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2026年8月13日 (木)

ハマスがトルコに引っ越す

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エルサレムポストはハマスがトルコに引っ越すと報じています。

「KANは水曜日に、ハマスが計画部門やサイバー部門を含む一部の組織活動をトルコに移管していると報じた。
パレスチナ側の情報筋によれば、トルコへの移管はハマスの秘密活動の大部分を含み、カタールはテロ組織の指導部や公の活動を引き続き受け入れる予定だという。
KNによると、カタールの治安部隊はハマス指導部の移動を自国全域で拘束し、公式な会合には許可を得るよう要求している」
(エルサレムポスト2026年8月5日)
ハマスはカタールの制限を受けて秘密作戦をトルコに移す |エルサレム・ポスト

にわかには信じがたい内容ですが、イスラエル側の報道なので信憑性があります。
ガザでは、エジプト、カタール、トルコの仲介で、ハマスと国際平和委員会が、トランプ大統領が提示したガザ復興への15項目(最新は20項目)にそって、今後のガザについての交渉を行っています。

しかしその第一段階である、ハマスの武装解除をハマスが拒否し続けており、イスラエルとの戦闘が続いています。
イスラエルとすれば当然の話で、ガザ戦争の原因となったテロの主犯がのうのうとされて温存されてしまえば、いったいなんのためにガザ戦争をする必要があったのかわからなくなります。

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エルサレム・ポスト

ですから、イスラエルにとってハマスの武装解除とガザからの撤退は一丁目一番地の要求なわけです。
頑固と独善が服を来て歩いているようなネタニヤフは頑として、ハマスが消滅するまでは軍を撤退させねぇぞ、とトランプに息巻いています。

(CNN) イスラエルのネタニヤフ首相は9日、パレスチナ自治区ガザ地区をめぐり、米国が支持する最新の和平案を拒否すると述べ、イスラエル軍が撤退する前にイスラム組織ハマスが完全に武装解除することを要求した。
この発言の1週間あまり前に、トランプ米大統領は交渉に進展があったと明らかにしていた。同氏が議長を務める暫定統治機関「平和評議会」は、ガザで和平を永続させることを目的とした新たな15項目の工程表を発表していた。
ネタニヤフ氏はこの計画について初めて直接的に言及した発言で、「ここは正確に言っておきたい。イスラエルは15項目の文書を拒否する」と述べた。
イスラエル軍については「ハマスが本当に武装解除するまで一切撤退せず、イスラエル軍と国民に対する脅威を引き続き阻止する」としている。米国とはこの件について協議中だという」
(CNN8月10日)
イスラエル、ガザの和平計画を拒否 ハマスの武装解除まで軍は撤退せず - CNN.co.jp

どうやらハマスもガザが居心地が悪くなったようで転居先を考えていたようです。
ハマスはいわばイランが作ったウィルスのようなもので、よく言ってやれば理念体、ハッキリいって寄生獣のようなもので、宿主を選びません。
だからいくら爆撃を受けても死ぬのはガザ住民だけで、当のハマスは温存されてきました。
彼らがガザ戦争前まで宿主にしていたのはカタールでした。
カタールは親米の顔をして基地まで提供しながら、その裏ではハマスに軒を貸して匿っていました。
匿ったなんて生易しいものではなく、どうどうハマスの最高指導者が豪邸をかまえて、カタールの庇護下にあったのです。
それをイスラエルは容赦なく爆撃し、カタールはおろか米国さえも激怒しました。

ランの支援が先細り、カタールに安住できなくなった今、ハマスは計画部門やサイバー部門を含む組織活動の一部をトルコに移管しているようです。

そんなこんなで、カタールもこれ以上ハマスを匿っているわけにはいかなくなったようです。
ハマスは親方のイランがハマスどころではなくなってしまい、支援は打ち切られ、宿主のガザからは出て行かねばならず、そのうえにカタールからも立ち退きを迫られたようです。
カタールがハマスを匿っていたのは、カタールに住んでいる指導者のひとりハーリド・マシュアルがいたからですが、彼がハマスの新指導者からはずれてしまったので、ここが潮時と考えたのでしょう。
ここで行き場に困ったハマスがすがったのが、昨日記事にした「イスラム版NATO」なんて怪しげテものを立ち上げたトルコでした。
トルコはレッキとしたNATO加盟国ですが、パキスタンと一緒で、実に節操がなく表裏がありありの国です。
いままでもF-35の共同開発国でありながらロシアの迎撃システムS400を買ってみたり、ISと裏で怪しげな取引をしてみたりと獅子身中の虫のような性格をもっていました。
エルドァンがナニを企んでいるのかわかりませんが、どうせロクなことではないでしょう。

しかしこれでとりあえずは条件は整ったわけで、あとはイスラエル軍の撤退の番となるわけです。

「ハマスの武装解除の次に焦点となってくるのは、現在ガザ地区のイエローラインに囲まれた60%以上の地域を管理しているイスラエル軍のガザからの撤退である。
15項目からなるロードマップによると、ハマスの武装解除とともに、ガザには、国際治安部隊が配備され、パレスチナ人によるガザ行政国家委員会が立ち上がっていく。これに伴い、段階的に、イスラエル軍が撤退することになる」
(オリーブ山通信8月10日)
イスラエル軍ガザ攻撃抑制方向?:一転・ネタニヤフ首相はトランプ大統領のガザ15項目を公式に否定 2026.8.10 – オリーブ山通信 

ハマスがグダグダ言いながらも武装解除に応じたのは、ガサ地区には膨大な数の自動小銃が残存しており、それをこれまた無数にある地下トンネルに隠匿しているからだと見られています。
ハマスは一時ガザから戦闘部隊を撤退させてトルコに避難しても、ほとぼりが冷めたらまた戻って再武装を企んでいるようです。
イスラエルもそんなことは百も承知ですから、そうそう簡単に軍を撤退させないということのようです。

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コメント

驚きましたが、トルコのエルドアン大統領は以前から「ハマスはテロ組織ではなく、抵抗運動」と公言していたそうで、アメリカもハマスとの仲介をトルコに頼んだりしていたようです。

ハマスを説得した「影の立役者」はトルコだった...再構築される中東の勢力地図 | ニューズウィーク日本版
https://www.newsweekjapan.jp/articles/-/19441

ハマスを殲滅する勢いでガザを攻撃していたイスラエルが、これで納得するのかも気になりますね。

今回の記事を読んでいて、ネタニヤフ氏への評価について少し違う見方をしました。

彼の政策は、現在の被害や和平の遅れだけで評価すると強硬に見えますが、イスラエルという国の立場と、数年後まで含めた代替シナリオを考える必要があると思います。

仮に早期撤退・早期妥協を選んでいた場合、ハマスが温存され数年後に再武装する、イランが核能力を完成に近づける、イラン系武装組織が再び拡散する、といった展開も十分考えられます。その場合、目先の被害は減っても、数年単位ではさらに大きな戦争につながった可能性があります。

一方ネタニヤフ氏は、軍事行動だけでなく、トランプ氏との交渉や周辺諸国との関係構築も並行して行っています。もちろん結果がどうなるかはまだ分かりませんが、彼の立場とこれまでの経緯を前提にすれば、「動ける範囲で打てる手」はかなり広く打っているように見えます。

安全保障では、現在発生している被害だけでなく、「その政策によって将来起きなかった戦争」も考慮する必要もあるのではないでしょうか。

数年後から振り返ったとき、結果的に最も被害を少なくした経路だった、という評価になる可能性もあると考えます。

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