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2026年7月24日 (金)

米国、いつもの失敗のパターンに突入か

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やっぱりイランとの戦争は本格再開してしまいそうです。
米国は連日11日連続の爆撃を繰り返す一方、イランは7月17日にルダンを攻撃し駐留する2名の米兵がイランの弾道ミサイルおよびドローン攻撃対処中に戦死し、1名が行方不明、負傷は100名以上に登りました。
とうぜんのことですが、中東地域の米軍基地は厳重な防空システムでカバーされていたはずで、これが突破されたことになります。
米軍はイランのミサイル攻撃能力を過小評価していました。
トランプは怒り心頭ですが、これがイランの答です。

「米当局者によると、トランプ大統領は側近に対し、テヘランが米兵を殺害した場合、イランとの停戦を解除することを検討すると述べており、暴力的な衝突が続いているにもかかわらず、空爆の数週間にわたる休止は維持されていると強調している。
大統領が戦争再燃に消極的であることは、中東でのより広範な紛争を避けるために、数週間、あるいは数か月にわたり小規模な衝突に耐える覚悟がある可能性を示唆している」

(ウォールストリートジャーナル6月3日)
Exclusive | Trump Tells Aides He Won’t Resume All-Out War With Iran Unless U.S. Troops Are Killed - WSJ

つまりトランプは6月初めには、米兵が死なないかぎり停戦は壊れていないと言っていたわけで、逆に言えば、イランに米軍を傷つける能力なしと信じていたわけです。
それをイランはあっさりと破ってしまった、これでもう停戦は終了だ、ということのようです。
そこで13日には議会に停戦は終わったと通告し、一斉に連日の爆撃が開始されたという流れです。

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米とイラン、停戦崩壊の危機 攻撃の応酬止まらず 力業「ディール」限界か:北海道新聞デジタル

「米ホワイトハウス当局者は13日、トランプ米大統領が米連邦議会にイラン攻撃の再開を通知したと明らかにした。トランプ氏は停戦は「終わった」との認識を示していたが、米国内法上も停戦状態が終了したことを意味する。
トランプ氏は7日から対イラン軍事作戦が始まったと10日に議会に通知した。5月1日に議会に対し、イランとの敵対行為が「終了した」と記した文書を送っていた」
(日経7月14日)
トランプ氏、イラン攻撃再開と議会に通知 法的にも停戦終了 - 日本経済新聞 

これに対してイランはこう言っています。

「イランの議会議長は、アメリカは戦争終結を望んでいると表明しつつも、引き続き軍事装備を地域に送っていると述べ、イスラム共和国は月曜日のさらなる米国の動きに備えていると付け加えた。
「アメリカは引き続き新しい軍事装備をこの地域に持ち込み、戦争を止めようとしていると述べています。彼らは自分たちの限られたIQで我々の知性を判断している」とモハマド・バゲル・ガリバフはXに書いた。
イランの交渉チームを率いるガリバフ氏は、イラン当局者が米国の戦術を評価する経験を積み、それに応じて準備を進めていると述べた。
「我々はこれらのアメリカの戦術を完全に認識する段階に達しており、その上で準備を進めてきた」とガリバフは述べた。
ガリバフは、ワシントンの行動がその公の発言の信頼性を左右すると書いた。
「行動はそれらの主張を支持し、矛盾してはならない」と彼は述べた」
(イラン・インターナショナル7月20日)
XユーザーのIran International Englishさん

さぁ、来るなら来い、みんなまとめて地獄に行きだ、という鼻息が聞こえてきそうです。
なんか終戦間際のテンパった陸軍少壮将校みたいですね。
実際、玉音放送を阻止するためにクーデターを起こしかかった「本土決戦派」に精神的には近いんじゃないですか。

ここに出てくるガリバフとはモハンマド=バーゲル・ガーリーバーフ革命防衛隊准将のことで、多くのイランの指導者が死ぬ中で生き残ってイランの「本土決戦」派の指導者格となっています。
現在、イランの交渉団の団長格で、パキスタンにもこの男が入っています。
いままで革命防衛隊は外交交渉には直接に介入はしないというスタンスでしたが、いまや事実上和平交渉は革命防衛隊が仕切っているようです。

「戦争研究所は18日付で、イランでは革命防衛隊のバヒディ司令官、軍中央司令部のアブドラヒ司令官、革命防衛隊出身のゾルガドル最高安全保障委員会事務局長らの影響力が増し、「バヒディ氏や側近らが軍事作戦だけでなく交渉プロセスも事実上掌握した可能性がある」と指摘した」
Xユーザーのultravioletさん

米軍はめったやたらと叩いているのではなく、米中央軍は一連の攻撃について、イランの軍事作戦センター、海上能力、航空機格納庫、ドローン保管施設、兵站インフラを標的にしたと発表し、ホルムズ海峡で「商船を脅かすイランの能力を低下させることを目的としたもの」だとしています。
すべてが地上戦を前提とした事前攻撃です。

もちろんイランもそれを理解しています。
先のXの中にガリバフの発言として、「我々はこれらのアメリカの戦術を完全に認識する段階に達しており、その上で準備を進めてきた」というのは米軍が次に行うのは地上戦だわかっているからで、たぶん陸上部隊の相当数をカーグ島周辺に張り付けていると想像できます。
米軍がカードとして持っている第82空挺師団や海兵隊は精強ですがしょせんは軽装備の歩兵ですから、なめてかかると大火傷をしますよ。

今後米軍が地上戦に踏み切るかどうかはわかりません。
トランプはの悪手が目立ちます。
そもそもネタニヤフのハメネイの斬首作戦に相乗りしたのがダメの始まりでした。
核兵器開発阻止一本で国際社会に根回しをして、せめて同志国を募ってから本格的軍事力を投入すべきでした。
状況的にそんな切羽詰まった関係ではなかったのですから。
国際社会は寝耳に水でイラン戦争が始まっちゃったわけでドッチラケ、英国ですら協力を拒否したていたらくです。

そのうえにかんじんな戦争目標が定まっていません。
初期の戦争目標は核開発阻止がメーンでサブが体制変換だったはずが、これがいつの間にか立ち消えとなり、いまや「和平」自体が目的であるかのような後退ぶりです。
体制変換なんぞいまや口にもしません。
2階に上げられて梯子をはずされた民主派はどうすりゃいいのよ。

そしてなにより、トランプはイランという狂気が支配している国をまったく理解していませんでした。
それはトランプの大好きなディールがまるで通用しないことでわかります。
トランプは盛んにディールを連呼しますが、イランは一切の妥協を拒んでいます。
一貫してイランはノーなのです。
国内の油井がダメになってもいい、原油輸出がゼロになろうと知ったことか、空軍、海軍が全滅したって痛くも痒くもない、イスラム神権政治体制が滅ぶ時はイランも滅ぶのだ、というのですから米国の不動産屋の理解をはるかに越えています。
「戦闘に勝って戦争に負ける」というのがいつもの米国の失敗するパターンですが、今回もこのイランの狂気を分かっていなかったのが致命傷だったのかもしれません。

 

 

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コメント

いつもありがとうございます。

私には考えにくい事態になってきています。
革命防衛隊が米軍を攻撃するだけならまだしも、
フーシ派が紅海でタンカーを攻撃となると、
誰得な状況と思います。

関係諸国をみるに、
米中含めて多くの国は原油高騰で困ります。
ロシアは原油生産・精製・輸送能力が低下して恩恵を得られません。
湾岸諸国は紅海が危険になって輸出に困ります。

テロリストの活動で得するので支援する者が、今いるのでしょうか。
そうでなければ、革命防衛隊に継戦能力は無いはずです

以前コメントしたかもしれませんが、しばらくぶりなので、新HNでコメントさせていただきます。
御ブログを10年以上見ています。

今回の記事については、少し違和感がありました。

トランプ氏がイランという国家、特に革命防衛隊や神権体制の損害許容度を十分理解していなかった、という指摘には一定の合理性があると思います。

しかし、それと「米国の戦争目標が定まっていない」という評価は、別の話ではないでしょうか。

米国側の要求は、核兵器取得の阻止、ミサイル・ドローン能力の低下、米軍や商船への攻撃停止、ホルムズ海峡の安全確保など、かなり明瞭だったように見えます。現在起きているのは、目標がなかったのではなく、イランが要求に従わず、軍事的圧力を加えてもなお屈服していない、という状況だと思います。

また、イスラエルによる指導部への奇襲を起点とした作戦である以上、事前に広く国際社会へ根回しをすれば、イランに察知され、指導部の退避やミサイル・核関連設備の分散を招きます。「同志国を募ってから攻撃する」という手順は、今回の作戦の成立条件と両立しにくかったのではないでしょうか。

トランプ氏の敵情認識や終戦設計を批判することは可能だと思います。しかし、今回については「目標がなかった」というより、「目標は明確だったが、イランの抵抗意思と要求を強制するコストを過小評価した可能性がある」と評する方が、実態に近いように感じました。

アメリカからの攻撃に対しイラン革命防衛隊の「滅びをも辞さない」という強硬な姿勢は、経済困窮に苦しむイランの一般国民との間に大きな深い溝を生み、戦前国内では度々大規模な反政府デモが発生しています。このように、イランの姿勢は「合理的経済人」の視点からは自滅的に見えますが、彼らの「宗教的 体制維持的な合理性」の中では、安易に妥協する事こそが最大の敗北と考えているのでしょうね。

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