ゼレンスキーとトランプが仲直りか?
熊本地震で被災した皆様に心からお見舞い申し上げます。
被災された方の一刻も早い救済と、一日も早い被災地の復旧、復興をお祈りします。
な、なんとゼレンスキーとトランプが仲直り!?
あのふたりはもはや犬猿の仲で、ゼレンスキーはホワイトハウスから追ん出されたことさえありました。
かといってゼレンスキーはキレることなく、ならぬ堪忍、するが堪忍と耐え忍んできました。
去年なんぞはプーチンが作ったような「和平案」を押しつけようとしたほどで、いつから米国はロシアと同盟国になったんだいと思わせたほどです。
「アメリカメディアによりますと、和平案は28項目からなり、ウクライナに対しNATO非加盟の受け入れ、東部ドンバス地域の割譲、軍の規模削減などを求める内容となっています。
トランプ大統領は、ゼレンスキー大統領に「和平案を受け入れるしかない」と合意を促し、出演したFOXニュースの番組では期限を27日とする考えを表明しています。
ゼレンスキー大統領は国民に向けた演説で「歴史上、最も困難な局面にある」「尊厳を失うか、パートナー(米国)を失うリスクを負うか」と難しい選択に直面していることを示唆しています。
一方、ロシアのプーチン大統領は21日の安全保障会議で、アメリカから和平案を受け取った事を明らかにしました」
(KHB11月23日)
トランプ大統領 ウクライナに新和平案の合意迫る“期限は27日” | khb東日本放送
武器支援は渋りに渋ったあげく何かと言うと武器支援を切るぞと恫喝し、東部と南部のロシア支配地域4州はもう割譲しろと言うのですから、要は、ウクライナに負けろと言っているようなものです。
このトランプの対ウクライナ外交は米国の信頼を大きく損ねました。
ISW(国際戦争研究所)はロシアの侵略戦争をこう見ています。
「ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、ロシア帝国を再建し、冷戦後の国際秩序を覆すために征服戦争を展開している。彼のウクライナへの全面侵攻は、第二次世界大戦以来前例のないほどの世界的な安定を脅かし、アメリカとその同盟国の安全保障を脅かす決定的な地政学的瞬間を示している」
ロシア・ウクライナの報道 |戦争研究所
プーチンがしているのは、「全世界の安全保障を脅かすような制服戦争」であり、それに加担するなんて米国大統領として失格です。
それがこの間のウクライナの本格的反攻の成功で風向きが変わったようです。
ウォールストリートジャーナルの7月27日の記事からです。
「ワシントン—1年以上にわたり、トランプ大統領は顧問たちとの私的な会話の中で、ウクライナが戦争に敗れつつあると主張し続けていた。
しかし、最近数週間、大統領はウクライナとその指導者ヴォロディミル・ゼレンスキーに対して新たな楽観主義を示していると、彼と話した関係者によれば。関係者によると、トランプ大統領はゼレンスキーの粘り強さに感銘を受けており、ロシア領内に深く戦いを挑んでいるとのことである。
この変化は、ウクライナ大統領がトランプ氏を魅了しようとした国際サミットの傍らでの数回の会合を経て起きたと関係者は述べ、欧州の指導者たちによる関係改善のための組織的なキャンペーンの一環である。トランプ氏はウクライナのドローン産業、特にイラン戦争で米国が直面しているのと同じドローンに対して防御能力を称賛するようになったと関係者は述べている。
ある上級政府関係者は、トランプは勝者を好むと述べており、アメリカ大統領の評価ではゼレンスキーはますます勝者らしくなっている」
(ウォールストリートジャーナル7月27日)
Impressed by Ukraine’s Battlefield Gains, Trump Warms to Zelensky - WSJ
わ、はは「トランプは勝者を好む」ですか。それって日和見ということでしょうが。
負けてはならない者たちを助けて共に窮状を突破するのがオトコ、勝てそうだからオレにも相乗りしたいってムシのいいことよ。
ま、いいか、泣いて笑ってもとうぶんこの男が合衆国大統領ですから。
ロシアの原油輸出拠点、相次ぎ操業停止 ウクライナが攻撃強化 - 日本経済新聞
ウクライナはこの間「40日作戦」と呼ばれる新しい形のロシアへの反撃を続けてきました。
いままでともすれば一貫性に欠け、中途半端に終わってきた反攻ではなく、なにがロシアにとって厳しい打撃になるのかをきっちりと計算した上攻撃を仕掛けています。
まず、長距離ドローンによりいままで聖域だったロシア中枢とさらに深部への攻撃を激化させました。
ロシア側もキーウなどに弾道弾ミサイル攻撃を拡大していますが、これが民間人居住区だけを狙った無差別爆撃であるのに対して、ウクライナの攻撃はロシアの石油精製施設への徹底攻撃でした。
ISW
「ウクライナ軍は2026年初頭から6月30日までにロシアの22の石油精製所を攻撃し、ウクライナ・ロシア国境から最大2,000キロメートル離れた石油インフラの標的を攻撃した。
ウクライナ軍は占領下ウクライナ全域のロシアの物流動脈に対して中距離攻撃作戦も行い、ロシアの石油や精製製品の輸送能力を妨害するなどを目的としている。
ウクライナ軍は占領下クリミアの石油インフラ、例えば石油貯蔵所、貯蔵施設、積み替え拠点に対する中距離攻撃を強化している。
ウクライナの石油インフラに対する長距離攻撃は、ロシアの燃料生産能力を体系的に妨害し、ロシア全土および占領下のウクライナでガソリン不足を引き起こしている。一方、中距離攻撃作戦は、ロシアが占領地域に限られたガソリン供給を輸送する能力をさらに妨げている」
(ISW7月6日)
ウクライナの攻撃はロシアに引き続き打撃を与える可能性が高い |ISW
ウクライナ、ロシア最大製油所を攻撃 「40日間作戦」で補給脅かす - 日本経済新聞
「ウクライナは長距離ドローンとミサイルでロシアのエネルギーインフラを攻撃しており、この世界有数の石油・ガス生産国で燃料不足を引き起こしてウラジーミル・プーチン大統領を窮地に追い込んでいる。
今春以降、ウクライナは数十回にわたってロシア全土の石油精製施設を激しく攻撃しており、S&Pグローバル・エナジーのデータに基づくと、ロシアの主要な10製油所すべてに打撃を与えた。アナリストの推計によると、ロシアの製油能力の4分の1以上が使えなくなっている」
(ウォールストリートジャーナル2026年7月15日)
ウクライナのロシア製油所攻撃 グラフィック解説 - WSJ
この一連の石油施設攻撃は効きましたね。痛烈なボディブローです。
ウクライナは賢明にも油井ではなく、精油施設を攻撃したのです。しかも全国各地の規模です。
これらの攻撃はウクライナ北部から1000キロメートル以上離れた地域に及んでおり、ウクライナの改良型長距離ドローンが画期的な長距離攻撃能力を得たことを証明しています。
この攻撃圏内には、ロシアの主要製油所が合計14カ所あり、原油の総処理能力は日量260万バレル(ロシア全体の3分2以上)あると考えられています。
また、ロシア産原油の輸出の約6割が集中するバルト海及び黒海の主要石油港も含まれています。
これらの石油施設攻撃は、ロシアの収入を効果的に削ぎ、ロシア国内に混乱をもたらしています。
これによってロシアは産油国でありながら全土で石油危機に陥りました。ガソリンスタンドは石油を求める市民で長蛇の列といった有り様です。
「モスクワ(CNN) CNNの分析によると、ロシアの83地域のほぼすべてでガソリン不足が生じているか供給の混乱が報告されている。多くのガソリンスタンドが給油制限を導入する中、ロシア政府は同国の製油所を標的にしたウクライナの猛烈なドローン(無人機)攻撃の阻止に追われている。
燃料危機は、まずロシア支配下のクリミアで深刻化し、6月21日に非常事態宣言が発令され、一般市民への燃料販売が全面的に禁止された。その範囲は現在、ロシアの11のタイムゾーンすべてに及んでいる」
(CNN7月6日)
ロシアの燃料危機、ほぼ全土に広がる ウクライナのドローン攻撃が激しさ増すなか(1/3) - CNN.co.jp
石油危機に陥らせたあと、次におもむろに攻撃したのはモスクワ周辺のEコマース大手ワイルドベリーの保管・輸送施設二か所をでした。
ワイルドベリーはいわばロシア版アマゾンであり、自社取り扱い商品と他社からの委託品を販売・配送しています。
これにより、モスクワ周辺の生活必需品等の供給が圧迫されました。
今まで戦争は彼岸のもの、戦争に行くのは貧しいシベリアの若者だけだ、なんて考えてのほほんとしていたロシアのヨーロッパ部分の都市住民は震え上がりました。
風見鳥のトラはこれを見て一変しました。なんとプーの奴が負けてるじゃないか。
ただし、信念があってゼレンスキーと復縁したわけではありませんから、またどう変わるかつったくわかりません。
「トランプのゼレンスキーに対する新たな評価が続くかどうかは未解決の課題です。トランプ氏の近しい人々は、彼の見解が時に急速に変わることがあり、ロシアのプーチン大統領が過去にトランプ氏や一部の側近に対して効果的に主張を進めてきたことを指摘した」
(ウォールストリートジャーナル前掲)
トランプは信頼できない人物です。長年プーチンのナラティブに首まで浸っていた男です。
またどう変わるかわかりませんが、とまれ今のところ悪い変化ではないことだけは確かです。
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