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ニューズ・ウィークにまで「妄想報道の罪」と評された日本のマスメディア

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一連の特定秘密保護法騒動を、ニューズ・ウィーク最新版(12月24日号 上写真)はこのように評しています。

秘密特定保護法をめぐる批判キャンペーンの陰で、ほんとうに重要な課題は議論されずじまいだった。

私が先だっての記事で、「極端なことを言う人たちのおかげで、まともな議論が煮詰まらないまま審議終盤に来てしまいました」と書いたのと同じ見方です。
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2013/12/post-0d25.html

一番煽りがひどかったのは朝日新聞です。中学校時代からこの新聞を読んでいた私には、うちがいつから「しんぶん赤旗」に講読替えをしたのか、首をひねったほどです。 

自民党全否定が存在理由である共産党なら当然の姿勢ですが、とりあえず公正中立が建前のマスメディアがこれでは困ります。 

ニューズ・ウィークは記事の冒頭で朝日新聞(12月6日)の典型的な例を紹介しています。 

「防衛産業で働くB男がA子と大学の同窓会で再会した。酔ったB男は『あまり知られていない話だけど』といって、数年前に北朝鮮が発射したミサイルが途中で失速して海に落ちたが、『もし失速していなかったらこの辺に落ちていたかも』という情報を暴露。
A子がブログで書き込み、ある防衛マニアかミサイルの飛ぶコースを推測してネットで拡散した。
翌月、捜査機関が二人を訪ねて来た。B男は業務で知った秘密を漏らした疑い、A子は漏洩をそそのかした疑いだった。」
 

朝日新聞はどうやら、この法案の問題点として、「どの情報が特定秘密かは行政機関の長と秘密を取り扱う担当者しか分からない。一般市民が意図せずに知ってしまうケースも考えられる」ということを批判したかったようです。 

しかし、それをこの記事のイラストには「有罪!」の字が踊ります。 

本文には「逮捕される」も、ましてや「有罪」もありません。ただ「捜査機関が訪れた」と記してあるだけです。

記事本体は政府与党側から、「こんなことは法案にはない」と批判されないために微妙な「捜査機関が訪れた」という曖昧な表現で寸止めし、イラストで「有罪!」と煽るという狡猾な印象誘導です。 

こんな書き方がメディアに許されるのならなんでも書けます。 

たとえば冗談ですが、朝日新聞の半世紀来の親中的記事を羅列し、結論部分に「現在人民日報日本支社は朝日新聞東京本社内にある」としたところで寸止めし、イラストで「やっぱりスパイ!」と描けばいいのです。 

おいおい、それは飛躍だろうですが、今、朝日か好んで使う手法はそれと一緒です。 

この記事は反対運動の大きな宣伝材料として瞬時に流布し、共産党系市民団体などのチラシにも内容を少し替えて使い回されました。 

とうとう文化人団体までもが、「言論統制を許さない」と声明を出す始末です。

朝日新聞には連日のように、「芝居が自由にできなくなる」「特高警察が上演中止を言う世の中に戻る」という文化人の声が載りました。http://www.asahi.com/articles/ASF0TKY201312230263.html

「芝居が自由にできなくなる」ですって・・・。唖然となります。

はっきり言って、そんなことは妄想です。 法律にはそんなことは一言半句も書かれていません。この人たちは法律の条文を一行でも読んだのでしょうか。

このような熱に浮かされたような動きの発信源は、朝日新聞を先頭とするマスメディアにあります。 

もちろん朝日新聞はニューズ・ウィークが指摘するように、この法案が「スパイ目的や不正目的ではなく、さらに脅しなどの違法行為を行わず特定秘密を知った一般市民が罪に問われることがない」ことを知っています。 

知らなかったら、あの記事で「有罪」という結論部分まで書いているはずですし、知っていたからこそ本文では書かず、イラストに「語らせた」のです。 

それは、この法律が官僚と取り扱い業者が対象で、一般人は法の対象外だからです。この部分は法案の核心だけに、朝日新聞が知らないはずがありません。

特定秘密保護法は、機密保持取り扱者が対象で、報道機関や一般人が含まれないことは第22条に明記されています。 

そこで私は12月5日の記事でこう書きました。 

「ただし、条文に「教唆」が入っているのが引っかかります。情報の漏洩の「教唆」を拡大解釈すれば、一般人まで引っかけることが可能なのかという危惧は確かに残ります。
いままでの官庁や自衛隊法の機密指定と違うのは、秘密を知り得る政治家や出入り業者にまで法の対象になることです。
この「教唆」や「出入りの業者」の明確な規定が欲しいところです。」
 

私がこの法案を議論する時に必要だと思ったのは、問題点を「煽る」ことではなく、「絞り込む」ことでした。 

ニューズ・ウィークは、日本のマスメディアが「特定」という法的意味をまったく報道しないと報じています。 

たとえば、東京新聞が社説で、「7項目の例外が設けられていて、『政令で定める重要な情報』という曖昧な言葉が挿入されている。これでは半永久的に国民から重要情報が遮断されてしまう」と述べたことを、こう評しています。 

「これだけ読むと確かに法律が悪用されかねない抜け穴があるように思える。しかしこの社説は条文の肝心な部分をなぜか伝えていない。」(同号) 

私も指摘しましたが、特定秘密法には対象が同法4条に定めてあります。

・武器、弾薬、航空機その他防衛の用に供するもの
・外国政府、国際機関との交渉
・情報収集活動の手法・能力
・人的情報源
・暗号
・外国政府・国際機関から、60年を越えて提供された情報
 

これらはニュースウィーク誌がいうように、「いずれもまともな安全保障感覚を持つ国であれば決して公にしない情報だろう。」

そのとおりで、特定秘密保護法に類似する法律は欧米主要国はすべてもっています

わが国のみが持たなかったために、主要国との情報交換の阻害要因になっていました。

これらは法の別表にあるように細かく定義されています。それを見て議論するならともかく、文化人団体のような文化的表現まで国家が介入するような主張はナンセンス以外のなにものでもありません。

ニューズ・ウィークは、対テロ戦争でいくつもの人権侵害や情報機関の暴走を招いた米国の経験を踏まえてこのように書いています。

9・.11以降、米国では対テロ戦争の名の下に国民のプライバシーや人権を犯しかねない法律や制度がいくつもできた

この法案が日本で提出された10月下旬に、メルケル首相の携帯の盗聴がなされていたことが発覚し、国際問題にまで発展しました。 

このような情報機関の「暴走」をどのように歯止めするのかという議論が、日本にあっても当然でした。 

しかし一方で、スノーデン容疑者の行為を正当化できるのか、そのように情報機関や軍事情報が漏れることが国民にとって良いことなのか、という議論も一方で必要だったはずです。

つまり、特定秘密保護法による「知る権利」の抑圧と、スノーデン事件のような「知る権利」の側の暴走をどうバランスするのかという議論が必要ではなかったのでしょうか。

この微妙な兼ね合いを国民が知り、議論することが大きな権力暴走の抑止につながるからです。 

私はこの部分の突っ込んだ議論が欲しかったと思っています。 

この時に前提となるのは、日本が米国のような昔から秘密保護法をもった上に、強大なCIAやNSA(米国国家安全保障局)のような情報機関を持つ米国ではないことです。

むしろまともな情報機関ひとつなく、いままで自衛官の不注意による機密漏洩事件が頻発していたというわが国の遅れた実態です。

この秘密保護法は、この先進国とは思えない悲惨な実態を一般の国際水準にするだけの法律にすきません

たとえば、07年には自衛官がイージス・システム情報を気軽に外付HDに入れて自宅に持ち帰っていたという事件が発覚しました。 

彼の妻が中国人であったので騒ぎは大きくなったわけですが、もし中国に漏れていたら日米同盟は即座に瓦解したでしょう。

この不祥事が起きた時も、なにが機密であるのか明確に区分されておらず、その手続きも杜撰な機密保持体制が問題視されました。

原因は、安全保障上の情報を包括的に管理 する法律が日本に存在しなかったためです。

防衛省の防衛機密は、各省の指定する官庁の機密指定と同格で、安全保障全般をカバーするものではないのです。

また、民主党政権時には、機密の範囲やその削除についての責任を明確にしておく法律が存在しなかったために非常に多くの重要情報が恣意的に消去されたり、隠ぺいされたりしました。

もっとも有名な事件は尖閣中国船衝突事件です。

先のニューズウィーク風に言うなら、「まともな知る権利感覚を持つ国であれば決して秘匿しない情報」である海保ビデオ映像を、権力の恣意で勝手気ままに「国家機密」に指定することも可能だったのです。

ちなみに当時朝日新聞はこう書いています。

仮に非公開の方針に批判的な捜査機関の何者かが流出させたのだとしたら、政府や国会の意思に反することであり、許されない」(朝日新聞22年11月6日)

呆れたことには、朝日新聞はこの事件の時には時の権力の側に立ち、国家が国民の知る権利を抑圧することが当然だと主張しているのです。

もし朝日新聞が知る権利こそが重要だというのならば、権力が自分に都合の悪い情報を「機密」指定した当時の民主党政権はいかなることになるのでしょうか。

この朝日新聞のような自分の支持する政権の情報隠匿にはベタベタに甘く、憎む政権ならば知る権利を徹底して振りかざすというダブルスタンダードが発生する余地がある今の情報管理規範こそが問題なのです。

このようなことは、恣意ではなく普段から法律で既定すべきことなのです。こここそがこの法律の議論のキモです。

いくら日本版NSCを作っても、こんな時の政府と官僚のその時の気分で重要情報が管理されているようなわが国に情報提供する外国はありません。

罰する法律がないために、政治家と官僚の気分と利害で外国からの情報が漏洩するからです。 

となると、わが国は緊張を増すばかりのアジア情勢の中で耳を塞がれたまま生きねばならないことになります。

ニューズ・ウィークは、「官僚のための、官僚による、官僚のための法」と批判した野党もありましたが、それはむしろも逆であると同誌はこう言います。 

守るべき秘密が明確に定義されれば、重要情報の秘匿性は高まる。実際これまでは、日本政府の情報管理では守るべきそうでない秘密の線引きが曖昧だった。」 

極秘情報、秘密情報は役人の手で勝手に決め、廃棄することができた」(衆議院議員・元文科省伊佐進一氏)

この法律は、野党の言い分とは逆に、官僚や為政者の恣意を規制できるという意味で前進でした。

「今回の法案はまったくの荒れ地を区画整理したようなもの」(同) というのが実態なのです。

いくつかの修正点が「場当たり的だった」(同誌)と批判した上で、こう結論づけています。 

ただ特定秘密保護法の『恐怖』ばかりを拡大解釈して大げさに伝え、本来すべき議論を喚起しなかったメディアの責任も重い。国際社会の現実を考えれば、国民の知る権利などの基本的人権を損なわない形で、いかに安全保障体制を強化するかという議論は不可欠だ。」 

極端なプロパガンダまがいの言説は、かえってものの本質を隠してしまいます。過激に叫べば国民がその方向に進むと思うのは、メディアの傲慢にすぎません。 

私達国民は、朝日新聞が言うように簡単に治安維持法の社会を再来させるほど愚民ではないはずです。 

この法律は、米国の9.11以降を見るまでもなく、一過性ではなく、今後も継続して議論し、監視し、そのつど修正をかけていく必要があります。そのためにも妄想や煽りは不要なのです。

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特定秘密保護法案が通ったら、その「手柄」の半分は石破発言で浮かれていた連中のものだ

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私は大分前から新聞の政治欄を読まなくなりました。朝読んだりすると、げんなりして一日の労働意欲がなくなるからです。 

たまに気の迷いで読んでしまって、石破氏の発言をめぐっての政治騒動が起きていることを知っててきめんに気が滅入ってしまいました。

石破氏が国会などへのデモの大音量を、「テロと本質的には変わらない」と書いたことに対して、野党や朝日新聞が折からの特定秘密保護法案と絡めて激しい攻撃をしかけているようです。石破さんのその部分の文章は欄外資料1に載せておきます。 

朝日新聞などは、一政治家のブログ記事を1面でデカデカと報じていますし、反対派の集会はまるで石破糾弾一色だそうです。 

彼らに言わせると、「国民のデモすらテロ扱いにしているような政治家が通す特定秘密保護法案は、国民の知る権利を奪い、情報統制でものが言えない社会にする」そうです。 

今回ブログ界で騒いでいるのは、面白いことに原発ゼロ(急進派)や内部被曝を声高に主張する人たちと見事に重なっているのも微苦笑を誘います。 

あの人たちほんとうに声が大きいですからね。声が大きい人特有の、他人の話にはまったく聞く耳を持ちません。 

私はあの麻生副総理の「ナチスを学べ発言」騒動を思い出してしまいました。
※関連記事
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2013/08/post-a988.html

麻生氏の発言は、上記の私のブログで発言要旨を書き起こしているので読んでいただければ分かるとおり、「憲法改正は慎重にしないとナチスの再来になる」という意味のことを、彼特有の逆説的警句で発言した言葉尻をとられました。 

むしろ麻生氏の発言は、憲法改正を急ぐ人たちに冷水を浴びせたもので、むしろ朝日新聞のような護憲派には喜ばれそうな内容だったにもかかわらず、徹底的なバッシングを受けました。 

真逆に「ナチス信奉者」のように報道された上に、気の毒にもあろうことか朝日新聞によって海外にまでご注進されて、国際的な批判すら浴びてしまう体たらくでした。 

今回も麻生「ナチスに学べ発言」と似た構造です。石破氏発言の当該部分の前後を抜き出してみましょう。 

左右どのような主張であっても、ただひたすら己の主張を絶叫し、多くの人々の静穏を妨げるような行為は決して世論の共感を呼ぶことはないでしょう。テロリストと本質においては変わらない 

さてこれを読んで、今回も中学校現代国語読解のテストをしてみましょう。 

[問い]上の文章を読んで、筆者はなんと言っているか。正しいと思うものを選べ。 

デモするような人間はみんなテロリストだ 

大音量で多くの人の付託を受けた国会審議を妨害するのは民主主義の正しいあり方ではない

はい、できましたか。①に丸をつけた人がいたら、朝日新聞には受かるかもしれませんが、中学校は卒業できません。 

ここで石破氏が言っているのは、言うまでもなく、②の大音量で国会や首相官邸、党本部の執務や会議に差し障るようなバカデカイ音を出すな、という社会常識の範疇の以上でも以下でもありません。 

ここで①だと思った人は、典型的な詭弁トリックにまどわされています。①は発言の一部分だけを前後の文脈から恣意的に切り取って、論点のすり替えをしています。 

この「言葉尻手法」は攻撃したい者を印象操作するだけで済みますから、特定秘密保護法全体をキチンと批判する労力は要りません。 

石破氏が、「本質的にテロリストと変わらない」と言ったという部分を文脈から抽出して、彼らの趣旨である「一般国民の言論統制」方向に無理やりねじ曲げているのです。 

この人たちは、おおむねこんなことを言っているようです。 

①「デモをする者はテロリストだと自民党幹事長が言った」
②「特定秘密法が通れば反対デモはテロリスト扱いにされる」
③「この法案はテロリスト取り締まりが目的だから反対デモも許されなくなる」
④「権力者の恣意で原発情報すら秘密にされ、漏らした一般人は逮捕される」
⑤「言論、報道の知る権利が奪われる情報統制法だ」
⑥「平成の治安維持法がやってくる」
 

と、まぁこんなかんじでしょうか。NHKニュースなどが流す映画監督やマスコミ人士の声明を聞いていると、まるで戦前のようなファシズムがやってきているみたいな気分にさせられます。

しかし、この声明を出した人たちは、ほんとうに特定秘密法案の条文を読んだのかしら? 

①と②が論理の飛躍だと言うのは先ほど書いた通りです。 

③などは条文のどこにも書いてありません。そもそも、この法案は軍事機密を保護する「特定秘密」が対象なのであって、④のような原発情報などは従来の経済産業省の機密指定で済んでしまう問題です。 

この法案の対象は以下です。
①防衛
②外交
特定有害活動の防止
④テロリズムの防止
 

反対のための反対ではなくまともに議論する気ならば、③の「特定有害活動の防止」にかかわる「措置」、「研究」、「計画」の意味を政府に糾すべきでしょう。 

この部分は、政治家や官僚の恣意でいくらでも膨らませられる危険性があります。権力が独裁的な意志を持った場合のリスクがあると考えるべきです。 

同じように、「特定秘密」が何なのか一般国民には分からないためにブラックボックス化する可能性があります。

この情報公開の時期も、5年ごとに延長可能で、30年後に内閣が承認すれば再延長ができるというのは、事実上情報公開が不可能なものも出ることになります。 

④の一般人は、法の対象外です。特定秘密保護法は、機密保持取り扱者が対象で、報道機関や一般人が含まれないことは第22条に明記されています。(※欄外資料2参照) 

一般人はおろか、マスコミ関係者は法の対象外なのです。これを「情報統制」とまで騒ぐのは被害妄想です。 

ただし、条文に「教唆」が入っているのが引っかかります。情報の漏洩の「教唆」を拡大解釈すれば、一般人まで引っかけることが可能なのかという危惧は確かに残ります。 

いままでの官庁や自衛隊法の機密指定と違うのは、秘密を知り得る政治家や出入り業者にまで法の対象になることです。 

この「教唆」や「出入りの業者」の明確な規定が欲しいところです。 

この法案の最大の問題は「曖昧」だということです。「特定秘密」の指定、範囲、開示などの一連の流れが、時の為政者や官僚の恣意で可能だとすると危険な運用をされる可能性が残ります。

たとえば、首相に菅元首相のような「首相権限は期限を切った独裁」というようなトンデモ人物が座った場合、この法律はたいへんな運用をされることがありえます。

法律は主人を選ばないのです。 だから将来恣意的運用がされそうな部分はとことん詰めておく必要があります 

このようにいろいろと野党やマスコミに突っ込んで欲しいところは多々あるのですが、石破発言で鬼の首をとったようになっている人たちにはまったく期待できません。 

こんな極端なことを言う人たちのおかげで、まともな議論が煮詰まらないまま審議終盤に来てしまいました。 

大音量のスピーカーほどにも不毛なことです。この法案が通ったら、その「手柄」の半分はこの大音量の連中のものです。 

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[おまけ]

神浦元彰氏という「軍事評論家」が、ラジオ(文化放送12月2日)で意味こんなことを言っていました。 

「デモには音量規制があって、警察はそれを越えないようにモニターしていているのだから、合法の範囲内なはずだ。」 

はい、間違っています。裏を取らないことで有名なこの人らしい勘違いです。 

確かに神浦氏がいうように、右翼の街宣車対策で成立させた「国会周辺静穏保持法」がというものは存在します。
※「国会議事堂等周辺地域及び外国公館等周辺地域の静穏の保持に関する法律」

http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S63/S63HO090.html

同法は確かに、警察官が大音響の拡声機を使用している者に対して拡声機の使用をやめるように命ずることができると規定しています。 

そして警察官の命令に違反した者は6か月以下の懲役又は20万円以下の罰金の刑事罰となるとも記されています。 

ただし、この静穏保持法が適用される要件は、第三条にこうあるのです。 

第三条  

「 総務大臣は、衆議院議長又は参議院議長のいずれかの要請があつたときは、衆議院議員又は参議院議員が所属している政党の主たる事務所及びその周辺の地域のうち、第一条の目的に照らし静穏を保持することが必要であると認める地域を、期間を定めて、政党事務所周辺地域として指定するものとする。」 

一読してお分かりのように、「総務大臣は、衆議院議長又は参議院議長のいずれかの要請」が必要で、現在同法はこの要請がないために適用されていません

これは自民党が、特定秘密法案と絡んで「国民の言論やデモを規制した」と言われたくないために警察に対してあえて要請を控えているからです。 

たまたま反政府的皆さんが反対している特定秘密保護法案の時期だったから、言論弾圧ウンヌンという議論になりましたが、元々は静穏保持法ど取り締まり対象は右翼の街宣車だったのです。 

結局、いままで自民党は党本部や国会などを同法の適用範囲に「要請」したことはありませんでした。だからあいかわらず、会議も中断するほどうるさいのです。 

ですから、今回も石破さんはあっさりと、「あんまり大音量を出すと静穏法というものもありますよ」とだけ言えばよかったのです。 

しかし、同法を実際に使ってしまったのが、今、石破氏の首を取ろうとしている民主党です。 

民主党政権の2010年に右翼街宣車がうるさいとして民主党本部までを静穏保持法の適用範囲に指定したのは、時の総務大臣だった片山善博氏でした。 

そういえば、権力を取った民主党は、自民党以上に居丈高の権力者ヅラをしていたことを思い出してしまいました。

※資料1 石破茂氏ブログ11月29日 

「今も議員会館の外では「特定機密保護法絶対阻止!」を叫ぶ大音量が鳴り響いています。いかなる勢力なのか知る由もありませんが、左右どのような主張であっても、ただひたすら己の主張を絶叫し、多くの人々の静穏を妨げるような行為は決して世論の共感を呼ぶことはないでしょう。
 主義主張を実現したければ、民主主義に従って理解者を一人でも増やし、支持の輪を広げるべきなのであって、単なる絶叫戦術はテロ行為とその本質においてあまり変わらない本来あるべき民主主義の手法とは異なるように *1  思います。」
 

※資料2 特定秘密保護法第二十二条 
http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g18505009.htm
特定秘密の取扱いの業務に従事する者がその業務により知得した特定秘密を漏らしたときは、十年以下の懲役に処し、又は情状により十年以下の懲役及び千万円以下の罰金に処する。特定秘密の取扱いの業務に従事しなくなった後においても、同様とする。 

2 第四条第三項後段、第九条又は第十条の規定により提供された特定秘密について、当該提供の目的である業務により当該特定秘密を知得した者がこれを漏らしたときは、五年以下の懲役に処し、又は情状により五年以下の懲役及び五百万円以下の罰金に処する。同条第一項第一号ロに規定する場合において提示された特定秘密について、当該特定秘密の提示を受けた者がこれを漏らしたときも、同様とする。 

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「小異を捨てて大同につく」などという第3極は信用できない。もう「風」はいらない!

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野田政権が解散するなら「今」しかないと書いたら、ほんとうにその日の午後に解散を表明されてしまって、自分の予知能力のズコサにたまげております(笑)。 

あれ以来、上を下への解散騒動です。国民の大半が待ち望んでいたことですからそれはいいのですが、マスコミが「第3極」とやらをなぜ持ち上げるのか理解に苦しみます。 

今回の選挙の焦点は第3極などではなく、第1に何よりも民主党政政権の不毛の3年間への評価、次にTPP参加問題、原発・エネルギー問題、脱デフレ・消費税問題などの重要な問題解決なはずです

マスコミの一部には、これらの諸問題で争点が見えない、などと言っている向きもありますが、自民、民主はいうまでもなく、第3極各党の間にも大きな隔たりがあります。、

ところで先日、石原新党が維新の会と合流すると聞いた時にはのけぞりました。その言い分がふるっています。石原氏いわく、「小異を捨てて大同につく」ですと?

げっ、てなもんです。 どれひとつとっても、断じて「」異ではない。TPPや、原発問題が「小」だって!その言葉を福島や茨城で吐いてみろ、と言いたい。

冗談ではない!私たちの子供たちの世代までを決定づける重要な選択です。それを「小異」と言ってのける石原氏のほうが、ただの感性の鈍い傲慢な老人にすぎないというだけです。

一晩で橋下氏にすり寄るために河村市長を切って捨てたやり方といい、石原氏は晩節を汚しました。

石原さんは橋下さんのことを天才とか、義経とか言って惚れ込んでいるようですが、そういうのを老いらくの恋というのですよ。

熱冷ましをお飲みなさい。橋下「維新の会」とはなんぼのもんですか。橋下氏はハッタリが得意な天才的ポピュリストにすぎません。本来なんの思想も理念もない人です。

維新の会の政策の中身といえば、竹中平蔵氏仕込みのTPP大賛成、脱原発は飯田哲也氏の急進的即時全面廃炉、「反中央官僚」は経産省脱藩浪人の古賀茂明氏仕込みのゴッタ煮です。

これらを、「橋下徹」という強烈なカリスマ性をもったキャラクターがくっつけているだけです。ですから、ひとつひとつ検討するとわからないことだらけです。

目玉政策であり、石原氏との唯一の共通政策である「中央集権制打倒・消費税の地方税化」も、地方分権の議論も煮詰まっていないのに財源だけ国から移管してなにをするつもりなのでしょう。

財源と受け皿作りが同時進行して、初めて地方自治の飛躍があると私は思っています。

いきなり器の道州制とかその財源論とか外形的な枠組み論ばかりが進行して、かんじんな「いかにして地方を豊かにするのか」という中身の論議がすっぽりと欠落しています。

そのように言うと、橋下氏はかならず「地方自治体の首長をやったことのない人間がなにを言う。」、そして「消費税の地方財源化が一点突破になる」、と言います。

しかし、橋下氏の知っている「地方自治体」とは大阪という巨大な政令指定都市にすぎない。橋下氏の「地方」は大阪であり、私が住む茨城の僻村でも、ましてや礼文島でも小浜島でもありません。

私が「地方」の限界が骨身に沁みたのは、一昨年の口蹄疫やトリインフルエンザ、そして今回の原発事故と大震災という非常事態の時でした。

残念ながら、地方には優れた首長や職員は沢山いましたが、「力」がなかったのです。

地方には機材や専門知識を持った人員を緊急投入する力も金も、それを平時に維持するだけの能力にも欠けているのです。

残念ながら、市町村レベルはいうまでもなく、県レベルですらそれはない。口蹄疫や原発事故、震災といった1時間を争うという時に、それは露呈しました。

残念ながら、今そのマンパワーとハードを持っているのは国だけです。国だけが責任をもった緊急対応ができるのです。

「そんな百年に一度の事態は来ない」などとは言わないでください。それはこの2年間、わが国を連続して襲っているのですから。

道州制にしてしまったら、これを引き受けるだけの受け皿に道州制=県広域連合がなれますか。無理だと思います。

残念ながら、唯一現時点でその力を持つのは東京、大阪などの政令指定都市だけに限られてるからです。

つまり、石原さんや橋下さんの東京、大阪という地元だけがそれを可能で、あなた方はそこからだけしか「地方」を見ていないのです。

「地方の首長」といいますが、東京、大阪はヨーロッパ一国ほどの経済規模がある「首長」なのですから、例外から全体の「地方」を論じないでいただきたい。

次に、私が石原氏が「小異」と言ってのけた原発問題です。原発問題とは、即エネルギー問題です。

「脱原発」とは、原発に強依存したエネルギー構造をどのように変えていくのかという代替エネルギーだけがテーマではありません。

それと同時に、どのようにしたら国民経済が損失を受けないようにできるのか、国民が苦しまないように変えていくためにはどうしたらいいのか、豊かさと原子力から離脱はどのようにしたら共存できるのか、それを問うことだと思っています。

そのためにはエネルギー構造だけではなく、経済構造と社会構造、そして日常生活のあり方までも変えていかなければなりません。

私は原発は徹底した安全確認ができるまで一定期間のモラトリアム(凍結)するべきだと考えています。

まだ福島事故の徹底した総括すらできていないこの時期に、原発即時全面廃炉というのはあまりにも拙速に過ぎます。

まるでこの福島事故のどさくさに紛れて、一挙に急進的な脱原発政策を進めようとしているようにすら見えます。それがどのような結果になるのかは、ドイツをよく検証すればわかるはずです。

その逆に、ろくな安全確認もされていない現在,全面稼働を言うのはもはや犯罪的です。

今は、2~3年間のモラトリアム期間を設けて、原子力安全・監視機関はいかにあったらいいのか、プルトニウムや最終処分はどうするのか、代替エネルギーはどう位置づけるのか、などの具体的課題について専門家と国民を交えた徹底的な議論をし尽くす時です。

その議論の結果次第で、原発ゼロがいかなる方法で、いかなる期間で達せられるのかが段々と見えてくるでしょう。

その間に国民や経済界の考えと覚悟も定まってくるでしょう。その議論の熟成の時間が必要なのです。段階を踏まないで結論にいってはなりません。急ぐのは、原発の安全性の確認作業のみで、それ以外は焦ってはなりません。

そしてTPP問題やデフレ対策などの経済問題に至っては、維新の会の経済政策を主導するのは竹中平蔵氏の新自由主義(※)です。

このデフレ大不況期に、彼らの言う規制緩和、財政規律の強化、大増税、公共事業削減、TPP推進、自主関税の撤廃、そして農業の解体などといった経済政策をとれば、わが国は間違いなく滅びます

それは新自由主義者が主流だった民主党政権の3年間が実証しているではありませんか。彼ら新自由主義者は、小泉改革だけでは足りずTPPでその仕上げをしたいらしい。

私は今回の選挙でTPP推進と新自由主義を掲げる政党だけは許せない。

これらひとつひとつは「小異」どころか、今のわが国にとって死活的な重要問題で、むしろ「中央集権打倒」などのほうが、優先順位が低い問題です。

「小異を捨てて大同につく」、「中央集制打倒」、これでは、3年前に民主党が掲げた「政治主導」、「政権交代」というムード的スローガン政治とどう違うのです

維新の会は、全国に正体不明の候補を立てて、関西を除きその9割が落選するでしょう。

気の毒ですが、それに呑み込まれた旧石原新党は石原氏を残して消滅するでしょうが、石原氏はひとり生き残ることを潔しとしないでしょう。

他の有象無象の第3極党派は地方ミニ政党として名古屋や北海道に生きて下さい。本来そのような性格のものなのです。

私は維新の会にしても、石原新党にしても地方政党である限り、一定の意味があると評価していたのですが、「風」に乗って野合政権を作りたいなどと夢想するから道を誤ったのです。

3年前に民主党がやったままの「風」頼みのイメージ政治は二度とごめんです。

その弊害に、私たち国民はうんざりするほどつき合わされました。冗談ではありません。「第3極」などという内実のないフンイキで、また3年間を浪費させられるなどまっぴらです。

私たち日本は今、間違いなく岐路に立っています。原発、消費税、TPP、デフレ不況、安全保障、外交政策、どれひとつとっても選択を誤れば国は滅びるでしょう。だからこそ、ひとつひとつの政策を見極めて、しっかりと自分の頭で考え抜いて一票を投じます。

もう「風」はいらない。 いるのは冷静な有権者の「眼」だけなのですから。

■関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/post-fa0c-1.html

■※[新自由主義についての素人の説明
別名、市場原理主義、あるいは新古典主義のことをいう。改良資本主義であったケインズ主義を否定し、企業の規制緩和、外国資本の参入自由化、公営企業の民営化、社会福祉切捨て、財政規律の建て直し、増税などの政府が取る政策のこと。

典型は英国のサッチャー首相やレーガン大統領、小泉純一郎首相、金大中大統領のとった政策である。

冷戦に勝利した思想として全盛を迎えたが、その後のリーマンショックを生み出した元凶とされ、その政策をとった諸国は共通して内部に「自己責任」の名の下に大きな社会格差や貧困問題、失業、自殺問題などをはらむことになる。

本来、新自由主義的構造改革はインフレ対策であり、バブル崩壊後のそれはデフレの克服に無力なばかりか、デフレを増大させる原因ですらあった。

主唱者はシカゴ大学のミルトン・フリードマン教授。わが国では竹中平蔵氏(小泉政権時の金融財政大臣)、池田信夫氏など。

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太陽の党:解党、維新と合流へ 政策丸のみ、「減税」とは白紙
毎日新聞 2012年11月17日 東京朝刊

 日本維新の会と太陽の党は16日、近く合流することで合意した。維新の橋下徹代表が同日、太陽の石原慎太郎共同代表らと国会近くのホテルで会談して政策を提示、太陽が受け入れを決めた。太陽が解党して維新に合流し、維新の政党名も変更しない。第三極の連携は、太陽が加わる維新とみんなの党を軸に進む。【藤田剛、福岡静哉】

 橋下氏は会談で、維新が衆院選公約に盛り込む脱原発▽環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉参加▽消費税の地方税化などの政策課題と、維新とみんなとの政策合意の内容を提示。太陽にとって隔たりの大きな主張が含まれるものの、受け入れを決めた。橋下氏は会談で石原氏が新代表に就任することを提案したが石原氏は2人が「共同代表」となる案を示し、結論は出なかった。維新は17日に合流を正式に決める。

 また、太陽は16日の幹部会合で、減税日本との合流を先送りする方針を決めた。太陽幹部は「減税とは事実上白紙だ」と述べた。

<維新の会> 太陽が合流、代表に石原氏 1次公認47人発表
毎日新聞11月17日

日本維新の会は17日、大阪市内で全所属国会・地方議員による全体会議を開き、太陽の党が解党して維新に合流したと発表した。新代表には太陽の石原慎太郎共同代表が就き、維新代表だった橋下徹大阪市長は代表代行に就任した。維新はさらにこの日、衆院選の1次公認候補47人を発表。石原氏はみんなの党との選挙協力協議を急ぎ、第三極の結集を図る考えを強調した。

 全体会議に同席した石原氏は「大同団結して最初の一戦で戦おう。後は橋下さんにバトンタッチする」と述べ、衆院選後に橋下氏に国政を託す考えを示した。橋下氏は、今回の衆院選出馬を改めて否定した。

 両者が合意した基本政策は、中央集権の打破▽環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉参加▽新エネルギー需給体制の構築−−など8項目。両者の政策の隔たりについて、橋下氏は「既成政党に比べれば一致している」と、他党からの野合批判に反論した。

 政策文書によると、消費税の地方税化を改めて掲げ、中央集権の打破の項目に盛り込んだ。税率は11%を目安としたが、増税の是非には直接触れていない。新エネルギー需給体制では、安全基準などのルールづくりを提言し、「脱原発」とは記述しなかった。

 党人事では、幹事長は松井一郎大阪府知事が続投し、国会議員団代表には平沼赳夫前衆院議員が就いた。太陽は週明けにも総務相に解党を届け出る。

 一方、1次公認候補者は28~65歳の官僚や地方首長・議員経験者、医師らで、擁立は21都道府県。1次で80人超の擁立を目指していたが、大幅に下回った。最終目標とする衆院過半数の241人以上は難しい情勢だ。みんなの党との競合は、両党の協議によって複数の小選挙区で回避、2カ所にとどめた。ただ、みんなの江田憲司、維新の松井両幹事長は、選挙区のすみ分けを進める考えを示したものの、合流は否定した。

 一方、減税日本の河村たかし代表(名古屋市長)は同日、同市内で記者団に対し「名前がいかんと言われれば変える」と述べ、維新との合流が実現するなら党名にこだわらない姿勢を示した。しかし、松井幹事長は依然難色を示している。

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愚者は歴史に学ばず・1997年消費税増税の悲劇を忘れたのか!

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今、民主と自民が「奇妙な戦争」をしていきます。 

野田首相は、一昨日の所信表明演説でも「国民に対する政治の責任」として、消費税増税に関しての与野党協議を改めて強調しましたが、これにはわけがあります。 

ひとつは国会審議入りの前に、自民と大筋で消費税増税を決めてしまいたいとする民主党と、それはできないと拒否する自民党が、実は消費税増税で党の執行部は意見は一致しているからです。 

自民党は民主党政権の消費税増税案に対して心底反対ではなく、「マニフェストになかったのをやるのはおかしい」という揚げ足を取っているにすぎません。 

私にはマニュフエストなどをしんじている国民はただのひとりもいないのですから、どうでもいいことです。まぁ、謝罪のひとことくらいはあってしかるべきでしょうが、本質ではありません。 

つまり、消費税増税で根本は一致している与野党が、政局で「奇妙な戦争」をしているにすぎません。醜態と言っていいでしょう。

さて愚者は歴史に学ばないと言うそうですが、日本はほんの15年前の1997年に消費税増税をした経験があります。覚えていらっしゃると思いますが、橋本龍太郎政権時の消費税を3%から5%にした増税でした。 

この直後から日本社会がどのようになったのかが下図です。

Photo

消費税増税の翌年の98年にご注目ください。自殺者が急増します。97年には年間約2万4千人だったものが、翌年には約3万3千人にと、なんと1万人増加します。

覚えておいて下さい。消費税増税した翌年に日本は世界有数の自殺者を出す国になったのです。この分水嶺とでもいうべき3万人を突破したのがこの98年です。

更に追い打ちをかけるようにこの98年から本格的なデフレが口を開けて国民を待っていました。今に続く長いデフレのトンネルの入り口です。

賃金はジリジリと下がり始めました。インフレのように激しい激減はないのですが、「将来に明るさ見えない」というデフレに典型的な閉塞感が社会に生じます。

そして、それは失業率にも現れてきました。失業率は98年を境にぐんぐん高まっていきます。これが消費税増税の与えた社会的な効果でした。

つまり日本は消費税増税の翌年の98年から、「自殺者が多く、失業率が高く、賃金が上がらない国」にずり落ちていったのです。

そして未だ橋本政権の歴史的な失敗から始まったデフレ地獄からわが国は立ち直っていません。

大震災、放射能災害、そして出口の見えないデフレ地獄、このような時期にあえて消費税増税をすれば、97年の橋本政権に増す災厄を日本に与えることでしょう。

「財政再建」も「社会保障と税の一体改革」とやらも必要なことかもしれません。私は賛成でも反対でもありません。

しかし、それが「今」ではないことだけは確かです。もしどうしてもやりたいのなら増税法案に「デフレ脱却後に発効する」と、「食品・燃料などの生活必需品と医薬品を除く」の一項を入れるべきです。

これではまた自殺者と失業者が激増するのは火を見るより明らかです。日本は歴史に学ぶべきです。

■写真 垂れ込める暗雲。遠くの空にはほのかに光が。しかしこれは沈みゆく夕陽なのですねぇ。

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地域の保育所から子供手当てを考えてみよう

014

3日間ばかり晴れが続きました。この春ときたら雨と雪ばかりで、もう畑も農場の敷地もグチャグチャ。雨は作業性が落ちるし、体力も消耗するだけではなく、ここまで続くと畑に入れなくなる場合もあります。

農家というのはだいたいがゴム長を履いているもんですが、この春はとうとう四六時中ゴム長生活となりました。

昨日あたり村を走ると、どの畑にもトラクターが出て必死に働いています。水田の耕起も始まっています。定植も急がねばなりません。。というのは今日が雨と予報がでていたからです。いやー、こんなにトラクターが一斉にうなっている光景も珍しいね。

さて、昨日はたまった農作業でおおわらわでお休みをいただきました。書きたいことが山積していて、せっかくはじまった地球温暖化シリーズも資料や本だけが溜まって行く一方ですし、ホームベースの農業問題でも書きたいことがあります。

しかし、今日はやはり子供手当て問題を書きます。今書かないと時期を逸します
村には保育所がひとつしかありません。いつも満杯で、待機児童もでているそうです。
私のかつての個人産直のお相手に鹿嶋市の私立保育園があります。この園長さんご夫妻とはもう、就農以来の30年ちかいおつきあいです。園長先生と、先日お話する機会がありました。

自家菜園をつくったり、手作りのお菓子や給食に心を込めて保育をしているのですが、問題は保母さん不足だそうです。保母さんがいつかないのだそうです。認可保育園は、受け入れ児童数や保母さんの保育児童割り定数、労働条件が行政によって定められています。

しかし保母さんの労働条件が必ずしも良くないので、どうしても辞めていく人が増えていきます。するとそれをカバーするためにいろいろな所にしわ寄せが行って保育の水準が思うに任せなくなるそうです。

とくにこの保育園は、給食に冷凍食品を一切つかわず、有機農産物や全粒粉の穀類などを使っておやつを作っているので大変です。保育方法や遊戯なども工夫しているために保母さんの負担が増えています。

となると、同じ労働条件ならば・・・という人も出てくるわけで、なかなか定着してもらえないそうです。そしてなにより、市内の保育所が不足しているために断らなければならない子供が増えて、園長先生の心を悩ませています。

うちの村もそうですが、せめて今の倍ほど保育所があれば、子供が断られたりすることもないし、保母さんの待遇ももっとよくしてあげられたら、、もっと質の高い保育をのびのびと受けさせてられるのになぁ、と園長先生はいつも思っていました。それほど地域では保育所不足と保母さん不足は深刻なのです。

民主党政権が提唱した「社会全体で子育てを応援していこう」という方向は期待を抱かせました。なにも親から子供を取り上げるというのではなく、地域社会がしっかりと子供が育てられる社会インフラが出来ていれば、若いお母さんたちは順番待ちせずに安心して働きに行ったりできます。
また企業内保育所などが充実していけば、出産休暇明けのお母さんも、休み時間などに自分の子供の顔を見られたり、保母さんに今日の子供の状況を説明できます。そういえば、駅中保育所の構想もあるそうです。

少子化の今、子育てをいろいろな社会セクションで少しずつ分担して支え合っていくようにしていかねばならないでしょう。

ですから、園長先生は去年民主党政権が成立した時には小躍りしました。少子化対策担当大臣に社民党の福島瑞穂さんがなったことも期待を高めました。しかしそれから半年の春はどうでしょうか。あまり民主党政権のことは話題にならなくなりました。

子供手当てが、もしこの保育所対策に充当されていたらと考えてみましょう。三重県松坂市が数字を出していますので参考になります。
松坂市の場合、子供手当てとして国から入るのは、76億円です。松坂市は人口が16.9万人、鹿嶋市は6.5万人、われらが行方市はぐっと小さく3万人といったところですから、この比率で割ってみましょう。

すると、鹿嶋市にはだいたい20億円、行方市には13億円が国から子供手当てで入る計算になります。そして保育所をひとつ開設するのに、だいたい3億円かかるそうですから、鹿嶋市ならばこの子供手当てが保育所に当てられれば7箇所、行方市でも4カ所も増えることになります。ちなみに松坂市クラスだと25カ所。
すごいですね。園長先生の願った2倍どころではない。こういう政策をしてほしかったもんです。ならば誰も税金を使っても文句を言わない。

子育てというのは地域で考えなければならない問題です。そしてそれぞれの地域で事情が大きく違います。今例にあげた松坂市は大都市のベッドタウンですし、鹿嶋は住金製鉄所を中心にした地方工場都市です。そしてわが行方は農業地帯と鹿嶋などへの通勤圏が入り組んでいます。

ならばいっそう、地域事情を知り尽くした地方自治体に使途を委ねてしまえばよかったのです。保育所の不足要求などは毎年のように地方議会では取り上げられているのですし、保母さんの待遇や、保育所の給食のあり方、それを支える地域農業まで含めて大きく考えることができたはずでした。

ところが、なにがなんでもこの夏の参院選までに通さねば、選挙で大敗をするという民主党個別の党利党略にすぎない危機感からか、まともな論議もなくあたふたと衆院を通過してしまいました。来月末には支給が開始されるのでしょう。

そして、子供手当て対象と見込まれる15歳以下児童数1735万人、そして前々回の記事でも取り上げた外国人労働者の母国の子供が推定でその1%として、10年度に給付される2.3兆円のうち、実に230億円が外国に流出していくことになります。

福島大臣、長妻大臣、もう少しまじめに地域保育を考えませんか。地域から子育て支援を練り直しませんか?あなたたちにはがっかりさせられることばかりです。

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民主党政権の子供手当ての仰天厚労省見解     驚愕! 外国人労働者の母国の子供にまで手当てを支給するんだって!

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民主党政権の子供手当ての驚くべき概要が、厚労省への問い合わせでわかりましたので、全文を引用します。
質問者・上西俊雄氏 回答者・厚生労働省 回答日・ 2 月 24 日

引用開始

   ■ 1. 在日外国人への子供手当ての支給は行はれるのか。その際の基準
    はあるのか。

    (回答)国内に住んで税金を納めてゐれば分け隔てなく支給されます。永住  資格者だけではなく短期滯在者(一年でも)でも支給されます。特に審査要件はありません

   ■ 2. 子供を母国に殘してゐる親にも支給されるのか。

    (回答)申請すれば支給されます。

   ■ 3. 在日外国人の養子や婚外子でも支給されるのか

    (回答)支給されます。

    ■4. 本人の子供であることをどうやって判斷するのか。

    (回答)申請書類と子供と定期的にメール等のやり取りがあれば良 い事になっています。

    ■5. 母国に子供や養子が何人いようと申請するだけで支給されるのか。

    (回答)特に人数の制限はありません。

    ■6. 例えば一夫多妻制の国民で母国に何十人の子供がいると主張する
    だけでその人数分支給されるのか。

    (回答)はい、支給されます


    ■7. ちなみに海外で滯在している日本人家族、子供を日本に残して海
    外に駐在している家族には支給されるのか。

    (回答)親が日本に住んでいませんので支給されません


    ■8. 海外駐在の日本人には支給されず在日外国人には大盤振る舞ひに
    ふるまっているがその論據は。

    (回答)鳩山總理の友愛精神です。また日本が難民条約を締結して
    いる観点からです


    ■9. 難民条約と在日外国人に子供手当てを支給することとどう関連があ
    るのか。在日中国人らは難民か。

    (回答)平成 22 年度 4 月以降はとにかく支給を優先します。  問題が多ければ平成 23 年度に支給條件の檢討を行います。(まと もに答えず)

    ■10. 国交が無く、国連からも制裁を受けてゐる北朝鮮出身の国民で
    も同様に支給されるのか。

    (回答)同様です。

   ■ 11. 在日外国人に對する支給についてなぜホームページや書面で事
    前に公表しないのか。私たちの税金の使途を事前に公表して論議す
    るのはあたりまえではないのか。

    (回答)まだ骨子の段階で正式に決まれば公表します。ご意見は賜りました。
  以上 引用終了 太字は引用者

沖縄と農業問題をのぞいて、あまり時事的なことはやらない方針なのですが、びっくりしすぎて掲載することにしました。

そもそも子供手当てとは、少子化対策が主眼で、内需をふやす景気対策もかねると聞いた気がしますが。いったい在日外国人労働者の本国の子供がどのうような意味で少子化対策と関わり合いがあるのでしょうか。

また景気対策としても、在日外国人は賃金のほとんどを母国に貯金して持って帰ります。たぶんそのまま本国に送金することでしょう。

また、日本人の外国海外滞在者に対して支給されないというのも訳がわかりません。少子化対策ならば、現に子供が日本で就学しているのですから、それに対する支援するのが本来の法の筋なはずです。

それを「メール一本の証明でいい」などという証明ともいえない簡略化された方法で、在日外国人労働者の母国の子供にまで支給するに至っては唖然とします。たぶん悪質な偽装や、虚偽申請が膨大な数でるでしょう。

在日外国人には手厚く、海外の日本人には厳しくでは逆差別ではないですか。

しかしなんともかとも、移民1千万人受け入れを検討している民主党らしさにあふれた仰天の政府方針であります。厚労省に言わせれば、難民条約が根拠だそうですが、いつから外国人労働者は「難民」になったのでしょうか?国籍を持たない外国人労働者の母国の子供にまで手当てを支給する国など、たぶん世界広しといえどありえないと思います。

これで民主党構想どおり、1千万人の外国人が移住してきた場合、いったいどれだけの子供手当てをバラまくとになるのでしょうか。
今でさえ防衛予算を凌ぐといわれる巨額な子供手当て。もう考えただけで目かクラクラしてきます。まさにどぶに税金を捨てるとはこのことです。

今年納めた私たちの税金からこのような使われ方をするわけですから、もう私、あんまりバカバカしいので、民主党に緊急入党して、税金を払わないことにしよう!

■追記 自分で記事にしておいて、あまりのすごさに私自身、ホントかよという気分でしたが、産経ウェブで記事がアップされていました。自民党も国会で質問しているようです。http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20100310/plt1003101648003-n2.htm

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パタゴニアはシーシェパードへの支援をやめよ!

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拝啓。パタゴニア日本支社様。
私はショイナードの時から貴社とおつきあいしてきました。もう35年近いつきあいとなります。パミール高原からフンジュラブ峠を超えた時もパタゴニアのフリースを着ていました。
貴社の製品は高価ですが、品質は最高で、フィールドで確かめられた使い勝手のよさがありました。
今回、貴社製品とを使用することを止めるに至ったのは、いつにかかって貴社がシーシェパードという環境テロリスト団体の支援企業だからです。私は有機農業を志して30年、自分の人生を通じてエコロジーを実践してきました。
言うまでもなく、エコロジー運動の大前提は非暴力です。立場が違う他者を暴力的に攻撃しながら、なにが環境保護ですか!なにがセーブ・ホエールですか!
そしてとうとう昨日、日本の調査船に負傷者が出ました。
化学薬品弾を投擲し、レーザーを浴びせかけ、殺傷能力を持つ矢を射撃し、当たり屋まがいの行為におよぶシーシェパードと称するゴロツキたちの行動は、もはや環境保護運動の一線を軽々と超えてしまいました。そして、地道な環境運動にとって脅威となります。彼らはエコロジー運動の無法者、そしてツラ汚しです。
たとえば、私は霞ヶ浦の環境保全運動を続けてきましたし、貴社の環境助成金もグループとしていただいたことがあります。
しかし今、私の中に黒く芽生えている疑問を言いましょう。私たちへの助成金は30万でしたが、シーシェパードに行った「助成金」は桁がまったく違うはずです。となると、これでは私たち市民環境グループに対する助成金は、単なるテロリスト団体への支援の隠れ蓑でしかないことになってしまいます。
こんなテロリストそのものの団体を支援する貴社を、私は到底理解しかねます。このような支援を続けたいならば、それが正しいと信じるならば、シーシェパードの船腹にパタゴニアのロゴを大書きしなさい。さぞ、すばらしい宣伝効果が得られることでしょう。
貴社は、今、パタゴニア・ファンの多くに驚きと戸惑い、そして嫌悪の感情が流れていることにほんとうに気がついていないのです。
パタゴニアは、単なる営利企業であることにとどまらず、経済行為それ自体を社会問題や環境問題の解決につなげていくという新しい社会的スタンスを選びました。この提案と実践が鮮烈だったことをよく覚えています。大きくそびえる終身雇用の企業体ではなく、あたかも人のように歩み、社会参加する企業であることは、あるべき企業付加価値として理解されてきました。
パタゴニア日本支社様。
今後私は貴社の製品を買うことは、貴社がシーシェパードへの支援を止めない限りないでしょう。なぜなら貴社の製品の売り上げの一部が、エコテロリスト組織の支援に回り、同胞を一方的に攻撃しているのですから。私の支払った金の一部が、幼稚なテロリズムと暴力に使われることなど考えただけで吐き気すらします。
20年間は着て、もはや皮膚の一部のようになってしまったパタゴニアのフリースを着てこのメールを書いています。お願いです。私のようなオールド・ファンを失望させないでください。
そして人を傷つけ、憎悪と恐怖を拡大するだけのテロリストへの支援は即刻止めて下さい。
                                           敬具

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巨悪は逃げおおせ、そして辺野古の海は埋め立てられる

067 トム・ウェイツを聞くようになった。特になんとも苦い汁を飲んでしまったような宵がいい。「スモール・チェンジ」に入っている ´トム・トラバーツ・ブルース¨゛Tom Traubert's Blues (Four Sheets to the Wind in Copenhagen という曲が特に今の私のお気に入りだ。

聞いていると、涙が止まらない。私はこの所、涙腺が弱いのだ。そういえば、日本のトワンム・ウェイツ、シオンの ´クロージングタイム¨゛に「酔どれトムのブルースを聞きたい」なんて、まんまのトレビュート曲もあったけな。

・・・なんともイヤになる、情けなくなる。辺野古の海の埋め立てはほぼ決定された。それで、今夜、私は苦い気分でいる。

昨日から、かしましく報道される「小沢不起訴」報道はお聞きになっていると思う。先週の東京地検検事の記者会見の時からその兆候はあった。「本来なら重大な起訴にあたる」と。

特捜部検事が言えなかったこの言葉をつなごう。
「小沢氏は本来、重大な罪に問われるべきであるが、諸々の圧力で起訴することができないこととなった」

私は権力の暗闘などには関心はない。ただ与党幹事長という強大な権力の前に特捜部が膝をついてしまったことを口惜しく思う。日本には、法の下の正義はないのだ。これでこの巨悪を掣肘できるのは、国民の声、すなわち私たちの世論の力だけとなってしまった。

話をもどす。それだけでは終わらなかった。カート・キャンベルが突如日本に飛んで来た。彼は、普天間問題の実質的な米国側の責任者だ。彼は国務次官補・東アジア・日本担当のトップという人物゚だ。その彼は誰と会談を申し込んだのか?当該担当の岡田外相、北沢防衛相、あるいは移設問題の責任者である平野官房長官なのか。

そうではなかった。キャンベルは、動揺する普天間問題に決着をつけうる人物に会いにきたのだ。それは言うまでもなく、怪電波発信源でしかない首相などであろうはずもない。キャンベルが海を超えて会いに来たのは、被疑者・小沢一郎その人だったのである。

米国がこの起訴されるかどうかというギリギリの時点で会談を設定したのは偶然だったのかもしれない。しかし、いずれにせよ、明後日には失脚する可能性のある者と会っても仕方なかろう。

米国は知っていたのである。司法当局は小沢権力に手を触れることが出来ないことを。そして小沢しか現政権内で、辺野古移転反対を唱える社民党を押さえ込む実力を持つ人物がいないことを。

会談は完全な秘密形式で行われ、会談後彼は「ナイス・トークス」」(いい会談だった)と語ったといわれる。おそらく米国は、小沢を最高権力者として承認することと引き換えに、普天間の辺野古移設になんらかの言質を引き出したのである。明文化されない秘密交渉。

たぶんそれは、期限の5月以前に無能な首相に小沢が引導を渡し、社民党を説き伏せ、その見返りに辺野古I移転を決めることだ。たぶん辞任する日に、鳩山首相はこうしゃらと言ってのけるだろう。

「私が一生懸命県外移設をしたようとした努力を、沖縄県民や国民の皆様には充分ご理解頂けていると信じております」

小沢の政治的延命とこの阿呆の首を引き換えにして、辺野古の海は埋め立てられることとなった。私はこの予想が外れることを心から望む。


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