• 20260818-025940
  • S-012_20260816025601
  • S-007_20260816025501
  • S-040_20260816025801
  • S-073_20260816025801
  • 20260815-024709
  • 20260814-014138
  • 20260813-040856
  • 20260812-022729
  • 20260811-041444

« 一に分散、二に分散、三に分散 | トップページ | 馬鹿が作り、詐欺師が儲け、国民が負担する »

2026年7月14日 (火)

ドイツが脱原発脱火力が出来たわけ

Dsc_5336

山の彼方の空遠く幸い住むと人は言う、ってなことが日本の知識人の有り様でした。
戦前は赤いロシアに憧れるあまり「祖国」とまで呼び、戦後は毛沢東の中国に恋い焦がれていました。
外国に範を求め、なにからなにまでを模倣することが進歩的だと思っていたのです。哀しいサガやねん。
そして少し前までの知識人の「心の祖国」はドイツでした。
おお、工業大国でありながら原発を止め、再エネを大幅に拡大し、さらには大軍縮に踏み込む平和主義を見よ、これぞニッポンの進む道だぁ、という声を多く聞いたものでした。
言うだけじゃなくて実際にやっちゃった、というのがしびれたんでしょうね。

逆に考えてみましょう。なぜドイツはこんな危険な綱渡りができたのか?
メルケルはちゃんと命綱つけてたんですよ。今日はその話をします。

ドイツが脱原発をして再エネに全振りした結果、電力料金は高騰しましたが、なんとか凌いでいけたのには、ふたつの理由があります。 
ひとつめの理由は、ドイツは大きなヨーロッパ電力広域連携の送電網の中に位置しており、電力が余剰の時は旧東欧諸国に輸出し、不足した場合は輸入できるのです。

PhotoIntegration of large scale wind in the grid - The Spanish Experience, REE 社 ,2008 

このおかげで東欧はドイツの風車が回りすぎると、突如過剰な電力を流し込まれ、逆に不足すると突然の需要が舞い込むということになり、自国の電力需給すら不安定になったほどです。  
よく、「脱原発をしても原発大国フランスに電気を売ってやったゾ」と大本営発表のようなことを言う人がいます。
たとえば河野太郎氏です。

「ドイツは脱原発というが、隣のフランスから原子力の電力を輸入して脱原発している。電力料金も高くて困っている。」となぜか誇らしげに発言する議員がいます。(略)
2015年にドイツはフランスに対して13.27TWhの電力を輸出し、3.84TWhの電力を輸入したことがわかります。差し引き9.43TWhの「輸出」超過です。ドイツはフランスの原子力の電力を使って脱原発をしているわけではないのです」
2016.12.14 ドイツの電力輸出 | 衆議院議員 河野太郎公式サイト

河野氏は見落としていますが、広域送電網を持つ地域の国の電力の売り買いは周辺国との収支トータルで見ねばなりません。
下図をご覧になると理解できるのですが、ドイツはフランスから2.7GW買って、3.2GW売っていますが、そのフランスは英国から2GWを買っています。
つまりヨーロッパ諸国はどこかの国から買って、どこかの国に売りという複雑な電力需給収支をしているのです。

 

Photo_4

つまり、ドイツは単に電気の通過国に過ぎず、その電気はドイツを通り過ぎてさらに周辺国に流れて売られているにすぎないのです。

そしてもうひとつが、ロシアからの天然ガスです。

ロシアの天然ガスに依存する欧州

ロイター

EUの消費する天然ガスの25%はロシア・ガスプロムから供給を受けており、その最大の消費国はいうまでもなく、脱原発に走ったためにエネルギー基盤がもっとも脆弱となったドイツでした。 
これがEUをして、ウクライナ侵略当初、ロシアを強く批判できなかった大きな理由となりました。 
これをフィナンシャルタイムスはこう述べています。


「反原発政策により、ドイツがロシアからの天然ガスへの依存度を高めることだ。ウクライナ問題を巡りロシアとの緊張が高まっていることから、ドイツは居心地の悪い立場に置かれている。仮にドイツと仲間の国々がプーチン大統領の侵略行為に対して異議を唱えるのならば、その前にロシア産ガスへの依存度を低める必要がある。だが、これは、原発をなくしていくことで、メルケル首相にとって達成が難しい目標になっている」

このように、メルケルの脱原発政策という手品の種は日本にないふたつの要素、つまり電気を直接に外国から供給してもらえる広域電力網と、直接に地続きのロシアから供給される天然ガスによって支えられていたわけです。 
このふたつともにない日本で、同じような脱原発政策が可能かどうか、ちょっと立ち止まって考えてみればわかるはずです。 

 

 

« 一に分散、二に分散、三に分散 | トップページ | 馬鹿が作り、詐欺師が儲け、国民が負担する »

コメント

去年のスペインの大規模ブラックアウトは、日本でもかなり報道されていましたわ。記事上の送電ネットワーク図でも左端の下の方に出てます。私には詳しい事は解かりませんけど、なんでも屋根置きの小規模な太陽光発電群に不具合が出て、それを瞬時(動的)にバックアップすることが出来ずに、次々と電圧ダウンしてしまい大停電になったとのこと。

ネットワーク図では、スペインはフランスとは繋がっているんで、フランスから電気を送ればいいじゃないか?と私などは短絡的に想像するのですが、実際現実的にはムリだったよう(小学校理科の電池の並列つなぎのようなワケにはいかない)。というか、そういう国別送電ネットワークの問題ではなくて、スペイン内部での電圧制御系が甘くて落ちちゃたらしいですわ。

太陽光発電は発電量のブレが想像以上に大きくて、よっぽど余裕をみておかないと安定しなくて、日本でも再生可能エネルギーを増やすとバックアップ設備に負担がかかるのはシロートにも想像できますわ。

そんなアヤフヤな電力を、国ごとに網の目状につなぐなんて、ヘタすりゃ大熱波の最中に欧州広域でブラックアウトなんてことになり、「2026年7の月 空から恐怖の大王(灼熱の太陽)が…」とノストラダムスの大予言が成就しませんように。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 一に分散、二に分散、三に分散 | トップページ | 馬鹿が作り、詐欺師が儲け、国民が負担する »