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2026年5月 5日 (火)

海事保険と海軍の関係

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やっとホルムズ海峡情勢が動くようです。

「トランプ米大統領は3日、ペルシャ湾に足止めされている中立的な一部船舶を対象に米国がホルムズ海峡を通過させる誘導を4日に開始するとSNSに投稿した。
トランプ氏は「船舶の移動は、何ら非のない個人や企業、国家を解放することを目的としたものであり、彼らは現在の状況の犠牲者だ」と指摘し、「この人道的プロセスが何らかの形で妨害される場合、遺憾ながら断固とした対応を取らざるを得ない」と表明した。
投稿では、米国が具体的にどのような措置で船舶の海峡通過を支援するのかは明らかにしていない。米中央軍は3日、ホルムズ海峡での商業航行を回復させるため、誘導ミサイル駆逐艦や航空機、ドローンの活用を含む軍事支援を提供すると発表した」
(ブルームバーク2026年5月4日 )
米国、ホルムズ海峡通過を4日から支援-中立船が対象とトランプ氏 - Bloomberg

ただし、よく分からないのは「米当局者」はこうも言っていることです。

「米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が米当局者の話として伝えたところによると、この新たな取り組みには現時点で米海軍による護衛は含まれておらず、各国や保険会社、海運団体との調整プロセスが中心になるという。当局者名は示されていない」
(ブルームバーク前掲)

う~ん、このWSJがいう「保険会社と海運会社との再調整プロセス」って、例のトランプが言っていた米政府がロイズから再保険するということなんでしょうか。
あれはトランプが、いままで英国の繁栄を支えて来たロイズ保険組合とガチンコの勝負をしようという話でした。
ロンドンにはもうひとつロンドンがあって、それは「シティオブロンドン」(通称「シティ」)と呼ばれている金融業の中心地です。
今の英国はこの金融業で食っているのですが、その中心は保険と船主組合、船員組合などが一体となったロイズ保険組合です。

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ロイズとは何か?イギリスの保険市場「ロイズ」の仕組みを解説 - ひつじ図書協会

これは海事における大型保険などの再保険を引き受ける引受人団体のことで、彼らロイズが300年間に渡って海のルールを決めてきました。
そして、その下には、地域別の7つのP&I保険組合があり、そこが船の自賠責保険であるP&I保険(船と船荷ともしもの時のサルベージなど)を引き受けてきました。

その引き受け条件として、船体検査等安全な船の運行を手助けしてきており、海事条約加盟国はこの保険の加入を入港の必要条件としてきたわけです。
海事条約とは国同士で取り決めた「海と船に関する国際ルール」をまとめた条約の総称で、国連の専門機関である国際海事機関( IMO) や、国連などで作られています。国連海洋法条約が有名ですね。
つまりロイズは各海運会社にこれらを守らせ、ロイズに保険金を払っていないと外国の港に寄港すらできなくなるわけです。

もっとも、いまやロシア、インドなどが白タクならぬ「影の船団」をおおっぴらに運航して保険に入らない船が2割にも達するという事態になっています。
ロイズの権威はロイヤルネイビーが裏打ちしていたのですが、海軍が衰退したためにこのような事態になってしまったのです。

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ロイズとは何か?イギリスの保険市場「ロイズ」の仕組みを解説 - ひつじ図書協会

今回のホルムズ海峡封鎖事件でも、ロイズは杓子定規に保険には入れないという型通りの対応をしたために、数百隻のタンカーやばら積み船、貨物船が依然としてペルシャ湾内に滞留しており、一方産油国も新規の原油供給を受け入れるスペースがなくなり、地域の産油国は大規模な石油生産の停止を余儀なくされているわけです。

これに怒ったのがトランプです。
なんだロイズ、てめーの無能で世界が困っているじゃねぇか、リスクを引き受けてこそ保険会社だろ、航行の自由を保険屋が奪ってどうする、といきりたったのです。
ならばオレの国でロイズに代わる海事保険の仕組みを作ってやろう。
それが米国による米海軍による船舶の安全の保証と、3兆円の保険の創設です。

そのうえに英国のスターマー労働党政権は、今回の戦争に反対して米国に非協力を貫いています。
いちばんトランプが腹を立てたのは、インド洋のヘソに位置する英国と米国の共同基地があるディアゴガルシア島をイラン作戦に使わせないとした措置です。
そのために、米軍機はディアゴガルシアにで給油できないために、何度も空中給油をくりかえしながらヘトヘトになって中東に到着するはめになったのです。
怒ったトランプは英米の「特別な関係」(the Special Relationship )はお終いだと喚きだしたので、慌ててチャールズさんがふっ飛んでいったのです。

このような状況で、4日から船団を組んで、それを米海軍が護衛してホルムズ海峡を渡ることになります。
さてすでに2隻の米国籍船舶が通過したそうですが、どうなりますか。

 

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コメント

 米軍の新たな「自由な航行をアシストするための作戦」がどういうものなのか、依然として良く分かりません。
ただ、イランは慌てふためいて動いていて、またぞろ「米韓にミサイルを命中させた」などとお得意の嘘八百を吹聴しています。二股外交でイランに媚びて、50万ドル支払った韓国の貨物船には被害を加えられたようですが。
つまるところ保険が成立しなければホルムズ海峡を航行できないのが現実で、ここがどうなるのか?
EUはとにかく、米英に信頼関係と協力がないと、やはり困ったもんです。

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