プーチンはなにしに中国へ
トランプの後を狙うようにしてプーチンが訪中しました。
常々ヒッキーで身内の粛清に血道を上げているせいか、外交がお好きとも思えない習大人もお忙しいこと。
「5月20日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は19日、中国・北京に到着した。20日に習近平国家主席と会談し、両国の揺るぎない結束を確認すると見られる。
プーチン氏は19日深夜、北京の首都国際空港に到着し、中国の王毅外相らによる出迎えを受けた。
20日には歓迎式典に出席し、習氏との首脳会談に臨む。会談後、共同声明に署名する予定。両首脳の対面での会談は去年9月にプーチン氏が中国を訪れて以来。
今回の会談は、先週行われたばかりの米中首脳会談に続いて開催されるもので、ロシア側の声明によると、プーチン氏と習氏は両国の戦略的パートナーシップを強化する方法や「主要な国際および地域問題について意見交換」を行う予定だ。
訪問に先立ち、プーチン氏はビデオメッセージで、両国関係が「真に前例のないレベル」に達しており「ロシアと中国の緊密な戦略的関係は、世界的の安定化に大きな役割を果たしている。我々は平和と普遍的な繁栄を追求している」と述べた。
中国外務省の報道官は19日、プーチン氏の訪中を歓迎し、「中国とロシアの永続的な友情」を強調した」
(AFP5月20日)
プーチン氏、北京到着 20日に中ロ首脳会談 揺るぎない結束アピールへ 写真7枚 国際ニュース:AFPBB News
AFPの記事を読んだだけでは、プーチンがなにしに行ったのかまったくわかりません。
首都が爆撃にさらされているのに、国を開けていいんでしょうか。
「国際情勢は複雑に絡み合った混乱と変革に特徴づけられており、一方的な覇権主義の潮流が横行している」。習氏はそう語った。これは中国政府の典型的な言い回しで、米国による外交政策を行き過ぎと見なす際に用いられる。
中国国営メディアによると、習氏はこうした状況を踏まえ、中国とロシアは「包括的な戦略的協調」を強化すべきだと述べた。
習氏はまた、米国とイスラエルによるイランとの戦争に直接言及し、その「早期終結」がエネルギー供給、サプライチェーン(供給網)、貿易への混乱を軽減するのに役立つと主張した。
習氏とプーチン氏は近年、貿易、外交、安全保障の分野で両国の連携を大幅に強化してきた。背景には米国との摩擦の共有と、世界秩序の再構築を目指すという共通目標がある。中ロは現状西側諸国が世界を不当に支配しているとの認識を抱いている。
プーチン氏は冒頭の挨拶(あいさつ)で、中ロ関係は「かつてないほど高いレベル」に達しており、「国際舞台における主要な安定化要因」の一つだと述べた」
(CNN5月20日)
習氏、訪中のプーチン氏を盛大に歓迎 米国を暗に批判も - CNN.co.jp
中国やロシアに「覇権主義の横行」なんて言われたくありませんが、彼らから見れば「米国の行き過ぎ」によって世界秩序が揺らいでいるという認識なようです。
強いて言えば中露同盟の再確認と石油ビジネスかもしれません。
今この時期と言うならば、イラン戦争しか考えられません。
イラン戦争は後効きしてくる戦争なようで、イランが卑劣にもホルムズ海峡を人質にとったことで中東の局地戦から世界経済に直結する性格に変化しました。
イランの石油タンクはすでにお漏らしをし始めており、耐えられるのはせいぜいが5月一杯だと見られています。
あとは「神州不滅・一億総特攻」を掲げる革命防衛隊が国を滅ぼすまで戦う「だけ」のことです。
そういう意味ではイランは「負けない」のです。
ただし、仲介に入った国はそういうわけにはいきません。
仲介の労をとったパキスタンはまともに戦争の影響を受け、カタールからのガス停止によって大規模な電力危機に陥っています。
パキスタンの背後にいる中国も同様で、中国の経済成長を支えてきたイランからの安い油が途絶しました。
ただでさえデフレに突っ込んでいる経済は、これでは回復しようがありません。
一方、ロシアは大砲の弾や戦車を大量生産して一時的には戦時景気にわいたのも過去の話。
いまや国庫は空ッポ、明日の戦費にも事欠き、首都モスクワ近辺だけが安全圏にいた特権的市民もついに戦火を浴びることとなりました。
もはやなにかを売ってカネを作るしかないわけですが、ロシアには売れるものが石油くらいしかない。
一般の国は経済制裁やぶりですから、2次制裁を恐れてロシア産原油や天然ガスには手を出しませんが、年来の友人であり、「包括的戦略協調」を謳う中国ならひょっとして商談が出来ると思ったのでしょうね。
中国の国外からの天然ガスパイプラインは現在3つのルートが稼働中です。
さらに2つが計画中で、そのうちロシアからが3つ、その他が2つです。
・稼働中のもの
①「中国カザフスタン(中央アジア)線」
②「中国ミャンマー線」
③「中国ロシア東線」(ロシア名:「シベリアの力」)
・計画中のもの
①「中国ロシア極東(サハリン)線」
②「中国-モンゴル-ロシア線」(ロシア名:「シベリアの力2」)
経済的可能性としては有望です。
ロシアは有り余って売れない石油、天然ガスを抱え、中国は中東原油の先行きが怪しくなった今、買ってもいいと思っているはずです。
「ロシア側からすると、天然ガスの対ヨーロッパ供給が今後、不安定化する可能性が高く、諸外国からの経済制裁で苦しむ中、成長途上の大口需要先である中国への輸出を増やしたい思いは強いはずだ。「シベリアの力2」を積極的に進めたい思惑があるのは間違いない。中国の側でも、現時点ではロシア産天然ガスが輸入全体に占める比率は低く、調達先多様化の観点からもまだ増やす余地がある。その点で、ロシアと中国の天然ガスの取引は拡大していく可能性が高い。海上輸送によるLNGの輸入を増やす可能性もある」
(田中信彦)
中国とロシアをつなぐ天然ガスパイプライン ウクライナ戦争で「漁夫の利」はあるのか 次世代中国 | NEC wisdom | ビジネス・テクノロジーの最先端情報メディア
ただし新しいパイプラインの建設には長い時間と多額の投資が必要で、明日あさってという性格ではありません。
ここで米国に妙な対抗心を燃やして「シベリアの力2」構想に前のめりになるとどこでつまづくかわかりません。
だから気分は大いに盛り上げても、具体的商談となるとムニャムニャとなるのでないでしょうか。
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いつもありがとうございます。
プーチン訪中の目的のもう一つに、
米中首脳会談の結果を確認して、
不利な内容があれば上書きする、ではないかと思いました。
イランや革命防衛隊絡みで米中がロシアをハブりそうなら、
中国を全力でつなぎ留めないといけませんから。
投稿: プー | 2026年5月22日 (金) 09時04分
プーチン訪中直前に、ロシア軍が中国の船にドローンで誤爆する大失態をやらかしましたが、首脳会談に影響は無かったのでしょうか?
投稿: 珊瑚は大切に | 2026年5月22日 (金) 18時21分