を集める重要な会談です。
私は習主席と協力し、コミュニケーションと協力を強化し、意見の相違を適切に解決し、歴史上最高の米中関係を開拓し、両国のより良い未来を創り出したいと考えています。米国と中国は世界で最も重要かつ強力な国であり、米中協力は両国と世界に多くの偉大な成果をもたらす可能性があります。私の訪問には中国を尊重し評価するアメリカのビジネス界の優れた代表が集まり、彼らに中国との協力拡大を積極的に促します」
(新華網前掲)

そしておもむろに習近平に紹介したのが米国籍の世界トップ企業30社のCEOでした。
AI、宇宙産業、半導体、航空機、半導体などで、いずれも米中が覇を競っているものばかりです。
これらの世界覇権はオレの国だぜ、どうだ買えやということです。
その他にも農産物もあったようですか、いままで中国は外交辞令で大豆や旅客機を大量に買うと約束しながらことごとく空手形でしたから、CEOを連れていって契約までさせてしまおうということのようです。

つまりトランプは商談に行ったので、イランで習近平がホルムズ海峡開放大賛成、武器売りません、核開発反対、なんて特に言ってもらわなくても困らなかったでしょう。
そんなことは決まりきったことですからね。

 

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コメント

 この事も日本の報道を見ている限り、まるで印象が違ってしまいますね。トランプは大豆を売り、飛行機を売り、型遅れの半導体やら諸々の商売に成功しています。対して習近平は台湾問題に終始。何とか「台湾独立反対」の言質を取る事、より具体的には「台湾への武器売却案にトランプが署名しない事」をさながら目指したものでした。
しかし今回のトランプは正常で、当たり前に「ゼロ回答」でした。さらに近平は有事の際の米国の台湾防衛の可能性にまで言及したようですが、トランプはお得意の「それについては話したくない」とか。
出来ればトランプと言う虎の威を借りて台湾問題を前進させたかった。(涙)
王毅は立場上台湾問題について「好感触を得たとか言ってますが、そのような実質はなく、せいぜい「スルーされた」ってのが事実でしょう。
台湾議会でも減額されたとは言え(段階的措置)、予算は通っているので、その分7800億分の署名をトランプはすることになるでしょう。
なので、今回の習近平の派手な「おもてなし」は徒労となる公算が大です。

エア・フォースワン搭乗中の大統領から高市首相に電話があったとか。
内容は
・今般の中国訪問についての詳細説明
・中国をめぐる諸課題を中心に意見交換
・インド太平洋地域情勢、イラン情勢で意見交換
・来月のG7サミットの機会に会うことをお互いに楽しみにしよう

https://www.kantei.go.jp/jp/105/statement/2026/0515kaiken.html

高市首相が電話したのではないという点が重要ですね。
これでは文句を言いたくても言えない。

始まりのスピーチでトランプが「この会談の話題で世界中が持ちきりになる」と述べたほどには、商談以外に特別驚くことは起きなかった、トランプは抑制的だった、そういうことがニュースになる…。
1回目の会談を終えて習と2人で屋外を歩くトランプに待ち構えた記者達が質問をいくつも投げ始めると、トランプは記者達の方をチラリと見て僅かな間の後すぐに背中を向けて歩き始めた。自律的にか誰かの忠告でかは知らないが、何も喋らないぞという態度が見えたのは、いつものトランプととても違っていた。
デイリー・メール記者の目撃談として、帰る前、アメリカ訪中団は中共から配布されたものは全て回収し、誰も何もエアフォース・ワンに持ち込まなかった、と伝えられている。
そうなのだとすれば、国家安全保障を毀損しないための定石はちゃんと守られたか。
台湾について米国の方針は変わらない、としているが、武器売却については頼総統と話す必要があるともトランプは述べたので、次はそこに注目。
米中会談の詳細は文書が出るのを待つ。
会談前に、イラン産原油を積んだ中共タンカー3隻を、アメリカが港湾封鎖を自ら崩してまで通してやったのは、台湾問題で塩対応するのと引き換えの手土産なのだろうか、それとも、商取引用だろうか。
https://news.yahoo.co.jp/articles/16e0b2ab81b37cf8814bae5b71217e7e11285ddc

「無能な者は厚くもてなせ」という中国の故事は、今回見事空振りに終わりましたね。

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