米軍中枢、軍事作戦長期化は「持続不可能」
こういうことをやっているとこうなるという信号が、米軍中枢から出ているようです。
制服組の名前はすべて特定されていませんが、しかるべき人物、しかも複数のようです。
彼らは口を揃えて、これ以上の期間、中東に展開しっぱなしは不可能だと発言しています。
「米紙ワシントン・ポストは30日、複数の米軍幹部がヘグセス国防長官に対し、イランに対する大規模な軍事作戦を長期化させることは「持続不可能」との認識を伝えたと報じた。米本土を含むほかの地域で紛争が発生した場合の対応能力を弱めるリスクに懸念を示したという。
トランプ政権はイランとの戦闘終結に向けた交渉が行き詰まる中、経済制裁拡大で圧力を強める方針に転換した。攻撃再開や軍事作戦拡大の選択肢を排除しない姿勢を見せているが、実際は弾薬不足や他地域への影響といった制約に直面しているもようだ。
ワシントン・ポストによると、中東の軍事作戦を統括する中央軍はトランプ大統領が攻撃を命じた場合に備え、数カ月にわたり5万人以上の部隊を警戒態勢に置いている」
(産経2026年8月31日)
イラン作戦「持続不可能」 米軍幹部が長期化懸念か ワシントン・ポスト報道 - 産経ニュース
はっきりした軍の拒否宣言です。
軍は、現在の厳しい状況におかれた米軍((特に海軍ですが)の窮状を訴えています。
また中央軍は、これ以上中東の展開が続けば、他の地域の軍事的バランスまでもが巻きぞいとなって世界全体の秩序を崩壊させるかもしれないと警告を発しています。
トランプさん、少しは謙虚に耳を傾けたほうがいい。
米海軍は世界最強というイメージがあるので、窮状といわれてもピンとこないかもしれませんが、米海軍はピンチに陥っています。
米海軍は他国の海軍と違い世界の秩序に責任を持つ立場にあります。
そのために広範囲に限られた艦船をばらまくことになり、さすがの米海軍も艦の数が不足しています。
特に深刻なのは整備と造船のペースが遅く、政治が要求してくる前線配備が困難になっています。
この米海軍の弱体化の原因は根深い所にあります。
まず、造船能力が著しく今の米国に失われてしまっていることです。
造船所はことごとく老朽化し、技術者も去ってしまいました。いまや中国や韓国、そして復活した日本の後塵を拝する始末です。
かつては世界をリードする存在でしたが、現在ではそのシェアがわずか0.1%以下の国に成り下がっていたのです。
冷戦終結でバッサリ海軍予算をカットしたためです。
一世代潰すと、もう技術は継承されなくなるんです。
ですからそうとうに前から米海軍の艦艇をメンテナンスしているのは日本でした。
理由は確実に納期を守り、技術は世界最高水準だったからです。
横須賀では艦艇本体、佐世保では電子装備の面倒を見ていたのですが、そのために故障するとわざわざ第7艦隊に配置換えしていたとか。
なぜ中国海軍がすさまじい勢いで追い上げているかといえば、船舶シェアの約6割を占める建造能力があるからです。
いまや世界で16位まで落ちぶれたんですから、こんな国に「黄金艦隊」なんぞ出来る道理がありません。
戦闘艦のみならず兵站を支える商業船も、実はメイドインチャイナなんですから目も当てられません。
こんな建造能力の崩壊が、中国の海運支配と軍事的勢力を拡大させてしまっているわけです。
たとえば、ひさしぶりの新空母であるジェラルド・R・フォード級は、従来のミニッツ級と比べて大幅に新技術を導入しました。
象徴的なのは空母の心臓部である電磁式カタパルト、新型着艦装置、先進兵器エレベーターなどですが、ことごとく不具合を起こし、その整備にかかりきりという有り様となりました。
またその試験とシステムの統合化が困難で、艦全体として連携させることが難しく統合化が著しく遅れました。
トランプはあまりの遅れに、いつものヒステリーを起こして「こんな電磁カタパルトはやめちまえ」と喚きましたが、いまさら再設計はむりです。
そもそも戻りたくても、蒸気カタパルトの生産ラインはとっく閉じているし、技術もなくなっているのです。
絶望的?アメリカの造船・補修能力のヤバすぎる凋落ぶり | 海洋国防アカデミー
また艦艇は[整備-訓練-前線配備]というルーチンを繰り返しますが、前述のとおり造船整備の基盤自体が崩壊しています。
艦船整備は溶接、配管、電装、原子力関連など高技能職への依存が強く、熟練工がしっかりと確保できていないとダメです。
また部品のサプライチェーンもしっかりと確保できていないと、いたずらに整備期間の長期化につながっていきます。
これらすべてで米国はいまや造船中進国レベルまで落ち込んでおり、独力で艦船の整備が出来内までになっています。
そこで定期整備の時になると、第7艦隊に配置換えさせて、横須賀でやってもらっています。
これではいちおう帳簿上は多くの艦艇を持っていても、定期整備の遅れで実際に使える数が目減りしていっています。
こういう状況で、トランプジィさんが半ば趣味で始めたベネズエラやイランとの戦争によって、長期間の前方展開が長引いたために、いっそう海軍が消耗するという事態になっています。
こう見てくると、イラン戦争は海軍にとってのイラク・アフガンのようなものだったのかもしれません。
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とどのつまり、不動産屋のオッサンを大元帥閣下として仰いだ、国民につけが回ってきたという事でしょうか。
不動産屋の感覚からすれば、ミサイルなどは投機のための資金ぐらいにしかか考えず、自分ところの船に不具合が出ると修理に金がかかると喚いているのかな。
そのうち"トランプ"と言う固有名称は、"無理・無能・無策現象"という言葉の意味に置き換えられることでしょう。
それにしても実際に国防を担う皆様にとって、とんでもない次期に遭遇したとご同情申し上げます。
投稿: ナーファンチュ | 2026年9月 8日 (火) 05時27分
一方で「米国の対抗国」を僭称するロシアは4年以上経ってもウクライナを制圧できず、逆に反撃に遭って国内のインフラを破壊されまくって大国の威光など影も形もない状態。
この期に及んで未だロシアの肩を持つ連中がいる事自体驚きです。
投稿: 珊瑚は大切に | 2026年9月 9日 (水) 02時47分