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2026年5月 4日 (月)

UAEが作ったパラダイムシフト

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UAEのアンワル・ガルガシュ大統領顧問は2026年4月27日というOPEC脱退直前に、中東紛争の発端となった米イスラエルによる攻撃に対するイランの報復攻撃への湾岸諸国の対応を批判しました。
非常にすっきりとした批判で、いままでのイランに対する湾岸諸国のあいまいさを鋭く突いていて、UAEはOPECという経済的カルテルから離脱するだけではなく、軍事的にも独自の道を歩もうとしているようです。

「【5月1日 AFP】アラブ首長国連邦(UAE)のアンワル・ガルガシュ大統領顧問は4月27日、中東紛争の発端となった米イスラエルによる攻撃に対するイランの報復攻撃への湾岸諸国の対応を批判した。
ガルガシュ氏はドバイで開催された会議で、この危機において湾岸諸国とは物流面で助け合ったとする一方で、湾岸諸国の政治的・軍事的対応を厳しく批判。
「攻撃の性質と、それがすべての国に及ぼす脅威を考慮すれば、GCC(湾岸協力会議)の対応は歴史的に見て最も弱腰だった」と述べた。湾岸協力会議の加盟国は、UAE、バーレーン、クウェート、オマーン、カタール、サウジアラビアの6か国。
ガルガシュ氏は、中東・北アフリカの21か国と1機構から成るアラブ連盟については弱腰な対応をすると予想していたが、「GCCの弱腰な対応については予想外であり、驚いている」と述べた」
(AFP5月1日)
UAE、湾岸諸国のイラン対応を「弱腰」と批判 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

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AFPBB News

UAEは日本にとって原油の輸入において、サウジを凌いで圧倒的に第1位の座に君臨しています。

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【日本の原油調達】脱中東依存、妙手なく 多角化困難、続く高騰懸念:山陽新聞デジタル|さんデジ

今回のOPEC離脱の原因となったのは、UAEが高い潜在的生産量を持っているにもかかわらず、サウジに頭を抑えられていることへの不満が溜まっていたからです。
というのもUAEの生産能力は日量480万バレルですが、現在のOPECの生産割当制度の下では日量約342万バレルに制限されてきました。
産油能力の3分の1に近い138万バレルも削られれば、そりゃ頭くるわな。

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UAEがOPEC脱退表明 ホルムズ海峡の封鎖長期化の中 背景にサウジとの“対立”(テレ朝NEWS)|dメニューニュース(NTTドコモ)

最も加盟国が多い時には、OPECの加盟国は16カ国でしたが徐々に離脱していき、今はなんとロシアなどを入れた「OPECプラス」という新たな枠組みまで作ってカルテルを維持しようとしてする始末です。
ロシアが国際制裁で原油輸出できないのを百も承知でやっているのですから、まったくサウジはタチが悪い。

ここまでしてサウジは生産量の割り当てを押しつけてきていたのです。
このようなサウジの動きがUAEを刺激したのは間違いありません。

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サウジアラビア皇太子とロシア・プーチン、世界石油市場について対談|ARAB NEWS

また近年UAEは油井や精油所の近代化に大きな投資をおこなっています。
だから湾岸諸国随一低い採算分岐点を誇っており、増産を強く望んできたという背景があります。
したがって、サウジのようにいたずらに高く売る必要はなく、したがって価格カルテルを拡大する必要もないのです。

「英ウォリック・ビジネス・スクールのデイヴィッド・エルムズ教授は、UAEは採掘した石油の損益分岐点が最も低い国の一つで、サウジアラビアのほぼ半分だと指摘。これは、原油価格が低い局面でも利益を確保できることを意味する。
「つまり、UAEはもっと多く売りたい一方で、価格を高く保つことにはあまりこだわっていない。(OPEC離脱によって)それが可能になる」と、同教授は説明した」
(BBC4月29日)
UAEが5月1日にOPEC脱退へ、かねて生産拡大に投資(BBC News) - Yahoo!ニュース

今回のホルムズ海峡騒動でわかったように、イランはこのここを握ることで世界を自由に操れると過信していました。
しかしあいにくなことには、UAEはホルムズ海峡を通過せずに原油輸出することが可能なのです。
それがフジャイラ・ルートです。
UAEの原油の半分ほどを占めるムルバン原油はパイプラインでフジャイラの製油所と港に直接接続されています。
つまりフジャイラ港から輸出することで、イランによるホルムズ海峡封鎖の影響をなくすことが可能です。

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UAEがOPEC離脱。日本はフジャイラ港からホルムズを経由しない低リスク中東産原油を輸入可能に:徹底解説レポート | さっつーのAIエージェント:監修 今泉大輔

「UAEは、自国が保有する「アブダビ原油パイプライン(ADCOP)」およびフジャイラ港のインフラ機能を最大化することで、ホルムズ海峡の物理的リスクを「例外化」することに成功した 。この物理的な海峡バイパス能力を背景に、UAEは生産枠に縛られない「売り切り戦略(Front-loading Strategy)」へと舵を切り、石油で稼いだキャッシュをAI、宇宙、クリーンエネルギーへ集中投下する国家改造計画を加速させる 」
(今泉大輔)

このような切り札を持つUAEがOPECを見限ったのは遅すぎたくらいで、さらにそれは湾岸諸国のもうひとつの繋がりである安全保障協力にも連動していったわけです。

次回はもう少しUAEのもたらした政治的パラダイムシフトを考えていきます。

 

 

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コメント

そう言えばイランの油井コーニングはどうなったのでしょうか?そろそろ使い物にならなくなっている頃ですが…

 ここでUAEのOPEC離脱にともなう変化を記事として取り上げるのは、さすがの慧眼です。なぜかと言えば、イラン後の中東がどうなるか?を考える上で最大・重要な要素となり得るからですね。
石油の供給量と値段は実質的にサウジとロシアが決めていたところ、サウジには中東の覇権国になる欲が強すぎました。その達成をもくろむからプーチンと組み、独裁者好きのトランプとも相性が良い。
ところがどっこい、足下にいたハズのUAEが離反となると、サウジの方向性に狂いが出ます。現在のUAEの軍事力は侮れませんし、裏面では迎撃ドローンなどウクライナの支援もあります。目が離せません。

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