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2026年7月13日 (月)

一に分散、二に分散、三に分散

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もしエネルギー論の教科書があれば、第1章1節に出てくるような絶対に知っておかねばならない言葉があります。短いので直ぐに覚えられます。

「供給安定保障の要諦は、一に分散、二に分散、三に分散」

エネルギー源を何かひとつの電源、ないしはひとつの供給国に頼っていると、それが国際政治や経済の影響、あるいは事故でポシゃったら全部がパーになります。
だから電源や、供給源(供給国)はできるだけ多角化しておかねばなりません。 
これが鉄則です。

極端なエネルギーバランスはなにかあった時は眼も当てられませんからね。
たとえばフランスのように半分以上のエネルギー源を原子力に依存したり、ドイツのように原発を止めて8割を再生可能エネルギーにしたり、日本のように原油の中東依存率が9割なんてなんとオットロシイことをしていました。
ただし日本の場合原油の電源構成に占める率は今は7%と低く、主力にはLNG32.9%、石炭28.3%です。全体としては火力3割、原子力3割、

資源エネルギー庁WEBサイト|資源エネルギー庁

再エネだけにしろという過激な人がいますが、そんなことは火力あっての再エネという舞台裏を知らない人です。Photo_2


北海道電力HP

ついでに北海道電力のエネルギー構成をみてみましょう。
黄色が原子力ですが、北電は全国でも関西電力に並ぶ44%と高い依存率を持っていました。

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これが一気にゼロとなったのですから、北電は4割もの電力供給源を失ったことになります。
下のグラフが、震災前と震災後を比較したエネルギー構成比率です。
「震災後」とは、震災復興の最中にカン先生が原発を全部止めるという超絶暴挙をした時期のことです。
もっとも電力がいる復興期に日本全体でいかに大きな電源が失われたままだというのがわかるでしょう。

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しかも、再エネは文字度りの風頼りの風来坊で頼りにならず、結局のところ日本の社会と経済の屋台骨は火力が一手に引き受けることになってしまっています。

さてドイツは再エネ(再生可能エネルギー )で全部賄おうと真剣に考えました。
電力というのはその時間の消費と生産がぴったりとマッチングしていなければなりません。

いやいや、蓄電できるだろって。たしかに再エネ論者が言うように蓄電技術は存在しますし、電力会社、自動車会社、住宅メーカーなどまでが参入して多額の研究費をかけていますから性能は飛躍的に改良されました。

しかし今の10倍の蓄電能力をもつようになったとしても、24時間火力を運転するほうがはるかに安く上がるのです。
仮に天候任せの再エネが8割を占めたら、系統送電網はガタガタになり停電が頻発してしまいます。
なぜでしょうか。
再エネは火力のバックアップなしには存立できないからです。
晴れてビンビンに発電できた時は火力は休止し、逆に曇ったり雨だったり、夜間には素早く肩代わりするという出力調整機能があってこその再エネだからです。
だから再エネを8割も大量導入した場合は、需給バランスの維持が不可能になってしまうのです。 

現実には1時間ごとに出力がジグザグするような場合、その都度、出力増加(ランプアップ)、出力低下(ランプダウン)をするわけにはいきません。 
なぜなら、そんなことを1時間ごとにおこなっていたら手間と経費がかかり過ぎてバックアップ発電所はそのためのコストのほうがかかってしまうからです。 

では、どうするのでしょうか。 ヨーロッパではこうしています。
ドイツの場合、再エネの電力は、電力卸市場(EEX)に全量売ることが定められています。(下図参照 クリックすると大きくなります)

 

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図 再生可能エネルギー大量導入時の火力発電所の運用
(経済産業省総合資源エネルギー調査会基本問題委員会第23回資料 「再生可能エネルギーを巡る事実関係」2012年5月)

通常の発電業者は、電力系統の運用者に運転計画を提出し、計画不履行の場合、罰金を食います。
そこで、再エネのバックアップをする火力発電所は、その増減を見越して、あらかじめ「ネガティブ・プライス」としてその出力低下分の費用をマイナス計上してしまうのです。 
たとえばドイツなどでは発電量に応じて、あらかじめ「マイナス10ユーロセント/kWhを、いわば「罰金」として支払っています。

しかし、優先的に系統電源に給電される再エネのほうは、FITの固定価格制度に守られて本来、卸電力市場の常識である「ネガティブ・プライス」を支払う必要がありません。 
つまり、再エネは天候に左右されるハンパな発電しかできないにもかかわらず、以下のような特権をえているわけです。

①優先的に系統送電網に給電できる資格をもつ。
②他電源のバックアップ発電所を常に必要とする。
③固定買い取り制度に優遇されてネガティブ・プライス支払う必要がない。

④市場相場の倍の固定価格で全量買い取ってもらえる。

まさに親(国)にベタベタに甘やかされた出来の悪いパラサイト・シングルみたいです。
ですから、再エネのことを「間欠性電源」と呼ぶ場合がありますが、これは通常の恒常的電源供給者からの痛烈な皮肉が込められています。
電源が間欠、つまりできたり出来なかったりするなんて、中世ならいざ知らず現代ではありえませんからこんなもんはまっとうな電源じゃない、と既存の発電業界は言っているわけです。
なんと素晴らしくも、考え抜かれた不平等な制度でしょうか。

エネルギー問題の専門家である、マサチューセッツ工科大学教授リチャード・シュマレンジャーはいみじくもこう述べています。 

「固定価格買い取り制度は電力需給に一致に関するすべてのリスクを、他の市場参加者に押しつけてしまった。」

ドイツは、再エネを市場メカニズムの「外」に遠ざけてしまい政府が乳母日傘にしてしまったわけです。
これでは再エネが増加するほど、ドイツ人は不幸になるに決まっているではありませんか。
実際、ドイツなどではバカバカしくて火力発電所などやっていられるかという発電業者が増えた結果、既存火力発電所には投資インセンティブ(意欲)が激減していき、メンテナンスさえもままならなくなりました。

このようなFITというひいきの引き倒しのようなシステムを作れば、かえって再エネの健全な発展を阻害し、社会のやっかいものにさせてしまうことになるのです。
私は、再エネに限らず新たなエネルギー源は、初期に国が多少の面倒は見てやっても、それは速やかに終わらせ、通常の市場競争の中に置くべきだと考えています。
そうすれば、自ずとなにが使える新エネルギーなのか、依存してはいけないエネルギー源なのか、分かってくるはずです。
これが通常の市場の「選択の自由」です。
ところがドイツのように甘ったれたFITを長期間続けると、補助金を貰って当たり前となってしまい自立したエネルギー源に育っていかなくなります。
このようなことにひとこともふれず、「脱原発」と再エネをムード的に叫んで、30年後には脱原発だ、再エネ8割だと言うノーテンキな人たちは、一度頭を分解掃除したらいかがでしょうか。

 

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コメント

菅直人が辞任と引き換えに無理矢理導入された日本のFITですが、まあ酷いもんですね。
当時「ドイツを見習え!」と大騒ぎして注目を集めていた古賀茂明氏なんかどんだけエリートでもアホはアホという典型です。
太陽光発電自体は悪くない。40円/KwなんてFITという馬鹿げた制度が悪い。ここぞとばかりに屋根にパネル設置した家ではもうすぐパネルなりパワコンなり蓄電池が劣化して交換時期でしょう。採算は取れたんでしょうか?それはエコだったのか?と。

家庭や農村の集落単位で屋根にソーラーパネル·畦道に小型風力のプロペラ並べ·用水路レベルで小水力発電の組み合わせ感じで持続可能性をイメージしてたんですけど、大都市の消費電力なんて無理無理!
アホみたいな高額買取制度のせいで怪しい業者が蔓延るわ、勝手に野山を切り開いて「メガソーラー」とか設置してトラブル起こしてばかりだし、それこそバブル期の負の遺産だった放置ゴルフ場などはまあまあ分かるんですけど、新たに切り開く意味は無い。こちらでは廃墟ゴルフ場でも豪雪地なので大量に並べたソーラーパネルがメタメタにブッ壊れたままだったりします。
しかもそうやって必死でパネル設置しても「送電」の負担を負うシステムが無いから、九州等では夏場の余剰発電は引き受けないという事態が多発しているわけで。。全くの無駄ですね。

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