トランプ、世界の船はエンジンを始動してくれ、石油を流せ
スゴイ試合でしたね。まだ頭がボーとしています。限りなく勝利に近い引き分けでした。
さて米国とイランが合意したそうです。まぁ、こんどはほんとうのようです。
なんせイラン側がこう言っています。
「イラン最高国家安全保障会議は、数か月にわたる交渉の末、テヘランとワシントンが戦争終結のための覚書を最終決定したと発表した。
理事会は声明で、レバノンを含むすべての戦線での軍事作戦が日曜夜から「即時かつ永久に」終了すると述べた。
また、イランに対する海上封鎖は直ちに完全に解除されるとも述べた。
理事会は、覚書は6月19日に正式に署名され、最終合意の交渉は相手側が枠組み合意の約束を履行した後にのみ開始されると述べた。
声明はパキスタンとカタールの仲介努力に感謝の意を表した」
(イランインターナショナル6月15日)
イラン安全保障理事会が米国の覚書を確認し、戦争は直ちに終結すると発表 |イラン・インターナショナル
一方米国側は、トランプがさぁ皆の衆エンジンをかけろ、と呼びかけています。
「アメリカとイランの戦闘終結に向けた交渉を仲介してきたパキスタンのシャバズ・シャリフ首相は日本時間15日午前6時すぎ、「合意成立」と発表した。続けてドナルド・トランプ米大統領、イランのカゼム・ガリババディ外務次官もそれぞれ、合意成立を発表した。シャリフ首相らによると、19日にスイスで米・イラン両国の代表が合意に署名するという。
シャリフ首相はソーシャルメディア「X」で、「徹底的な協議の結果、アメリカ合衆国とイラン・イスラム共和国の間で平和合意が成立したことを、喜んで発表する」と投稿した。
「双方はレバノンを含むすべての戦線において、軍事作戦の即時かつ恒久的な停止を宣言した」と首相は書き、調印式は19日にスイスで行われると明らかにした」
(BBC6月15日)
米・イラン、戦闘終結へ合意と発表 船は「エンジン始動」をとトランプ氏 - BBCニュース
BBCによれば、合意内容はこのようなモノだと言われています。
・レバノンを含むすべての戦線での恒久的停戦
・アメリカはイラン内政への不干渉を約束
・アメリカは海上封鎖を30日以内に解除
・米軍はイランから撤退
・「イランの取り決めの下」、ホルムズ海峡を30日以内に再開
・アメリカと同盟国が、最低3000億ドル規模のイラン再建計画を提供
・イラン産石油およびエネルギー製品に対する制裁の終了
・イランは核兵器を製造しないという約束を再確認
・アメリカは、周辺地域で軍備を増強せず、新しい制裁も科さないと約束
メフル通信はさらに、「最終交渉は、凍結されているイラン資金の半分について凍結が解除され、石油制裁が停止され、海上封鎖が解除されるまで、開始されない」と報じた。
(BBC前掲)
これを受けて、一時169.8ドル(3月)だった原油価格は、一気に80ドル台まで下落しました。「<ホルムズ海峡>
・イランは全ての商船に対してホルムズ海峡を直ちに開放する。米国は覚書締結後、直ちにイラン港湾に対する海上封鎖の解除を開始し30日以内に完了する」
(ロイター6月15日)
米イラン覚書最終草案、ホルムズ海峡即開放 原油制裁免除や資産凍結解除=イラン高官 | ロイター
たぶん現実にタンカーがホルムズ海峡を通過すれば60ドル台にまで落ち着くでしょう。
NY原油80ドル台に下落 米イラン合意で海峡再開期待 - 日本経済新聞
誰だったっけ、イランに土下座して原油を流してもらえって主張していた言論テロリストは?
そんな流言飛語にまどわされずによかったね。
株価は一気に7万円ちかくまで駆け上がりました。たぶん突破して7万円の大台に乗ることでしょう。
<金融>
・米国は最終合意に達するまでイランに新たな制裁を科さないことに同意。
・最終合意後、合意された日程に従ってイランに対する米国および国連の全ての制裁を解除。
・米国は一定期間、イラン産原油に関する制裁を免除し、イラン政府が原油を販売して収入を得ることを認める。
・米国は、直接の現金送金や周辺国間の協力、金融の信用枠提供などを通じ、イラン資産250億ドルの凍結解除に同意。
(ロイター前掲)
おそらく油井が悲鳴を上げていたんでしょうね。
油田の地下に地下水が流入しても表からは見えませんから革命防衛隊はシカトしていたのでしょうが、もう辛抱たまらんこれ以上長引けはカチカチ山のタヌキになるというところです。
革命防衛隊に煽動された強硬派が講和反対デモをしたみたいですが、警察が規制しました。
「イランの首都テヘランでは、米国との和平合意に反対する強硬派市民が不満の声を上げた。
SNSに13日に投稿された映像には、テヘランでデモ参加者らが拳を突き上げ、「ガリバフ、アラグチ、わが指導者の血をどうするのか」と協議で首席交渉官を務めるガリバフ国会議長と、アラグチ外相を名指ししながら、米国との和平合意を追求する政府の方針に抗議する様子が映っている」
(ロイター6月15日)
「指導者の血をどうするのか」合意発表前のイランで、米国との和平に反対するデモ(ロイター) - Yahoo!ニュース
こういう強硬派のデモはいままでイランの国営放送が流していましたが、今回は放映されずSNSで流されています。
イランの権力構造が変化したとまで楽観はできませんが、なにかしらの変化はあったのかもしれません。
今後、イランのガタガタになった油井を再建するには米国資本の力が必須です。
石油メジャーの技術と資本がなければどうにもなりません。
おそらく米国人技術者がイラン国内に出張ることになるはずです。
一見屈辱のようですが、いままで設備の更新が遅れて老朽化して先細りだったイラン油井も蘇るはずです。
復興資金として3000億ドルもらえるとのこと。
駐日イラン大使は大いに日本にも期待していますからね、とのことでした。
「米国とイスラエルによるイランへの軍事攻撃が始まって28日で3カ月となったのを受け、ペイマン・セアダット駐日イラン大使が東京新聞のインタビューに応じた。
日本は長年にわたるイランの友好国だとして、問題の外交的解決に向けた日本政府の後押しを要望。和平が実現した場合の取り組みとして、日本政府内でホルムズ海峡の機雷除去のための掃海艇派遣が取り沙汰されていることを問うたところ、直接の言及は避けつつも「あらゆる分野」の貢献に期待感を示した」
(東京5月31日)
「1000年以上の長い友好の歴史が…」セアダット駐日イラン大使が期待する「戦後復興」への日本の貢献は:東京新聞デジタル
機雷除去してもいいからカネだしてね、という虫のいい話です。
たぶん日本政府は乗るでしょうね。
また制裁解除によってイラン原油も流通することになりますが、あたりまえですが国際市場価格に沿った水準に落ち着くはずで、いままで制裁をいいことに闇原油を半値で買っていた中国やインドにとってはホルムズが開いてうれしや、でも困ったわといったところでしょうね。
もうひとつの懸案だった核兵器開発ですが、いちおう核兵器開発はやらんとは言っています。
<核開発>
・イランは核兵器を製造も取得もしないことに同意。
・最終合意までの間、イランはウラン濃縮活動のさらなる実施や核施設の拡張を控え、核開発計画の現状を維持。
・米国は将来の包括的な合意の下で、イランが高濃縮ウラン備蓄を国内で希釈することを認めることに同意。
*イランの核計画、ウラン濃縮活動、高濃縮ウラン備蓄の取り扱いのメカニズムは、覚書締結から60日以内に協議され、最終合意に盛り込まれる。
(ロイター前掲)
たぶんこれがもっとも後まで残ることになるでしょう。
米国は高濃度ウランの国外持ち出しを主張していたはずですが、どこに消えたのやら。
先日来、革命防衛隊は高濃縮ウランを地下に隠匿し始めているようです。
「製造も取得もしない」と言って、だれがそれを確認するかです。
常識的にはIAEAがするのが筋ですが、査察官の入国を認めるかどうか、次はそこをめぐっての攻防が始まります。
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うーむ、この停戦条件が事実ならやはりこの戦争で得られたものは緒戦のハメネイ父やその他指導者の暗殺だけに留まり、始めない方が良かったという評価になりそうですね
投稿: 中華三振 | 2026年6月16日 (火) 08時59分
いつもありがとうございます。
停戦が成立したら日本は、
復興支援の見返りに、
コーニングを起こした油井を引き取って、
魔改造して稼働する、
なんて形で権益を確保出来たらいいな、
と思います。
投稿: プー | 2026年6月16日 (火) 18時59分