イエメンで戦闘が激化
日本ではあまり報じられていないようですが、イエメンで政府軍とフーシ派との戦闘が激化しています。
それを伝えるAFPです。
「イエメン南西部で、サウジアラビアが支援する政府軍と親イラン武装組織フーシ派による戦闘が続く中、6日までに双方の死者数が300人を超えた。暴力を逃れるため多くの住民が自宅を追われている。(略)
両陣営は紅海への玄関口となる要衝の支配権をめぐり数日間にわたり攻防を繰り広げており、今年7月に2022年の停戦協定が崩壊して以来、最も多くの死者数を出す衝突となっている。
フーシ派は3日、連日攻撃を続けている政府支配下の港湾都市モカを孤立させ、紅海南端のバブエルマンデブ海峡に接する地域へ進軍することを目指して大規模な攻勢を開始。政府軍関係者は5日夜、フーシ派が「タイズとモカを結ぶ幹線道路を遮断することに成功した」と明かした。
両陣営の軍事および医療関係者からの情報を基にしたAFPの集計によると、フーシ派の進撃開始以降、戦闘員および一部の民間人を合わせて300人以上が死亡している」
(AFP9月7日)
イエメン政府軍とフーシ派の衝突激化、双方の死者300人超える(AFP=時事) - Yahoo!ニュース
このイエメンで戦争が激化すると、紅海方面の原油ルートが危険にさらされます。
最大の原油輸出国サウジのホルムズ海峡以外の輸出ルートは、海上輸送だけに頼らず、国内パイプラインでペルシャ湾側から紅海側へ原油を油送するものです。
サウジやUAEはホルムズ海峡を経ない陸上ルートを持っています。。
原油の陸上輸送4割増、サウジ検討 ホルムズ迂回へ - 日本経済新聞
サウジの原油生産量は日量720万バレル、東西パイプラインを使えば計算上はほぼ全量出荷できることになります。
しかし、過去にはルート途上の治安問題や積み出し基地であるヤンブー原油ターミナルの能力が実証されていないためにそこまでの実績はありませんでした。
また、UAEもホルムズ海峡を通らない積み出し港への「アブダビ原油パイプライン(ADCOP)」を保有しており、日量150万バレルを輸送できるとされています。
しかしイランのホルムズ海峡封鎖作戦のために、両国とも背に腹はかえられずこの内陸パイプラインに全面的に依存していくのが現状です。
ただしその結果として、量は確保できたのですが、原油の輸送コストが激増しています。
「ホルムズ海峡などの封鎖で、原油を迂回輸送する際のコストが跳ね上がっている。運賃高に加え積み替えや遠回りに伴う費用が膨らむ。試算したところ、海峡が封鎖される前と比べて輸送コストは10倍になっている。
輸送コストはタンカーの運賃や船舶戦争保険料、パイプラインの使用料からなる」
(日経2026年9月5日)
原油、迂回ルートで跳ね上がる輸送コスト サウジ産は10倍に - 日本経済新聞
なんとコストが10倍。これでは中東原油の地盤沈下はまぬがれないでしょう。
しかもこの地上ルートも安泰ではなく、紅海の出口に当たるバーブルマンデブ海峡をフーシ派が封鎖しようとしています。
この紅海ルートが不安定になると、残るはアインソフナからスミードパイプラインを通してシディケリール経由の地中海ルートに頼るしかなくなります。
出典不明
このようにイエメン内戦は世界最大の原油生産国サウジの原油輸出の喉頸を握っているわけです。
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